【インタビュー】日本プロロジスリートがグリーンボンド発行予定 〜保有物件ほぼ全てグリーンビルディングの衝撃〜

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 世界最大規模の物流不動産会社米プロロジス・グループ。1983年にカリフォルニア州サンフランシスコで創業し、現在は19カ国で約3,260棟の物流施設を開発、所有、運営。ニューヨーク証券取引所に上場し、時価総額は約360億米ドル(約4兆円)。物流業務に携わる世界約5,000以上の企業に物流施設を提供しており、全世界のGDPの1.7%に相当する物資がプロロジス・グループの物流施設を通過しているとも言われています。  プロロジス・グループのこだわりは、徹底した保有物流施設の質への追求。ここでの「質」には、物流施設としての機能面での質だけでなく、入居企業の従業員の健康や働きやすさ、災害発生時でもカスタマー(プロロジスではテナントを「カスタマー」と呼ぶ)が事業継続できる機能整備や耐震構造、地域社会とのつながり、そして環境性能までも含む広範なものです。環境性能を掘り下げると、二酸化炭素排出量の削減、館内照明器具のLED化、施設内の緑化、高い断熱性能を実現しており、さらに施設の屋上には設置可能最大限のスペースに太陽光発電パネルを敷設しています。物流不動産開発会社の中で、ここまで環境性能にこだわる大手企業は世界に類を見ません。  プロロジス・グループの日本法人「プロロジス」は、1999年に設立。2002年から2018年までの間に全国で93物件の物流施設を開発。そのうちの40物件を保有し、運用しているのが日本プロロジスリート投資法人です。同投資法人は6月26日、グリーンボンドを発行する予定と発表しました。日本プロロジスリート投資法人にとってのグリーンボンドとは何か、なぜプロロジスはそこまで環境性能の高い物流不動産にこだわるのか。同法人の資産運用会社であるプロロジス・リート・マネジメント株式会社の戸田淳・取締役CFO財務企画部長、永田高大・財務企画部財務チームシニアマネージャー、田川慶久・財務企画部IR/PRチームマネージャーに話を伺いました。 保有物件の環境性能にこだわっているそうですね? 戸田淳氏  日本プロロジスリート投資法人で保有する不動産金額は、取得価格ベースで5,603億円ですが、そのうち4,877億円分がグリーンビルディング。比率にすると87%です。世界的に見ても、ここまでグリーンビルディングの割合が高い発行体はないと思います。Jリートの中でも、グリーンビルディングの資産保有額はトップクラスです。  プロロジスでは、グリーンビルディングの定義を厳格な基準で定めており、環境認証で高い評価を受けたもののみをグリーンビルディングと位置付けています。CASBEE(※1)認証ではS、A、B+、DBJ Green Building認証(※2)では5と4のみ、BELS認証(※3)でも5と4のみとしています。  この定義は、実はプロロジス・グループ全体で定めているものです。海外では他にも、LEED認証やBREEAM認証、DGNB認証等がありますが、同様に厳しい基準値を定めており、その中で日本の認証であるCASBEE、DBJ Green Building、BELSについても盛り込まれています。   ※1:国土交通省主導のもとで、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が運営するグリーンビルディング認証。物件をS、A、B+、B-、Cの5段階で評価。 ※2:株式会社日本政策投資銀行(DBJ)が運営するグリーンビルディング認証。物件を最高位5から最低位1までの5段階で評価。 ※3:国土交通省策定の評価基準に基づき、一般社団法人住宅性能評価・表示協会が運営する省エネに特化したグリーンビルディング認証。物件を最高位5から最低位1までの5段階で評価。 どうしてそこまでグリーンビルディング保有率を高められるのですか?  本投資法人の保有物件は、基本的にプロロジス・グループの日本法人であるプロロジスが設計、開発した物件です。プロロジス・グループが開発した物件は、もともと環境性能にも多大な配慮がされており、もともとグリーンビルディング認証で高い評価を得やすいものなのです。  環境性能が高いポイントの一つに、屋上に敷設している太陽光発電パネルがあります。プロロジス・グループが開発した物件の屋上には、構造上可能な範囲内で最大限に太陽光発電パネルが敷設されており、発電の出力量(設備容量)合計は水力発電所1基分に相当する34.7MW(2018年5月末時点)あります。プロロジス・グループの世界全体での太陽光発電出力量は175MWあります。 各ESGインデックスへの採用状況はいかがですか? 戸田氏  まずプロロジス・グループ全体のお話からしますと、プロロジスは、ESGインデックスのDow Jones Sustainability Indices(DJSI)に採用されていますし、ESG評価機関のSustainalytics(サステイナリティクス)から業界内でのトップ企業である「Outperformer」の称号を頂いています。  