【日本】NGO、アパレル62社の人権取組状況調査。人権に対する取組に大きな遅れ

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   東京に本部を置く国際人権NGOヒューマンライツ・ナウと英国に本部を置く国際人権NGOビジネスと人権資料センター(BHRRC)は12月21日、日本を拠点に活動する主要な日本企業、グローバル企業計62社に対し、人権ポリシーの策定と取り組み状況に関する調査結果を発表した。一部の先進的企業を除いて、人権リスクへの対処ができていない実態が浮き彫りとなった。  今回の調査では、H&M、GAP、インディテックス、FOREVER 21、ディーゼル、ニューバランス、NIKE、アディダス、パタゴニア等のグローバル企業と、ファーストリテイリング、イオン、しまむら、ワールド、オンワードホールディングス、青山商事、AOKIホールディングス、はるやまホールディングス、コナカ、タカキュー、ワコールホールディングス、ユナイテッドアローズ、グンゼ、ライトオン、ゴールドウィン、アシックス、ミズノ、ユニー、良品計画、エドウィン、ウィゴー、レナウン等の日本企業の双方に対しアンケートを実施した。  このうちアンケートに回答した企業は21社と約3割と低かった。さらに、国際基準に適合する人権方針や調達指針を策定している企業は13社しかなかった。当該13社はH&M、GAP、アディダス、パタゴニア、ファーストリテイリング、ワコールホールディングス、ハニーズホールディングス、ダイドーリミテッド、イオン、イトーヨーカ堂、アシックス、ミズノ、三起商行。  一方、アンケートに回答したが、十分な人権方針や調達指針がなかった企業は、オンワードホールディングス、アダストリア、TSIホールディングス、三陽商会、レナウン、ヤマトインターナショナル、良品計画、ストライプインターナショナルは8社。  人権侵害が多発している外国人技能実習生に関する対応では、上記の21社のうち、ハニーズホールディングス、ダイドーリミテッド 、ヤマトインターナショナル、アシックス、良品計画、イトーヨーカ堂は対応しておらず、GAPは「わからない」と答えた。H&Mは、日本にサプライヤーがいないと回答した。 【参照ページ】ファッション・スポーツウェア企業62社の人権対応に関するアンケート調査結果公表 【参照ページ】Human rights concerns in the Japanese apparel industry

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【EU】欧州委、タイのIUU漁業対策を評価し輸入「イエローカード」解除。時期尚早との批判も

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 欧州委員会は1月8日、タイ政府が違法・未報告・未規制(IUU)漁業対策に非協力的として2015年4月から発動していた「イエローカード」措置を解除した。タイ政府が、漁業労働者への人権侵害や現代奴隷扱いを防止するための法規制や行政制度を整備したことに一定の評価をした。これによりタイからEUへの水産物輸出禁止警告が解かれた。  漁業のサステナビリティを脅かすIUU漁業は、世界全体で年間1,100万tから2,600万t水揚げされていると推定されている。市場規模にすると100億から200億ユーロ(約1.25兆円から約2.5兆円)で世界市場の15%に相当する。そのうちEUは世界最大の水産物輸入国であり、2010年に施行したEUのIUU規則により、輸出国政府のIUU漁業対策度合いを基に、輸出許可措置を「グリーンカード」「イエローカード」「レッドカード」の3つに分類している。  欧州委員会が、当該国をIUU漁業対策に非協力的と認定すると「イエローカード」が発動され、欧州委員会と当該国政府との間で公式協議が開始される。それでも非協力的と判断されると、「レッドリスト」が発動され、当該国からEUへの水産物輸入が禁止される。一方、公式協議を通じて、対策を開始したと判定されれば「グリーンカード」扱いとなり、警告が解かれる。  タイ政府は、2015年4月に「イエローカード」が発動されて以降、欧州委員会との協議に建設的に臨んで来た。その中で、国際法に即した国内法の整備、国家としての義務遵守の強化、漁船統制強化、漁業活動の遠隔監視、港湾での検査計画の改善等を整備してきた。  タイは、漁業国として世界有数で、太平洋とインド洋で操業を行っている。水産加工産業も発展しており、タイがIUU漁業に本腰を上げることは国際的に大きな意味を持つ。またタイは、国連食糧農業機関(FAO)の港湾国対策協定の締約国として、港での外国漁船上陸に対する規制を強化し、インド洋および太平洋海域の国々との協力も強化してきた。 また、EUは、タイ政府が最近、国際労働機関(ILO)漁業労働条約(第188号)を批准したことも評価した。  一方、今回のタイの「イエローカード」解除は時期尚早との批判もある。環境NGOのEnvironmental Justice Foundationは、タイでの対策は不十分との見方を示した。またタイが結社の自由を保障する他のILO条約を批准していないことも問題視されている。  欧州委員会は現在、カンボジア、コモロ諸島、セント ビンセント及びグレナディーン諸島の3カ国に対し「レッドカード」を発動している。また、キリバス、シエラレオネ、セントクリストファー・ネイビス、台湾、トリニダード・トバゴ、ベトナムには「イエローカード」が出ている。一方、かつて「レッドリスト」が発動されたが解除された国は、ベリーズ、ギニア、スリランカの3ヶ国。 【参照ページ】Commission lifts “yellow card” from Thailand for its actions against illegal fishing 【参照ページ】Questions and Answers - Illegal, Unreported and Unregulated (IUU) fishing in general and in Thailand

