private 【フランス】Sherpa、「環境・人権デューデリジェンス法」遵守ガイダンス発行。大企業の法的義務対応

Facebook Twitter Google+

 仏NGOのSherpaは2月12日、フランスの大企業に対しサプライチェーンの環境・人権デューデリジェンスを義務化した2017年2月制定の「デューデリジェンス法(law on the duty of vigilance)」の遵守に向けたガイダンスを発行した。同法は、フランスで5000人以上または世界で10,000人以上のグループ企業親会社に対し適用。英国現代奴隷法に環境デューデリジェンスが追加されたものと解釈できる。  Sherpaが2018年に、80社以上の対象企業の開示状況をチェックしたところ、多くの企業では非常に簡素な記述しかされておらず、同法が求める重要性を反映していないものになっていた。同法は、 (more…)

» 続きを読む

【EU】欧州委、カンボジアへの輸入関税撤廃優遇措置の一時停止手続開始。1年後に最終判断決定

Facebook Twitter Google+

 欧州委員会は2月11日、カンボジアに対し、武器以外の全品目で数量制限なしにEU域内への輸入関税を撤廃する「EBA制度」を一時的に停止する手続きに入った。政治参加、団結権、結社の自由、表現の自由等で深刻な人権侵害や労働権侵害が確認されたため。欧州委員会は2018年7月に、今回の決定の是非を判断するための情報収集を開始していた。 【参考】【カンボジア】NGO95団体、労働組合指導者への有罪判決を非難。EUは政府の土地収用で懸念表明(2019年1月3日) 【参考】【カンボジア】アパレル大手工場、未払賃金要求ストライキ実施の従業員1200人を一斉解雇(2019年1月10日) 【参考】【カンボジア】労働大臣、省内官僚に労働組合保護規定の法律遵守通達。組合側は姿勢に懐疑的(2019年1月26日)  今回開始された「EBA制度」の暫定撤回手続きでは、直ちに輸入関税が課せられるわけではないが、カンボジア政府に対するモニタリングやエンゲージメントが今後6ヶ月間、集中的に実施され、場合によっては輸入関税復活の判断も最終的に下されることもある。今回の決定は、2月12日に官報に掲載され、正式に発動した。集中モニタリングの後、最長3ヶ月間かけ作成された報告書が欧州委員会に提出される。官報掲載の1年後に、輸入関税復活の最終判断が発表され、6ヶ月後に施行される。  今回の決定は、欧州委員会が2018年10月4日に起案し、加盟国政府が2019年1月末に承認した。 【参照ページ】Cambodia: EU launches procedure to temporarily suspend trade preferences

» 続きを読む

【ヨーロッパ】欧州評議会、ビジネスと人権に関するハンドブック発行。弁護士や幅広い関係者向け

Facebook Twitter Google+

 欧州47ヶ国が加盟する欧州評議会は2月8日、法律実務家や他の幅広い関係者を対象に、欧州でのビジネスと人権に関するハンドブック「A handbook for legal practitioners」を発行した。欧州評議会は、欧州人権条約に基づいて設置された欧州人権裁判所等を持ち、人権分野を活動の重点の一つとしている。  同ハンドブックは、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)で掲げられている3つの柱を踏襲しており、「人権を保護する国家の義務」「人権を尊重する企業の責任」「救済へのアクセス」について、法的論点を整理している。例えば、「人権を保護する国家の義務」では域外適用、「救済へのアクセス」では裁判所での苦情処理メカニズムと裁判外苦情処理メカニズム等について欧州での法理をまとめた。  同ハンドブックは、弁護士や司法関係者だけでなく、政府、企業法務、オンブズマン等のNGO、メディア等にも読んでほしいとしている。 【ハンドブック】A handbook for legal practitioners