日本プロロジスリート投資法人も、Dow Jones Sustainability Indices(DJSI)に採用されていますし、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も採用しているMSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数にも採用され「A」格付をいただいています。  インデックスではありませんが、不動産企業の環境性能を評価する国際団体GRESBから、プロロジス・グループは「GRESB Green Stars Sector Leader in North America」のタイトルを受けており、北米でトップの評価です。日本プロロジスリート投資法人は、2016年にはそれを上回る「GRESB Green Stars Sector Leader in the world」をいただき、世界トップとなりました。2017年は僅差で世界では2位になってしまいましたが、それでも「GRESB Green Stars Sector Leader in Asia」としてアジアでトップの評価をいただいています。  また、プロロジス・グループは、世界経済フォーラムの年次総会、ダボス会議が発表する「Global 100: Most Sustainable Corporations in the World(世界で最も持続可能な100社)」にも7年連続で選ばれました。 どうしてそこまでグリーンにこだわっているのですか? 戸田氏  プロロジス・グループでは、グリーンだけでなく、ESG全体を非常に重視しており、企業文化になっています。それは、物流不動産業界の世界的なリーダーであり続けるためには不可欠なものだと捉えているためです。  環境性能の高い物件であれば、地球環境とともにカスタマーにとってのコスト削減にもなります。耐震構造や働きやすさを追求すれば、カスタマーの社員にとってもプロロジスの物件で働く魅力を感じてもらえるはずです。各物流施設では、地域社会を招待したイベントも開催していますが、地域社会にとってもプロロジスが近くにいることを喜んでもらいたいと思っているためです。  私達、財務部門にとっても、ESGは切っても切り離せない関係にあります。投資法人では、株主のことを「投資主」、株式のことを「投資口」と呼びますが、当法人の投資口を持っている国内外の上位30社を占めるトップクラスの機関投資家は、いずれもESGを非常に重視してきています。そのため、ESGに真剣に取り組まないでいると、株価(投資口価格)の健全な形成が難しくなりつつあると感じています。そのため、財務、IRとしてもESGは非常に重要だと考えています。 今回発行予定のグリーンボンドの使途はなんですか? 戸田氏  プロロジス・グループでは、日本プロロジスリート投資法人より先に、欧州において2018年2月にグリーンボンドを3億ユーロ(約390億円)発行しました。その際、今後グループ全体でグリーンボンド発行が増えていくことを見越し、グループ全体のグリーンボンド発行フレームワーク「Prologis Green Bond Framework」を制定しました。このフレームワークでは、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則(GBP)に則り、資金使途、プロジェクト評価・選定プロセス、調達資金管理、報告の4つが定められています。  この中で、グリーンボンドの使途については、グリーンビルディング、再生可能エネルギー(太陽光及び風力発電)、エネルギー備蓄システム等の省エネ設備の3つに定められています。ですので、本投資法人のグリーンボンドもこの3つを対象としています。  資金使途となるグリーンビルディングは、本投資法人が保有しているグリーンビルディングの取得資金のリファイナンスも対象となります。本投資法人では、不動産の取得時から債務と対象不動産が一対一で結びつけていますので、今回のグリーンボンドでも、適格性のあるグリーンビルディングのみに調達資金が充当され、明確に管理することが可能となっています。  調達資金管理では、グループ全体と各グループ法人に、「グリーンボンド・コミッティー」が設置されています。今回のグリーンボンドは、当社の社長が委員長を務める本法人の「グリーンボンド・コミッティー」が、調達資金が適切に充当されているかを管理します。 グリーンボンド発行の狙いはなんですか? 戸田氏  今回3つのことを狙っています。まず、グリーンボンド発行を通じたサステナビリティ意識の醸成。本投資法人がグリーンボンドを発行することで、今大きくなっているサステナビリティやESGという大きなトレンドに貢献したいと考えています。  2つ目は、投資家層の拡大。グリーンボンドという新たな債券を出すことで、今までは興味を持っていただけなかった機関投資家の方に投資家になっていただきたいと思っています。  