【ドイツ】ドイツ銀行のシンクタンク、自然言語処理活用のESG定量評価ツールα-DIGリリース

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 ドイツ銀行グループのシンクタンク子会社Deutsche Bank Research(DB Research)は4月25日、自然言語処理(NLP)技術を用いてESG要素の定量評価を行うツール「α-DIG」をリリースした。アニュアルレポートや四半期レポートの記載内容とウェブサイト上の情報を読み取り、当該企業に対する従業員、顧客、サプライヤーの評価を分析。投資機会や投資リスクマネジメントに結びつける。  DB Researchは、人工知能(AI)を用いたデータ解析プラットフォーム(dbDIG)を運営している。同プラットフォームは、リスクマネジメント誌から「クオンツ・リサーチ・ハウス・オブ・ザ・イヤー2018」に表彰された。今回の「α-DIG」は、DB Researchが同プラットフォームを用いて自身で開発したツール第1号。開発には、米ダウ・ジョーンズも協力した。  リリース時点では、世界5,000社を分析対象とする。 【参照ページ】Using big data to provide portfolio management solutions

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【国際】世界経済フォーラム、機械学習の人権侵害リスクを報告。尊重すべき原則を策定

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 世界経済フォーラム(WEF)は3月13日、機械学習(マシンラーニング)が差別等の人権侵害を引き起こすことを防止するための白書「How to Prevent Discriminatory Outcomes in Machine Learning」を発行した。世界経済フォーラムは、年次総会「ダボス会議」で有名だが、社会課題や環境問題への対策を検討するため「グローバル未来委員会(Global Future Council)」の活動も展開している。グローバル未来委員会には14の委員会で構成されており、今回の白書を発行したのは人権委員会。  機械学習が差別を助長した事例はすでに発生している。例えば、融資の与信審査アルゴリズムにおいて、インターネット利用者の多い都市部データで学習が行われることで、農村部の人が正しく評価されなくなってしまう。司法アルゴリズムでも、差別的な観点を含む過去の判例を元にしたアルゴリズム開発は新たな差別につながりかねない。人材採用でも、学歴フィルターを機械学習技術を用いて開発した場合、低所得者層を不当に差別することにつながる。  白書では、機械学習を用いる上でのリスクを示し、開発者が尊重すべき原則をまとめた。原則には、「アクティブ・インクルージョン」「フェアネス」「理解する権利」「救済措置へのアクセス」の4つがある。 【参照ページ】World Economic Forum Unveils New Principles to Make Machine Learning More Human 【レポート】How to Prevent Discriminatory Outcomes in Machine Learning

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【インタビュー】米TruValue Labs、人工知能活用の画期的な企業分析ツール「Insight360」

