【国際】「2050年までに水素が全世界エネルギーの2割供給可能」トヨタ、エア・リキード参画の水素協議会

Facebook Twitter Google+

 トヨタ自動車や本田技研工業、独ダイムラー、仏エア・リキード等が2017年1月に設立した「水素協議会(Hydrogen Council)」は11月13日、気候変動枠組み条約ボン会議(COP23)の場で、2050年までに水素エネルギーが世界の全エネルギー需要の約2割を賄えるとするレポートを発表した。同レポート作成では、戦略コンサルティング世界大手マッキンゼーが協力した。  水素協議会は、水素を利用した新エネルギー移行に向けた共同ビジョンと長期目標を提唱する国際イニシアチブ。2017年1月17日に発足。トヨタ自動車と仏エア・リキードが共同議長。他の発足時参加企業は、本田技研工業、川崎重工業、韓国の現代自動車、独ダイムラー、独BMWグループ、仏アルストム、化学世界大手独リンデグループ、原油・ガス世界大手英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、仏トタル、仏電気・ガス大手エンジー、資源世界大手英アングロ・アメリカン。その後、岩谷産業、独アウディ、米GM、仏自動車部品大手プラスチックオムニウム、ノルウェー原油大手スタトイルも加わり、さらに賛助会員として三菱商事、三井物産、豊田通商、カナダHydrogenics、カナダBallard Power、米プラグ・パワー、米True Zero、米WLゴア&アソシエイツ、仏ファウレシア、伊Faber Cylindersが賛助会員として参画。水素協議会は、各国政府などに水素エネルギーの利用を働きかけ、5年間で100億ユーロ(約1兆3,000億円)を超える投資を計画している。  今回のレポートでは、2050年までに世界の全エネルギー需要のうち約20%を水素エネルギーが供給でき、これにより現状より二酸化炭素排出量を年間6Gt削減できるとした。これは2016年の米国の排出量合計5.5Gtを上回る。また、パリ協定達成のために必要な削減量のうち20%を貢献できるとまとめた。また、2050年までの経済効果は2.5兆米ドル(約278兆円)で、合計3,000万人分の雇用創出効果があると試算した。  水素エネルギーの需要面では、2030年までに水素エネルギーで動く燃料電池自動車(FCV)やトラックは1,000万台から1,500万台となると予測。さらに建物の暖房や工業加工等でも水素エネルギーが使われるようになると見通しを示した。水素の年間需要は2050年までに10倍となり、80EJまで向上。最終エネルギー消費に占める割合は2050年までに18%となるだろうと述べた。また、世界人口が2050年までに20億人以上増加した場合には、水素エネルギーが持続可能な成長を実現するカギとなるとの見方も示した。  この実現に向けた投資額は、2030年まで毎年200億米ドルから250億米ドルが必要となり、合計で2,800億米ドル(約31兆円)。世界全体では毎年石油・ガス分野に6,500億米ドル、再生可能エネルギー電力に3,000億米ドル、自動車産業でも3,000億米ドル、エネルギー全体では合計1.7兆米ドルが投じられており、水素エネルギー分野に2030年までに2,800億米ドル投資することは実行可能だとした。 【参照ページ】HYDROGEN, SCALING UP – NEW ROADMAP LAUNCHES AT COP 23 【レポート】Hydrogen scaling up

