【中国】各地方政府、グリーンビルディング推進政策が活況。LEED認証にも大きな注目

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 中国は建築物をグリーンビルディングにする壮大な計画を立てている。国としての気候変動への取り組みとしては、2020年までに新規建設物件の50%をグリーンビルディング認証を得たものにすることを目指すとともに、第13次5カ年計画でも建築物の環境効率化を優先的に扱っている。国際NGOの世界資源研究所(WRI)によると、これらコミットメントを実現すれば、国内のグリーンビルディング件数は2030年までに5%から28%に拡大。12兆9,000億米ドルの投資機会をもたらすことになる。  同時に現在中国は大規模な都市化を進めており、今後15年間で建築物からのエネルギー消費量が40%も増加する見込み。建築物の急増とエネルギー消費総量の削減を両立させる手法に、大きな関心が集まっている。6月6日から8日まで北京で開催される第8回グリーンエネルギー閣僚会議でもこのテーマが議論されたと見られている。今年の閣僚会議は24カ国からの参加者が集まった。  中国の大都市からは、すでに大規模開発・都市かと環境効率向上を両立させている事例がある。今年3月22日に北京で開催された「建築物エネルギー効率アクセラレーター(BEA)東アジア会議」で、3つの事例が紹介された。 上海市長寧区:エネルギー・パフォーマンス・データを用いた建築物ベンチマークの設定  上海市長寧区は、地区の公共建築物165棟のうち160棟で、エネルギー・モニタリング・プラットフォーム(エネルギー使用状況をモニタリングするシステム)を設置。また、平均20%の省エネルギー実現のために、32棟の建物をを改築し、残り133棟でも改築を促すため、他の地域で効果が立証されてた第三者評価に寄る建築物のランキング制度を導入することを検討している。また、建築物の省エネ改善で助成金2,300万元(約3.7億円)を提供。これにより民間部門の投資回収期間が短縮されたため、管理者が自発的に総額1億4000万元(約28億円)の省エネ投資を行った。 無錫市ハイテク産業開発地帯:財務的インセンティブとグリーンビルディング認証のリンク  無錫市ハイテク産業開発地帯では、エネルギー効率の良い建築物の建設を推進するため、2016年2月から革新的な投資ガイダンス政策を発表。LEED認証と中国独自の3つ星評価システムのいずれかを取得した建物には助成金を支給している。いずれかの認証プログラムで最も高い評価を得た建築物は、地方政府から50万元(約800万円)、二番目に高い評価の建築物は、20万元(約320万円)の助成金を受けられる。ヒートポンプ技術、太陽光発電システム、その他のエネルギー効率化と再生可能エネルギー技術の使用にも同様のインセンティブが導入されている。制度はまた開始されたばかりだが、すでに無錫新呉区エコロジカル・シビライゼイション(文明)・パビリオン(展示館)・プロジェクトでは、最新版のLEED認証で最高評価を獲得した。 蘇州市太湖新都市:グリーンビルディングを用いた新都市構想  江蘇省蘇州市太湖は、住民20万人に住宅を提供するとともに、教育訓練、研究開発、観光、金融などハイエンドサービス産業に焦点を当てた都市開発構想を検討している。全ての建物は、中国のグリーンビルディング認証プログラムから最低でも2つ星の評価を受けられるように設計。市政府はさらに、二酸化炭素排出量ゼロ学校の建設、エネルギー・モニタリング・システムの導入など革新的な取組も行う考え。2020年に新都市開発は完成する予定。  WRIは、それでもまだ、都市の包括的計画、政策と規制の実施、利用可能な省エネルギー技術の導入、効果的なビジネスモデルと財務モデルの開発というc課題が残るとし、世界資源研究所(WRI)とパートナーシップを結んでいるBEAのコンサルティングサービスや、エネルギー閣僚会議での具体的なアクション設定が重要だと述べている。 【参照ページ】How Can China’s Green Building Sector Grow Fivefold by 2030? 3 Cities Show Us the Way

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【日本】積水ハウス、エネルギーをほぼ消費しない住宅「ZEH」の販売割合が74%に到達

