【アメリカ】バンダイナムコ・アメリカ、長期入院小児患者向けのゲーム提供NPOに寄付

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 バンダイナムコホールディングスの米国子会社バンダイナムコ・エンターテイメント・アメリカは5月24日、長期入院している子供にゲームを通じた支援を提供している財団Gamers Outreach Foundationに約2万米ドル(約220万円)を寄付したと発表した。 Gamers Outreach Foundationは、院内で病院スタッフが小児患者にゲームの機会を提供するためにキット「GO Karts(Gamers Outreach Karts)」を提供しており、現在全米約30ヶ所の病院にキットが据え置かれている。毎年45万人の患者がGO Kartsでプレーをし、ストレスの多い入院生活の中で癒やしの時間を得ている。  バンダイナムコ・エンターテイメント・アメリカは、今回の寄付に際し、チャリティキャンペーンとして「Let’s Play Anime」を実施。Let's Play Animeでは同社のゲーム最新作に関連付けた番組を提供し、視聴者等から約5,500米ドル(約60万円)の寄付を得た。同社は集まった寄付と同額のマッチング寄付を行うとともに、追加で1万米ドルを拠出し、合計で約2万米ドルの寄付となった。

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【カナダ】オピオイド関連死が増加。政府は警告ステッカーの貼付を義務付け

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 カナダは前例のないオピオイド危機に見舞われている。同国政府が公表したデータによると、2016年に「明らかなオピオイド関連死」として報告された事案が全国で2,946件発生した。内訳は、偶発的(非意図的)な死が2,593件(88.0%)、自殺が250件(8.5%)、不明が103件(3.5%)。中でも偶発的な死が966件(100,000人当たりの年間死亡率20.3)発生したブリティッシュ・コロンビア州では同年に「公衆衛生非常事態」を宣言している。  この状況はさらに悪化し、2017年1月から9月の間には、「明らかなオピオイド関連死」は全国で2,923件発生し、その内、偶発的な死が2,694件(92.2%)、自殺が126件(4.3%)、不明が103件(3.5%)となっている。ブリティシュ・コロンビア州ではこの間に偶発的な死が1,076件発生しており(100,000人当たりの推定年間死亡率29.8)、脅威的だ。    注目されるのは、2017年1月から9月に発生した偶発的死の内、72%が「フェンタニル」の服用によるもので、2016年の55%と比較すると大幅に増加している。フェンタニルは、モルヒネやヘロインより遥かに強力で、麻酔や鎮痛等に使われる合成オピオイドだ。人口約3,515万人で、ロシアに次いで世界第2位の面積をもつカナダは、オピオイド関連死に関しても地域によるバラツキが大きいが、全体としては、2016年と2017年1月から9月の偶発的な死亡者の76%は男性で、最も死亡率の高い年齢層は30~39歳だという。  これを受けてカナダ保健省は、2018年10月から薬局や病院・診療所で処方されるすべてのオピオイド系医薬品に依存症、中毒、過剰摂取に関する警告ステッカーの貼付と、過剰服用の際の症状や副作用の可能性等に関するハンドアウト(プリント)を患者に配布することを関係機関に義務づけると5月2日に決定した。連邦政府によるこのような規制は、2014年に制定された「ヴァネッサ法」が基盤となっている。  ヴァネッサ法とは、2000年に当時15歳だったヴァネッサ・ヤングさんが胃腸疾患の処方薬を服用した後に死亡した事件を機に制定された。後にこの薬は安全でないことが解り市場から排除されたが、ヴァネッサさんの父親でオンタリオ州オークビル出身の保守党の国会議員だったテレンス・ヤング氏が、同国における医薬品の安全性を確保するためのモニタリング・システムを、より厳格なものにすべきとして働きかけを行い、実を結んだものだ  同法の下では、(1)医薬品による重篤な副作用および医療機器事故に関する特定の医療機関による報告義務、(2)関連機関や企業に対する情報提供の要請、新たな試験・研究の要望やモニタリング、製品評価の指示等の権限を保健大臣に付与、(3)医療関連製品の安全に関する機密情報を必要に応じて開示する権限を保健大臣に付与、(4)医薬品および医療機器のラベルやパッケージを修正または交換するよう企業に要請する権限を保健大臣に付与、(5)安全でない医療関連製品を市場から排除する権限を保健大臣に付与等の項目が含まれている。全体的に保健大臣の権限を強化し、違反者に対しては厳罰を科する方策により、医薬品や医療機器の安全性を確保する内容となっている。  今回決定された警告ステッカーの貼付とハンドアウトの配布は、ヴァネッサ法の下で実施する初のケースだという。カナダ健康保健省のチーフ・メディカル・アドバイザーであるスプリヤ・シャーマ博士は、「オピオイド危機の多くは、違法に入手された薬物に起因しているが、処方医薬品によるオピオイドもこの問題に関与している」と語っている。そして最も重要なことは、カナダ中で副作用や危険性に関する一貫した情報を共有することだと指摘する。  さらに同氏は、カナダでのオピオイド系医薬品はリスクマネージメント・プランが欠如したまま承認されたものであり、今回の決定を機に、関連製造業者は製品が市場に出回ってからの有害事象をモニターする方法や、医療関係者がトレーニングを通して、医薬品を使用する患者のリスクを最小限にする方法等を含むリスクマネージメント・プランを作成し、保健省に提出するよう求めると述べている。  このような政府の方針に対し、カナダ薬局協会は疑問を呈している。同協会のフィル・エムバーリー専門事務担当マネジャ-は、薬局や薬剤師側では、患者1人11のニーズや個別の対応を重視しており、患者全体を同種のグループとして扱うことには懐疑的であるとコメント。また同じオピオイド系でも、メサドンやサボキソンのような、フェンタルほど強力でない医薬品を使用する患者にとっては、警告ステッカー等は不適切だと指摘する。  医薬品の有効性と患者の安全性の確保、そして医療専門家の関与と企業の責任範囲等を含む重要な課題に、政府の早急な取り組みが求められている。 【参照ページ】Health Canada mandates warning sticker on all prescription opioids  【参照ページ】National report: Apparent opioid-related deaths in Canada (released March 2018) 【参照ページ】Overview of Vanessa’s Law 【参照ページ】Vanessa’s Law to protect Canadian from unsafe drugs 【参照ページ】カナダ 一般事情:外務省

