【ブラジル】ダノンとネスレ関連会社、販売代理店の人権侵害で当局から責任追及。ブラックリスト入りか

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 ブラジル労働雇用省は2月6日、仏ダノンと、スイス・ネスレとニュージーランド・フォンテラの冷凍食品製造合弁会社Dairy Partners Americas(DPA)Brasilを、現代奴隷に関与している個人や法人を公表する「ブラックリスト(Lista Suja)」に追加する可能性があると発表した。販売代理店の訪問営業マンが販売先の貧困層28人を借金漬けにしていた2018年10月の人権侵害事件で、ダノンとネスレの商品を販売していたことから商品主の共謀責任が問われている。  今回の事件は、セアラー州の貧困地域から連れてこられた販売代理店の訪問営業マンが、賞味期限切れ間近のヨーグルトをサンパウロ州サルト市で値引き販売し、購入していた28人を借金漬けにしていたというもの。ダノンとDPA Brazilは直接的な関与はないが、訪問営業マンが販売していたヨーグルトの70%がダノンまたはネスレのものだったことから、販売サプライチェーンの監督責任が追及されている。残り30%は、小規模メーカーのものだが、まだ労働監督当局は企業名を明らかにしていない。  ブラジル労働雇用省の「ブラックリスト」は、法律ではなく労働雇用省令によって2004年に運用を開始。現在、約210の個人及び法人がリスト入りしている。リスト入りすると、政府系金融機関からの融資や政府系機関からの助成金等が受けられなくなる。  ダノン・ブラジルは、今回の発表に対し、訪問営業マンとは直接関係はないと責任を否定。共謀者と見られていることに対し反対する姿勢を示した。同社は、労働雇用省ともパートナーシップを結び、労働ベストプラクティスを普及させつつ、自社製品を販売する約1万社の複雑なサプライチェーンの中で反奴隷労働に努めてきたと主張している。  DPA Brazilも同様に、責任を否定。事件発覚後、問題となった販売代理店との関係を終了し、小規模販売代理店の状況を検証するための外部監査人を採用する最終段階にあるとし、同社の奴隷労働反対に対する積極姿勢を訴えた。  メーカーが、幅広い販売サプライチェーンでの行為にも責任を求められるような状況になってきている。

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【ブラジル】国際環境NGOのEDF、木材、大豆、牛肉のトラッキングシステム比較結果発表。熱帯雨林破壊防止

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 米環境NGO環境防衛基金(EDF)は1月31日、ブラジル熱帯雨林産の原材料トラッキングシステムの比較レポートを発表した。熱帯での森林破壊を防止するために、企業は原材料トラッキングシステムを活用し始めている。今回はブラジルでの木材、大豆、牛肉のトラッキング用に使われているシステムについて、カバー範囲や内容、コストを比較し、優れている点や改善点を提示した。  評価対象となったツールは、全般ツールでは「Program to Calculate Deforestation in the Amazon」「PRODES Cerrado」「Real Time System for Detection of Deforestation」「System for Monitoring Forest Degradation in the Brazilian Amazon」「Deforestation Alert System」「TerraClass」「Cerrado」「MapBiomas」。畜牛では「AgroTools」「Safe Trace」「Brazilian System of Identification and Certification of Cattle Origin」「Terras Apps Solutions」「Radio-frequency Identification tags」「BovControl」「Animal Transport Guide」「Audsat」。  大豆では、「Soy Moratorium Monitoring System」「AgroIdeal」が、木材では「National System for the Control of the Origin of Forest Products」「System for Monitoring Timber Harvesting」「BVRio Due Diligence and Risk Assessment System」が評価対象となった。  また、森林破壊モニタリングツールの「Global Forest Watch Commodities」「FORest Monitoring for Action」「Trase」「Global Forest Watch Pro」「The Sustainability Consortium Commodity Mapping Tool」も比較した。 【レポート】A Comparison of Supply Chain Tracking Tools for Tropical Forest Commodities in Brazil

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【ブラジル】ヴァーレ所有ダム決壊、死者100人超。当局は105億円の罰金や3500億円の資産凍結