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 積水ハウスは5月15日、2016年度の同社の新築戸建住宅に占めるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の販売が74%に達したことを明らかにした。 ZEHとは、住宅のエネルギー効率と断熱効果を最大限にまで高め、さらに太陽光発電等により年間に消費する純エネルギー消費量をほぼゼロにする住宅のこと。同社は2013年よりZEHの販売を開始。2017年3月末までの販売実績は28,195棟で国内でのZEH販売実績首位を走っている。  同社は新築戸建物件に占めるZEHの割合を2020年までに80%にする目標を掲げている。同割合は、2013年度の開始時には49%(北海道以外)であったのが、翌2014年度に62%、2015年度に71%と着実に上昇。2016年度は74%にまで達した。同社の95支店(賃貸住宅支店除く)のうち、すでに27支店では2020年目標の80%を達成。さらに90%を超える支店もすでに6支店出ている。  日本政府は、2020年までにZEHを標準的な新築住宅とするという方針を掲げており、住宅分野での二酸化炭素排出量削減に取り組む姿勢を見せている。 【参照ページ】2016年度新築戸建住宅のZEH比率47%

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【シンガポール】不動産開発大手CDL、シンガポール市場初のグリーンボンド発行

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 シンガポール不動産開発大手シティ・デベロップメンツ・リミテッド(CDL)の子会社シティ・デベロップメンツ・リミテッド・プロパティーズ(CDLP)は4月6日、シンガポール市場初のグリーンボンドを発行した。発行額は1億シンガポールドル(約78億円)。償還期間は3年。利率は1.98%。主幹事はシンガポール銀行大手のDBS銀行。セカンドオピニオンはオランダのサステナリティクス(Sustainalytics)。グリーンボンド適格基準では、気候債券イニシアチブ(CBI)のグリーンボンド基準(CBS)を採用し、KPMGが第三者保証を行った。CDLPは2001年に総額7億シンガポールドルの担保付ミディアム・ターム・ノート・プログラムを設定しており、今回のグリーンボンド発行はその一環。発行されたグリーンボンドは、主に金融機関と運用会社が購入した。  CDLPは、グリーンボンド発行により調達した資金を、保有する高層ビルRepublic Plazaの借入金返済に充てる。借入元はCDL。Republic Plazaは1996年に完成したシンガポール中心部にある同国有数の高層ビル。CDLPはRepublic Plaza完成当時から環境に配慮しており、チラー植物の導入やモーションセンサーと連動したエネルギー効率の高い照明システムの導入等に定期的に投資してきた。2012年にはシンガポール建築建設庁(Building and Construction Authority)から、最高レベルのGreen Mark Platinum認定を受けている。Republic Plazaは現在、年間で電力消費量600kWh、水消費量10,255m3(オリンピック用プール4つ分に相当)を削減。金額換算で120万シンガポールドルのコスト削減に繋がっている。  シンガポール金融管理局(MAS)は目下、グリーンボンド発行を推進。さらにシンガポール政府は、同国の高層ビルの少なくとも80%を2030年までに「グリーン化」する計画を掲げている。 【参照ページ】CDL ISSUES THE FIRST GREEN BOND BY A SINGAPORE COMPANY

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【国際】健康ビルディング「WELL認証」の米IWBI、中国の認証機関GIGAと提携

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 IWBI(International WELL Building Institute)は3月6日、中国のビルディング認証機関であるGIGAとの業務提携を発表した。ビルディング認証では、従来、建物の環境性能を評価するLEEDなどのグリーンビルディング認証が主流であったが、近年、居住者や働く人の健康面を評価する認証への関心が高まっている。IWEIは、オフィス運用の健康面を評価する「WELL認証」を運営している。一方GIGAは、同じくビルディングの健康面を評価する「RESET認証」を中国で実施している認証機関。両者は「WELL認証」と「RESET認証」の連携を深めていく。  IWBIが運営するWELL認証は、日常のオフィス利用、業務、学習において、健康や幸福感に影響を与える建物のハード面、ソフト面の機能を評価している。評価項目には、室内空間における、空気、水、栄養、光、フィットネス、快適性、心の7分野、計102項目がある。102項目は、必須項目41と追加評価項目61に分かれており、必須41項目を満たすとシルバー、加えて追加評価項目40%を満たすとゴールド、80%を満たすとプラチナ、の3段階の認証ランクが設定されている。  RESET認証は、健康と幸福感のためのリアルタイムデータ測定に焦点を当てており、技術活用を重視した建築基準と認証プログラム。リアルタイムデータ測定ではIEQセンサーが用いられ、室内空間に関する多くのデータを保有している。RESET認証はすでに数百社で取得されており、不動産投資でも活かされている。 【参照ページ】WELL and RESET to Align Building Standards 【認証】WELL 【認証】RESET