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【国際】気候変動対策を進めれば医療費を5700兆円削減できる。ロンドン大学教授論文

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 有力医学誌ランセットは3月5日、パリ協定に沿う気候変動対策を進めることで大幅に医療費削減できるとする論文を掲載した。論文の発表者は、ロンドン・スクール・オブ・ハイジーン・アンド・トロピカル・メディスン(LSHTM)のAndy Haines教授。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局も同論文を紹介し、気候変動への投資を加速するよう呼びかけている。  パリ協定の基で各国が提出した削減目標を積み上げても、気温上昇は産業革命前から3℃上昇してしまう。国際エネルギー機関(IEA)は、2℃目標を達成するために7%の投資増を求めているが、同論文によると投資を実現することで2040年には300万人の人命を救うことができる。これら健康悪化を防ぐことで削減できる医療費は、二酸化炭素排出量1t当たり50米ドルから380米ドル。一方、現在、化石燃料分野には各国政府から5.3兆米ドルの補助金が出ている。  国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局は、同論文で発表された研究内容から試算すると、今世紀半ばまでに医療費を54兆米ドル(約5,700兆円)削減できると表明した。 【参照ページ】Implementing Paris Agreement Could Save Governments USD 54 Trillion in Health Care – Report 【論文】Health co-benefits of climate action

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【アメリカ】ディズニー、キャラクターグッズで入院中小児のストレス軽減。病院と協働

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 エンターテイメント世界大手米ウォルト・ディズニー・カンパニーは3月7日、世界中の小児病院の患者や家族の支援に100億米ドル(約110億円)を投じると発表した。資金提供、キャラクターグッズ等の商品、サービス等を組み合わせた高度なサービスを提供し、辛い病院生活のストレスを軽減する。  取組はまず、全米最大の児童病院で先進的な小児科医療で有名なテキサス州ヒューストン「テキサス小児病院」に導入される。患者が入院する際には、患者の好きなディズニーキャラクターグッズが病室ベッドに並べてもらえる。依頼管理にはRFIDシステムが用いられる。さらに、病室は、好きなディズニーアニメの壁紙、布団カバー、枕カバーでデコテーションされ、院内ゲーム設備にもディズニーゲームを配備し、家族で団らんできるようにする。室内や院内の簡易シアターでディズニー映画や動画を見られるようにもする。  ハード面だけなくソフト面でも仕組みを整備する。同社の人材開発部門Disney Instituteが、小児病院の患者対応を改善するため、医師、看護師、病院スタッフを対象にした顧客経験研修も実施する。同アクション提供のため、ディズニーは、世界中の医師、看護師、病院関係者、親、児童ケア専門家と協議を重ねている。  ウォルト・ディズニー・カンパニーはその他、難病と闘う子供の夢を実現するサポート「ウィッシュ寄贈」に取り組む世界中の団体との協力を推進。2017年には1万人の夢を叶える手伝いをした。1980年代に開始したこの取組で累計で12万人の夢を叶えるサポートをしてきた。 【参照ページ】The Walt Disney Company Commits More Than $100 Million to Bring Comfort to Children and Their Families in Hospitals