» 続きを読む

【国際】ESG投資推進ShareAction、シェルとBPに対し低炭素社会移行に向けた具体的変化を要請

Facebook Twitter Google+

 英ESG投資推進NGOのShareactionは10月26日、石油世界大手英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルと英BPに対し、低炭素社会への移行への対応が不十分であり、株主資本をリスクにさらしているとするレポートを発表した。同レポートは、機関投資家コミュニティに広く配布され、ShareActionは投資家に両社の取締役や幹部への働きかけを強めるよう要請した。  同レポートが、ロイヤル・ダッチ・シェルとBPに求める具体的なアクションは、 埋蔵分も含めた資源資産が、想定より早いペースの低炭素社会への移行にどれだけ対応し得るかの詳細な分析を実施、発表 規模だけを追求するKPIとそれに連動する役員報酬制度を低減または廃止し、不確実な事業環境における経営を長期投資家の意向と整合させる株式当たり(Per share)指標を導入 低炭素社会への移行対応策として、顧客も含めた全ての事業サイクルからの二酸化炭素排出量を減らす計画を策定 気候変動に関する世界中の異なる法制度整備に対する見解と、気候変動やエネルギー政策分野で関わっているロビー活動機関を開示  ShareActionは2015年、米国、英国、スウェーデン、オーストラリア、カナダの年金基金や他の投資家、CCLA、Sarasin and Partners、Folksamなどの運用会社とともに、石油メジャーに対し低炭素社会への移行に関わるリスク対応と報告を求める株主提案を発議。ロイヤル・ダッチ・シェルとBPの双方で98%以上の賛成を獲得し可決された。しかし、その後2年経っても、両社の対応は慎重かつ曖昧で、ビジネスモデルは低炭素社会への移行という環境変化に非常に脆弱だという。再生可能エネルギーのコストは下がり、各国は化石燃料がもたらす健康や環境へのインパクトにますます敏感になっている。これら変化に対応できなければ、とりわけ両社に多額の投資をしている英国年金基金は大きなリスクにさらされていると語気を強めている。  ShareActionによると、ロイヤル・ダッチ・シェルとBPは、パリ協定に賛同する宣言を行う一方、BPの低炭素関連投資は設備投資全体の1.3%にとどまっている。ロイヤル・ダッチ・シェルについても、2020年までに年間設備投資の3%を低炭素分野に回すという目標を掲げており、そのペースは遅い。パリ協定の2℃目標達成のためには、2021年にも世界全体の石油需要を減らす「ピークオイル・デマンド」を迎える必要があるとも言われており、ShareActionは両社に対して明確な方針を求めた。  ShareActionは、2016年からは、他の石油世界大手である米エクソンモービルと米シェブロンに対しても同様の株主提案を発議。今後も石油メジャーに対する投資家アクションを促していく。  ShareActionは、1990年代に英国大学退職年金基金(USS)にESG投資を呼びかけるキャンペーンとして生まれ、2005年にNGO組織として法人化。国際NGOの世界自然保護基金(WWF)、オックスファム、グリーンピース、フレンズ・オブ・アース(FoE)等が参加している。ShareActionの呼びかけには、欧米やオーストラリアの年金基金や主要運用会社も応じることが近年非常に多く、集団的エンゲージメントの旗を振る世界有数のイニシアチブになっている。 【参照ページ】Shareholders’ capital at risk as BP and Shell drag feet on binding shareholder resolutions 【レポート】Two Years After ‘Aiming for A’: Where Are We Now? – Royal Dutch Shell Plc 【レポート】Two Years After ‘Aiming for A’: Where Are We Now? – BP Plc

» 続きを読む

【イギリス・オランダ】シェル、欧州最大EV充電ステーション企業NewMotion買収

Facebook Twitter Google+

 石油ガス世界大手英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは10月12日、欧州最大の電気自動車(EV)充電ステーション・ネットワーク蘭NewMotionの買収で合意した。ガソリンスタンド大手の同社が、電気自動車市場の高まりを見越し、EV充電ステーション事業を強化する。  NewMotionは2009年に設立。自社保有のEV充電ステーションを欧州で約10万台所有しており、さらにパートナー企業と連携し5万台の運営も行っている。現在も西欧で数千台のステーションを設置中。一方、シェル自身も急速充電ステーションを英国、オランダ、ノルウェー、フィリピンに設置しており、今回の買収により、自社の急速EV充電ステーションと、NewMotionの通常EV充電ステーションの双方を事業ポートフォリオに持つことになる。NewMotionの2016年売上は1,290万ユーロ(約17億円)、純損失が390万ユーロ(約5億円)。  現在、西欧のEV充電ステーションは10万台以下で、そのうち3万台がNewMotion管理。しかし、電気自動車市場は欧州で急激に拡大しており、2030年までに西欧だけで100万から300万台のEV充電ステーションが必要になるとも言われている。シェルは、2040年までに世界の自動車の約25%が電気自動車になると見立てている。 【参照ページ】NewMotion welcomes acquisition by Shell, one of the world's leading energy providers