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【アメリカ】Airbnb本拠地サンフランシスコ市、民泊を大幅に規制する法案可決

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 サンフランシスコ市監理委員会は11月15日、民泊などを対象とする短期賃貸物件を規制する法律を6対2(2名欠席)で可決した。部屋、家またはアパート一軒の貸出は年間60日以内に限定される。民泊規制としては全米で一、二を争う厳しい内容。民泊関連の事業を扱う企業に関わりのあるMark Farrell委員は投票しなかった。  サンフランシスコ市政府は、全米の中でも稀な市と郡の権能を兼ねる「市郡(City-county)」制を採用している。そのため、サンフランシスコ市の正式名称は、"The City and County of San Francisco"と言う。市政府は、二府で構成され、行政府トップを市長が、最高意思決定機関である立法府を監理委員会(Board of Supervisors)が担う。サンフランシスコ市の管理委員会は11名で構成されている。今回、監理委員会が可決したことで、市長が署名すれば、正式に法律として発効される。  本件に関し、サンフランシスコ市長は民泊に関する規制強化に反対を表明しており、今後この規制に拒否権を行使するか否かが注目される。賛成票6票は、市長の拒否権行使を無効にできる8票に満たない。  現在サンフランシスコ市内では一部屋なら無制限、家全体ならば90日までの民泊が認められている。業界のリーダーであるAirbnbはサンフランシスコ発祥で、今回の規制が大きな打撃になることは間違いない。民泊に否定的な人々は、民泊オーナーが民泊を推進するほど、本来そこに住めるはずであったサンフランシスコ市民の選択肢が狭まる弊害を指摘する。これに対し、Airbnbをはじめとする企業は、民泊オーナーの多くがそこに住みながら部屋の一部を貸出、家賃の高いサンフランシスコ市での生活費を補填しているケースが大半であると主張している。  行政とAirbnbをはじめとするサービス提供企業は、規制について激しい攻防を繰り広げてきた。サンフランシスコ市では、物件を貸し出す民泊オーナーの名前、住所、貸出履歴の登録が求められているが、Airbnbはサービス利用者の情報を行政に渡すことを拒んできた。現在8千から1万の民泊オーナーがいるとみられているが、行政に登録されているのは1700人程度に過ぎず、ルールに反する部屋の貸出を把握できないでいた。2016年6月に部屋の貸出を登録制とする法律が可決された際には、Airbnbはサンフランシスコ市に対して訴訟を起こした。カリフォルニア州の連邦地方裁判所は今月初め、同社の訴えを棄却し、未登録の民泊オーナーには罰金または刑事罰を貸す可能性に言及しているが、同裁判所判事は直後の両者との協議の中で同市は罰金や刑事罰を直ちに執行する前に、Airbnbなどと登録の徹底に向けた取組をするべきだとの判断を下した。Airbnbは、同市との協議に即応じるとしているが、それでも登録性を義務化する同市規制は連邦法に反するとの見解の立場から連邦巡回区控訴裁判所に控訴する姿勢。  ニューヨーク市でも同様の規制強化が行われ、10月には空き部屋を30日以内の短期貸出に利用した民泊オーナーに対して最大7500ドルの罰金が科せられることが決まった。民泊オーナーも同時に滞在するような場合には日数制限はない。  サンフランシスコ市側がは短期貸出の規制強化が住民への住宅供給量の増加につながることを期待しているが、規制がどの程度効果があるのかはまだ定かではない。実際に研究者からは、長期貸出物件の供給量に影響するのはAirbnbの利用ではなく、家賃相場と人口増加であるとの指摘もある。重要なのは物件の供給量の確保と、住民が家賃を補填できるサービスの許容範囲のバランスを見極めることであり、規制の行方が注目される。 【参照ページ】SFGATE “SF deals major blow to Airbnb with tough short-term rental law” 【参照ページ】Judge rejects Airbnb's bid to halt San Francisco ordinance 【参照ページ】Judge scolds SF, Airbnb while staying fines in short-term rental case