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 ESG投資にフィンテックの波が押し寄せている。フィンテックはこれまで決済を中心に新たなサービスが誕生してきたが、徐々に投資運用にもフィンテックが使われるようになってきた。そして今、ESG投資の世界でもAIを用いたサービスが誕生してきている。  投資運用におけるAIの活用は、一般的にクオンツ運用モデルの開発用に検討されていることが多い。AIは、人間が感知しきれない市場の異常値(アノマリー)を見出し、そこからリターンを得ることができると考えられているためだ。近年は、AIを用いて自動的にトレーディングの執行までをミリ秒単位などの高頻度で行う「高頻度取引(HFT)」までもが行われるようになってきている。  一方、長期思考を重要視し、投資先の内容をじっくり吟味するESG投資においては、AI活用は縁遠いという見方がこれまで強かった。実際、ESG投資で用いられる企業のESG評価では、企業が毎年報告するアニュアルレポートを基に各項目をデータ化しているため、1年単位という比較的少ない頻度で銘柄選定に反映されることが多い。しかし、この手法では、企業の不祥事や悪い材料が出てきた際に、タイムリーに銘柄評価に反映させることができないというデメリットがある。それへの対応策として、主要なESGインデックスでは、日々のニュースの中で「Controversy(物議)」なものをウォッチし、できる限り素早く評価に反映する工夫がなされている。そして、この日々のニュースをモニタリングするためのツールとして、AIを活用するサービスも生まれてきている。  しかし今回紹介するTruValue Labsのツール「Insight360」は、これまでの手法とは一線を画する方法でESG評価にAIを活用している。TruValue Labsは、AIエンジニアが中心となり2013年7月に米サンフランシスコで創業した企業。TruValue Labsが開発したInsight360が画期的なのは、企業のESG評価に、企業が情報開示するアニュアルレポートやESG評価機関のスコアデータを一切使わない点にある。代わりに、世の中に出回っている膨大な活字データをもとに、企業のESG関連の各項目をスコアリングするという非常に新しいアプローチを採っている。この独創的なツールは、米国を軸に世界中の機関投資家の支持を獲得しつつある。    アニュアルレポートのデータを活用しないESG評価はどのようにして可能なのか。Insight360を基に運用した場合に超過リターンは得られるのか。2017年12月、来日したTruValue Labsのデービッド・シルバーChief Revenue Officerに直接話を伺った。 デービッド・シルバー Chief Revenue Officer まずInsight360の概要を教えてください  当社では、ESG、AI、ビッグデータという世界的に大きなトレンドとなっている3領域を包摂する形で銘柄評価や投資ポートフォリオ評価を行うツールを提供しています。  昨今ESG投資は世界的に非常に大きなうなりとなっています。この背景には、企業価値に占める無形資産(Intangibles)価値の割合が近年大きく上昇していることがあると考えています。無形資産には、知的財産の価値やブランド価値等が含まれます。企業価値に占める無形資産の割合は、1975年にはわずか17%でしたが、1995年には68%、2015年には87%にまで高まってきています。そのため、企業価値を評価する側にも、財務情報だけでなく、非財務情報を的確に分析する力が必要となってきています。 TruValue LabsがESG評価でAIを活用している背景は?  私たちがESG評価にAIやビッグデータを活用していることには大きな理由があります。これまで企業のESGを評価する主流の手法は、企業自身が開示するデータや報告をもとに評価を行うというものでした。しかし、私たちは、それは優れたESG評価の方法として十分だとは考えていません。企業の評価を行うのであれば、企業の言い分でなく、企業以外の第三者が行う企業の評価をもとにESG評価をするべきだと考えているからです。  私たちは、AIを活用して、75,000もの英語のオンライン情報ソースを常にウォッチし、情報を収集しています。情報ソースには、オンラインニュースサイト、政府当局の発表、政府の調査レポート、業界団体や調査機関の発表、NGOが発信するニュースやレポートやインフルエンサーの発信する情報等が含まれます。この中に、企業自身が発表するプレスリリースは含まれていません。 その情報からどのようにESG評価を行うのですか?  こうして収集する情報の量は毎月100万を超えます。それをさらにAIを用いてESG関連テーマの情報だけを抽出していきます。抽出は単純なキーワード検索ではなく、自然言語処理技術(NLP)を用いて文脈を判断し、ESGとの関連性を自動的に判別していきます。抽出後の情報量は約30%となり、毎月30万件程度となります。  当社のツールの大きな特徴の一つは、良い情報も悪い情報も双方収集することにあります。他社のツールでは、「Controversy」という悪い情報だけを集めたりしていますが、ここが大きな違いです。そのため、収集されたESG関連情報はさらに自動現処理技術によりリアルタイムで「ポジティブ」なものか「ネガティブ」なものかが文脈から自動判定されます。判定は0から100までの尺度で行い、50より上がポジティブ、50より下がネガティブなものとしています。  収集されたESG関連情報は、同様にAIにより、当社が設定しているESG評価14項目に分類されていきます。次に、各項目のポジティブ・ネガティブ度合いの判定を行います。そして、全項目の単純平均を総合スコアとして算出します。