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【カンボジア】NGO95団体、労働組合指導者への有罪判決を非難。EUは政府の土地収用で懸念表明

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 カンボジアで労働組合リーダー6人が禁固刑執行猶予判決を受けた事案で、NGO95団体は12月25日、有罪判決を非難する共同声明を発表した。また別件での土地収用による市民の強制移住問題では、EUが12月27日に懸念を表明した。カンボジアでは、労働や土地収用に関する人権問題が多く発生している。  労働組合リーダー6人は、2013年に最低賃金に関する労働運動を主導。これに対し当局は、暴行罪、器物破損罪、脅迫罪、往来妨害罪に関連する4つの罪で起訴していたが、最終的に全て煽動罪を問う刑事裁判となった。プノンペンの一審裁判所は12月11日、6人はそれぞれ懲役2年半と犠牲者2に対する給与損賠賠償3,500万リエル(約96万円)の判決を言い渡した。  これに対しNGOの共同声明は、6人の行為は正当な労働運動行為であり、有罪判決は無効と主張。政府に対し、カンボジア人の結社の自由と、労働組合が組合員の利益のために活動する権利を保障するよう要求した。被告人側もすでに12月18日、控訴した。  12月27日には、駐カンボジアEU大使館は、土地騒動は重大な案件であり、一貫した透明性の高い解決と相応の補償をカンボジア政府に促した。人権侵害や労働権侵害が多発しているカンボジアに対し、EUは2018年3月、武器以外の全品目で数量制限なしにEU域内への輸入関税を撤廃する「EBA制度」の停止を公式に検討し始めている。

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【日本】政府、外国人技能実習制度で初の監理団体許可取り消し。講習なし労働と虚偽報告等

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 法務省と厚生労働省は12月27日、外国人技能実習制度に関し、兵庫県加西市の協同組合クリエイティブ・ネットの「監理団体」許可を取り消すと発表した。監理団体は、技能実習生受入れ機関の監査を担当する機関で、政府から許可を得て事業を運営している。監理団体の許可取り消しは今回が初。  厚生労働省は、監理団体許可取り消しの理由として、「協同組合クリエイティブ・ネットは、外国人技能実習機構による実地検査において、虚偽の入国後講習実施記録の提出等を行った」と説明。講習を受けさせないまま技能実習生のタイ人11人を働かせていた。  今回、協同組合クリエイティブ・ネットのが監理を担当していたタミワ玩具、フジモト、明加繊維の技能実習計画も認定を取り消した。3社とも兵庫県加西市に本社を置く。フジモトと明加繊維は、取締役が技能実習生に対して虚偽の答弁を行うよう指示してもいた。技能実習計画の認定取り消しは、2017年11月の適正化法施行による制度強化後、2例目。  外国人技能実習制度の受入れ機関には、劣悪労働や給与未払い、事前説明とは異なる業務への従事等の事例が数多く発生しており、人権侵害とみなされるケースも多い。受入れ機関自身やサプライチェーンに抱える企業には人権対策が求められている。 【参照ページ】監理団体の許可取消及び技能実習計画の認定取消を通知しました