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【国際】不動産市場の情報開示度、欧米諸国が最先端。環境情報開示では日本も最高クラスの評価

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 総合不動産サービス世界大手のジョーンズラングラサール(JLL)は9月28日、「2016年 世界不動産透明度インデックス(Global Real Estate Tranparency Index 2016)」を発表した。このインデックスは、JLLが世界109ヶ国の商業不動産市場について、データ利用可能性、ガバナンス、取引プロセス、所有権、法規制環境などの観点から不動産市場の成熟度を評価したもの。報告書の発表は隔年で行っており今年で9回目。また、この報告書の中では、サステナビリティ観点での情報開示度レベルに特化した国別ランキング「不動産環境サステナビリティ透明度インデックス(Real Estate Environmental Sustainability Transparency Index)」の発表も行っており、こちらのランキング発表は今年で3回目。  「世界不動産透明度インデックス」の上位ランクは、アングロ・サクソン系国と欧州先進国が独占した。 英国 オーストラリア カナダ 米国 フランス ニュージーランド オランダ アイルランド ドイツ フィンランド    日本は前回より7つ順位を上げ19位。アジアの国々では、シンガポール11位、香港15位が日本を上回った。その他、台湾が23位、韓国40位。  報告書は、上位ランクをアングロ・サクソン系国と欧州先進国が独占している背景として、不動産市場分野への機関投資家の投資が増えていることを上げている。従来、機関投資家は株式や不動産への投資が一般的であったが、欧米では不動産も重要なアセットクラスとして位置づけられ始めている。そのため、投資家が不動産市場の情報開示に積極的に働きかけているという。上位ランクの国では、不動産物件ごとの所有権情報やパフォーマンス情報が非常に細かい粒度で頻繁に公開する制度が整ってきている。実際、世界の不動産投資市場の75%は、トップ10の国々に集中している。また、報告書は、今年世界中の耳目を集めた「パナマ文書」の影響も挙げ、不動産の所有名義人だけでなく、不動産投資から利益を得る実際の受益者まで特定する情報開示が求められてきていることに言及。例えば、英国では受益者の情報開示を義務化する法律の検討が進んでいるという。報告書は、透明度の向上は、全体の傾向として、外国からの直接的な投資や法人入居者による活動と関連していると分析。透明度を向上することで、国内への海外からの投資を活性化し、経済成長も図ることができるとした。    一方、「不動産環境サステナビリティ透明度インデックス」では、日本は非常に高い評価を得た。こちらのランキングは、2015年における世界の直接的商業不動産投資の97%に当たる37ヶ国を対象とし、最高ランクの「非常に透明」の評価を得たのは、フランス(世界トップ)、英国、オーストラリア、日本の4ヶ国。日本は前回はひとつ下の「透明」ランクだったが、今回は昨年の「非常に透明」ランクだったフランス、英国、オーストラリアに並んだ。また、今年の「透明」ランク国は、カナダ、オランダ、ニュージーランド、オーストリア、デンマーク、フィンランド、ドイツ、イタリア、シンガポール、スペイン、スウェーデン、米国、ベルギー、チェコ、香港、スイスの16ヶ国。一方、最低の「非常に不透明」ランクだったのは、メキシコ、マレーシア、台湾、トルコの4ヶ国。  「不動産環境サステナビリティ透明度インデックス」では評価されるのは全部で7項目。 二酸化炭素排出量の報告 エネルギー消費量のベンチマーク グリーンビルディングの財務パフォーマンス指標 グリーンビルディング認証制度 グリーンリース条項 既存建築物の最低エネルギー基準 新規建築物の最低エネルギー基準  日本は、国土交通省が2013年10月に「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)」を制定し、このガイドラインに基づき第三者機関が非住宅建築物の省エネルギー性能の評価及び表示を適確に実施することを目的とした「建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)」が開始したことや、同じく国土交通省が今年2月、ビルオーナーとテナントが協働し、不動産の省エネなどの環境負荷の低減や執務環境の改善について契約や覚書等によって自主的に取り決め、その取り決め内容を実践する「グリーンリース」の普及のために「グリーンリース・ガイド」を発表したことが高く評価された。また、2010年から東京都が始めたキャップ・アンド・トレード型の二酸化炭素排出量取引制度も好印象を与えた。  報告書では、不動産分野の環境サステナビリティの最重要課題は、新規建築物への最低エネルギー基準とグリーンビルディング認証制度だと分析。現在世界の87%の国では基準設定が義務付けられており、65%の国ではグリーンビルディング認証が始まっているという。また、グリーンビルディングの普及のためにはグリーンビルディングの財務パフォーマンスの開示も重要だが、現在グリーンビルディングのパフォーマンス開示が制度化されいているのは、分析対象の37カ国のうちフランス、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアの4ヶ国のみだった。法規制分野以外の自主的な取組としては、GRESB(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)の成果を強調した。 【参照ページ】France, Japan and Dubai show leadership in JLL’s 2016 Environmental Sustainability Real Estate Transparency Index 【報告書】Global Real Estate Tranparency Index 2016

