【アメリカ】グーグル等企業50社、LGBTQ差別は米国公民権法に違反との見解を裁判所に提出

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 米国企業50社は6月26日、従業員を性的志向により差別する行為は米国公民権法に反するという見解をニューヨーク州の連邦巡回区控訴裁判所に提出し、LGBTQ差別禁止の意志を明確にした。今回LGBTQ差別禁止を明確にしたのは、グーグル、マイクロソフト、リーバイ・ストラウス、ベン・アンド・ジェリーズ、Spotify、ドロップボックス、セールスフォース、S&Pグローバル、Shutterstock等。米国企業がLGBTQ差別に対する法的見解を公にしたのは初めて。  今回50社が見解を裁判所に提出した背景には、現在ニューヨーク州の連邦巡回区控訴裁判所で争われている「Zarda対Altitude Express社」裁判がある。この裁判は、Zarda氏が、以前勤務していたAltitude Express社に性的指向を理由に差別されたと訴えた事件。今回の企業見解は、訴訟の当事者ではない助言者による法廷助言書(amicus brief)として裁判所に提出された。法廷助言書に賛同する企業集めに動いたのは、米超党派団体Freedom For All Americans(FFAA)で、米弁護士事務所大手クイン・エマニュエル・アークハート・サリバンが法廷助言書としての権威付けを行った。 【参照ページ】Google, Microsoft, Viacom, Spotify Join Dozens of Businesses in Support for Landmark Case on LGBT Equality

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【国際】グリーンピース、ウェブサービス世界大手約70の再生可能エネルギー取組ランキングを公表

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 国際環境NGOグリーンピースの米国支部グリーンピースUSAは1月10日、ウェブサイトやAPPの世界大手約70サービスのエネルギーフットプリントを評価した報告書「Clicking Clean: Who is Winning the Race to Build a Green Internet?」を発表した。グリーンピースは過去にもIT業界大手に対するエネルギーへの取組を評価、発表しており、これまでAmazonやアップルのエネルギー政策に非常に大きな影響を与えてきた。今回は対象サービスを、アジア等の主要サービスにまで大幅に拡大。残念ながら、対象となった世界大手70サービスの中に日本のものは1つも含まれていない。  IT分野のエネルギー消費量は既に全世界の消費電力の約7%に達しており、個人によるデータ消費量の増加と、IT人口が現在の30億人から40億人へと増加することにより、データのトラフィック(情報量)は2020年までに3倍になると予測されている。それに伴い同業界でのエネルギー需要も今後増加していくと見られ、グリーンピースは化石燃料や原子力の拡大に繋がる危険性を指摘。一方、ウェブサービス企業の中には、再生可能エネルギー割合100%を目指すところも多数出てきており、経済全体を牽引する役割を果たしていく可能性も高い。  今回のリポートでは、ウェブサービス全体を、「主要企業」、「コロケーション&CDN(Contents Delivery Network)企業」、「動画配信」、「音楽配信」、「メッセージ」、「検索」、「ソーシャルメディア」、「ブログ」、「Eコマース」に、企業単位で2分類、サービス単位で7分類し、それぞれのスコアを発表している。中でもビデオストリーミングは、2015年にITトラフィックの63%を占め、2020年までには80%以上になると予測され、注目を集めている。  エネルギーフットプリントについては、再生可能エネルギー、天然ガス火力、石炭火力、原子力の4種類のエネルギー割合を示し、さらに、エネルギー関連の透明性、再生可能エネルギーへのコミットメントと方針、エネルギー効率化と削減、再生可能エネルギー調達、政策提言の5項目についてAからFの評価を行い、総合評価もAからFで評価している。  今回の報告書でグリーンピースUSAのGrey CookシニアITアナリストが転換の遅れを厳しく指摘している企業が数社あり、とりわけアマゾンは、再生可能エネルギー率が17%で総合評価もC。アマゾンはグリーンピースの過去の報告書を契機に再生可能エネルギー割合を高める取組を急速に行っているが、グリーンピースは取組が甘いという厳しい評価を下した。またビデオストリーミング大手のNetflixは、北米のデータトラフィックの3分の1以上を占め、サービスも世界展開しているものの、再生可能エネルギー率が17%と低く最終評価もD。同社もApple、Facebook、Googleのようにリーダーシップを取るべきだとコメントした。  以下、日本でも知名度の高い企業及びサービスを選抜し結果を示す。 主要企業 企業名 総合評価 再エネ ガス火力 石炭火力 原子力 透明性 再エネ宣言 省エネ 再エネ調達 政策提言 Apple A 83% 4% 5% 5% A A A A B Facebook A 67% 7% 15% 9% A A A A B Google A 56% 14% 15% 10% B A A A A Microsoft B 32% 23% 31% 10% B B C B B Salesforce B 43% 12% 16% 15% B A C B B Adobe B 23% 37% 23% 11% B A B B A Amazon(AWS) C 17% 24% 30% 26% F D C C B HP C 50% 17% 27% 5% D B C B C IBM C 29% 29% 27% 15% C B C C F NAVER C 2% 19% 39% 31% B B B D D アリババ D 24% 3% 67% 3% F F C F D オラクル D 8% 26% 36% 25% D D F D F サムスン D 11% 19% 29% 31% C D C D C 百度 F 24% 3% 67% 3% F F D F F テンセント F 24% 3% 67% 3% F F D F F コロケーション&CDN企業 企業名 総合評価 再エネ ガス火力 石炭火力 原子力 透明性 再エネ宣言 省エネ 再エネ調達 政策提言 Switch A 100% 0% 0% 0% A A A A [...]