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 資源採掘世界大手ブラジルのヴァーレが所有していた「ブルマジーニョ尾鉱ダム」が1月25日、決壊した。泥水が周辺の村を飲み込み、1週間後1月31日時点で死者110人、行方不明者は238人となった。ヴァーレの株価は1月28日、約25%下落し、時価総額が約710億レアル(約2兆円)下がった。ヴァーレに5.59%出資している三井物産は2月1日、2018年度の通期純利益予想を4,500億円から4,400億円に100億円下方修正した。  同ダムは、ブラジルのミナスジェライス州ブルマジーニョに位置し、採掘した鉄鉱石の尾鉱(選鉱過程で廃棄された低品位の鉱物)が貯められていた。ミナスジェライス州当局は、殺人と文書偽造、環境破壊の疑いで逮捕状と5件と捜査令状7件を発行。1月29日までに、ヴァーレの職員3人と請負業者2人が逮捕された。ブラジル環境・再生可能天然資源院等は1月26日、ヴァーレに対し3億5,000万レアル(約105億円)の罰金を科した。また、検察当局は、ヴァーレを刑事事件で起訴し、役員の個人責任を追及する検討も始めている。  民事では、地元裁判所等は1月28日までに、ヴァーレの賠償金や遺族慰謝料を確保するため、ヴァーレにに対し4件の資産凍結命令を発布。凍結された資産の総額は118億(約3,530億円)で、2018年9月時点のヴァーレの手元資金の5割弱にもなる。ヴァーレは1月28日、配当支払を停止すると発表した。  ヴァーレは2015年にも、同じミナスジェライス州の「ベント・ロドリゲス尾鉱ダム」を決壊させ、19人が死亡した。

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【ブラジル】政府、国連移住グローバル・コンパクトへの賛成撤回を表明

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 ブラジル外務省は1月8日、国連総会が12月10日に採択した「移住グローバル・コンパクト」への賛成を撤回すると発表した。現地メディアが報じた。当時ブラジルは前政権だったが、2018年10月の大統領選挙で保守派のジャイール・ボルソナーロ・ブラジルの社会自由党代表が当選。12月にも賛成撤回をする考えを表明しており、今回の実行に至った。  「移住グローバル・コンパクト」は、国際移住に関する初の国際的協力枠組みを提供する協定。国際条約ではなく法的拘束力のない国連総会決議。国連総会での採択は単純多数決で決まるため、米国、ハンガリー、イスラエル、チェコ、ポーランドが反対したが、152ヶ国が賛成し採択された。オーストラリア、イタリア、チリ等12カ国は棄権した。ブラジルは賛成していた。日本も賛成した。  同協定は、23の目標を掲げ、証拠に基づく政策や非正規移住の減少、合法的経路の確保の強化、倫理的な労働基準の促進、移住者の密輸や人身取り引きとの闘い、尊厳ある帰還の促進等、国際移住に関する幅広いテーマを網羅している。

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【ブラジル】外相、2019年気候変動COP25開催国を辞退。気候変動懐疑派の次期大統領の影響

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 ブラジルのアロイジオ・ヌネス外相は11月下旬、実質的にほぼ内定していた2019年の気候変動枠組条約締約国会議(COP25)ホスト国の役割を辞退すると表明した。ブラジルでは10月の大統領選挙で、極右政党の社会自由党のジャイル・ボルソナロ下院議員が当選し、2019年1月からの政権交代が決まっている。ボルソナロ氏は、気候変動に懐疑的な立場で米トランプ大統領と近い。  ボルソナロ次期大統領は、当選後の会話の中で、パリ協定からは離脱しない考えを表明している。しかし、フィリョ環境相は、COP25ホスト国辞退の理由について、次期政権の政策による影響も指摘。次期政権では、ブラジルの気候変動政策が後退することに対する懸念が高まってきている。  ブラジルではジョゼ・サルネイ環境相が11月初旬にも、COP25ホスト国として、国際的な気候変動政策をリードする考えを表明したばかりだった。

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【ブラジル】農業大手、銀行、環境NGO、カンポ・セラードの持続可能な豆農家支援で連携。新融資スキーム