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【国際】世界グリーンビルディング協会、ネットゼロを目指す新プロジェクト開始

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 世界各国のグリーンビルディング協会(GBC)の統括組織である、世界グリーンビルディング協会(WorldGBC)(2002年設立、本部:カナダ・トロント)は6月28日、パリ協定の実現に向けた気候変動対策として、2050年までに全ての建物を「ネットゼロ」にするための新たなプロジェクトを開始した。同協会が定義する「ネットゼロ」には、「ネットゼロ・エネルギー」と「ネットゼロ・カーボン」の2種類がある。ネットゼロ・エネルギーでは、建物に利用する電気エネルギーを建物上で再生可能エネルギーを用いた自家発電で賄うもの。ネットゼロ・カーボンは、各国により厳密な定義は異なるが、年間で温室効果ガスの純排出量をゼロにするというのが基本的な考え方で、カーボンオフセットなどによるものもこれに含まれる。  「ネットゼロ」を目指すためのプロジェクトの柱は、同協会に加盟している各国のグリーンビルディング協会に対し、各国内で建物に付与する「ネットゼロ」認証を設立することや、グリーンビルディングの専門家らに対し研修の機会を提供していくこと。認証については、「グリーンスター」など既存の認証を応用する形で設けてもよい。  同協会には現在世界74のグリーンビルディング協会が加盟しているが、「ネットゼロ」プロジェクトの初期メンバーとして参加を表明した団体は、オーストラリア、ブラジル、カナダ、ドイツ、インド、オランダ、南アフリカ、スウェーデンの8ヶ国のグリーンビルディング協会。その他、温室効果ガス削減活動実施している環境NGO。Architecture 2030もリードパートナーとして参加し、技術的な専門知識を提供する。日本の一般社団法人日本サステナブル建築協会(JSBC)も協会加盟団体だが、今回の取り組みの初期メンバーには加わっていない。  同協会のTerri Wills代表は、今回の取り組みの背景について、パリ協定で掲げた目標を達成するには建築・不動産業界の貢献が不可欠だという認識を示した。同協会は、加盟団体とともに昨年のパリ会議の場で、「ネットゼロエネルギービル導入・大規模リノベーションを通じ、2050年までに84Gtの二酸化炭素排出量を削減する」と目標を掲げている。74ある協会の加盟団体に参加している企業数の合計は約27,000社あり、このネットワークを通じて、ネットゼロ・ビルディングを一気に増やしていきたい考えだ。  今回のネットゼロ・プロジェクトでは、長期目標も掲げており、 2030年までに、新築・リノベーション建物をネットゼロにする 2050年までに、全ての建物をネットゼロにする 2030年までに、7万5千人、2050年までに30万人のグリーンビルディング専門家を育成する 2030年までに、全加盟グリーンビルディング協会がネットゼロを実現するための体制を整える  協会は、認証や研修以外にも、他の民間企業や政府に対して、ネットゼロを目指す目標を掲げるよう働きかけていく。  【参照ページ】WorldGBC launches groundbreaking project to ensure all buildings are “net zero” by 2050 【機関サイト】World Green Building Council

