【マレーシア】司法当局、ゴールドマン・サックスを起訴。1MDB資金流出事件への関与疑い

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 マレーシアの司法当局は12月17日、同国政府系投資ファンド「1MDB」から45億米ドル(約5,000億円)が流出した事件に関し、米金融大手ゴールドマン・サックスのグループ会社3社と、1MDBの元従業員ルー・アイ・スワンと逃亡中の華人系マレーシア人ロー・テック・ジョーの2人を起訴した。  ゴールドマン・サックス・グループは、2012年と2013年に1MDBが合計65米ドル(約7,200億円)の債券を発行した際に主幹事を務め、手数料約6億米ドルを獲得。これに関し、米司法省(DOJ)は、同社のティム・レイスナー元東南アジア地域会長とロジャー・ウン元マネージングディレクターの2人、及びロー・テック・ジョーが、マレーシア政府高官とアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ政府高官に賄賂を支払うと同時に、1MDBから27億米ドルの資金流出に関与したと指摘。レイスナーは、その事実を認め、米連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)とマネーロンダリング違反の罪に問われた。一方、ウンは、DOJから要請を受けたマレーシア当局が逮捕した。  これを受けマレーシア司法当局は、ゴールドマン・サックス・グループが虚偽の報告をしたとして企業としての責任を追及。証券取引法違反の罪で起訴した。起訴されたのは、英ゴールドマン・サックス・インターナショナル、ゴールドマン・サックス(シンガポール)、ゴールドマン・サックス(アジア)の3社。訴状では、債券引受手数料6億米ドルと不正流出させた27億米ドルを超える罰金を要求している。  1MDBは、当時のナジブ・ラザク首相の肝入りで2008年に設立。しかし、同ファンドからナジブ一族への不正資金流出が2015年に発覚して以降、一気に問題が噴出した。ナジブはその後、世論の反感を買い、選挙で敗北し、2018年に逮捕された。米司法省の捜査では、ナジブ一族に多額が私的に流用され、高級住宅、ヨットの購入、映画製作の費用に使われたという。  ゴールドマン・サックスは、組織的な関与を否定している。

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【マレーシア】ゴム手袋Top GlobalとWRP、強制労働や劣悪労働の疑い。英紙ガーディアン報道

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 英国民保健サービス(NHS)は、強制労働への関与の疑いのあるマレーシアのゴム手袋メーカー2社Top GloveとWRPから医療用ゴム手袋を調達している疑いが判明した。英紙ガーディアンが12月9日、報じた。本件との直接の関係は定かではないが、Robeco等一部の投資家は、今回の報道の後にTop Gloveの株式を売却した。NHSは、調達した手袋を、英国のグループ病院や医療施設に供給していた。  ガーディアンの報道によると、Top Gloveのネパール人従業員8人、バングラデシュ人従業員8人から事情を聞いたところ、週7日間、1日12時間以上勤務させられており、月の休日は1日しかなかったという。工場で手足を負傷する労災も多数報告されており、移民労働者のパスポートも会社が強制的に保管し、返還請求にも応じていない模様。  WRPでも同様の労働慣行が見られ、超過残業の横行、パスポートの会社管理強制、3ヶ月以上の給与支払遅延、日曜日以外の外出禁止等が従業員ヒアリングから浮かび上がってきた。  これに対し、Top Gloveは、超過残業については改善が必要だと認めたものの、労働権侵害や強制労働の実態については否定。WRPも否定した。しかしTop Gloveは、ガーディアンを提訴するかについては、「不必要なことに資源を使いたくない」と訴訟はしないと表明。必要な内部調査については実施すると述べた。  Top Globeは、FTSE RussellのマレーシアでのESGインデックス「FTSE4Good Bursa Malaysia Index」に採用されている。 【参考ページ】NHS rubber gloves made in Malaysian factories linked with forced labour 【参考ページ】Top Glove will not take any legal action against UK's The Guardian

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【マレーシア】マレーシア証券取引所、サステナビリティ報告ガイド第2版発行。TCFD盛り込む