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【スイス】ノバルティス、クリプトスポリジウム症治療薬開発でゲイツ財団から助成金獲得

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 製薬世界大手スイスのノバルティスファーマは2月14日、感染性下痢症の一種であるクリプトスポリジウム症の治療候補薬KDU731の開発に向け、ビル・メリンダゲイツ財団から助成金650万米ドル(約6.9億円)を獲得したと発表した。  下痢症は世界的に小児死亡の主因の1つとなっており、毎年約525,000人が死亡している。下痢症には感染性と非感染性のものがあるが、特に安全な水の確保が困難な地域や下水道および下水処理システムが未整備の地域においては、バクテリア、ウイルス、寄生生物等による感染性の下痢症に注意が必要だ。  クリプトスポリジウム症は、2歳未満の乳幼児の感染性下痢症の内、2番目に罹患率が高い。クリプトスポリジウムは、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ネズミ等の腸管寄生原虫として確認されていたが、1976年にヒトへの感染が初めて報告され、1980代には、後天性免疫不全症候群(AIDS)の患者間で致死性下痢症の病原体として注目された。  1980年代半ば以降は、英国、米国そして日本においても水系汚染に伴うクリプトスポリジウム症の集団感染が発生し、特に1996年に埼玉県入間郡越生町で町営水道水の汚染により8,800人の町民が感染した事例は、クリプトスポリジウムの感染力の強さを印象づけた。国立感染研究所によると、通常の浄水処理(凝集、沈殿、濾過)で完全に除去することは困難であり、塩素消毒にも抵抗性があるという。  免疫機能が正常な大人が罹患した場合には、下痢(主に水様下痢)、腹痛、倦怠感、食欲低下、悪心等の症状があり、多くの症例では数日から2~3週間持続し、自然治癒に至るとされている。しかし現時点ではワクチンや根治する薬剤が存在しないことから、先述のように、乳幼児やAIDSの患者間では致死の確立が高い。  ノバルティス熱帯病研究所(Novartis Institute for Tropical Diseases: NITD)が開発を進めているKDU731は、培養細胞や動物を使用する非臨床試験において、クリプトスポリジウム脂質キナーゼPI(4)Kに対する阻害剤として効果的に作用することが確認された。現在はヒトを対象とした臨床試験の開始に向け安全性の確認を行っているという。NITDは、マラリア、クリプトスポリジウム症と共に、3つの主要なキネトプラスト類による感染症であるアフリカ睡眠病、シャーガス病、リーシュマニア症を治療するための新薬の発見および開発に照準を合わせる同社の研究所。 【参照ページ】Novartis forms alliance to develop medicines for treating infectious diarrheal disease 【参照ページ】Diarrhoeal disease 【参照ページ】国立感染研究所:クリプトスポリジウム症とは

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【EU】欧州委員会、医療技術評価の共通化でEU規則案作成。今後、欧州議会・EU理事会で審議

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 欧州委員会は1月31日、医療技術評価(HTA)に関するEU加盟国間の協調を促すEU規則案を採択(閣議決定に相当)した。医薬品や医療技術の臨床試験手法の共通化を目指す。同規則案は今後、欧州議会(下院に相当)とEU理事会(上院に相当)での審議に移る。  同規則案は、EU市民に迅速に最先端に医療技術を利用可能できるようにするとともに、医療業界にとっての予見可能性を高める目的がある。医療技術評価は、医療観点だけでなく、社会、経済、倫理等多角的な面で実施される。社会、経済、倫理面での評価は各加盟国の権限として残るが、医療観点の評価手法は統一したい考え。  同規則案は、共同臨床試験、共同科学的レビュー、新規医療技術の認定、引き続きの自主的協調の4つの分野で今後検討を深めていく。 【参照ページ】Assessing health technology in the EU: Commission proposes to reinforce cooperation amongst Member States

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【国際】オランダNGO、製薬世界大手30社の薬物耐性(AMR)対策を評価。塩野義製薬も対象