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【アメリカ】環境保護庁、2016年の「エネルギースター年間パートナー賞」発表

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 環境保護庁(EPA)とエネルギー省(DOE)は、2016年の「エネルギースター年間パートナー賞」を発表した。合計で35州から149の企業や機関が選出された。エネルギースターとは、EPAが進めている省エネルギー制度。消費電力の削減やエネルギー効率に優れた製品や住宅、商業ビル、工場などに対して与えられる。「エネルギースター年間パートナー賞」は、なかでも昨年著しい成果を上げた企業や機関を表彰するもの。受賞企業には、通信大手Verizon、ホームセンター大手Home Deport、住宅メーカーBeazer Homesなどがある。 受賞のポイント ・Beazer Homes USA, Inc.   4,700以上の「エネルギースター認証付新規住宅」を竣工。CO2を10,000tを削減させる効果。 ・Verizon:   37店舗で「エネルギースター認証」を獲得。過去累計で206店舗に。 ・The Home Depot   地方電力会社と共同で「エネルギースター認証」製品の補助金制度を整備するなど、販売促進に尽力。  1992年に創設された「エネルギースター認証」は、これまでに24億t分の温室効果ガス排出量削減に貢献しており、3,620億米ドル(約40兆円)分の電力コストの削減した換算になる。2014年単年でも、気候変動を緩和させることで110億米ドル以上(約1兆2000億円)の社会的便益をもたらしている。 【参照ページ】EPA Honors 2016 Energy Star Partners of the Year for Outstanding Achievements in Energy Efficiency/In 2014 alone, all Energy Star partners prevented 283 million metric tons of GHG emissions, providing $31.5 billion in economic benefits

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【アメリカ】SASB、インフラ分野向けの基準公表、全分野の暫定基準策定が完了

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 SASB(米国サステナビリティ会計基準審議会)は3月30日、新たにインフラ分野8業種の暫定サステナビリティ会計基準を公表した。SASBは、今年1月にも再生可能資源・代替エネルギー分野の暫定基準を公表していた。今回公表したインフラ分野をもって,SASBが計画していた10分野79業種全ての暫定サステナビリティ会計基準を発表したことになる。  今回新たに公表された業種は。 Electric Utilities:電力事業 Gas Utilities:ガス事業 Home Builders:住宅建設業 Real Estate Owners, Developers & Investment Trusts:不動産所有者、ディベロッパー及び投資信託業 Real Estate Services:不動産サービス業 Waste Management:廃棄物処理事業 Water Utilities:水道事業  インフラ分野で定められた基準は、各業種平均5項目。73%の項目は定量的指標となっており、フォーム10-K(年次報告書)やフォーム20-F(有価証券報告書)の規定を遵守している。またSASBは、今回定めた基準採用するにあたって、企業の追加費用がかからぬよう,既存のサステナビリティ・イニシアティブに沿う方法を探索している。例えばSASBの不動産業の基準には、業界で広く使用されている査定基準であるGRESBを参照、定量的な測定項目の75%以上はGRESBの要求事項と合致しており、更なる情報収集は必要ない。  インフラ分野の基準を策定するワーキンググループには、437社が参加した。参加した上場企業の合計時価総額は5,240億米ドル(約56兆5,920億円)に相当し、機関投資家の運用資産額は2.3兆米ドル(約248兆4,000億円)に相当する。  SASBは、次の段階として、今後1年から1年半をかけて、これまで策定してきた暫定基準についての導入支援を進めるとともに、有効性や費用対効果を検証していく。まず4月7日に、「The SASB Conceptual Framework」「The SASB Rules of Procedure」「The Sustainable Industry Classification System™」という3つの文書を発表した。The SASB Conceptual FrameworkにはSASBの目的が定められており、The SASB Rules of Procedureには具体的な基準の運用・改訂ルールが記されている。The Sustainable Industry Classification System™では、基準の分野・業種分類方法を改めた。これらの3つの文書に関しては90日間のパブリックコメント期間が設けられている。SASBに関心がある方はぜひパブリックコメントを提出してみるといいだろう。 【参考】【レポーティング】SASB(米国サステナビリティ会計基準審議会)を徹底解説 【参照ページ】SASB Issues Provisional Sustainability Accounting Standards for Infrastructure Sector 【参照ページ】SASB Completes Provisional Standards for All Industries of the Economy; Launches Next Phase of Standards Development