最後は投資法人債市場の盛り上げです。Jリートの投資法人が発行する債券は、投資法人債と呼ばれているのですが、日本では投資法人債市場はまだまだ小さい状況にあります。グリーンボンドを機に、機関投資家に投資法人債に興味を持ってもらい、Jリート全体の拡大に貢献したいと考えています。  グリーンボンドを発行するには、通常の投資法人債発行よりもセカンドパーティ・オピニオンを取得するコストが余分にかかります。しかし、グリーンボンドを機に、プロロジス・グループの存在や、当グループが非常にESGにこだわっていることを債券投資家以外の方にも幅広く知って頂くことで、本投資法人の投資口にとってもプラスに作用すると考えました。 日本でのESG投資への状況をどう見ていますか? 戸田氏  本投資法人はこれまで投資法人債を複数回発行していますが、ESG投資に対する機関投資家の関心はどんどん高まっていると感じています。そして今後はますます大きくなっていくと思います。 プロロジス・グループ全体として日本の物流不動産市場をどう捉えていますか? 戸田氏  プロロジス・グループは、日本を重要なマーケットと位置付けています。その背景には、日本の物流不動産市場には、まだ環境性能も含めた質の高い施設が少なく、先進国内でも非常に遅れている状況にあります。  そのため、日本法人のプロロジスも、今後も継続して物流不動産を計画し開発に着手していますし、日本プロロジスリート投資法人もプロロジスから継続的な物件取得を行っていきます。2018年においては、合計5物件の新規取得を予定しています。 今後については? 戸田氏  今後、私達が発行する投資法人債は、基本的に全てグリーンボンドになっていくのではないかと思います。 永田高大氏  本投資法人が現在保有する物件のグリーンビルディング比率は87%と極めて高い状況ですが、将来的にはその比率を100%まで上げたいと個人的には思います。今後、取得する物件は、いずれもグリーンビルディングとしてのポテンシャルがある物件だからです。より厳しく見積もっても95%程度までは行けると思っています。 戸田氏  また、物件をカスタマー(テナント)に一括して運営を任せる「ビルト・トゥ・スーツ(BTS)型」の物流施設では、当社ではなくカスタマー自身が施設を運営しているため、一部は認証の取得が難しい点もあると見ているためです。しかし、BTS型施設も物流施設のポテンシャルとしては、やはりグリーンビルディング認証で高い評価を得られるレベルにあります。既存物件でもグリーンビルディング認証未取得のものは取る準備を進めています。今後この87%という数値は、基本的に下がることはありません。 田川慶久氏  私達は、昨今のESG投資の高まりを受けてグリーンビルディングの取得を始めたのではなく、もともと環境性能の高い施設を手がけて来たという経緯があります。そのため、本投資法人の投資口や投資法人債の投資家は、もともとESG投資をしていたと言うこともできます。しかしながら、セカンドパーティ・オピニオン等を通じて本投資法人の中身についてよく知っていただきたいと思い、グリーンボンド発行を計画しています。 戸田氏  私達は非常に長い目で見ています。サステナビリティへの取組は、今日明日に私達の事業へのリターンとして返ってくるものではないのかもしれません。しかし、中長期的には必ずプロロジス・グループの利益につながると考えています。 インタビューを終えて  不動産業界においてグリーンビルディングへの関心が高まっているとはいえ、不動産投資法人の運用物件のうちグリーンビルディング比率が87%という府日本プロロジスリート投資法人の現状は、はっきり言って「衝撃」です。さらに驚くのは、同業他社と比べても、グリーンビルディングの基準を非常に厳しく設定いるにもかかわらずこの水準を達成していること。さらに日本プロロジスリート投資法人の中では、この比率を100%にまで高めたいう意識もすでに生まれており、驚異的としか言いようがありません。  不動産投資法人によるグリーンボンドについて、ぜひ注目していただきたいのは、このように資金使途とするグリーンビルディングの定義です。セカンドオピニオン提供機関は、これまでの事例から考えると、DBJ Green Building認証とBELS認証ではプロロジス・グループ基準より一段階下の「3」でも適格と判断する傾向にあると言えますが、それにもかかわらず「4」で線引するプロロジス・グループの設定基準は高い。また、プロロジス・グループはCASBEE認証ではS、A、B+の3段階を適格としているものの、実際にはほぼ全てでS、Aの上位2評価を得ています。  これらから鮮明に見えてくるのは、プロロジス・グループの環境さらにはESGに対する強いコミットメントです。グリーンビルディング物流不動産に特化しながら世界トップクラスの市場規模を掴んだ同社の経営の迫力。今回は、グリーンボンドをテーマとしたため、環境面に特化したインタビューとなりましたが、お話し頂いた内容に率直に感服しました。