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 オランダNGOのAccess to Medicine Foundationは1月23日、世界的に大きな課題となっている薬剤耐性(AMR)に関する取組について、製薬世界大手30社の取組状況を分析、評価した世界初のレポート「薬剤耐性ベンチマーク(Antimicrobial Resistance Benchmark)2018」を発表した。対象企業は、新薬開発8社、ジェネリック開発10社、バイオ医薬品開発12社の合計30社。日本企業では塩野義製薬が対象となった。  現在、世界では抗生物質の過剰使用等により、薬剤耐性を持つ新たな菌の発生を加速し、抗生物質が効かない状況が生まれつつある。対策として、新種のスーパー耐性菌(Superbug)に対抗できる新薬開発だけでなく、医薬品販売会社による抗生物質の過剰販売抑制や工場排水での抗生物質濃度の削減、スーパー耐性菌繁殖の追跡等が求められている。AMR対策は、世界保健機関(WHO)、G7会合、G20会合でも議題に上っている。  AMR対策での世界の先進企業は、新薬開発ではグラクソ・スミスクラインとジョンソン・エンド・ジョンソン、ジェネリック開発ではマイラン、バイオ医薬品開発ではEntasis。グラクソ・スミスクラインは、スーパー耐性菌に効く新薬開発とともに、営業部門に対し、抗生物質とそれ以外の営業インセンティブを分ける戦略を採用。抗生物質の過剰販売を防止する取組を実施している。ジョンソン・エンド・ジョンソンは、薬剤耐性を持つ結核に効く新薬開発を政府のプログラムを通して進めている。昨今抗生物質販売の多くを担っているジェネリック業界では、マイランの公正価格推進と環境リスクマネジメントが評価された。ジェネリック業界は新薬開発業界に比べ企業の情報開示が少なく、透明性が求められている。また報告書は、全ての企業においてさらなる対策が必要と総括した。  国際製薬団体連合会(IFPMA)は、2016年の世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)の場で、薬剤耐性問題対応の新たなイニシアチブ「Declaration on Combating Antimicrobial Resistance」を宣言し、AMR Industry Alliance(薬物耐性業界連合会)を発足した。現在、加盟企業数は100社以上。日本からは日本製薬工業協会(JPMA)、塩野義製薬、大塚製薬、明治ホールディングスの4団体が加盟している。AMR Industry Allianceは1月18日、初の進捗報告書「Tracking Progress To Address AMR」を発表した。 【参照ページ】Superbugs: first independent comparison of pharma companies’ efforts to address drug-resistant infections 【報告書】Antimicrobial Resistance Benchmark 2018 【機関サイト】AMR Industry Alliance 【報告書】Tracking Progress To Address AMR

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【アメリカ】CVS Pharmacy、広告画像の加工で方針策定。行き過ぎた美の追及を懸念

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 米ドラッグストア大手CVSヘルスの小売子会社CVS Pharmacyは1月15日、広告写真の画像加工処理に関する新たな方針を策定すると発表した。加工処理をすることで消費者に対し非現実的な美を押し付ける風潮を懸念したため。米国では、青少年や若い女性が、健康を害してまでダイエット等をしてしまう傾向が生まれている。画像加工に関する方針を設けることで、一人ひとりが自然な美を受け入れられるようにする。  まず、形、サイズ、プロポーション、肌の色、目の色、しわ等の外見に関する画像加工を「重大な加工」と定義。2018年から重大な画像加工をしていない自社制作素材については、証明マーク「CVS Beauty Mark」を付与。2020年末までには、店舗で使う全ての写真素材で「CVS Beauty Mark」を用いる。そのため、2020年末までには、メーカー等が制作する写真素材についても間接的に同方針の対象となる。  CVS Pharmacyは、全米で約9,700店舗を展開。これまでも消費者に配慮した方針を数多く打ち出しており、たばこ販売の中止、健康食品の取扱拡大、自社ブランド商品での有害化学品使用の中止を率先して導入してきた。 【参照ページ】CVS Pharmacy Makes Commitment to Create New Standards for Post-Production Alterations of Beauty Imagery

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【アメリカ】ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、2017年版CSRレポート発表