» 続きを読む

【カナダ】ロイヤル・ダッチ・シェル、カナダのオイルサンド権益を売却。同事業から撤退

Facebook Twitter Google+

 エネルギー世界大手ロイヤル・ダッチ・シェルは3月9日、カナダのオイルサンド採掘権益を、現地のエネルギー大手カナディアン・ナチュラル・リソーシズに売却すると発表した。売却額は72億5,000万米ドル(約8,300億円)。2017年中頃までに売却が完了する見込み。シェルは、採掘コストの高いオイルサンド採掘から撤退し、同社が得意とする深海鉱区や集積ガスへの選択と集中を進める。2018年末までには総額300億米ドルの資産売却を行い、フリーキャッシュを厚くする。  売却対象となるのは、カナダ・アルバータ州で複数のオイルサンド鉱区の採掘権を持つアサバスカ・オイルサンド・プロジェクト(AOSP)。現在の権益保有構成は、ロイヤル・ダッチ・シェル子会社のシェル・カナダ・エネルギーが60%、シェブロン・カナダが20%、Marathon Oil Canada Corporationが20%。AOSPはまた、同州にあるスコットフォード・アップグレーダー(改質プラント)やクエスト・CCS・プロジェクトも保有している。AOSPの全体の原油生産能力は日量255,000バレル。  今回、ロイヤル・ダッチ・シェルとカナディアン・ナチュラル・リソーシズが締結する契約は、大きく2つの内容で構成されている。まず、ロイヤル・ダッチ・シェルは、同社保有のAOSP権益60%分と同社保有のピースリバー鉱区100%、及びその他のオイルサンド未開発鉱区のを全てカナディアン・ナチュラル・リソーシズに売却する。ロイヤル・ダッチ・シェルは売却により、カナディアン・ナチュラル・リソーシズから現金54億米ドルと同社株式31億米ドル分を受け取る。  もう一つの契約では、ロイヤル・ダッチ・シェルとカナディアン・ナチュラル・リソーシズは共同で、Marathon Oil Canada Corporationが保有するAOSP20%を折半で買い取る。各社12.5億米ドルずつを現金で支払う。これにより、AOSPの権益構成は、カナディアン・ナチュラル・リソーシズ70%、シェブロン・カナダ20%、ロイヤル・ダッチ・シェル10%となる。これにより、ロイヤル・ダッチ・シェルは、同社の石油コンビナートに近いスコットフォード・アップグレーダーとクエスト・CCS・プロジェクトの事業運営者の位置づけは維持しつつ、オイルサンド採掘事業者からは撤退する。さらに、契約の中には、ロイヤル・ダッチ・シェルが保有する10&のAOSP権益と、スコットフォード・アップグレーダーとクエスト・CCS・プロジェクトの権益20%を交換できるオプションも盛り込まれており、同社がこのオプションを行使すれば、AOSPの事業全体から完全撤退することとなる。  カナダのオイルサンドは、昨今撤退が相次いでおり、すでに米エクソンモービル、米コノコフィリップス、ノルウェーのスタトイルも撤退を発表している。  また、ロイヤル・ダッチ・シェルは3月24日、アフリカのガボン国内に保有する全ての石油・ガスのオンショア鉱区権益を、米カーライル子会社Assala Energy Holdingsに売却すると発表した。売却額は5億8,700万米ドル。 【参照ページ】Shell divests oil sands interests in Canada for net consideration of $7.25 billion 【参照ページ】Shell divests Gabon onshore interests

» 続きを読む

【国際】石油・ガス大手10社、低炭素化技術開発のため10億ドル投資ファンド設立

Facebook Twitter Google+

 石油・ガス世界大手10社で構成する石油・ガス気候変動イニシアチブ(OGCI)は11月4日、石油・ガス産業からの二酸化炭素排出量を削減するための技術開発のため投資ファンド「OGCI Climate Investments」を共同設立することを発表した。ファンド規模は10億米ドル(約1,100億円)。OGCIは2014年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議)で構想が発表され、同年9月の国連気候変動サミットで正式に発足した組織。BP(英国)、Eni(イタリア)、レプソル(スペイン)、サウジアラムコ(サウジアラビア)、ロイヤル・ダッチ・シェル(英国・オランダ)、スタトイル(ノルウェー)、トタル(フランス)、ペメックス(メキシコ)、リライアンス(インド)、中国石油天然気集団(中国)の10社が加盟している。米国大手は入っていない。ファンド設立発表式には、BP、Eni、レプソル、サウジアラムコ、ロイヤル・ダッチ・シェル、スタトイル、トタルの7社のCEOまたは会長が直接参加し、調印を行った。  設立されたファンドが投資対象とするのは4つの分野で、そのうち特に2分野に注力する。一つ目は、低炭素社会に向けて天然ガス・サプライチェーンからのメタンガス漏洩量・排出量を削減し天然ガスを気候変動に資するものにすること。もう一つは、炭素回収・貯蔵(CCS)技術を発展させた新概念「炭素回収・使用・貯蔵(CCUS)」技術の開発を支援し低炭素社会でも石油・ガスを推進できるようにすること。その他二つは、工業分野でのエネルギー効率改善と交通分野でのエネルギー効率改善。  今回のファンド設立の背後には、気候変動への関心が高まる中、石油・ガス産業の戦略的な狙いがある。目下のところ、低炭素社会に向けては、二酸化炭素排出量が多く、大気汚染物質も多い石炭を減少することで、世界(日本を除く)は大方のところ見解一致しているが、石油とガスについては、意見が二つに分かれている。低炭素社会に向けた最大限の努力を模索する支持者は、石油とガスを含めた削減と再生可能エネルギー推進を呼びかけているが、一方で急速な脱化石燃料を望まない再生可能エネルギー懐疑派からは、石炭から石油・ガスへのエネルギーシフトを提言している。石油・ガス産業大手の多くは、世界的にエネルギー需要が増加する中、石油・ガスは引き続き世界の主要エネルギー源となると考えており、脱石油・ガスではなく、石油・ガス産業でのエネルギー効率を上げる取組を推進している。  OGCIは、気候変動枠組条約COP21パリ会議が開催される直前の昨年10月にも、石油・ガスのエネルギー効率改善に向けた共同声明を発表している。声明ではCOP21での政府合意や2℃目標を支持するとともに、エネルギー改善やCCS技術開発のための投資やアクションを行っていくことを宣言していた。  一方、米国の石油・ガス大手であるエクソンモービルやシェブロンは、OGCIに加盟することを渋っている。石油・ガスの低炭素化では、米国とそれ以外で温度間に差が出てきている。 【参照ページ】OGCI announces $1 billion investment in low emissions technologies 【参照ページ】CEO Declaration: Accelerating a low emissions future 【参照ページ】Oil and gas CEOs jointly declare action on climate change