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 マレーシア証券取引所は12月13日、サステナビリティ報告ガイド第2版を発行。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインの内容も組み込んだ。同証券取引書は2015年10月にサステナビリティ報告ガイド初版を発行し、アジアのサステナビリティ報告制度化の先駆け国の一つ。  同ガイドは、マレーシア証券取引所の上場企業に向けた自主的ガイドラインで、遵守義務はないが、ガイドに基づく情報開示が推奨されている。今回の第2版では、TCFDに関する内容を盛り込んだ他、国連持続可能な開発目標(SDGs)に基づく情報開示にも言及。SDGs報告については、好事例として三井物産を紹介している。  マレーシア証券取引所ではすでに、ESG情報開示の一部を上場基準に定めており、この項目については上場企業は遵守義務を負っている。その中では、コーポレートガバナンスに関する詳細内容のほか、サステナビリティのマテリアリティ特定についても報告が義務化されている。今回のガイドでも、マテリアリティ特定に多くページを割き、マテリアリティ特定に関する推奨される具体的プロセスについても紹介した。サステナビリティ関連データに関する内部監査や第三者保証についても推奨内容を記載した。  さらに12業種については、情報開示が推奨される報告テーマも紹介。さらに各テーマごとにも、報告すべき業種や内容、GRIスタンダードやSDGsとの関係性についてもまとめた。  マレーシア証券取引所には現在、メイン市場、新興企業向けACE市場、中小企業向けLEAP市場の3つがあり、合計約1,000社が上場している。サステナビリティ上場基準は、メイン市場でACE市場に適用されている。 【参照ページ】BURSA MALAYSIA REINFORCES SUPPORT OF TCFD RECOMMENDATIONS IN UPDATED SUSTAINABILITY REPORTING GUIDE AND TOOLKITS 【ガイド】SUSTAINABILITY REPORTING GUIDE 2ne Edition

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【マレーシア・インドネシア】公正労働協会FLAとCGF、パーム油農園での強制労働撲滅を強化

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 公正労働協会(FLA)は11月6日、マレーシアとインドネシアでのパーム油生産での強制労働の実態を調査した報告書「Assessing Forced Labor Risks in the Palm Oil Sector in Indonesia and Malaysia」を発表した。食品・消費財大手や小売大手が加盟する国際的な業界団体コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)がFLAに報告書を作成を依頼していた。FLAは、業界全体として強制労働撲滅で協働する必要があると訴えた。  パーム油生産に関しては、森林破壊等の環境破壊に対する懸念が2000年代前半から強まっているが、最近では強制労働や労働慣行に関する懸念の声が大きくなっている。CGFは、強制労働問題に対処するための原則「Priority Industry Principles」として、「全ての労働者に移動の自由がある」「労働者は就職のための費用を支払わない」「労働者は借金を負わされたり強制労働させられない」の3つを掲げている。とりわけ、3原則を広げる強化ポイントとしてパーム油業界は位置づけられており、CGFのパーム油ワーキンググループはFLAに実態調査を依頼した。  今回の調査からわかったことは、インドネシア及びマレーシアでは、強制労働を示す兆候が確認できたというもの。例えば、脅迫による強制労働、暴力や不明瞭な労働条件、雇用主に依存させる行為、政府や警察からの保護の欠如、借金漬け、高額の採用費負担、サービス残業等が見られた。特に、パームヤシの収穫及び面倒を見える労働者は高いリスクを負っており、農薬や肥料への曝露による健康リスクも確認された。  同時に同報告書は、企業が採るべき対策も記述。両国政府への働きかけ、ステークホルダーとの対話、業界内やサプライチェーンとの情報共有、既存のアセスメント手法の改良、既存の認証スキームや業界基準の改良、CGF加盟企業の強いコミットメントを求めた。それを受け、CGFも同報告書の中でアクションプランを発表。協働して強制労働撲滅に向け動き出す姿勢を見せた。 【参照ページ】THE CONSUMER GOODS FORUM AND FAIR LABOR ASSOCIATION CALL FOR GREATER COLLABORATION TO TACKLE FORCED LABOR IN THE PALM OIL INDUSTRY 【報告書】Assessing Forced Labor Risks in the Palm Oil Sector in Indonesia and Malaysia

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【マレーシア】政府、2030年までの使い捨てプラスチック製品禁止方針発表。2019年から大都市でストロー使用禁止

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 マレーシアのヨー・ビー・イェンヌ・エネルギー・技術・科学・環境・気候変動大臣は9月24日、使い捨てプラスチック製品の使用を2030年までに全面的に禁止し、使い捨てビニール袋には課税する方針を発表した。プラスチック製品の禁止に踏み切るのは東南アジアでは初。来月詳細な計画を明らかにする。  同国では連邦領大臣が9月22日、2019年1月1日から同国を代表する都市クアラルンプール、プトラジャヤ、ラブアンで使い捨てプラスチック製ストローの使用を全面禁止すると発表。違反企業には2020年から貿易・食品取扱事業免許が更新されないとしており、同国の事業者は大きな転換が迫られる。  イェンヌ大臣は、マレーシアはプラスチック廃棄物汚染で世界ワースト8位と表明。2017年にはプラスチック製品の輸出は世界25位でASEAN内では4位。産油国でもあるマレーシアだが、イェンヌ大臣は、国内のプラスチック産業を壊滅される意図はないものの、より環境に配慮した製品を作る準備が必要だと指摘した。