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【アメリカ】気候変動データ基盤で官民連携発足。政府、グーグル、アマゾン等参加。国際的な動きに発展も

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 米連邦政府のホワイトハウス報道局は9月22日、迫りくる気候変動に対応していくため、気候変動に関する公開データベースを構築するための官民連携「Partnership for Resilience and Preparedness(強靭性・準備パートナーシップ、通称PREP)」を発足させたことを明らかにした。この官民連携では、当局と企業、NGOが一体となり、気候変動に関する重要なデータと特定し、それを幅広い関係者が利用できるようにするオープンプラットフォームを整備していく。米連邦政府はすでに2014年3月、「Climate Data Initiative(CDI)」という官民連携プラットフォームを立ち上げ、政府等が保有するデータを一元的に集約し、幅広い利用者が分析できるクラウド環境を整備しており、CDIにはグーグル、マイクロソフト、IBM、インテルなどが取組に参加していた。今回のPREPは、CDIを発展させた活動で、CDIのもとで各企業が各々で分析、活用してきたナレッジを持ち寄り、より実用的な気候変動データベース構築を進めていくため協働するというものだ。 【参考】IBM、気候変動の研究に取り組む科学者にスーパーコンピューター・パワーを無料提供  PREPの事務局は、連邦政府と国際環境NGOで温室効果ガス排出量算定報告基準などを作成してきた世界資源研究所(WRI)が共同で務める。連邦政府からは、海洋大気庁(NOAA)、航空宇宙局(NASA)、国際開発庁(USAID)、内務省(DOI)が参加する。また、PREPには、「エンゲージメント(利用方法検討)」「データ」「プラットフォーム」の3つの分科会が設置されており、連邦政府当局とWRIが分科会長を務めるが、広く企業やNGOの参加を募っている。同日、PREPプラットフォームのベータ版がすでに公開されており、来年には利用者からのフィードバックを得て改良を加えるパイロットフェーズが開始される。ベータ版の開発には、アマゾン、グーグル、マイクロソフト、IBMなど企業も多く加わった。例えば、アマゾンはPREP開発・提供のホスティング環境として同社のAWSサービスを無償提供、グーグルは同社の技術であるGoogle BigQueryとGoogle Earth Engineを無償提供している。マイクロソフトはプラットフォームを用いたソリューション開発、IBMは同社子会社The Weather Companyが保有する気象データを無償提供する。 【参考】海洋大気庁と航空宇宙局が保有・分析しているデータの一例  米国務省はさらに同日、気候変動関連データベースを構築していく多国間と企業の共同宣言も発表した。宣言国の間で官民連携を進めたデータベース構築を進めていくことがその内容。共同宣言に参加した機関は、米国、カナダ、メキシコ、コスタリカ、コロンビア、ペルー、日本、韓国、英国、ドイツ、フランス、ベルギー、ノルウェー、アイルランド、バングラデシュ、ケニア、マーシャル諸島の17ヶ国と、アマゾン(AWS)、グーグル、マイクロソフト、IBM、世界銀行世界資源研究所(WRI)、ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)、国際研究プログラムFuture Earth(FE)、地球観測に関する政府間会合(GEO)などの企業や国際機関。世界中の観測データを保有する米海洋大気庁や米連邦宇宙局、世界的なIT企業である米国の有名企業が、実質的に気候変動に関する世界共通のデータ基盤構築をリードしていくことになりそうだ。日本にも世界最先端の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)から収集した貴重なデータがある。気候変動に関する研究の分野では、共同宣言にも署名したFuture Earthがすでに立ち上がっており、いぶきのデータも大きな貢献が期待されている。今回、米国のPREPをもとにデータ基盤作りと活用方法に関するプロジェクトが立ち上がったことで、日本政府や学術機関はこちらの動きも視野に入れながら、研究体制を構築していく必要が出てきそうだ。 【参照ページ】FACT SHEET: Launching New Public-Private Partnership and Announcing Joint Declaration on Leveraging Open Data for Climate Resilience 【プラットフォーム】PREPベータ版 【共同宣言】Joint Declaration on Harnessing the Data Revolution for Climate Resilience 【参考ページ】持続的な地球環境のための研究の進め方について(中間とりまとめ) 【参考ページ】持続的な地球環境のための研究の進め方について 【参考ページ】今後の宇宙開発体制のあり方に関するタスクフォース(TF)会合 報告書