この一連のプロセスを、新たな情報が出る度にAIがリアルタイムで次々と処理をしていきます。  これに加え、最近の開発で、SASBが設定しているESGの30項目でも分析できるSASB版が追加されました。こちらは、SASB30項目の総合スコアに加えて、当該企業の業種のSASBマテリアリティ項目のESGパフォーマンスを確認することが出来ます。 リアルタイムで評価するということは、企業評価が刻々と変わるということですよね?  そうです。私たちのツールでは、ほぼリアルタイム単位のスコアを「Pulse」と呼んでいます。ですが、Pulseは、その時点で発信された情報に大きく左右され、ボラティリティが高くなりやすい。実際に企業評価をする際には、Pulseの細かい動きではなく、Pulseのトレンドの変化こそが重要だと思っています。  そのため、私たちのツールでは、より長期での移動平均を「Insight」、より短期(ツール上では12か月)での移動平均を「Momentum」と呼び、企業ごとにその2つを表示できるようになっています。これにより、各企業のESGの動向の変化を捉え、投資判断に活用できるようになっています。  また同時に、各企業について、過去12ヶ月間の情報量の多さを示す、すなわち情報の信頼度を示す「Volume」スコアも表示しています。  Pulseを形成する日々の情報の中身も、シームレスに閲覧することができます。各情報の閲覧ページ上部には、AIが自動的に文章の要約を作成、表示するという便利機能も備わっています。 現在何社のESGデータがありますか?  Insight360は現在、世界8,500社をモニターしています。そのうち約4,000社は米国の上場企業。残り4,500社はMSCIワールドやMSCI新興国インデックスの採用企業ですので日本企業も含まれています。  この8,500社については、過去3年分のPulse、Insight、Momentum、Volumeのデータが閲覧できます。来年1月からは、そのうちS&P500とラッセル1000採用企業については過去5年分のデータが、来年2月からは、S&P500については過去10年分のデータが見られるようになる予定です。 機関投資家はInsight360をどのように活用していますか? (出所)TruValue Labsホームページ  Insight360では、各企業について総合スコアとマテリアリティ毎のスコアを閲覧できますし。そのすぐ上には業界平均データも表示していますので、業界平均との比較も迅速にできます。これにより、当該企業の評価が高いのか低いのかがすぐにわかります。その右側には、InsightとMomentumのトレンド動向が表示されています。  さらに、Insight360は、各企業の個別の分析だけでなく、同じ方法でポートフォリオ全体の分析も行えるようになっています。ポートフォリオの中で、好調な銘柄と不調な銘柄をすぐに見分けることができます。  Insight360の具体的な活用方法にはいくつかありますが、とりわけポートフォリオ構築・管理、リスク管理、エンゲージメントツールとして使われています。例えば、運用会社は、Insight360での各企業のESG動向を把握し、ポートフォリオ管理やリスク管理、またアセットオーナー向けの報告や、投資先企業へのエンゲージメントを行っています。また、アセットオーナー側は、各社のESG動向をタイムリーに把握することで、運用会社とコミュニケーションをする材料として活用しています。 Insight360を活用することで投資パフォーマンスは高くなりますか? (出所)TruValue Labs  上のグラフは、2013年1月から2017年6月までのリターンを比較したものです。一番下がS&P500(ベンチマーク)。真ん中がS&P500のうち、Volumeが小さい企業を除外し、さらに総合スコアのInsightが低い企業を除外した167社のリターン。一番上が、その167社のうちMomentumが高い上位50社のみのリターンです。  ご覧のように、Insight360をフル活用した一番上の線は、ベンチマークと比べ年間リターンが5%高く、真ん中の線でも3.5%高いという結果が出ています。 (出所)TruValue Labs  こちらのグラフは、伝統的なスマートベータとの比較です。こちらもS&P500がベンチマークです。ファクターモデルを用いたスマートベータのリターンが薄い青。Insight360 を活用したモデルのリターンが緑。両方を合わせたものが濃い青です。こちらでも、Insight360を用いた緑のリターンが高いことがわかりますし、既存のスマートベートと組み合わせてもリターンが高く出ることも確認できます。 インタビューを終えて  今回のインタビューの中で、TruValue Labsより、企業自身が開示する情報を一切用いず、外部評価のみを用いているという話を聞いたとき、正直驚きました。これまで企業の情報開示や報告書は、投資家と投資先企業のコミュニケーションと言われ、企業が適切な情報を正しく開示することに重点が置かれてきました。しかし、TruValue Labsのアプローチは、この前提を根本から否定しているように聞こえます。  このように全てを外部評価のみに頼るという分析手法は、投資運用の世界で主流になったとはまだ言えません。TruValue Labsのツールを活用するアセットオーナーや運用会社も、これまでの分析手法やツールを補完する形でTruValue Labsのツールを利用しているようです。しかしながら、今後も「補完」という位置づけのみに留まると断じることはできません。  2017年には、企業の情報開示の信頼性を揺るがすような事件が日本企業の間でも相次ぎました。産業界全体で企業の情報開示への信頼を高める状態を創り上げていかなければ、TruValue Labsのアプローチが徐々に主流になっていくのかもしれません。