» 続きを読む

【ブラジル】ダノンとネスレ関連会社、販売代理店の人権侵害で当局から責任追及。ブラックリスト入りか

Facebook Twitter Google+

 ブラジル労働雇用省は2月6日、仏ダノンと、スイス・ネスレとニュージーランド・フォンテラの冷凍食品製造合弁会社Dairy Partners Americas(DPA)Brasilを、現代奴隷に関与している個人や法人を公表する「ブラックリスト(Lista Suja)」に追加する可能性があると発表した。販売代理店の訪問営業マンが販売先の貧困層28人を借金漬けにしていた2018年10月の人権侵害事件で、ダノンとネスレの商品を販売していたことから商品主の共謀責任が問われている。  今回の事件は、セアラー州の貧困地域から連れてこられた販売代理店の訪問営業マンが、賞味期限切れ間近のヨーグルトをサンパウロ州サルト市で値引き販売し、購入していた28人を借金漬けにしていたというもの。ダノンとDPA Brazilは直接的な関与はないが、訪問営業マンが販売していたヨーグルトの70%がダノンまたはネスレのものだったことから、販売サプライチェーンの監督責任が追及されている。残り30%は、小規模メーカーのものだが、まだ労働監督当局は企業名を明らかにしていない。  ブラジル労働雇用省の「ブラックリスト」は、法律ではなく労働雇用省令によって2004年に運用を開始。現在、約210の個人及び法人がリスト入りしている。リスト入りすると、政府系金融機関からの融資や政府系機関からの助成金等が受けられなくなる。  ダノン・ブラジルは、今回の発表に対し、訪問営業マンとは直接関係はないと責任を否定。共謀者と見られていることに対し反対する姿勢を示した。同社は、労働雇用省ともパートナーシップを結び、労働ベストプラクティスを普及させつつ、自社製品を販売する約1万社の複雑なサプライチェーンの中で反奴隷労働に努めてきたと主張している。  DPA Brazilも同様に、責任を否定。事件発覚後、問題となった販売代理店との関係を終了し、小規模販売代理店の状況を検証するための外部監査人を採用する最終段階にあるとし、同社の奴隷労働反対に対する積極姿勢を訴えた。  メーカーが、幅広い販売サプライチェーンでの行為にも責任を求められるような状況になってきている。

» 続きを読む

【日本】東興青果、ベトナム人外国人技能実習生21人を解雇。札幌の労組は損害賠償求め提訴

Facebook Twitter Google+

 愛知県春日井市にある東興青果に雇用され、上川郡東川町と網走郡美幌町にある同社関連会社Tokoファーム等で勤務していたベトナム人外国人技能実習生21人全員が、1月25日付けで解雇された。東興青果は「事業規模縮小による人員削減」と説明。しかし、21人が加入する札幌中小労連・地域労働組合(札幌地域労組)は1月29日、同社が組合加入を妨害したとして、220万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴した。  また、労働組合側は1月29日、同社が派遣先の請負農業事業者に農業指導の実習を丸投げしたのは偽装請負で職業安定法違反に当たるとし、国に対して技能実習適正化法に基づく受入停止等の措置を取るよう申告した。東興青果に技能実習生を斡旋した外国人技能実習制度の監理団体、三愛友好交流協同組合に対しても不誠実と批判している。  訴状等によると、同社は1月8日、21人に解雇を通知。このため、技能実習生7人は1月21日に、他の11人も1月25日に11人の技能実習生が札幌地域労組に加入したが、同社は1月25日、「次の実習先が決まるまで生活費など給与を保障するが、労働組合に入ったら給与はない」と連絡し、技能実習生11人を労組から脱退させたという。  札幌地域労組は、東興青果と三愛友好交流協同組合の両者に対し団体交渉を申し入れたが、東興青果は応じず、組合員らに個別に低額での和解条件を示して妥結させようとしたと主張。組合との団体交渉を経ずに、組合員へ説明や条件提示することは不当労働行為に当たると非難した。  外国人技能実習生に関する不当な扱いについては、人権侵害として国内外からの関心が高まっている。ESG評価においても、「結社の自由」の尊重が重要な要素となっている。 【参照ページ】【株式会社東興青果】ベトナム人技能実習生21名、不当解雇問題