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【マレーシア】BIMB運用子会社、初のシャリーアESG株式ファンドを設定。アラベスクのS-Ray活用

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 マレーシア・イスラーム銀行(BIMB)の運用子会社BIMB Investment Management Berhadは7月12日、ESGのコンセプトとイスラム法(シャリーア)の規定を統合させた初の株式ファンド「BIMB-Arabesque ValueCAP Malaysia Shariah-ESG Equity Fund」を設定した。マレーシア証券委員会(SC)は2017年12月、ファンドに対するESGガイドライン「Sustainable and Responsible Investment Funds」を制定したが、今回のファンドが適用第1号となった。 【参考】【マレーシア】証券委、ファンドのESGガイドライン策定。SRIイスラム債のハブ目指す(2018年1月20日)  同ファンドの銘柄選定では、英アラベスク・アセット・マネジメントのツール「S-Ray」を活用し、UNGCスコアとESGスコアのスコアを分析。評価が高いマレーシア証券取引所の上場企業約100社で構成する。マレーシア投資会社ValueCAPも運営に協力する。 【参考】【インタビュー】アラベスク・アセット・マネジメントの企業サステナビリティ分析ツール「S-Ray」。部門長が語る開発背景と将来展望(2017年9月19日) 【参照ページ】BIMB INVESTMENT LAUNCH MALAYSIA’S FIRST SHARIAH SUSTAINABLE AND RESPONSIBLE INVESTMENT (SRI) EQUITY FUND

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【マレーシア】電子機器業界団体RBA、移民労働者採用改善活動開始。ウォルマート財団から寄付獲得

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 電子機器サステナビリティ推進RBA(責任ある企業同盟、旧EICC)は3月6日、米ウォルマート財団から100万米ドルの寄付を得、マレーシアや周辺諸国での移民労働者採用の改善活動を開始すると発表した。社会・環境コンサルティングELEVATEと協働し、労働者搾取のない労働市場の構築を目指す。  マレーシアは、多くの業界のハブとして移民労働者を多く抱え、その多くが外部の人材紹介業者を通じて採用されている。しかし人材紹介業者は適切なトレーニングを受けておらず、労働者を守るための採用プロセスも存在しない場合がほとんどだという。  RBAとELEVATEの進めるイニシアチブは、今後2年間、教育ツールや情報公開、労働者搾取の実態の把握、人材紹介業における倫理的な採用慣行の普及、労働者や工場経営者への直接の教育を進める。両組織は、将来は、同プロジェクトを移民労働者保護活動のフォーマットとして、マレーシア国外でも展開していきたい考えだ。  RBAは、過去10年の取組から、人材紹介業者の労働者搾取に対する理解と成熟度向上の重要性を強調する。また、労働者側の権利や保護制度の認知普及、効果的な労働者と雇用者間のコミュニケーション及びフィードバックのシステムの構築にも取り組む。  同プロジェクトの具体的な取組内容としては、「労働市場の変革」「強制労働リスクの低減」「強制労働や倫理的な調達に関する公共の教育、情報提供」「ELEVATEの提供するLaborlink Forced Labor Index Survey及びRecruitment Surveyを通じたデータ収集と実態の把握」「倫理的な労働に対する国際的な基準を満たすビジネスパートナーのネットワーク構築を通じた、人材紹介業の成熟」「知識、スキルシェアを目的とした個別教育カリキュラムを通じた移民労働者の啓蒙と巻き込み」を挙げた。 【参照ページ】Responsible Business Alliance Foundation Receives $1M Grant from Walmart Foundation to Accelerate Ethical Recruitment in Supply Chains

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【マレーシア】証券委、ファンドのESGガイドライン策定。SRIイスラム債のハブ目指す