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【中国】政府、AI産業促進3カ年計画制定。自動運転や無人飛行機、AIロボット等で2020年までの目標設定

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 中国国務院工業情報化部は12月14日、人工知能(AI)産業を発展させる2020年までの3カ年計画「促進新一代人工智能産業発展三年行動計画(2018-2020年)」を省、自治区、直轄市等の政府に通知した。中国国務院は今年7月、中国を2030年までにAI分野で世界のリーダーとなるため、巨額の新規投資を行う計画を発表していた。今回の通知はそれを具現化したもの。  同行動計画では、行動目標として4分野を定めた。 製品分野:AI自動車、AIロボット、無人航空機、AIを用いた医療画像解析の臨床活用、動画・画像認識、AI音声、AI翻訳等で世界をリード 核インフラ分野:AIセンサーの設計、ファウンドリ、テスト技術の向上、ニューラルネットワーク処理チップの量産、技術促進のためのオープンソース型プラットフォームの整備 製造分野:AI製造ライン、複雑な状況把握、人との機会の新たな協働、予知保全等AI工場モデルの進展 関連分野:データベースの標準化、試験の標準化、AI標準フレームワークの設定、初期的な安全・試験評価システムの整備  製品分野については、2020年までの目標も同時に設定した。AI自動車では、運転手が必要でなくなる「自動運転レベル4(高度自動運転)」を実現するためのリアルタイム高度AI自動車のプラットフォームや、関連分野の標準化作業を進めていく。無人飛行機では、2020年までに機体の傾きを0.005度レベルで感知し、機体周辺の障害物を360度検知できる技術を開発し、制度面でも無人飛行機の飛行制限区域の設定等を進める。その他の製品分野でも、AI精度レベルの達成目標等を掲げた。 【参照ページ】工业和信息化部关于印发《促进新一代人工智能产业发展三年行动计划(2018-2020年)》的通知

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【アメリカ】マイクロソフト、AIを用いた環境分析プログラム「AI For Earth」に追加で5千万米ドル投資

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 IT世界大手米マイクロソフトは12月11日、同社の人工知能(AI)を用いた環境分析プログラム「AI For Earth」を拡大するため、今後5年間で約5,000万米ドル(約56億円)を投資すると発表した。  AI For Earthは、マイクロソフトが今年7月12日にロンドンでのAIイベントの場で発表した新プログラム。農業、水、生物多様性、気候変動等の環境データを人工知能技術を用いて分析しソリューションを見出していくもの。マイクロソフトは、クラウド型のAIプラットフォーム「Azure」を提供する等、AI技術を先導している企業の1社。AI技術を環境分野に用いることで、環境サステナビリティに寄与していく。  同プログラムは、「Access」「Education」「Innovation」の3つの分野で構成されている。まずAccessでは、大学やNGOに対しAIツールを開放し、AI技術が価値を発揮できる分野での協働を行っていく。加えて大学やNGOに対する助成金支給プログラムを開始する。助成金申請は7月から可能となった。Educationでは、積極的にAIの勉強会を開催し、幅広いユーザーへの利用喚起を行う。また、Innovationでは、大学、企業、NGO、政府等の先進的組織とプロジェクトを組成する。すでに自然保護のための土地マッピングプロジェクト、センサーやドローン等を活用した農業生産性向上プロジェクト、伝染病蔓延を防ぐため効果的な蚊取り技術開発プロジェクトの3つが展開しているが、さらにプロジェクトを増やしていく。マイクロソフトはこのプログラムを、AI技術そのものの可能性を高める事業マーケティングとしても用いる。  今回のプログラム拡大発表は、その活動を発展させるもの。まずAccessではすでに助成金支給団体が10ヶ国35団体あるが、それをさらに増やす。Innovationへの取組では、プロジェクトの質を高めるためマイクロソフトの各部署からも人員を出しプロジェクトチーム体制を構築する。また、プロジェクトから得た成果を他のプロジェクトやAzureプラットフォーム上でも活用できるようにしていく。 【参照ページ】AI for Earth can be a game-changer for our planet 【参照ページ】Announcing AI for Earth: Microsoft’s new program to put AI to work for the future of our planet