» 続きを読む

【イギリス・オランダ】シェル、気候変動2℃目標に向けた社会シナリオを発表

Facebook Twitter Google+

 石油世界大手のロイヤル・ダッチ・シェルは5月上旬、昨年国際合意に至った「パリ協定」での合意点を前提としたシナリオ示す文書「A Better Life With a Healthy Planet」を公表した。同社はこれまで「地球の気温上昇を産業革命以前と比較して2度未満に抑える」ことは実現が困難として、自社のシナリオ作成の際にもそれを前提としてこなかった。背景について、英環境メディアのCarbon Briefは、気候変動に関する情報開示を株主が迫ったことがあると分析している。  今回、シナリオを予見する文書を発表した背景には、同社がお家芸としている「シナリオ・プラニング」という経営戦略手法がある。シナリオ・プランニングとは、不確実性の高い将来に対応できる経営戦略を策定するため、社会情勢の変化に合わせた複数のシナリオを予見し、それぞれのシナリオに対応できる準備を事前にしておくというものだ。同社は1973年に最初となるシナリオ・プランニングを実施し、オイルショックという先を見通せないタイミングで、見事に難局を乗り切った。気候変動対策時代におけるシナリオ・プランニングは今回が初ではなく、2011年に実施し、「ニューレンズシナリオ」という文書を公表していた。この度発表された「A Better Life With a Healthy Planet」は、「ニューレンズシナリオ」の補足修正文書という位置づけた。  ロイヤル・ダッチ・シェルが「A Better Life With a Healthy Planet」の中で示した基本的な考え方は、パリ協定で合意された2℃目標は、実現は可能だが、道のりは極めて険しいというものだ。発展途上国の市民が先進国と同等の生活を望みエネルギー需要は今後も伸びていく中、同時に温室効果ガスの削減を実現することは大々的な変革が必要だと指摘。とりわけ、産業や交通分野での利用される化石燃料エネルギーの削減は難易度が高く、比較的な容易な電力エネルギーを化石燃料依存から脱却し、再生可能エネルギーや原子力に転換、その上で石炭、天然ガス、さらにはバイオマス火力発電の割合も減らしていかなければいけないと断じた。また、交通分野でも長距離輸送ではエネルギー密度の高い化石燃料が必要となるが、それ以外では水素エネルギーによる輸送を実現しなけれべならないという見方を示した。そのような状況下で、温室効果ガス排出量そのものをゼロにすることは非現実的であり、産業・交通分野での排出を、他の分野でマイナスにする「ネット(純)ゼロ」を提唱、CSS(炭素回収貯留)技術開発が不可欠だと分析した。  政策面では、1)新たな低炭素原材料や技術への転換を可能にするインフラ構築を促す長期的政策 2)カーボン取引、税制、二酸化炭素排出基準の規定等の手段を通しての、経済全体にわたる炭素税の制定、3)低炭素化への転換に伴う、特に最も脆弱な経済分野や社会階層への負の影響の軽減、4)実効性のある低炭素関連のリサーチや実践の展開に向けた主要分野への支援や刺激策、特に初期段階での経済的支援等を挙げた。  また、文書の中では、他の研究機関が発表した、地球温暖化抑制目標に応じた温室効果ガス排出ネットゼロの実現必須時期を紹介した。それによると、3℃目標のためには2100年代早期にネットゼロに、2.5℃目標のためには2100年までに、2℃目標のためには2070年頃までに、1.5℃目標のためには2050年頃までにネットゼロにし、それ以降は炭素固定化を進め温室効果ガス排出をマイナスにしなければならない。パリ合意で示した2〜1.5℃目標の実現のためには、特効薬はなく、可能な手段を全てとり続けていかなければならない。今回の文書の中で同社は、全ての側面で最良の結果が得られる状況を、英語圏で有名な童話の主人公の名から「Goldilocks」と命名し、もしそれが実現できれば2100年より前にネットゼロが可能かもしれないと述べている。  だが、ロイヤル・ダッチ・シェルが今回示した今回の文書は、あくまで同社が将来に向けての社会シナリオを示したにすぎない。今回の文書の中では、起こるであろう未来を予測したものでも、同社自身の経営の方向性を示したものでもなく、同社自身の覚悟が見えないという批判も出ている。同社が、今回のシナリオ分析をもとに、どのような目標を設定しアクションを起こしていくのか。同社の今年の株主総会は5月24日に開かれる。 【参照ページ】A BETTER LIFE WITH A HEALTHY PLANET 【参考ページ】ニューレンジシナリオ 【参考ページ】Shell outlines “below 2C Climate change scenario