» 続きを読む

【UAE・カタール】人権BHRRC、ホテル大手17社の移民労働者人権対応評価。フォーシーズンズ、ヒルトン等

Facebook Twitter Google+

 国際人権NGOビジネスと人権リソースセンター(BHRRC)は1月、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイとカタールのホテル業界を対象とした人権対状況調査報告書を発表した。2020年にはドバイ国際博覧会が、2022年にはカタールで2022FIFAワールドカップが開催されるが、湾岸諸国の都市部では、南アジアの移民労働者に対する人権侵害が常態化している。今回、BHRRCは、人権侵害の震源地の一つであるホテルチェーン大手17社を対象に質問票を送付した。  17社のうち回答したのは、フォーシーズンズホテル、ヒルトン、ハイアット、インターコンチネンタル・ホテル・グループ(IHG)、マリオット、ラディソン、ウィットブレッドの7社。回答しかなかったアコーホテルズ、Deutsche Hospitality(旧シュタイゲンベルガー・ホテルズ)、ジュメイラ・グループ、ケンピンスキー、ミレニアム&コプトーン・ホテルズ、マイナー・インターナショナル、シャングリ・ラ・ホテルズ&リゾーツ、Rotana、Indian Hotels Company、ウィンダム・ホテルズ&リゾーツの10社についても、公開情報や移民労働者ヒアリングを通じて、評価を行った。  移民労働者からのヒアリングでは、採用費負担、移動の自由の制限、残業手当未払いの3つが主要な問題となっていることがわかった。このうち採用非負担及び移動の自由の制限は、国際的に「強制労働」と認識されている。BHRRCの分析では、フォーシーズンズホテル、ヒルトン、マリオット、ラディソンの4社は開示レベルが最も高く、ベストプラクティスな取組と評価できるとした。  個別には、17社のうちヒルトンだけが、UAEとカタールのホテルオーナーに対し、人権観点でのデューデリジェンスを実施していた。また、サプライヤーに対し、労働者のパスポートを雇用主側が保管することを禁止しているのはフォーシーズンズホテルだけだった。ラディソンは、UAEで労働者側の意思で契約が終了できる制度を整備しており、ラディソンとヒルトンは結社の自由に制限があるUAEとカタールのホテルオーナーに対し代替策を講じるよう求めていた。  17社のうち、サプライチェーン労働基準を公表しているのは12社。サプライヤーに対する基準コンプライアンスの手法までも公表しているのは、フォーシーズンズホテル、ヒルトン、ラディソンの3社だった。 【参照ページ】Press Release: Hotel chains in Qatar and UAE ‘failing’ to protect migrant workers ahead of World Expo and World Cup 【レポート】Inhospitable: How hotels in Qatar & the UAE are failing migrant workers 【参照ページ】Inhospitable: How hotels in Qatar & the UAE are failing migrant workers

» 続きを読む

【日本】最高裁、性別変更には生殖機能摘出手術必要と判断。NGOは人権侵害と批判

Facebook Twitter Google+

 最高裁判所第2小法廷は1月23日、性別変更のためには生殖機能をなくす手術を必須とする性同一性障害(GID)特例法の規定は、個人の尊重をうたう憲法13条等に違反すると行政を訴えた家事裁判で、「現時点では憲法に違反しない」との初判断を示し、性別変更を認めない決定を下した。今回の決定に対し、人権NGO等が人権侵害と反発している。  今回の裁判は、岡山県新庄村の戸籍上女性の市民が原告。同氏は、体は女性だが心は男性で性同一性障害(GID)と診断。子宮と卵巣を摘出する手術を受けずに、2016年に岡山家庭裁判所津山支部に性別変更を申し立てたが、却下。2018年には広島高等裁判所岡山支部も家裁の判断を支持。同氏は不服として、最高裁に特別抗告していた。  今回、最高裁は、4人全員一致の意見で、原告の訴えを退けた。理由として、(1)性別変更後に元の性の生殖機能により子が生まれる混乱の防止、(2)生物学的な性別に基づき男女の区別がされてきた中で急激な変化を避ける配慮、を挙げた。しかし裁判官2名は、手術なしでも性別変更を認める国が増えてきた状況を踏まえ、「憲法13条に違反する疑いが生じている」との補足意見を示した。  国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチは、性別変更のために生殖能力をなくす手術を義務づけることは「強制不任」に該当すると批判。また、「世界保健機関(WHO)等の国際機関が強制不妊を批判している」と述べ、最高裁の判断を国際人権基準違反と主張し、極めて残念と批判した。  2004年に性同一性障害特例法が施行されてから、2017年までに性別変更した人は約7,800人。しかし、国内には4万人以上GIDの人がいると言われている。同法では、GIDに診断され、20歳以上で未婚、生殖機能を欠く等の条件を設け、家庭裁判所が性別変更の許可をできると定めている。