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【日本】2018年ブラック企業大賞は三菱電機。WEB投票賞は財務省、特別賞は日立製作所

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 ブラック企業大賞企画委員会は12月23日、三菱電機を「ブラック企業大賞2018」に選出した。ウェブ投票による「WEB投票賞」は財務省、「特別賞」は日立製作所・日立プラントサービス、「有給ちゃんと取らせま賞」はジャパンビバレッジ東京だった。ブラック企業大賞の発表は今年で7年目。  ブラック企業大賞企画委員会は、弁護士、労働組合団体、ジャーナリスト、NGO等11人で構成。パワハラ、セクハラ、残業代未払い、長時間労働、派遣差別、偽装請等の観点を基に「ブラック企業大賞」を選出している。  ブラック企業大賞には、ジャパンビジネスラボ、ジャパンビバレッジ東京、日立製作所・日立プラントサービス、モンテローザ、ゴンチャロフ製菓、財務省、スルガ銀行、野村不動産、三菱電機の9社・1官庁がノミネートされており、最終審査の結果、三菱電機が大賞となった。  三菱電機の受賞理由は、2014年から2017年の間に男性SE社員5人が長時間労働が原因で精神障害や脳疾患を発症。労災認定されていた。2人は過労自死した。同委員会は、「同社は再発防止できず、4年間に2人もの過労自死を出したことは極めて重大であり、短期間に長時間労働を原因とした労災が5件も認定されたことも異常な状況」とコメントしている。  WEB投票賞を受賞した財務省は、事務次官がテレビ朝日の女性記者に対して、取材中に性的な言動を繰り返していたことが報道された事件で、顧問弁護士による調査で事務次官によるセクシュアルハラスメント(セクハラ)があったと判断していた。しかし事務次官側はセクハラを否定し、麻生太郎財務大臣も「セクハラ罪という罪はない」と発言したことを取り上げた。  特別賞を受賞した日立製作所は、2013年に入社した20代社員が、日立プラントサービスに在籍出向中、長時間労働頻発による精神疾患が労災認定。さらに所長から「いらない」「着工まで不要」「めざわりだから帰れ」「仕事辞めてしまえ」などの暴言を受け続けていたという。また、日立製作所では数百名のフィリピン人技能実習生を不正に働かせたとして、法務省が技能実習適正化法違反の疑いで同社を調査していることも受賞理由となった。 【参照ページ】第7回ブラック企業大賞2018 ノミネート企業発表!

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【国際】英金融団体LGBT Great、フィデリティ、LGIM、ノーザン・トラスト等5社が創設企業として加盟

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 投資運用業界の英LGBT団体「LGBT Great」は11月30日、英投資運用大手5社が創設加盟企業となったと発表した。同団体は、投資運用業界においてLGBTインクルージョンの環境作りを推進している。今後幅広く業界企業の加盟を募る。  創設加盟企業となったのは、英フィデリティ・インターナショナル、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、ノーザン・トラスト、Tロウ・プライス、セント・ジェームズ・プレイス。  5社が創設企業に加わったLGBT Greatは、新たなLGBTインクルージョン測定ガイドとして「Investment Industry Benchmark Tracker(iiBT)」を発表。投資運業界が取り組むべき9項目のLGBTインクルージョン観点を整理し、自主的な取組を求めた。 【参照ページ】LGBT GREAT MEMBERSHIP LAUNCH ANNOUNCEMENT

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【マレーシア】ゴム手袋Top GlobalとWRP、強制労働や劣悪労働の疑い。英紙ガーディアン報道