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 マレーシア証券委員会(SC)は12月19日、ファンドに対するESGガイドライン「Sustainable and Responsible Investment Funds」を制定した。SC監督下にあるユニット型投資信託、不動産投資信託、上場投資信託(ETF)、ベンチャーキャピタル、プライベートエクイティを対象とし、ファンドに「SRI(Sustainable and Responsible Investment)」ラベルを付けるための基準を示した。  同ガイドラインは、SRIラベルのためのファンド認定基準と必要な報告・情報開示基準も示している。マレーシア税当局は、SRIファンドに対する税控除政策を発表しており、SCが基準を定めたことで、SRIファンドの設定が進むと見られている。  同ガイドラインの大きな特徴は、一般的なファンドだけでなく、イスラム教国のマレーシアでも興隆しているイスラム債(スクーク)を対象としたファンドにも適用されること。イスラム債をSRIの一つと捉えた場合、マレーシアはアジアのESG投資市場(520億米ドル)のうち、日本に次ぐ市場シェア30%を占める。さらに世界第2位のイスラム債市場(560億米ドルのうち29%)。イスラム債にも適用できるファンドESGガイドラインが誕生したことで、グリーン・イスラム債発行やSRIイスラム債への投資促進を目指す。  SCが、2011年に発表した「資本市場マスタープラン」では、SRIをマレーシア資本市場発展の重要なドライバーとして捉えてた。2014年の「SRIスクーク(イスラム債)フレームワーク」では、SRIのコンセプトとイスラム法(シャリーア)の規定を統合させたルールを制定した。2017年7月には、「SRIスクークフレームワーク」に基づき、マレーシアで世界初のグリーン・イスラム債が発行された。 【参照ページ】The SC Continues to Drive Sustainable and Responsible Investment (SRI), Issues New Guidelines on SRI Funds

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【日本】国際建設林業労働組合連盟、東京五輪組織委員会がマレーシアの人権侵害に関与と非難

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 国際建設林業労働組合連盟(BWI)は11月21日、2020年東京オリンピック・パラリンピックでの会場建設がマレーシアでの人権侵害に関与し続けているとするレポート「Trade union rights in the Tokyo 2020 supply chain」を発表した。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に対して第三者機関が状況をチェックする体制を構築することを求めている。同レポートによると、2020年東京オリンピック・パラリンピックの木材調達方針は、2012年ロンドンオリンピック・パラリンピックのものを大きく下回っているという。  2020年東京オリンピック・パラリンピックの会場建設やインフラ建設では、国産木材の活用を主としつつも、マレーシアからも大量の木材を輸入している。環境や人権を重んじるオリンピック・パラリンピックの準備・運営では、高い人権方針や環境保護方針が定められるのが常だが、同レポートによると、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、既存の認証制度に依存しすぎており、マレーシアの現地で人権侵害を引き起こしている木材を購入し続けている。現地の状況に詳しいNGOは、再三に渡り、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に対策を促しているが、状況は是正されていないという。 【参考】【日本】RANら国際環境NGO、東京五輪・新国立競技場建設での不正木材使用を非難(2017年8月5日)  人権侵害が起こしているのは、まずマレーシア財閥Shin Yangグループと同社子会社Zedtee Plywood。両社はマレーシアのサラワク州で木材の生産、加工、販売を行っている。レポートによると、両社は現地の労働法を順守しておらず、従業員の安全配慮も欠けている。強制労働に近い事態も発生しているという。現地の労働組合も乗り出しているが、両社により厳しく弾圧されているとも報告されている。この木材を伊藤忠建材やジャパン建材が仕入れ、東京オリンピック・パラリンピックの会場やインフラ建設に使われている。  伊藤忠建材やジャパン建材も一定の対策を採っている。両社はZedtee Plywoodの森林伐採地区である「Anap-Muput森林管理区」からの木材調達に関しては、認証取得木材を購入するようにしている。しかし同レポートは、現在の森林認証制度の多くは、流通・加工過程を管理する「CoC認証」が、認証取得していない木材の混入割合が30%以下であれば認証取得商品と認められるシステムに不備があるとしており、人権侵害を起こしている木材も伊藤忠建材やジャパン建材の仕入れに入り込んでいると指摘した。  そのため、BWIは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に対し、人権侵害や違法伐採に関するリスクを低減させるデューデリジェンス制度を導入し、とりわけ第三者機関を入れた苦情処理メカニズムを構築することを強く要求。ロンドンオリンピックでは、環境や労働基準を監視する機関としてNGOのSEDEXが採用され、独立した苦情処理機関としてCSLが設置されたことで、高い品質の大会運営ができたと高く評価されている。  今回の発表に対し、国際NGOは、伊藤忠建材、ジャパン建材、Shin Yangグループ、Zedtee Plywoodの4社に対応を促しているが、いずれからも返答はなかった。 【レポート】Trade union rights in the Tokyo 2020 supply chain 【参照ページ】Malaysia: Civil society reports labour rights violation in timber supply chain of Tokyo 2020; companies did not respond