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【アメリカ】マイクロソフト、2015年のNPOへの寄付総額が過去最高となる1億2500万米ドルに到達

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 米IT大手のマイクロソフトは2月10日、同社の展開するEmployee Giving Program(従業員寄付プログラム)を通じた世界中のNPOや学校の寄付総額が、2015年に過去最高となる1億2500万米ドルに到達したと公表した。同金額には企業負担分も含まれるが、同社の従業員や自身の時間やお金、スキルを投じて過去最高となる800万米ドル分の寄付を行ったという。  マイクロソフトはEmployee Giving Programを通じて世界中の18,000以上のNPOを支援しており、2015年は同プログラムへの従業員参加率は過去最高となる71%に達したとのことだ。従業員らが自身の時間やお金、スキルを投じて支援している領域は、人道支援からヘルスケア、住居問題、教育、芸術、文化、農業、栄養問題、環境問題にいたるまで多岐に渡っているという。また、給料の一部を寄付するだけではなくボランティアとして実際に活動に関わる従業員も増加しており、2015年にマイクロソフトの従業員らは合計57万時間以上をボランティアに投じた。  マイクロソフトは世界中の全ての人々と組織の持つ可能性を最大限に引き出すための支援をするというミッションを掲げており、このミッションの達成に向けて今後もさらにNPO支援活動を展開していくとしている。同社は昨年12月にも企業としての慈善活動に対するコミットメント拡大の一環として新たな社内イニシアチブ、Microsoft Philanthropiesの設立を発表しており、今後3年間でNPOや大学の研究者らに対して10億米ドル相当の同社のクラウドサービスを寄付すると宣言していた。  持続可能な社会の実現に向けては、企業だけではなく世界中のコミュニティを支援しているNPOが果たす役割も欠かせない。マイクロソフトのようにNPOらへの積極的な寄付を通じてコミュニティ支援を継続しつつ、従業員にとっても自身の仕事に誇りを持てる貴重な機会を提供している活動がより多くの企業に広がっていくことを期待したい。 【参照リリース】Microsoft Employees Raise a Record-Breaking $125 Million for Nonprofits in 2015 【企業サイト】Microsoft

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【アメリカ】グーグル、アップル、ゴールドマンら13社、気候変動対策に1400億米ドルの投資を表明

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 アップル、グーグルら米国を代表する大手企業13社らは7月27日、ホワイトハウスでのイベントにおいて、オバマ大統領が推進する2030年までに60億トンの炭素排出削減を目指すという「気候アクションプラン」への支持を表明し、合わせて新たに1400億米ドルの低炭素投資を行うと発表した。  13社はAmerican Business Action Climate Pledge(米ビジネス気候変動対応行動誓約)に署名し、同時に2015年12月にパリで開催予定の国連気候変動会議に向けた強力な支援も宣言した。署名した企業はアルコア、アップル、バンク・オブ・アメリカ、バークシャー・ハサウェイ・エネジ―、カーギル、コカコーラ、ゼネラル・モータース、ゴールドマン・サックス、グーグル、マイクロソフト、ペプシコ、UPS そして ウォルマートの13社だ。これらの企業の時価総額は総計約2.5兆米ドルにも及ぶ。  各社はそれぞれ気候変動対応に向けた自社のコミットメントを公表した。13社の低炭素投資額を合わせると少なくとも1400億米ドル以上におよび、新たに計画される再生可能エネルギープロジェクトは1,600メガワット以上にもなる。  バンク・オブ・アメリカは環境ビジネスイニシアチブを2025年までに500億米ドルから1250億米ドルに増額すると発表したほか、バークシャー・ハサウェイ・エネジ―は再生可能エネルギー創出に向けて更に150億米ドルの追加投資、そしてグーグルは再生可能エネルギーの購入を3倍に増やすと発表した。各社のコミットメントはこちらから確認可能だ。  なお、今回の発表はまだ第一段階にすぎず、今年の秋にはオバマ政権は第2ラウンドの誓約を呼びかけ、更にAmerican Business Action Climate Pledgeへの誓約企業は増える見込みだ。 【参照リリース】FACT SHEET: White House Launches American Business Act on Climate Pledge 【団体サイト】The White House