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 農業世界大手米バンジ、ブラジル銀行大手サンタンデール銀行ブラジル、国際環境NGOのThe Nature Conservancy(TNC)は8月29日、ブラジルのカンポ・セラードの豆農家向けのサステナブル融資スキームを開発したと発表した。さらなる森林破壊や天然草原の農地転換をしないとコミットする農家向けに長期ローンを提供する。  豆農家に対する従来の融資は、単純に作付に対するもので融資期間が1年未満と短い。そのため、長期的な豆栽培に対する金融インセンティブがなかった。そこで、今回の融資スキームでは、融資期間を10年以上に設定。持続可能な豆栽培のための土地取得や土地準備は長期にわたるため、長期融資を実施していく。  ブラジルでの豆生産量は2001年から2017年までで約3倍に増えた。多くはカンポ・セラードでの増加で、同期間に農地が960万ヘクタールも増え、多くは天然草原が農地に転換された。今後10年でさらに農地化が進むと予想されている。食品メーカーや貿易会社も森林破壊ゼロの農業にコミットしてきているが、実際には農家に持続可能な農業のインセンティブが欠けており、進展があまりなかった。  今回の新スキームは、約5,000万米ドル(約56億円)で試験運用を行い、該当エリアの小規模農家や農業企業に融資する。初回は9月を予定。試験運用で、金融と環境の両面で成果が見えれば、さらに投資家と対象農家を増やし、プロジェクトの規模を拡大していく。  バンジとTNC等は2017年、豆農家に適切な農地拡大を支援するNGO、Agroideal.orgを設立。場所探しでも支援している。 【参照ページ】Bunge, Santander Brasil and TNC to Offer Soy Farmers Long-Term Loans to Expand Production without Clearing Native Habitat in the Brazilian Cerrado

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【国際】世界大手70社以上、ブラジルのカンポ・セラードでの森林破壊阻止で結集。FAIRR主導

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 英コラーキャピタルのジェレミー・コラー創業者が2015年に発足した投資家の畜産業関連イニシアチブ「Farm Animal Investment Risk and Return(FAIRR)」は7月30日、森林破壊が深刻化するブラジルのカンポ・セラード地域での森林破壊ゼロを宣言する「Cerrado Manifesto(セラード・マニフェスト)」に食品・消費財・小売世界大手と機関投資家17団体が署名したと発表した。  署名した機関投資家は、APG、Robeco、Mirova、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、トリリウム・アセット・マネジメント、NNインベストメント・パートナーズ、Zevin Asset Management、Interfaith Center on Corporate Responsibility、Green Century Capital Management等。運用資産総額は2.8兆米ドル(約310兆円)。  署名した食品・消費財大手は、マクドナルド、ウォルマート、カルフール、METRO、テスコ、セインズベリー、マークス&スペンサー、ウェイトローズ、ALDI、モリソンズ、Co-operative Group、レーべ・グループ、COOPスイス、ヒルトン・フード・グループ、ユニリーバ、ロレアル、コルゲート・パーモリーブ、ネスレ、ダノン、モンデリーズ・インターナショナル、マース、バリーカレボー、ケロッグ、味の素等。  カンポ・セラード地域は、総面積は約2億400万haで日本の5.5倍。ブラジル国土の24&を占める広大な地域。近年、大豆や牛肉生産事業者による農地開拓により、森林及び原生草原面積の半分以上が更地になってしまっている。同共同宣言は、さらなる森林破壊を阻止するために関連業界と投資家が結集したもの。8月から、署名機関の間で具体的なアクションプランを策定していく。 【参照ページ】INVESTORS JOIN GLOBAL FOOD COMPANIES TO HALT DEFORESTATION IN BRAZIL’S CERRADO SAVANNAH 【イニシアチブ】Cerrado Manifesto Statement of Support

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【ブラジル】米州開発銀行とブラジル開発銀行、社会インフラ融資ファンド「B2 Infra」創設

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 米州開発銀行(IDB)グループの民間セクター支援機関IDB Investとブラジル開発銀行(BNDES)は6月5日、15億米ドル(約1,700億円)のインフラ融資ファンド「B2 Infra」を共同で創設すると発表した。交通、エネルギー、水、衛生、健康、教育関連のブラジルでのプロジェクトに融資する。今後60日以内にストラクチャーの詳細を発表し、今年後半にも業務を開始する予定。  B2 Infraは、BNDESが約30%を出資、IDB Investが10%を出資し、残り60%は機関投資家を中心とした民間セクターから募る。公的資金を呼び水に、政府資金を呼び込む手法は「ブレンデッド・ファイナンス」と呼ばれ、国連持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためのファイナンスの手法として世界的に注目されている。 【参照ページ】IDB Group and BNDES in Brazil launch Infrastructure Credit Fund