» 続きを読む

【エネルギー】石油産業の構造① ー供給の歴史:石油企業と産油国の150年ー

Facebook Twitter Google+

 石油。化石燃料の中でも最もその動向が話題になる物質です。石油は自動車燃料やジェット燃料、また火力発電所の燃料として使われるだけでなく、プラスチックやナイロン、芳香剤など化学素材の原料ともなっています。シェールオイル、OPEC、スーパーメジャー、イラン、サウジアラビア等、毎日のように登場する石油産業のキーワード。世界経済の根幹として機能している石油の価格はここ数年、大きく変動しており、経済関係者や投資家はその変動を固唾を呑んで見守っています。いま石油価格の変動に影響を与えているものは何か。今回は石油産業の供給側の状況を見ていきます。 石油産業の始まり  日本人にとって石油と言えば中東というイメージが強いですが、石油産業はアメリカで始まりました。1850年代、日本ではペリー来航で江戸幕府が右往左往していた時代、アメリカではすでに鯨油を用いたランプ灯が使われ始めていました。当時江戸近郊に出没するアメリカ船も鯨油獲得のための捕鯨目的だったと言われています。時は1858年、日本で日米修好通商条約が締結されたこの年、アメリカ東部ペンシルバニア州で、弁護士エベレス、事業家ビゼル、その他富裕層投資家によってセネカ・オイル社という企業が設立されます。この会社が狙ったものは当時、アメリカで存在が噂されはじめていた地下に眠る石油の採掘でした。この企業に一人の男が偶然、投出資者の一員、そして採掘責任者として採用されます。それがエドウィン・ドレークです。彼は、後に「世界で初めて石油を発掘した男」と呼ばれることになる人物です。  ドレークはペンシルバニア州タイタスビルで採掘を開始します。当時タイタスビルは地表上に石油が滲みでる場所があり、そこから採取された石油がランプ油として使用できると判断されていたからです。世界で初めてとなる地下石油の採掘には困難に直面します。岩塩採掘機などを改造して作ったドリルは、ある程度は掘削を進めましたが、固い岩盤にぶつかってからは掘削速度がダウン、時が過ぎ資金は枯渇、ついにセネカ・オイルの出資者たちは音を上げて事業から手を引いてしまいます。ドレークは知人などから資金をかき集め自力で採掘を続けました。彼の執念は実を結び、1859年、ついに石油が掘削パイプから湧出、地下石油の採掘に成功したのです。  このドレークの成功にニューヨーク・ウォール街は即飛びつきます。当時の欧米経済の中心といえばロンドン。ロンドンには数多の証券会社が集積しヨーロッパ中の資金が集まってきていました。そしてそのロンドンにとって、発展著しい新大陸アメリカは格好の投資先。資金がロンドンからウォール街へと流れ込んでいたのです。ドレークの成功から数年、アメリカでは空前の石油投資ブームが沸き起こります。タイタスビル周辺だけでなく全米各地で新規参入者が次から次へと地下を掘り進め、産油量はいっきに増加、オイルラッシュ時代に突入します。結果起こったことはオイルバブルの崩壊でした。石油需要がランプ灯に限られている中で産油量ばかりが増加した結果、原油価格が崩落、当初1バレル当たり20米ドルついていたものが、1861年には10セントにまで下がったと言われています。「世界で初めて石油を発掘した男」ドレークの命運はここで付きてしまいます。世界初の採掘製法に関して特許保護策を取らなかったドレークは新規参入者の波に飲まれる中、採掘にお金を注ぎ込み資産を喪失、議会からの温情を受け特別年金手当を受けて暮らすという寂しい晩年でした。  石油価格の急落に直面した事業家たちは、産油量の自主規制による価格保護という手を打ち、価格は数ドル程度まで回復。それでも、石油の海外輸出網が整備されるなど、全米の産油量は増加していきました。やがて生き残りをかけた事業者の統合の時代が到来します。この熾烈な生き残り勝負を勝ち抜いたのが、ジョン・ロックフェラー率いるスタンダード・オイル社でした。ロックフェラーはトラストいう金融手法を駆使し、1882年までにペンシルバニア州の油田の多くを手中に収め、さらにテキサス、カリフォルニアなど全米各地で石油採掘事業を手がけていったのです。 スタンダード・オイルからセブンシスターズの時代へ (出所:ニューラル作成)    20世紀に入り、1908年にはフォードのT型生産方式が確立するなど、石油はガソリンとして、またストーブ燃料としても活用されはじめます。この石油需要の急増を追い風に、スタンダード・オイルは石油生産シェアの90%を誇る巨大企業に成長していきました。このスタンダード・オイル一人勝ちの状況を危惧し、ついにアメリカ連邦議会が動きます。