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【アメリカ】マイクロソフト、水問題の解決に向けてゲーミフィケーションを活用

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 米IT大手のマイクロソフトが、NPOと協働してゲーミフィケーションを活用したサステナビリティ意識向上キャンペーンを展開している。マイクロソフトは水問題に取り組む国際NPOのONE DROPと協力し、若者からお年寄りまでが楽しみながら水問題について学ぶことのできるゲーム型アプリ、The ONE DROP of Lifeを開発した。同アプリはイタリアで「地球に食料を、生命にエネルギーを」をテーマに開催されたミラノ万博の中で発表された。  同アプリはマイクロソフト、アンドロイド、iOSモバイル端末、タブレットなどでダウンロード可能だ。ダウンロード数は既に10万を突破しており、世界中から高評価が集まっている。この取り組みは、世界的な水問題への意識向上とその解決に向けた資金調達を目的としてシルク・ドゥ・ソレイユと共同で毎年開催されているファンドレイジングイベント、One Night for ONE DROPのスポンサーシップを通じて実現したものだ。  ONE DROPのCEOを務めるCatherine B. Bachand氏は「我々はこれらの取り組みにおいてマイクロソフト社から技術的な支援を受けていることを光栄に感じている。我々は個人やコミュニティを支援することが、グローバルな課題に立ち向かうための新しいサステイナブルな解決策を再考する鍵となるという共通の信念を持っている。マイクロソフト社はそのテクノロジーを通して我々を支援してきた。その代わりに、次は我々が安全な水や衛生環境への対策を通じてコミュニティの支援をする番だ」と述べた。  また、マイクロソフトで西ヨーロッパ地域のCMOを務めるChristian Frei氏は「我々はテクノロジーを通して地球上の全ての人々を支援し、最終的には人々の生活の全ての面を向上させたいと考えている。水資源の管理を含め、人類が直面する最も差し迫った問題には革新的な解決策が必要だ。そのため、我々は世界中のコミュニティに安全な水への持続可能なアクセスを提供するという目標を掲げるONE DROPを支援している。ONE DROP は、ONE DROP of Lifeのような新しいアプリの開発といった創造的な方法で問題意識の向上に取り組むなど、継続的にクリエイティブでインパクトのある解決策を見出している」と語った。  米国ではONE DROP of LifeのようなゲーミフィケーションをCSRキャンペーンに活用する例が増えている。例えば米国のファーストフード大手、Chipotleは、YouTube Filmとパートナーシップを組んで持続可能な食量を探し出すゲームアプリをローンチしている。  気候変動や水問題、森林破壊といったサステナビリティ課題は、一般消費者の日常生活からは縁遠い問題のように捉えられがちだ。しかし実際には一人一人の日々の生活はこうしたグローバル課題と密接に関わっており、個々人の意識と行動が大きなインパクトを生み出している。こうした課題に対する当事者意識を醸成する上でゲーミフィケーションはとても有効な方法の一つだ。「何を伝えるか」以上に「どう伝えるか」を工夫することが、成功するCSRキャンペーンの必須要素だと言える。 【参照リリース】ONE DROP collaborates with Microsoft, using technology to raise awareness of water issues 【団体サイト】ONE DROP 【企業サイト】Microsoft (※写真提供:drserg / Shutterstock.com)

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【IT】グリーンピースの巨大な影響力〜アマゾン、アップルがクリーンエネルギー推進へ転換〜