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【シンガポール】不動産開発大手のCDLと、Eco-Businesss、EcoBankを開設

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 シンガポール不動産開発大手のシティ・デベロップメンツ・リミテッド(以下、CDL)およびサステナビリティ専門メディアを運営するEco-Businessは12月29日、シンガポールの若年層らが主体となり展開しているチャリティ団体の50 for 50イニシアチブの支援を受けて、EcoBankを開始した。  EcoBankは、シンガポール廃棄物の削減と持続可能な消費に対する啓蒙活動および社会的弱者となっている女性やその子供に対する支援を目的とするものだ。具体的には、50 for 50の支援を受けて中古の洋服や玩具、本などを人々から収集し、それらをバザーで販売する。得られた資金をSingapore Council of Women’s Organizations(以下、SCWO)に提供し、SCWOを通じて女性や子供の生活支援に充てるという仕組みだ。  この取り組みは、シンガポール政府の推進するサステナビリティ戦略、Sustainable Singapore Blueprint 2015の中で掲げられている、2030年までにシンガポールにおいて廃棄物ゼロを実現する」というビジョンに沿ったものだ。同計画は2014年にLee Hsien Loong首相が公表したもので、シンガポールを環境に優しい廃棄物ゼロのスマートシティにするために、15億シンガポールドル(約1230億円)の投資が見込まれている。  Eco-Businessの創業者、Jessica Cheam氏は「EcoBankは、同時に2つの目的を達成できるゼロからの取り組みだ。1つは、持続可能な消費というメッセージを発信することだ。それはつまり、必要なものを買うだけではなく、その製品の寿命を延ばすということだ。そしてもう1つの目的は、素晴らしい活動を展開しているSCWOのために、資金を集め、人々の関心を高めることにある。我々はこのプロジェクトをCDLと共に実施できることを嬉しく思う」と語った。    また、CDLのサステナビリティ責任者を務めるEsther An氏は「経済と人口の増加と共に、シンガポール国内における廃棄物の量は大きく上昇してきた。シンガポールが持つ埋立地に頼る方法は、長期的な解決策にはならないため、廃棄物を減らすために我々の消費活動に関して再考しなければならなくなっている。環境のサステナビリティに対するCDLのコミットメントの延長戦として、Eco-Businessや同じ志を持つNGOらとEcoBankを通じて"Reduce and Reuse for Good"に向けて地域を盛り上げるために協働できることを嬉しく思う」と語った。  EcoBankの取り組みはシンガポールとしてのサステナビリティ目標に沿った形で、企業とNGOが協働しながら廃棄物削減と社会的弱者支援を同時に実現するという優れたコラボレーション事例だと言える。なお、チャリティ・バザーは1月16~17日にかけて、シンガポール最初のエコ・モール、シティ・スクウェア・モールで開催予定とのことだ。 【参照リリース】Reuse and Reduce for Good: Singapore’s First EcoBank Launched by CDL and Eco-Business 【企業サイト】City Developments Limited 【企業サイト】Eco-Business 【団体サイト】50 for 50 Initiative (※写真提供:joyfull / Shutterstock.com)

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