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【ブラジル】米SCジョンソン、カルナウバ・ヤシ林保護のため英NGOに約3400万円寄付

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 消費財世界大手米SCジョンソンは6月27日、ブラジル北東部カーティンガで、カルナウバ(カルナバ)ヤシ林を保護するため、120万ブラジルレアル(約3,400万円)を英農業NGOのCentre for Agriculture and Biosciences International(CABI)に寄付すると発表した。  現在、カーティンガ地方では、外来種であるマダガスカル原産クリプトステギアが、在来種であるカルナウバ・ヤシの生態系を破壊しつつある。カルナウバ・ヤシから採取できる樹脂蝋はローソクの原料として用いられている。今回のプロジェクトでは、CABIがクリプトステギアの生態系管理のための方策を研究するため、3ヶ所に観測所を設置する。他にも、Agência do Desenvolvimento do Estado do Ceará(ADECE)、SINDCARNAÚBA、Associação Caatinga等も資金を拠出する。  CABIは、マダガスカル原産クリプトステギアの繁殖を抑えるには、マダガスカルの「さび菌」と呼ばれる菌が効果があると突き止めており、今後、ブラジルの検疫当局とも協議を進め、展開を模索していく。 【参照ページ】SC Johnson Provides Support to Help Protect Carnaúba Palm Trees in Brazil

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【ブラジル】保険業界団体CNseg、TCFDガイドラインに沿う報告を宣言。業界挙げては世界初

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 ブラジル保険業界団体のブラジル保険連盟(CNseg)と保険監督当局のブラジル民間保険監督(SUSEP)は5月15日、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに沿う気候リスク情報の開示を実施する内容を盛り込んだ「ブラジル保険業界による気候リスク透明化リオ宣言」を採択した。業界をあげてTCFDに基づく報告を進めるのはブラジルが世界初。同リオ宣言には、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)と持続可能な保険原則(PSI)も陪席し、宣言に署名した。  ブラジルは南米最大の保険市場。同時に1992年のリオデジャネイロ国連環境開発会議(地球サミット)から2012年の国連持続可能な開発会議(リオ+20)の開催地でもある。  リオ宣言は、PSIとCNsegが開催、SUSEPが支援したイベント「Shaping the sustainable insurance agenda in Latin America」で行われた。同イベントには、世界15カ国・地域の保険監督当局、保険大手、国連諸機関、NGO、大学教授らが多く集まった。南米からはブラジル、コスタリカ、グアテマラ、メキシコ、パラグアイ、その他地域はオーストラリア、ベルギー、フランス、ドイツ、ガーンジー、日本、南アフリカ、スイス、オランダ、イギリス、アメリカが参加した。 世界15か国・地域から主要保険企業や監督機関、加えて投資企業や国際的なイニシアチブ、国連関連機関、その他関連企業や業界団体、市民団体、アカデミアから多くが集った。南米からはブラジル、コスタリカ、グアテマラ、メキシコ、パラグアイ、その他地域はオーストラリア、ベルギー、フランス、ドイツ、ガーンジー、日本、南アフリカ、スイス、オランダ、イギリス、アメリカが参加した。  イベントでは、リスク管理者、保険提供者、投資家としての性格を持つ保険業界が、レジリエント、持続可能、インクルーシブなコミュニティと経済の形成に貢献する道筋について活発な議論がなされた。損害保険にESGリスクをどう組み込むか、生命保険における重要な機会やリスク、規制や監督に関する課題、持続可能な投資戦略、業界のイノベーションやトレンド等についても話し合われた。 【参照ページ】BRAZIL BECOMES WORLD’S FIRST INSURANCE MARKET TO COMMIT TO CLIMATE RISK TRANSPARENCY 【宣言】Rio declaration on climate risk transparency by the Brazilian insurance industry

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