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 英国民保健サービス(NHS)は、強制労働への関与の疑いのあるマレーシアのゴム手袋メーカー2社Top GloveとWRPから医療用ゴム手袋を調達している疑いが判明した。英紙ガーディアンが12月9日、報じた。本件との直接の関係は定かではないが、Robeco等一部の投資家は、今回の報道の後にTop Gloveの株式を売却した。NHSは、調達した手袋を、英国のグループ病院や医療施設に供給していた。  ガーディアンの報道によると、Top Gloveのネパール人従業員8人、バングラデシュ人従業員8人から事情を聞いたところ、週7日間、1日12時間以上勤務させられており、月の休日は1日しかなかったという。工場で手足を負傷する労災も多数報告されており、移民労働者のパスポートも会社が強制的に保管し、返還請求にも応じていない模様。  WRPでも同様の労働慣行が見られ、超過残業の横行、パスポートの会社管理強制、3ヶ月以上の給与支払遅延、日曜日以外の外出禁止等が従業員ヒアリングから浮かび上がってきた。  これに対し、Top Gloveは、超過残業については改善が必要だと認めたものの、労働権侵害や強制労働の実態については否定。WRPも否定した。しかしTop Gloveは、ガーディアンを提訴するかについては、「不必要なことに資源を使いたくない」と訴訟はしないと表明。必要な内部調査については実施すると述べた。  Top Globeは、FTSE RussellのマレーシアでのESGインデックス「FTSE4Good Bursa Malaysia Index」に採用されている。 【参考ページ】NHS rubber gloves made in Malaysian factories linked with forced labour 【参考ページ】Top Glove will not take any legal action against UK's The Guardian

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private 【国際】紛争鉱物RMI、ブロックチェーン用いた鉱物サプライチェーン管理ガイドライン公表

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 電子機器業界サステナビリティ推進機関RBA(責任ある企業同盟、旧EICC)の紛争鉱物フリー推進イニシアチブ「責任ある鉱物イニシアチブ(RMI、旧CFSI)」は12月12日、鉱物サプライチェーン管理にブロックチェーン技術を用いる際の自主ガイドラインを発表した。昨今、鉱物サプライチェーン管理にブロックチェーンを活用するプロジェクトが世界で複数立ち上がっており、今回のガイドラインは推奨される基本的要件を提示した。  ブロックチェーン・ガイドライン策定は (more…)

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【アメリカ】シティグループ、人権声明改訂。ビジネスと人権に関する指導原則や正の効果にも言及

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 金融世界大手米シティグループは12月10日、2007年に策定した同社の人権声明を改訂した発表した。12月10日は「世界人権デー」のため、グローバル企業から人権に関する発表が相次いだ。  シティグループの以前の人権声明では、エクエーター原則によるプロジェクトファイナンスでの人権リスクマネジメントやセクターポリシー等に焦点を当てていたが、改訂された人権声明では (more…)

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【アメリカ】ニューヨーク州労働組合、アマゾンの不当労働慣行を非難。アマゾンは反論

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 米ニューヨーク州の小売・ホールセール・デパート労働組合は11月28日、アマゾンの劣悪労働環境、反労働組合慣行、店舗型ビジネスの雇用破壊、以前の人種差別主義商品の販売を非難するレポートを発表。これに対しアマゾンは、誤った事実認識や誇張があると反論している。  今回のレポートは、多くがすでに報道機関等によって公開されてきたデータやニュースを整理した形でまとめられている。アマゾンは11月13日、第2本社を、ニューヨーク州クイーンズとバージニア州アーリントンに設立すると発表したばかり。これに対し、第2本社が立地されることになるニューヨーク州の労働組合が反応した形。  アマゾンは、Business Insiderの取材に対し、米国で25万人以上の雇用創出に貢献しており、時給も15米ドル以上に設定していると主張。アマゾンのEコマース・プラットフォームで販売する事業者を加えるとさらに90万人の雇用創出を実現したと強調した。また、労働組合についても、加入するか否かを選択する権利を尊重しているとした。 【レポート】What's wrong with Amazon 【参照ページ】Amazon got a hostile welcome from a New York labor union, which savaged its working conditions as 'deadly and dehumanizing'

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