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 急速に拡大するウェブサービス業界。最近ではソーシャルネットワーキングサービス、クラウドサービスが日常的に家庭やオフィスで活用されるようになってきました。次々と新たなウェブサービスが生まれる一方、サステナビリティの文脈でウェブサービスの事例が取り扱わることはあまり多くありませんでした。サステナビリティのニュースで大きく取り扱われてきたのは、原材料の安定供給に勤しむ食品業界、製造現場での人権問題対応に追われる製造業、スチュワードシップ・コードなどで関心が高まる金融業界。ステークホルダーとの価値媒体が「データ」となっているウェブサービス業界は、ESG(環境・社会・ガバナンス)のトレンドとはやや疎遠であるような印象がありました。しかし、いま、米国ではこの状況が大きく変化しつつあります。  ウェブサービス業界とサステナビリティ。この両者を結びつける火付け役を果たしたのは、国際NGOのグリーンピース。オランダ・アムステルダムに拠点を置くグリーンピースは、環境保全・自然保護のために、時には過激とも思われる手法をも用いて行動をすることで知られており、日本でも2001年に捕鯨船をめぐるトラブルで有名になりました。今では、32ヶ国に拠点を置き、国やグローバル企業が無視できないほどの強大な影響力があります。数あるグリーンピースの世界的キャンペーンの中で、彼らが2012年に開始したのがウェブサービス業界に対するネガティブキャンペーン、テーマはウェブサービス業界の事業の根幹である通信機器を動かすための電力エネルギーです。  2012年4月、グリーンピースは"How clean is your cloud?"というレポートを発行、アマゾン、アップル、デル、フェイスブック、グーグル、HP、 IBM、マイクロソフト、オラクル、Rackspace、セールスフォース、ツイッター、ヤフーというアメリカを代表するウェブサービス企業14社の使用電力の環境配慮を独自評価し、成績の悪い企業に対する厳しい追及をスタートさせます。 (出所:Greenpeace "How clean is your cloud?")  14社の使用電力のクリーン度合いを測る上で、グリーンピースが用いた評価軸は以下の5つです。 事業で使用する全電力の石炭火力発電及び原子力発電依存度 エネルギーに関する情報開示度 事業所所在地選定におけるエネルギー要素考慮度 エネルギー効率と温室効果ガス排出量 再生可能エネルギー投資額および政策提言度  結果、評価が低かったアップル、アマゾン、マイクロソフトに対し、グリーンピースはネガティブキャンペーンを世界的に展開していきます。  ドイツでは、グリーンピースのメンバーが、化石燃料をイメージした黒い風船を持ち、アップルストアに押しかけました。  ルクセンブルグでは同様に、煙をイメージした白い風船を掲げ、アマゾンに警鐘を鳴らす広告を打ち出しました。  他にもオンライン上やリアルな場で、グリーンピースは強烈なキャンペーンを展開していきました。  いち早く反応を示したのはアップル。グリーンピースのレポート発表直後からアップルとの議論の応酬が始まりました。まず、レポート発表の5日後、アップルがNew York Times紙を通じて反論、レポートが報じた同社の電力消費量が実際より多く試算されていること、また同社の新設データセンターでは再生可能エネルギープロジェクトを進めていることを強調します。しかし、グリーンピースは同日、アップルのデータ開示の透明性が低いことや再生可能エネルギー割合を増やす努力が足りないことを理由に、キャンペーンを継続させる宣言をグリーンピースのホームページ上で行います。その1か月後、ついにアップルはグリーンピースの要求に沿うような形で、全米4ヶ所にあるデータセンター全ての電力を再生可能エネルギーで調達する方針を宣言します(Wired紙)。  その後もアップル、アマゾン、マイクロソフトに対するグリーンピースの糾弾は約1年間続き、WEBサービス各社は対応を余儀なくされる状況へと移っていきました。再生可能エネルギーへのコミットメントを標榜したアップルは2013年3月、データセンターの電力調達を100%再生可能エネルギーで賄うための具体的なプランを公表(GreenpeaceのHP)。一方、グリーンピースから悪くない評価を得ていたグーグルも再生可能エネルギーへのコミットメントを先手を打って高めていきます。2013年4月、グーグルは、自社電力消費量の再生可能エネルギー割合を高めるため、100万米ドルを投じて風力発電所と太陽光発電所を設置することを発表し、さらに電力調達元であるDuke Energy社に対して再生可能エネルギー割合を高めるよう要求することを公表します(GoogleのHP)。こうして、グリーンピースによるレポート発表を契機に、アメリカのWEBサービス企業の再生可能エネルギーに対するコミットメントは大きく高まっていきました。  2014年10月には、マイクロソフトは、シーメンス社と共同で自社データセンターの付近でバイオガス発電所を設立する計画を発表(シーメンス社のHP)。そして、2014年11月。長らく沈黙を守ってきたAmazonもついに公式発表を行い、時期は言明しないながらもAmazonのクラウドサービス(AWS)の消費電力をグローバルで100%再生可能エネルギーで調達する方針を宣言しました(Environmental Leader)。その数日後の2014年12月に、アップルが自社で進める再生可能エネルギー発電の第三者監査を推進するため、最近創設された再生可能エネルギーの認証制度"Green-e®"に第1号企業として加盟することを決定するという報道もありました(3BL)。  2012年4月にグリーンピースが仕掛けたクラウドサービスに対するネガティブキャンペーンは、当初はそのやや過激な手法から否定的な見解も表出しましたが、2年半経った今、グリーンピースが掲げた方向性に業界全体が向かっていることが見て取れます。今日、グローバル展開するウェブサービス企業は、自社の施設内に再生可能エネルギー発電設備を整備するのはもちろんのこと、国ごとの再生可能エネルギー推進状況を考慮してデータセンターの設置国を検討したり、電力事業者に対して再生可能エネルギー発電割合を高める圧力をかけるにまで至っています。日本企業はこの流れを対岸の火事のように傍観してもいられません。今回は主にシリコンバレーのグローバル企業が標的となりましたが、日本企業が海外での事業拡大を狙うのであれば、当然グリーンピースのターゲットリストの中に入ってくるということにもなります。再生可能エネルギーの発電コストが年々減少し、一方で化石燃料市場の価格が大きく変動する中、企業の長期的発展を勝ち取るのは、再生可能エネルギー投資を推し進めるシリコンバレーの企業なのか、はたまた電力供給を政府や電力事業者の方針に身を委ねる企業なのか。その答えは自明な気がしてなりません。