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【EU】省エネ住宅への低金利ローン実証プログラムが開始。銀行大手37行が参加

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 世界グリーンビルディング協会(WorldGBC)は6月14日、欧州のグリーンビルディング協会と欧州の銀行37社が新たな省エネ住宅ローン・パイロット制度を発足したと発表した。EUのイニシアチブ「省エネ住宅ローン・アクションプラン(EeMAP)」が策定する省エネ不動産の統一基準を活用し、低金利ローンを開発する。  WorldGBCの欧州ネットワークに参加しているのは、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ポーランド、フィンランド、クロアチア、アイルランド。  また今回パイロット制度に参加する銀行は、BNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、クレディ・アグリコル、BPCEグループ、預金供託金庫、ABNアムロ、ING、ラボバンク、トリオドス銀行、BNPパリバ・フォルティス、ノルデア銀行等。  今回の制度では、省エネ性能の高いグリーンビルディングの資産価値が高く評価され、投資リスクが低くなっていることを背景に、省エネ住宅ローンへの低金利制度を開発する。  EUが進める「省エネ住宅ローン・アクションプラン(EeMAP)」は、2017年6月に発足。欧州住宅ローン連盟の欧州カバード・ボンド会議(EMF-ECBC)、英国王立チャータード・サベイヤーズ協会(RICS)、WorldGBCの欧州ネットワーク、英保険代理大手エーオン、ヴェネツィア大学等が主導している。 【参照ページ】Major European banks launch new green mortgage scheme

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【ルクセンブルグ】Reitsmarket、リート投資法人のサステナブル・インデックス開発。GRESB活用

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 ルクセンブルク不動産投資信託調査Reitsmarketは6月7日、新たなサステナブルREIT(不動産投資信託)インデックス「Euronext® Reitsmarket GRESB Global Sustainable Index」をリリースした。GRESB(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)及びEuronextと協働し、GRESBのESGデータを活用しREIT投資法人を評価。スコアの高い投資法人30社に投資する。インデックスの日常的管理はEuronextが行う。  GRESBの評価では、REIT投資法人をAからEまでの5段階で格付している。今回発表のインデックスの組入対象となるのは、AからCまでの上位3ランクまでで、30社を選定する。地域的バランスをとるため、北米から6社以上、欧州から6社以上、アジア太平洋から6社以上を選ぶ。設定時には、日本の日本リテールファンド投資法人とユナイテッド・アーバン投資法人は組入銘柄トップ10入りした。  Reitsmarketは2017年10月、先行して「Euronext® Reitsmarket Global Balanced Index」「Euronext® Reitsmarket Global Conviction Index」の2本をリリースしている。両インデックスは、時価総額加重平均ではなくファクターを考慮してウエイトを設定したインデックス。両者の違いは地域的区分の構成比率にあり、Balancedは北米偏重、Convictionは北米、欧州、アジア太平洋が比較的均等になるように設計されている。両インデックスの利回りは、二つのインデックスの利回りはそれぞれ3.62%と2.03%で、ベンチマーク先のインデックスの1.94%を上回った。ボラティリティでも、9.1%と9.7%で、ベンチマークの11.2%より良いパフォーマンスを出した。  今回のインデックスは、先行した2本のインデックスの成功を受け、さらにサステナビリティ要素を加味したもの。インデックスのウエイトは四半期ごとに見直される。 【参照ページ】A Liquid Global Sustainable REITs Index By Reitsmarket 【インデックス】Euronext® Reitsmarket Global Balanced Index 【インデックス】Euronext® Reitsmarket GRESB Global Sustainable Index

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【国際】IWBI、WELL認証第2版「WELL v2」リリース。認証の柔軟性や取得利便性を向上