1911年、「反トラスト法」が制定、スタンダード・オイルは地域ごとの34社への分割解体を余儀なくされました。  そしてその後、石油産業はセブンシスターズの時代へと変遷していきます。分割解体されたスタンダード・オイル各社が目をつけたのは海外でした。1910年代は第一次世界大戦が勃発し、軍需としての石油需要が増えるだけでなく、今に続く大きなできごとが起こります。それは、第一次世界大戦敗戦国となったオスマン帝国の解体です。新生トルコ、またオスマン帝国の支配下にあったイラクなどにイギリスの息が及ぶようになり、中東全域での石油採掘ブームを巻き起こしました。そして地域の各政府と交渉を重ね石油採掘権を握っていったのが、スタンダード・オイルの生き残り各社と、植民地での石油採掘に成功していたイギリス、オランダの企業です。このようにして、世界の石油採掘は、スタンダード・オイルを前身とするエクソン、モービル、ソーカル、20世紀初頭テキサス石油ブームで力をつけたガルフ、テキサコ、植民地での石油採掘を始めていたロイヤル・ダッチ・シェル、ブリティッシュ・ペトロリアムの7社が支配する「セブンシスターズ」時代が開幕するのです。  勢いに乗るセブンシスターズは産油についてのデファクトスタンダードを築いていきます。その集大成となったのが、1928年にスタンダード・オイルニュージャージー(後のエクソン)、ロイヤル・ダッチ・シェル、アングロ・イラニアン石油(後のブリティッシュ・ペトロリアム)の3社で締結された赤線協定とアクナキャリ協定だと言われています。これは旧オスマン帝国領土内の石油の単独開発を禁じ、アメリカ及びソ連領土内の石油販売シェアを固定したものだと言われています。結果、セブンシスターズ時代には世界の石油価格決定権はセブンシスターズのカルテルによって一元的に管理され、その方式は「ガルフ・プラス方式」「中東プラス方式」と呼ばれていました。 (出所:エネルギー庁)  セブンシスターズの時代はその後1970年代まで続きます。上のグラフからは、第二次世界大戦後の1949年当時でも、セブンシスターズは世界の産油量の65%、埋蔵量の43%の利権を手にし、石油産業を完全に支配していたことがわかります。 OPEC(石油輸出国機構)の創設  この状況に一矢を報いたのが、中東諸国を中心に結成されたOPECの創設です。産油国は、国家財政の大半をセブンシスターズからの収益分配金で担っているのに、その石油の価格決定権をセブンシスターズに握られてしまっている、この状況を打破しようと考えたわけです。1960年設立当初のメンバーは、イラン、イラク、サウジアラビア、クウェート、ベネズエラ。その後10年の間に、カタール、インドネシア、リビア、アラブ首長国連邦、アルジェリア、ナイジェリアなどが加盟、産油国がセブンシスターズから石油利権を取り返す攻勢を繰り出します。 (出所:エネルギー庁)  OPEC諸国が狙ったのは石油利権の奪還と石油価格決定権の確保です。石油利権の奪還では、OPEC創設より前の1951年に、イラン政府がアングロ・イラニアン石油(後のブリティッシュ・ペトロリアム)が持つイラン石油利権を国有化、1960年にインドネシア、1967年にアルジェリア、1970年にはリビア、1972年イラク、1973年サウジアラビア、1976年カタールとクウェート、UAEアブダビ、ベネズエラ、1979年にナイジェリアで、セブンシスターズが持つ石油資源会社の国有化が実施されました。こうして、OPEC諸国で産油地を失い、産油国政府から石油採掘工事を受託するサービス業者へと転換したセブンシスターズは、その権勢の旗を降ろしていきます。小説「海賊とよばれた男」のモデルとなった出光興産の出光佐三社長が、石油利権を1951年に国有化したイランから独断で石油の輸入を断行した日章丸事件を引き起こすのが1953年。当時はこのような時代背景があったのです。 (出所:Business Insider)  価格決定権の確保では、当時セブンシスターズが決めていた公示価格を1971年のテヘラン協定、トリポリ協定で段階的に引き上げさせ、そして1973年の第四次中東戦争を機にOPECがセブンシスターズへの相談なく立て続けに、70%の価格引き上げ(10月16日)、イスラエル支援国への石油禁輸(10月17日)、130%の価格引き上げ(12月)を実施するという第一次オイルショックを経て、セブンシスターズは価格決定権を完全に喪失しました。このことは、セブンシスターズによる石油価格安定の時代の終わりも意味していました。 OPECの一時的な衰退  1973年の第一次オイルショック、そして1978年のイラン革命による第二次オイルショック。1970年代はOPECが石油の実権を確保した時代でした。