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 ドラッグストア世界大手米ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは1月4日、2017年度サステナビリティ報告書「2017 Corporate Social Responsibility Report」を発表した。同社は、米ウォルグリーンが英Alliance Bootsを2014年12月31日に買収し誕生。同社のサステナビリティ観点で世界的に評価が高く、数々の賞を受賞している。売上1,174億米ドル(約13兆円)、経常利益60億米ドル(約7,000億円)。同社の決算期は8月31日。  同社は、マテリアリティとして、「コミュニティ」「環境」「市場」「職場」の4分野で合計12のテーマを置いている。具体的なテーマは、コミュニティで、「関わるコミュニティの健康、ウェルビーイング、バイタリティを支援する」「世界中どこでも若者が潜在能力を発揮できるようにする」「がんと闘うため経営資源とパートナーシップを開発・動員する」の3つ。環境では、「エネルギー消費量とGHGプロトコルの定義による二酸化炭素排出量を削減する」「 廃棄物を削減し、サーキュラーエコノミーの推進に貢献する」「2020年までに森林破壊をネットゼロにする」の3つ。市場では、「原材料の透明性と販売商品のトレーサビリティを確保するための世界規模でのプロセスを構築する」「人権に配慮した調達を継続し、環境課題に向き合うため幅広いサプライヤーを支援する」「主要な外部組織と協働する」の3つ。職場では「従業員の健康とウェルビーイングを積極的に支援する」「平等な雇用機会にコミットする」「従業員と顧客の健康と安全を継続的に改善する」の3つ。  同社は、企業買収の経緯もあり、主に、旧ウォルグリーンを中心とした北米ドラッグストア事業、旧ブーツを中心とした欧州ドラッグストア事業、旧アライアンス・ヘルスケアを中心とした医薬品卸業の3事業で構成されている。今回の報告書からは、これら3事業の達成状況を比較可能な形で開示するため、環境データや職場データに関しては、3事業それぞれの数値を開示した。開示データはデロイトが第三者保証を提供した。  国連持続可能な開発目標(SDGs)との関連では、当該会計年度中に事業活動とSDGsとの統合を実施し、SDGsへの貢献に向けた大規模な従業員トレーニングも展開した。とりわけSDGsでは医療関連企業として、疾病対策や医薬品に対する取組を強化しており、レポートでは、米国で関心が高まるオピオイド系鎮痛剤乱用への対策や、薬剤師へのがん教育を大きく取り上げた。 同レポートの主要内容 米国で蔓延するオピオイド系の鎮痛剤乱用対策を実施。薬の廃棄用キオスク設置を進め、2016年以来150t以上の不要薬品を回収した。米国45州で、オピオイド拮抗薬であるナロキソンを処方箋なしに販売した。 ブーツUKの従業員と顧客は、Macmillan Cancer Support(マクミランがんサポート)に過去8年で1500万ポンドを寄付。また、がん患者とその家族に向き合うため、2,200名以上の薬剤師がBoots Macmillan Information Pharmacists研修を受講。 白血病リンパ腫協会との提携を深め、薬剤師が悪性リンパ腫患者に適切な対応をできるよう研修を実施。 Red Nose Dayの賛同者として、約1,060万の赤い鼻のおもちゃを販売し、得た2,000万米ドル以上を国内外の関係団体に拠出。子どもを対象に栄養価の高い食事や薬品、清潔な水、その他健康な生活に不可欠な商品・サービスを提供。 カーボン・フットプリントを前年比6.5%削減 ブーツUKは、2005年に開店した店舗での排出量を33%削減。二酸化炭素排出量削減目標を3年前倒しで達成。  その他、設定している12テーマそれぞれについても、定量的な進捗状況を情報開示した。 【参照ページ】Walgreens Boots Alliance Publishes 2017 Corporate Social Responsibility Report

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【アメリカ】オピオイド系薬剤の過剰処方や乱用で33,000人以上が死亡。諮問委員会報告