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【マレーシア】パーム油大手IOIグループ、人権・労働方針を改訂。第三者監視機関が遵守状況チェック

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 マレーシアの巨大財閥IOIグループは10月31日、今年6月に発表した「職場の人権方針」改訂作業が完了したと発表した。IOIグループは森林破壊への関与が指摘された結果、2016年3月に持続可能なパーム油認証団体NGO「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」からRSPO認証停止処分を受けた。その後、対策として、2016年8月に持続可能なパーム油生産方針「Sustainable Palm Oil Policy」とアクションプラン「Sustainability Implementation Plan」を整備。さらに今年4月、第三者機関によるアクションプラン実施状況の監査等新たなコミットメントを発表し、その後6月、新コミットメントを盛り込む「Sustainable Palm Oil Policy」の再改訂を行うとともに、新たに改訂された高炭素貯留(HCS)アプローチ手法を導入すると宣言した。HCSAは、自然資本の観点から炭素貯留量や森林の生物多様性を計測し、資源量の高い森林を保護する取り組み。 【参考】【マレーシア】パーム油大手IOIグループ、持続可能な調達実践の第三者機関監査を実施すると宣言(2017年5月17日)  IOIの対応は、環境面だけでなく、人権面でも強化された。同じく今年6月、人権と労働分野の新たなコミットメントを発表。出稼ぎ労働者からの採用手数料徴収の禁止、法定最低賃金支払の徹底、労働組合の従業員へのアクセス権、パーム油生産における自由で公正な労働原則(パーム油労働原則)と国連ビジネスと人権に関する指導原則の遵守を宣言した。その後、国際NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、Finnwatchや、同社十魚インからのフィードバックを受け、正式に「職場の人権方針」改訂に漕ぎつけた。  同方針では、IOIの人権と労働に関するコミットメントをより明確化した。 マレーシアにおける出稼ぎ労働者の採用方針  採用手数料を絶対に徴収しないという原則の下、IOIグループは、出稼ぎ労働者採用の全ての段階において生じるコストを負担する。出稼ぎ労働者は、IOIグループやその契約企業、採用仲介業者、二次仲介業者から採用手数料を請求されない。この方針はマレーシアと労働者居住国の双方に適用される。また、採用仲介業者は、二次仲介会社が労働者に手数料を請求しないよう監督する義務を負う。そのような事態が発覚した場合は、採用仲介業者が手数料として支払われた金額を払い戻し、更に状況が改善されない悪質な場合は、IOIグループが採用仲介業者との契約を打ち切る。 最低賃金および退職金に関する方針  IOIグループは、全ての労働者に対し法定最低賃金と残業代を支払う。さらに労働者の報酬を法定最低賃金より20%以上高くできるよう、生産性に基づくインセンティブ制度を導入する。また、IOIグループは、労働者が最低限の生活ができるための生活賃金アセスメントを実施し、必要な金額が支払われるようにする。アセスメントは、2018年の第2四半期に完了する予定。 機会の平等と組合の自由に関する方針  IOIグループは、労働組合がIOIグループが管理する土地内に出入りすることを保証し、労働組合や労働者またはその代表者による活動に干渉しない。さらに労働者は、違法差別やハラスメント、迫害にさらされることのない労働環境を約束される。そのような事象が起こった場合には、労働者諮問委員会に対し、メールやウェブサイト、ホットライン等を通じてプライバシーを保護された状態で通告することができる。  IOIグループが今年4月に発表した第三者監視機関は、すでに今年8月に設置されている。機関の名称は「サステナビリティ諮問委員会(Sustainability Advisory Panel)」。委員には、世界自然保護基金(WWF)米国の農業部門ヴァイスプレジデント、食品世界大手モンデリーズ・インターナショナルのグローバル・サステナビリティ統括責任者、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の独立専門家の3名が就任。さらにオブザーバーとして、ネスレのサステナビリティ統括シニアヴァイスプレジデント、オックスファム・オランダのインクルーシブ・バリューチェーン・アドバイザーが任命された。この諮問委員会が、環境面のアクションプランとともに、「職場の人権方針」の遵守状況をチェックしていく。 【参照ページ】IOI Group Introduces Revised Policies on Human Rights at Workplace 【参照ページ】IOI Corporation further updates its Sustainability Palm Oil Policy 【参照ページ】IOI Launches Sustainability Advisory Panel 【方針】Corporate Responsibility and Sustainability Policies

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