OPECは石油価格を高く維持することに成功し、同時に石油利権そのものを国有化して懐を富ませていきます。OPECの中でも特に活躍を見せたのが産油量が大きいサウジアラビアでした。サウジアラビアは自らが産油量のスィングプロデューサー(生産量の調節役)となることで需給を調整し、世界の石油価格をコントロールしていったのです。特に、1978年にイラン革命が起こり、一方の地域の盟主的存在であったイランが欧米から制裁を受け、他のスンナ派中東諸国から警戒されることで、サウジアラビアの存在感は増していったのです。  しかしながら、OPECの支配、そしてサウジアラビアの支配は長くは続きませんでした。中東諸国への依存に怯えた欧米諸国とセブンシスターズは新たな油田開発に挑んだからです。オイルショックで石油価格が高騰していたこともセブンシスターズにとって資源開発投資の強い追い風になりました。1977年にはアラスカのプルドーベイ油田が操業を開始、1980年代には北海油田の開発が本格化します。その結果、1985年から1986年の間に原油価格は大暴落、サウジアラビアはついに1986年原油の公示価格制を放棄し、OPECの価格統制力は一時的に弱まり、価格は低迷していきます。その後、ソ連崩壊、湾岸戦争などがありましたが、旧ソ連諸国の市場経済化の影響もあり、石油価格は比較的安定していました。しかし2000年に入ることから石油業界の構造は大きな転換点を迎えていきます。 2000年代 アメリカ・OPEC・BRICs  2000年代には、最も老舗の産油大国であるアメリカ、マーケットシェア40%を握るOPEC、そしてBRICsという新興国の台頭が産油マーケット全体に大きな嵐を呼び起こしていきます。まず、アメリカ。1970年代からのアラスカ油田で一度は産油量を回復させたアメリカも、1987年をピークに産油量を年々減少させていきます。資源大国アメリカも国内の油田が劣化していったのです。同様のことは北海油田についても言え、イギリス、ノルウェー政府も安穏とはしていられない状況になっていきます。  一方、OPEC。1997年のアジア通貨危機を機に急落した原油価格を持ち上げようと、1999年にOPEC加盟国が集い久々に全加盟国が減産に合意、価格引き上げに成功します。世界中のどの他の地域よりも経済を石油に依存している中東OPEC諸国は、世界の国々の中でも最も価格に敏感にならなければいけない必然があったのです。その後、OPECは、OPEC主要油田の原油価格を加重平均した「OPECバスケット価格」というインデックスを創設してこれを政策決定のベンチマーク指標としていきます。  そしてBRICs。今までは資源開発投資にも積極的になれなかった中国、ロシア、ブラジルが急速に石油採掘に力を入れ始めます。彼らはNOC(National Oil Company:国営石油会社)というスタイルを取り、政府主導での油田開発を実施していきます。その結果、中国では国有企業のペトロチャイナ(中国石油天然ガス集団)、シノペック(中国石油化工集団)やCNOOC(中国海洋石油総公司)、ロシアでは国有企業のガスプロム、ブラジルでは国有企業ペトロブラスが急速に世界の中でのプレゼンスを高めていきました。これらの企業はセブンシスターズでもOPECでもない第三極を構成してきています。ペトロチャイナ、ガスプロム、ペトロブラスに、サウジアラビアのサウジアラムコ、ベネズエラのPDVSA、マレーシアのペトロナス、国営イラン石油を加えた7社は、「新セブンシスターズ」と呼ばれるようになりました。  こうしてマーケット環境の急激な変化の中で、セブンシスターズは自らの経営基盤を強化する必要性を感じ統合を繰り返し、国際石油メジャーと呼ばれる企業は、現在はやや格下であった仏トタルを含めた5社にまで絞りこまれている状況です。国際石油メジャーは、旧来から保有していたアメリカを始めとする先進国国内の油田産油量が減少する中、周辺領域の海底油田やアフリカ、中南米の途上国での新たな資源開発に活路を見出そうとしているのです。 (出所:Forbes)  今や日量バレルのトップ10にはOPEC諸国だけでなくガスムロムやペトロチャイナが入っています。 シェールオイルという新たな担い手  産油事情にとって最も新しい動きがシェールオイルです。通常の石油より奥深いシェール層に埋まっているシェールオイル、2014年頃から急速にアメリカで採掘が広がり、衰退していたアメリカの石油業界が息を吹き返したような状況になっています。シェールオイル採掘の担い手は、国際石油メジャーではなく多くが投機的とでも言えるようなリスクテイキングなスタートアップ企業です。彼らには投資家からのリスク資本がついており、それが開発を促しています。