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【国際】国連地域間犯罪司法研究所、人口知能とロボットの脅威を予測・監視する拠点設立

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国連地域間犯罪司法研究所(UNICRI)のCindy J. Smithディレクターは9月26日、第71回国連総会の場で、人工知能を監視し潜在的な脅威を予測するため「人工知能(AI)・ロボット・センター」をオランダ・ハーグに設立すると発表した。すでに今年初めにオランダ政府との間で合意書も締結されており、設立に向けた最終段階に入っている。  人工知能がもたらす脅威については、今年8月にオーストラリア・メルボルンで開催された国際人工知能会議(IJCAI)で、「自律型ロボット兵器」の禁止を呼びかける公開書面にテスラのイーロン・マスクCEOを含む著名人116名が署名したことが話題を呼んだ。同書面では国連にも対処を求めていた。今回設立される「人工知能(AI)・ロボット・センター」は、犯罪組織や無法国家による自律型ロボット兵器の問題だけでなく、人口知能がもたらす大量失業リスクについても研究対象とする。 【参考】【国際】イーロン・マスクらAI専門家、自律型ロボット兵器の早期禁止を国連に求める公開書簡に署名(2017年9月3日)  自律型ロボット兵器については、すでに米国、中国、ロシア、イスラエル等が開発に乗り出している。前述のIJCAIの公開書面では、「キラー・ロボット」と呼ばれる殺傷力の高い自立型兵器ロボットは火薬と核兵器に次ぐ「第3の革命」になると警鐘。キラー・ロボットが開発されると、武力紛争の規模や拡大速度が従来より遥かに大きくなり、罪なき人々に対する独裁者やテロリストによる恐怖の武器となり得るという。  一方、雇用問題では、コンサルティングファーム大手PwCが今年7月に発表した報告書「UK Economic Outlook」によると、英国では1,000万人以上の定型業務の被雇用者が、今後15年以内にロボットに代替されるリスクがあるという。とりわけリスク高いとされたのが、上下水道・廃棄物管理、運送業、倉庫業、製造業、卸売・小売業、管理・支援業務、金融・保険、行政サービス・防衛、電力・ガス等。被雇用者の人数が多い卸売・小売業は225万人、製造業は120万人、管理・支援業務では110万人が失業する可能性が大きいと分析された。業務内容によっては、30%から50%の雇用がロボットやAIの普及により奪われるという。他方、ロボットやAIが普及することにより新たな雇用が生まれる可能性もある。PwCの技術・投資部門のリーダー、ジョン・アンドリューズ氏は、雇用者側が自らの従業員に新たな知識や技術に適応できるよう奨励することに加え、従業員側も積極的なスキルアップへの取り組みや、創造的な思考力を高めることが重要だと指摘している。  国連地域犯罪司法研究所のIrakli Bridze上級戦略顧問は、「迅速に対応しなければ、社会情勢に不安定さを引き起こす可能性がある」「新しい技術を禁じたりコントロールするのではなく、どのように国連持続可能な開発目標(SDGs)に貢献できるかを探ることが重要だ」と述べている。さらに同氏は、国連機関の中にはAIやロボットのプロジェクトを推進しているものもあるが、それらは一時的なものであり、ハーグの新拠点では集約的かつ継続的な取り組みを進め、ロボットやAIがもたらすリスクと利益との双方を研究するとも語った。  国連地域間犯罪司法研究所は、当面、少人数のスタッフで運営する予定。活動内容は、リスクアセスメントとステークホルダーのマッピングおよび分析、トレーニングとメンタリング(助言)プログラムの実施、技術交流の促進、専門家会議の招集政策立案者の意識向上に向けたワークショップの開催、国際会議の開催等。 【参照ページ】Robots could destabilise world through war and unemployment, says UN 【参照ページ】Millions of UK workers at risk of being replaced by robots, study says 【参照ページ】UNICRI Center for Artificial Intelligence and Robotics 【参照ページ】'Killer robot' fears prompt tech leaders to call for UN ban on lethal autonomous weapons

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