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 健康ビルディング認証団体米IWBI(International WELL Building Institute)は5月31日、WELL認証の第2版「WELL v2」をリリースした。同日から認証申請受付を開始した。初版のWEll v1は2014年10月20日にリリースされた。  IWBIが運営するWELL認証は、日常のオフィス利用、業務、学習において、健康や幸福感に影響を与える建物のハード面、ソフト面の機能を評価している。評価項目には、室内空間における、空気、水、栄養、光、フィットネス、快適性、心の7分野、計102項目がある。102項目は、必須項目41と追加評価項目61に分かれており、必須41項目を満たすとシルバー、加えて追加評価項目40%を満たすとゴールド、80%を満たすとプラチナ、の3段階の認証ランクが設定されている。  WELL認証では、必須項目の「Preconditions」と加点項目の「Optimization」で構成されるが、WELL v2認証では必達項目の削減し、加点項目の割合を増やした。また、v1では、対象物件が物販店舗、集合住宅、教育機関、レストラン、業務用キッチンの場合には、v1ではなく、パイロット認証と呼ばれる「WELL Pilot Standards」が評価基準となっていたが、v2では評価体系を一本化し個別のパイロット認証を廃止した。  WELL認証の取得を後押しする新たな制度も設けられた。WELL認証の審査をクリアするには準備が必要となるが、正式な認証審査前の準備段階で、仮免許のような「WELL D&O(WELL Design & Operations)」称号を取得できる制度を新設。WELL D&Oは、WELL認証の発行を受託している米グリーンビルディング評議会(GBCI)が評価作業を行う。  また、v2では、オンサイト審査を現地業者が実施することも可能にした。これまでGBCIが全審査を担っていたが、審査作業を認定審査業者にも開放し、認定審査業者をGBCIが指導する。引き続きGBCIに審査を依頼することも可能。 【参照ページ】IWBI Launches WELL v2 【参照ページ】WHAT’S NEW IN WELL v2?

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【日本】レオパレス21、所有38棟で違法建築発覚。全物件約38,000棟での調査開始

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 レオパレス21は5月29日、1996年から2009年に建てられた施工物件の一部で、建築基準法に違反の疑いのあるものが発見されたと発表した。建築基準法法上必要となる界壁を施工していないまたは施工が不十分だと発覚した。界壁は、共同住宅の住戸間の壁で、遮音や延焼防止の役割を果たす。  今回、違法建築が発覚したのは、同社の物件シリーズ「ゴールドレジデンス」で15棟、「ニューシルバーレジデンス」で2棟、「ニューゴールドレジデンス」で7棟、「スペシャルスチールレジデンス」1棟、「ベタースチールレジデンス」1棟、「コングラツィア」12棟。同6シリーズの施工物件は全部で13,791棟あり、今回290棟を調査したところ合計38棟で違法性が見つかった。割合は13%。  レオパレス21は、建築基準法違反となった原因について、施工業者に渡した図面と施工マニュアルの整合性の不備や、社内検査体制の不徹底を挙げた。今後、2019年6月までに同社の全物件37,853棟で調査を行うとしており、今後違法物件数は増えてくる可能性がある。同社は2019年10月までに対応工事を完了させる考え。  同社は、対応工事費用として界壁1枚当り15万円かかり。標準的な2階建て10部屋アパートでは界壁が4枚必要となり費用は60万円かかるとしている。  本件は、対象物件所有者2名が、3月29日と4月17日に確認通知図書と実際の施工内容に食い違いがあると報告し、同社が調査に乗り出していた。 【参照ページ】当社施工物件における界壁工事の不備について

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【アメリカ】カリフォルニア州、新築住宅に太陽光発電パネルの設置義務化を決定。全米初