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 米国ではオピオイド系薬剤の過剰処方や乱用により中毒者が激増して大きな社会経済問題になっている。オピオイドとは麻薬性鎮痛剤を指し、「中枢神経や末梢神経に存在する特異的受容体(オピオイド受容体)への結合を介してモルヒネに類似した作用を示す物質」の総称。植物(ケシ)由来の天然のオピオイド、化学的に合成・半合成されたオピオイド、体内で産生される内因性オピオイドに3分類できる。  近年、このオピオイドをベースにして様々な鎮痛剤が開発されており、「薬物使用と健康に関する全米調査」(National Survey on Drug Use and Health: NSDUH)の試算によると、2016年には同国の成人9,180万人がオピオイド系薬剤を処方され、1,150万人が乱用したという。オピオイドには呼吸抑制作用があり、過剰摂取により呼吸困難が起きる場合もある。アメリカ疾病管理予防センター(CDC)が発表したデータによると、2015年にオピオイド系薬剤の飲みすぎで死亡した人は33,091人にのぼった。2016年のデータは開示されていないが、CDCは2015年を超えると予測している。この事態を放置できなくなったトランプ大統領の委託を受けた諮問委員会は11月1日、提言書を公表した。     同国で最初の「オピオイド・クライシス(危機)」が起きたのは19世紀半ばから後半。南北戦争(1861年から1865年)の軍人および兵役経験者の痛み止めとして、医師が無制限にモルヒネ、ローダナム、パレゴリック、コデイン、ヘロイン等、オピオイド系の処方をした。その影響は公衆衛生の側面だけに留まらず、深刻な社会経済問題に発展。その後、オピオイド系薬剤の処方に対して注意を促す連邦法制定や薬剤師や医師の意識改革もあり、問題は鎮静化していった。  しかし1980年に医学誌「New England Journal of Medicine」に「麻薬類の治療による中毒者は稀にしか発生しない」と主張する論文が掲載され、オピオイド系薬剤の投与量、人数、投与期間等、重要な情報が欠けていたにも拘わらず、600以上の記事や論説に引用された。その後も同様の論文が発表され、オピオイド系薬剤の危険性より安全性や効用が主張されるようになった。医薬品が大量生産の時代に入ると、医療機関の増加や薬剤販売網の拡充等の背景もあり、純度が高く、強い効き目をもち、口から服用できるオピオイド系薬剤も大量に生産・流通されるようになった。20世紀の終わりには今日の蔓延の土壌というべき体制が形成されたという。  今回、諮問委員会が発表した提言書にはは56項目の推奨事項が盛り込まれている。とりわけ注目されるのは、93カ所ある連邦及び各州の司法管轄地区全てに、ドラッグ・コート「薬物専門裁判所」を設置することを勧告していること。ドラッグ・コートとは、違法薬物の所持や使用、薬物依存による違法取引等の薬物事犯者(被告人)に対し、処罰よりも回復を目的とした制度や施設を指す。被告人の有罪が確定し、刑罰や処分を決定する前の段階で、検査官、弁護人、裁判官が協議し、薬物依存からの回復プログラムへの参加が妥当かどうか決める。決定され、被告人が同意した場合には6カ月間のプログラムが開始され、無事に修了すると仮釈放になる。その後、保護観察による定期的な薬物検査や薬物依存者用のプログラムへの参加が義務づけられ、回復をサポートするという内容だ。  この薬物専門裁判所に対しては、申請により連邦政府からの助成金が拠出されることが、米合衆国憲法第34編10611節に掲げられている。通常、薬物関連の犯罪者は再犯率が高いといわれるが、米国のドラック・コートによるプログラム修了者の再犯率は低く、有効性が認められている。  諮問委員会は、この他にも、薬物の乱用による死亡者や中毒者等のデータ収集とその共有化、麻薬中毒とオピオイド系薬剤の危険性を警告するメディアキャンペーン、医師・薬剤師等に対する薬物過剰投与・服用の副作用や弊害に関する教育・研修、乱用の危険性を中心とする患者へのインフォームドコンセントの徹底、オピオイド系鎮痛剤の削減と代替薬剤の使用の促進等も勧告している。  さらに、処方箋の偽造や薬剤の流用を防ぐための電子処方箋の活用、救急医療従事者等により呼吸困難者に対する必要に応じた(オピオイド系薬剤の拮抗剤)ナロキソンの投与、患者満足度調査での痛みの項目の削除等も挙げた。近年、「痛みの見える化」すなわち痛みを数値化する傾向が強まっているが、痛みの抑制に向けた過度な治療もまたオピオイド系鎮痛剤の過剰処方につながっていると警告を発している。  諮問委員会は、クリス・クリスティ・ニュージャージー州知事が議長。委員にはチャーリー・ベイカー・マサチューセッツ州知事、ロイ・クーパー・ノースカロライナ州知事、パトリック・J・ケネディ元下院議員、バーサ・マドラス・ハーバード大学医学部教授、フロリダ州司法長官の5名が務めた。 【参照ページ】Trump opioid panel will recommend nationwide drug courts, tightened requirements for prescribers 【参照ページ】Drug Courts 【参照ページ】Legal Information Institute :34 U.S. Code Subchapter XXX- DRUG COURTS 【参照ページ】オピオイド:日本ペインクリニック学会 【諮問委員会最終報告書】THE PRESIDENT’S COMMISSION ON COMBATING DRUG ADDUCYION AND THE OPIOID CRISIS

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