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2014/12/22 事例を見る

【エルサルバドル】クリエイティブ社とマイクロソフト、共同で25,000人の青少年を支援

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昨今では急速なITインフラ整備に伴い、IT教育、アクセシビリティ向上への取り組みなどグローバルIT企業による開発途上国へのコミュニティ投資の流れが加速している。 マイクロソフトとクリエイティブ・アソシエイツ・インターナショナル(以下、クリエイティブ社)は6月12日、共同でエルサルバドルの若者に対してソフトウェアや技術訓練の提供を始めることで合意した。若者のギャング化を食い止める事が狙いだ。 具体的には、エルサルバトルにある77か所の青少年地域センターと交流のあるクリエイティブ社のネットワークを利用して、マイクロソフトが教育ソフトウェア導入済みのパソコン800台を支給することになっている。 今回のプロジェクトにより、約25,000人の若者が恩恵を受ける計算だ。地元のベンダーと協力しながら情報技術者の育成なども行う予定で、支援総額は294万ドルとなる。マイクロソフトは創造的で将来可能性のある若者育成を行うユース・スパーク・イニシアチブを通してこのプロジェクトを支援する予定だ。 マイクロソフトエルサルバドルでゼネラルマネージャーを務めるGracia Rosi氏は、「エルサルバドルの開発を最大化するために、様々なタイプの機関と相互協力をすることが重要だ。今回のように我々は、USAID(United States Agency for International Development:米国国際開発庁)が推進する取り組みに積極的に参加しなければならないと考えている。IT分野の職業訓練などを通し、エルサルバドルの若者が夢に向かって努力できる環境作りを我々はサポートしなければならない。」と述べた。 一方のクリエイティブ社CEO、Charito Kruvant氏も「マイクロソフト社の参画は、ギャングが蔓延るエリアに住む若者に対して多大なる好影響を与えるだろう。若者の犯罪を防止し、若者により安全で明るい未来を作るための役割を与えてくれる同社のサポートに我々は感謝している」と今回の合意に期待を寄せる。 クリエイティブ社による「エルサルバドルの暴力・犯罪防止プログラム」はアメリカ政府の国際開発部門から資金が提供されており、凶悪犯罪に対処するためのコミュニティ、自治体や国家機関の能力を改善することを目指している。同社は若者が安心してITや英語の教育を受けられる環境を中米内の115か所の若者地域センターに提供しており、米国政府と共に働く女性が運営する企業としては2番目に大きな組織だ。 今回の事例に限らず、マイクロソフトは自社のソフトウェアやトレーニングプログラムなどを通じて積極的にコミュニティ投資を行う企業として有名だ。ローカルコミュニティにネットワークを持つ企業やNPOと提携しながらプログラムを展開するケースも多く、こうした活動を通じて将来の顧客基盤形成につなげている。 【企業サイト】Creative Associates International 【企業サイト】Microsoft

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