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 カリフォルニア州エネルギー委員会は5月9日、気候変動対策の一環として、2020年1月1日以降に同州で建築される単世帯住宅および3階建までの複数世帯住宅に太陽光発電システムの設置を義務付けることを決定した。同措置は全米初。カリフォルニア州エネルギー委員会は、同州政府自然資源庁(CNRA)に設置された委員会で、エネルギー政策を所管。今回の措置は同委員会の全会一致で可決された。  同州は、1970年代に住宅に新たな省エネ基準を設定し、以後段階的に省エネ基準を引き上げてきた。その結果、州内の1人当たりの電力需要は、現在までほぼ横ばいで推移し、他州での需要増とは一線を画している。2007年には、同州のエネルギー委員会と公共事業委員会が、2020年までに全新築住宅を「ネット・ゼロ・エネルギー」にする目標を掲げ、新築・既存住宅の両方に太陽光発電システム設置の経済的インセンティブプログラムを開始。しかし、目標そのものの達成方法は明確に定まっていなかった。  太陽光パネルの価格は、この10年で半減。同州の新築住宅の約20%は既に太陽光発電パネルを設置している。直近のデータによると、1kW当たりの中央値は4.3米ドル(約471円)だという。カリフォルニア州では、建築物は交通・輸送の次に二酸化炭素排出量が多く、2016年に制定された州法「ニ酸化炭素排出量削減法」では、2030年までに州の排出量を1990年比40%削減すると定めた。今回の決定は、2020年までの全新築住宅「ネット・ゼロ・エネルギー」化に向けた大きな一歩となる。  懸念された設置費用について同委員会は、パネルおよび新たな省エネ基準に沿った窓と断熱材を含め、住宅建設コストは10,538米ドル(約115万円)増えると見積もった。同州では不動産相場が高く、住宅保有のハードルをさらに上げるのではとの不安視もあった。しかし同委員会は、それに伴い住宅ローンは月額40米ドル(約4,400円)増えるものの、光熱費が月額80米ドル(約8,800)円下がると試算し、全体ではコスト削減できる。さらに新基準には、屋根が小さすぎたり、日陰になったりしている場合には、屋内での省エネ化を図る等の柔軟性も持たせている。  同州では2017年に雨季が長期化し、電力需要が落ち込んだことで、太陽光発電産業が低調。同業界労働者は2016年から13%減少し、86,400人となった。また、今年1月にトランプ大統領が太陽光発電パネルに輸入関税を課すと発表したことも懸念材料となっていた。今回の同州の決定は、経済政策の意味合いも持つ。 【参考ページ】Proposed California solar mandate could add $10,500 to cost of a house 【参考ページ】Solar to be required on most new homes in California starting in 2020

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【国際】WELL認証のIWBI、専門家資格WELL AP取得者が71ヶ国5千人を突破

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 健康ビルディング認証団体米IWBI(International WELL Building Institute)は5月10日、WELL認証の専門家資格「WELL Accredited Professional(WELL AP)」の取得者数が71ヶ国5,000人を突破したと発表した。  WELL AP認証取得者には、設計士、デザイナー、ビジネスリーダー、WELL認証支援者等、幅広い関係者が取得している。今後、認証取得者のネットワーク団体を各地で設立していく考え。

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【リトアニア】政府、グリーンボンド国債26億円発行。世界7番目の発行国

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 リトアニア財務省は4月30日、同国初となるグリーンボンド国債を2,000万ユーロ(約26億円)発行した。グリーンボンド国債の発行は、ポーランド、フランス、フィジー、ナイジェリア、インドネシア、ベルギーに次いで7カ国目となる。バルト海諸国での発行は世界初。同国債は5月3日、ナスダック・ヴィリニュスに上場した。リトアニア政府は今後3年間で合計6,800万ユーロのグリーンボンド国債発行を予定している。  同グリーンボンドは、年限10年、クーポン1.2%。グリーンボンドの使途は、「住宅リノベーション基金」の財源。同基金は集合住宅のオーナーが省エネを進めるための修繕を支援する。そのため調達資金は、財務省が公共投資開発庁(VIPA)に10年間で貸し付ける。  リトアニア財務省によると、発行した国債の大部分は、オーストリアの投資家が購入した。 【参照ページ】Lithuanian Green Bonds are already on the Stock Exchange

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【金融】三菱商事・ユービーエス・リアルティ。不動産投資信託の第1号グリーンボンド発行を予定