最近では国際石油メジャーも関心を寄せ始め、一部では開発プロジェクトへの出資が始まっています。   (出所:Crude Oil Peak)  シェールオイルの採掘が始まり2013年頃からアメリカの産油量は上昇に転じました。もちろんこの産油量増加にはメキシコ湾等の海底油田からの産油も大きく後押ししています。今後の見通しではシェールオイルによる産油量の押し上げは今後数年は続くようです。 (出所:JOGMEC)  また、上記はシェールガスに関する調査報告ですが、シェールガスとシェールオイルの分布は似ており、シェールオイルの埋蔵量も中国が最も多いと言われています。しかしながら、まだアメリカおよびカナダ以外の地域でのシェールオイル開発は活発化していません。特に中国のシェールオイルは地層の非常に深いところにあり、採掘コストがまだ投資対効果に見合わないと言われています。 価格調整メカニズムはどうなるのか?  国際石油メジャーが価格統制力を失い、第三極のNOCが台頭してきている中、価格調整は誰が果たしていくべきなのでしょうか。2015年の石油価格の下落に関してはOPECの不調和が話題に上がりました。2014年11月27日ウィーンで開催されたOPEC総会は世界中の注目を集める中、減産に踏み切らなかったことが石油価格の下落基調を特徴づけました。その後今日まで石油価格が20米ドル台にまで下がてきつつもOPECでの減産決定はなされていません。OPECが現状維持を貫く背景には、アメリカのシェールガスやシェールオイルが市場に出てくる中、マーケットシェアを死守するために価格破壊を容認してまでも販売量にこだわっているからだとも言われています。 (出所:BP)  では本当に価格調整をOPECだけに委ねることができるのでしょうか。2014年の数値では何年かぶりにアメリカが世界最大の産油国に復活し、サウジアラビアやロシアを上回るまでに成長しました。さらにカナダ、中国はサウジアラビア以外のOPEC諸国を上回る産油実績を見せています。また、OPEC諸国は現段階で確認埋蔵量に対して抑制的に産油を行っているところ、アメリカやカナダは非常に積極的に産油を行っていることがわかります。さらに現在、アメリカ連邦政府は1975年に発動した国内産石油輸出禁止の解除を検討しているとの報道もなされています。この輸出解禁は、世界最大量を誇るアメリカ産原油がアメリカ国内に過剰流通することで国内石油価格を押し下げており、シェール関連投資への冷え込みを懸念してのことだと考えられるます。比較的産油が容易で産油コストの低いOPECの石油に対し、アメリカのシェールオイルは産油コストが高く、石油価格が低くては生き残れない事情があるためです。こうしてみてくると、世界経済全体の冷え込みを前にOPECの意見不一致に責任が帰されている感がありますが、実際にはシェールオイルを活発化させたアメリカ自身にその責任があるようにも見えてきます。  時を同じくして、サウジアラビアとイランの対立も激しくなっています。石油の文脈ではサウジアラビアが圧倒的な産油量と埋蔵量を誇っていますが、域内2位であるイランは2016年1月16日に欧米諸国からの経済制裁解除を果たし、これまで制限されていた石油の海外輸出が解禁するとも言われています。こうして欧米諸国とイランが接近する中、反対に欧米諸国とサウジアラビアの距離が拡大してきています。ロイター通信は1月27日、サウジアラビアを始めとするOPEC加盟国とロシアが石油減産について協議する可能性があると報じており、ロシアがサウジアラビアにアプローチしているようにも見えます。  一方的にアメリカが産油量を拡大させる中、我慢比べ戦法をとったOPECはどうなるのか。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は昨年9月、アメリカ国内のシェール企業が経営危機を迎えている様子を報道しており、アメリカのシェール企業も生き残りに必死のようです。そのような未来を予見してか、OPECが昨年12月に発表した「世界石油見通し」報告書では、「OPEC産原油の生産が2040年には現状より1,000万バレる多い日量4,070万バレルに達するだろう」と述べ、従来予測であった3,970万バレルより100万バレル上方修正し、一方でOPEC以外の国の生産量を下方修正しました。  政争の具として使われてきた石油。サウジアラビアとイランの対立を前にOPEC加盟国だけで結束を築くことは難しくなっていますが、第三国がOPEC加盟国に働きかけ、減産へと導く可能性は残されています。エネルギー業界にとって石油価格は巨大なインパクトを与えます。2016年は石油市場の動向から目が離せない状況が続きます。

» 続きを読む
2016/01/28 体系的に学ぶ
ページ上部へ戻る