» 続きを読む

【カンボジア】労働大臣、省内官僚に労働組合保護規定の法律遵守通達。組合側は姿勢に懐疑的

Facebook Twitter Google+

 カンボジアのイット・ソムヘーン労働・職業訓練相は1月15日、労働省官僚に対し、労働組合保護を規定する労働組合法を厳格に遵守するよう命じた。カンボジアでは労働争議が多発しており、社会問題となっている。労働問題等に対しては、EUは輸入優遇措置の停止もちらつかせており、政府も放置できなくなってきているが、労働団体側は、今回の大臣発言も単なる「ポーズ」ではないかと、徹底には懐疑的な見方を示している。 【参考】【カンボジア】アパレル大手工場、未払賃金要求ストライキ実施の従業員1200人を一斉解雇(2019年1月10日) 【参考】【カンボジア】NGO95団体、労働組合指導者への有罪判決を非難。EUは政府の土地収用で懸念表明(2019年1月3日) 【参考】【カンボジア】首相、労働組合相手の刑事訴追を全て取り下げ。EU経済制裁方針と大手企業協議の成果(2018年11月11日)  今回の通達は、12月14日付となっているが1月15日に発せられた。ソムヘーン大臣は、同省官僚に対し、労働組合指導者に家族や身内の情報の提出を要求指定はならないと命令。また、地方の労働組合が同省に出向かずとも、労働組合の連合体を通じて労働組合の行政登録ができるようにするよう命じた。これまで、労働組合の指導者に対しては、行政当局から心理的プレッシャーをかけられていたことが背景にはある。  労働組合の連合体「Collective Union of Movement of Workers」のパブ・シナ委員長は、今回の通達を歓迎する一方、12月14日付の通達が1月15日まで発せられていなかったことに対し、同省に対する不信感を顕にした。また、1月に入ってからもアパレル工場での大量一斉解雇が起きた際にも同省は会社側に好意的な姿勢を見せており、同委員長は、同省の姿勢を信用するには、まず企業に対し労働組合関係者への嫌がらせを止めさせなければならないと注文をつけた。

» 続きを読む

【ノルウェー】公的年金運用NBIM、香港アパレル徳永佳を投資除外指定。人権侵害基準に抵触

Facebook Twitter Google+

 ノルウェー公的年金基金GPFGの運用を担うノルウェー銀行投資マネジメント部門(NBIM)は1月17日、香港アパレル大手の徳永佳ホールディングス(Texwinca Holdings)、米Evergy、米Washington H. Soul Pattinsonの3社を投資除外指定した。  徳永佳ホールディングスは、関連会社Megawellのベトナム工場で女性差別、結社の自由の制約、職業上の安全衛生が指摘されており、徳永佳ホールディングスはMegawellへの支配権を否定していたが、ノルウェー銀行は徳永佳ホールディングスの責任があると判断した。  米Evergyと米Washington H. Soul Pattinsonについては、ノルウェー銀行は「一般炭(石炭)関連事業の売上が30%以上」企業は投資除外すると定めており、今回のこの基準に抵触すると判断した。 【参照ページ】DECISIONS TO EXCLUDE COMPANIES FROM THE GOVERNMENT PENSION FUND GLOBAL

» 続きを読む

【ラオス】中国とラオスを結ぶ鉄道建設、ラオス市民4,400世帯が強制移住。政府補償にも遅れ

Facebook Twitter Google+

 ラオスと中国を結ぶ鉄道路線建設が2016年に開始して以降、ラオスでは約4,400世帯が強制移住させられているが、正当な補償が受け取れないでいる。一部の人は、行き場をなくし、タイ等の近隣諸国へ移住した人もいる。鉄道網は、ラオスから中国への輸出促進が期待される一方、補償な強制移住については人権問題が潜んでいる。  移住者への補償については、2016年4月に発布されたラオス政府令84号で、土地を収用された人は、所得、財産、収穫物等の補償を受けられると定めているが、2年経っても音沙汰がない人が続出。政府は、家屋を喪失した人が優先で、農地収用の人は後回しと説明しているが、政府が補償をしないのではという憶測も生まれ始めている。  ABCラオス・ニュースによると、2018年11月時点までで政府が補償責任を負う3億米ドルのうち、すでに補償したのは半分の1.56億米ドルのみ。政府は、残りの補償を実施するためには、中国からの借入をしなければいけない状況だという。  ラオスと中国の鉄道網は2021年に完成予定。 【法令】Decree 84

» 続きを読む
ページ上部へ戻る