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 不動産投資信託(J-REIT)の運用会社大手の三菱商事・ユービーエス・リアルティ(MC-UBS)は4月16日、同社運用のJ-REITの一つ「日本リテールファンド投資法人(JRF)」が年限5年のグリーンボンドを発行する予定と発表しました。MC-UBSは、三菱商事が51%、スイス金融大手UBSの運用子会社UBSアセット・マネジメントが49%出資の不動産投資運用会社。今回のグリーンボンド発行が実現すれば、J-REITでは初の発行となります。  グリーンボンドは、調達資金の使途を環境目的に限定した債券。国際資本市場協会(ICMA)が定めたグリーンボンド原則(GBP)が、世界のデファクトスタンダードとなっており、債券がGBPに適合するための要件が定められています。また、第三者評価機関からグリーンボンドとしての適格性に関するセカンド・パーティー・オピニオンを取得することが市場慣行となっています。その項目の一つが調達資金の使途。JRFのグリーンボンドの使途は、一定の環境基準を満たす不動産物件(通称グリーン適格資産)への投資資金。より具体的には、新規または既存のグリーン適格資産の取得資金や、同資産の取得に要した借入金の借換等に充当されます。  今回のグリーンボンド発行では、注目すべきポイントが複数あります。最初のポイントは、グリーン適格資産の定義。JRFは2018年2月末時点で、全部で100物件(帳簿価額8,590億円)を保有していますが、そのうち30物件については、日本政策投資銀行が管理する「DBJ Green Building認証」、あるいは建築環境・省エネルギー機構が開発した「CASBEE不動産評価認証」を取得しています。双方の認証とも、段階別の評価ランクを設けており、DBJ Green Building認証は5つ星から1つ星までの5段階、CASBEE不動産評価認証はS、A、B+、B-、Cランクの5段階で格付が付与されます。JRFは認証取得30物件のうち、上から3ランク目まで、すなわちDBJ Green Building認証では5つ星から3つ星まで、CASBEE不動産評価認証ではSランクからB+ランクまでをグリーン適格資産と定義しました。  次のポイントは、環境認証の取得時期の限定。不動産の環境性能は年々向上している昨今、環境認証の評価基準も高くなる傾向にあります。そこでMC-UBSは、セカンド・パーティー・オピニオンを担当したサステイナリティクス(Sustainalytics)と協議の上、不動産の環境認証取得時期を「過去2年以内」に限定しました。このため、本来、JRFが保有している上位3ランク目までの環境認証物件は25件あるのですが、そのうち4件は約3年前に取得していたため除外し、DBJ Green Building認証では12物件(帳簿価額2,179億円)、CASBEE不動産評価認証では9物件(帳簿価額997億円)の合計21物件(帳簿価額3,176億円)をグリーン適格資産としました。  JRFは、これら定義に基づき、グリーン適格資産3,176億円に有利子負債比率45%を乗じた1,429億円をグリーンボンド発行可能額と設定しました。初回の発行額は未定ですが、一部報道によると初回発行額は50億円から80億円とみられています。同グリーンボンド発行の主幹事は、みずほ証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が務めており、今後、発行条件の検討を行います。  グリーンボンドの枠組みを構築する上で苦労した点について、MC-UBSの吉見明大・財務部長は、「サステイナリティクスとの折衝」と語ります。サステイナリティクスは、セカンド・パーティー・オピニオンの中で「マーケット・ベスト・プラクティスは、対象物件が前記の認証制度において上位2つのレベルの認証を取得することであると認識しています」と表明。しかし今回、MC-UBSは、DBJ Green Building認証やCASBEE認証は、一度取得すれば永続的に続くものではなく、一定の期間毎に更新しなければならないことや、年々認証の評価基準も高まっており、認証取得後も継続的に環境改善を実施していく姿勢を説明。最終的にセカンド・パーティー・オピニオンの中で、「上位3つ目のレベルの認証を含めることは明確にポジティブな環境効果を有するものであると考えています」と言及されることとなりました。また今回格付投資情報センター(R&I)も、グリーンボンド・アセスメントで最高位となる「GA1」の予備評価を付与しています。  MC-UBSは、発行後のレポーティングでも先進的なアクションを宣言しています。毎年発表していくグリーンボンドのレポーティングには、調達資金の使途への充当状況だけでなく、グリーン適格資産のポートフォリオ全体の電力消費量、エネルギー消費量、水使用量、二酸化炭素排出量といった投資からの環境インパクトも開示。これを発行したグリーンボンドが残存する限り継続します。サステイナリティクスからは「物件単位での情報開示ができないか」との意見も一度はありましたが、投資法人として物件の売買が発生する可能性がある以上、物件単位の継続開示は本質的ではなく、ポートフォリオの二酸化炭素排出量開示イニシアチブである「PRIモントリオール・カーボン・プレッジ」もポートフォリオ単位での開示を標榜していることを説明し、理解が得られました。  MC-UBSとサステイナリティクスとのコミュニケーションがスムーズに進んだ背景について、MC-UBSの北岡忠輝・企画調査部長は、「当社の長年のサステナビリティ活動や責任投資に対する取組が、当社への高い信頼に繋がったのでは」と回想します。MC-UBSは、ESG投資分野の国際イニシアチブである「国連責任投資原則(PRI)」「国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)」や「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」に早くから署名。「PRIモントリオール・カーボン・プレッジ」では、現在日本企業の署名機関がわずか4つしかない中、MC-UBSは2番目に署名しました。GRESBリアルエステイト評価でも、JRFは3年連続、またMC-UBSが別途運用する産業ファンド投資法人(IIF)は5年連続で最高位「Green Star」を取得しています。これらの積極的な取組により、JRFとIIFは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が採用したESG株式インデックスの一つ「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」にも採用。他に採用されたJ-REITファンドは5つしかありません。  MC-UBSはなぜこれほどまでに国際的なイニシアチブに積極的なのでしょうか。北岡氏は「JRFの投資家の約40%は海外投資家。大きなきっかけは、2012年末にIRで海外に行った際に欧州の年金基金からGRESB評価を取得していないと投資できなくなると言われたこと」と振り返ります。この対話から世界の投資トレンドの変化を感じ取った同社は、2013年に社長を委員長としたサステナビリティ・コミッティを設置。すぐにPRIにも署名し、不動産投資運用会社としてのフレームワークを整備していきます。次にGRESBリアルエステイト評価の対応を開始。GRESBリアルエステイト評価は、物件単位ではなく企業単位の評価で、評価指標には環境認証取得面積率があります。そこで、JRFは2014年11月に商業REIT業界初のDBJ Green Building認証を取得したことを皮切りに、大型物件から環境認証を取得していきます。北岡氏は「大型物件のテナントがESGに積極的なイオンだったことも大きかった」としています。  JRFは現在、保有物件の環境認証取得率が面積ベースで77%と非常に高い水準にあります。MC-UBSを責任投資という新しい方向に突き動かす背景には何があるのか。北岡氏は「当社は2000年に創業し、JRFが2002年に上場して以来、J-REITの分野で17年の歴史がありますが、初代社長から新しいものに対して積極的にトライする文化。産みの苦しみもあるが、先行者メリットは必ずあるはずだと考えるカルチャーがあります。親会社の三菱商事にも財務面で新しい取組を行う文化があり、2005年に投資法人債を発行したのも当社が初です。」と背景を語ります。また、庄司愛・経営企画部長は「責任投資に積極的なUBSの影響もあります。UBSを親会社に持ち、他の投資法人と比べても、海外投資家を強く意識しているところはあります。」と別の要因も指摘します。UBSは責任投資で非常に知られた金融機関。今では、MC-UBSはUBSグループ全体の責任不動産投資の中でも注目を集めるまでになっているようです。  グリーンビルディングの市場環境について、北岡氏は「日本では正直まだまだですが、欧州では状況が進んできています。例えば英国では、賃貸や売買時に省エネルギー格付けの取得が義務付けられており、最低基準を満たしていない物件についての賃貸更新、新規賃貸が認められておらず、違反すると法律で罰せられるため、テナントはリーガルリスクを回避しようと認証物件を探す動きがあります」とコメント。グリーンボンドについて北岡氏は「欧州では債券分野でもグリーンプレミアムが発生してきている」と語り、将来への期待感を示しました。  吉見・財務部長は、今回のグリーンボンド発行の狙いについて「投資家層の拡大。投資法人債をこれまで買っていない投資家にも入ってきて頂きたい」と回答。また今後の継続発行についても「多くの投資家は継続的な発行を望んでいますので、当社もグリーンボンドを継続的に発行したいと考えています」と表明しています。 ※画像提供:三菱商事・ユービーエス・リアルティ ※取材協力:みずほ証券

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【国際】ISO、世界初のファシリティマネジメント規格ISO41001をリリース

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 ISO(国際標準化機構)は4月24日、ファシリティマネジメント(FM)規格「ISO41001」をリリースした。ファシリティマネジメント分野の国際規格はISO41001が世界初。同規格は、健康・ウェルビーイング、空間活用、維持管理、セキュリティ、衛生、環境、オフィス費等、幅広い分野をカバーしている。  ISO41001は、世界各国のベストプラクティスを参考に策定され、自社の不動産管理を行う観点だけでなく、不動産管理先をアウトソースする際の選定基準にも用いられることを期待している。  策定は技術委員会ISO/TC267が所管。ISOメンバーであるBSI(英国規格協会)が策定をリードした。ファシリティマネジメント市場は、不動産管理委託分だけでも、2025年に世界で1兆米ドルに達すると言われている。 【参照ページ】New standard for facility management just published

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