【アメリカ】EPA、バイオ燃料データの情報公開ウェブサイト開設。透明化の一環

Facebook Twitter Google+

 米環境保護庁(EPA)は9月20日、再生可能燃料基準(RFS)の情報公開の一環として、RFSの統計データと規制情報等を閲覧できるウェブサイト「Public Data for the Renewable Fuel Standard」を開設した。米国政府が定義する「再生可能燃料(RF)」は、バイオディーゼル等のバイオ燃料のこと。二酸化炭素排出量削減のため米政府が2005年に「エネルギー政策法」を、2007年に「エネルギー自立・安全保障法(EISA)」を制定し、その中でRFS制度が位置づけられた。  RFSでは、再生可能燃料を4つに分類している。最も二酸化炭素排出量削減効果が高いのは、トウモロコシの茎葉や木片等のセルロース・バイオ燃料(D3)で60%上の削減効果。続いて、大豆油、キャノーラ油、廃油等のバイオマス由来の燃料(D4)で50%以上の削減効果がある。D3とD4を足したものが「先進的バイオ燃料(D5)」で、EISA法の中で推進されている。一方、コーンスターチ等二酸化炭素排出量効果が20%から50%のバイオ燃料は、「従来型バイオ燃料(D6)」と位置づけられている。D5とD6を足したものが再生可能燃料全体となる。  RFSでは、再生可能燃料の流通過程では、再生可能識別番号(RIN)での管理が義務化されており、これによりサプライチェーン情報を一元的に管理できる。今回発表のウェブサイトでは、各再生可能燃料の生産量や、RIN毎の集計データについてもまとめられている。 【参照ページ】EPA Updates RFS Website to Improve Transparency 【ウェブサイト】Public Data for the Renewable Fuel Standard

» 続きを読む

【国際】ICAO、民間航空バイオ燃料活用の2050年数値目標設定に環境NGOが反対。設定先送り

Facebook Twitter Google+

 民間航空分野の国連機関・国際民間航空機関(ICAO)は10月11日から13日、メキシコシティで「航空・代替燃料ハイレベル会合(CAAF)」を開催。化石燃料由来のジェット燃料に替わる代替燃料を2050年までに「顕著な割合に」にまで広げるとしたビジョンを採択した。今後、政府、国際機関、環境NGO等で構成するICAOタスクフォースを設置し、代替燃料として認められるサステナビリティ基準を設定していく。しかし、化石燃料からバイオ燃料等の代替燃料への転換を、環境NGOが猛烈に反対したことが話題を呼んでいる。  ICAOには1947年に発足し、本部はカナダ・モントリオール。現在、世界191ヶ国・地域の政府が加盟している。ICAOが、代替燃料に関する会合を開くのは今回が2回目。前回の第1回は2009年11月に開催され、航空分野の二酸化炭素排出量を削減するため、代替燃料の利用を拡大する大きな方向性が確認され、「ICAO Global Framework for Aviation Alternative Fuels(GFAAF)」が採択された。2回目となる今回は、2050年までの長期ビジョンを定めるために開催され、加盟国のうちドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシア、日本、韓国、中国、シンガポール、インドネシア、インド、パキスタン、サウジアラビア、UAE、オーストラリア、米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、グアテマラ、ニカラグア、パナマ、ドミニカ、タンザニアの29ヶ国と、EU、国際航空運送協会(IATA)等の関連機関が出席した。  2050年ビジョンの原案は、ICAO事務局が作成し、今年8月に公表。その中には、航空機燃料に占める代替燃料の割合を、2025年までに5%、2040年までに32%、2050年までに50%とするとし、2050年の年間代替燃料使用量を285Mtにする数値目標も盛り込まれていた。これに環境NGOが一斉に反発。ハイレベル会合の場でも、最終的にこの数量目標は撤回され、「顕著な割合に」するという文言に変更された。  環境NGOが今回のビジョンに反対するポイントは、代替燃料してバイオ燃料が大量生産されると、燃料となるパーム油やサトウキビ等の農地確保による森林破壊、化学肥料や農薬散布による健康・環境被害、水源汚染、食糧価格の不安定化等、多くの問題が引き起こされるということにある。ハイレベル会合が開催される直前の10月6日、世界の環境NGO96団体が、2050年ビジョンの数値目標に反対する共同声明を発表。有力な国際NGOであるオックスファム・インターナショナル、FoEインターナショナル等もこれに参加していた。  ICAOのハイレベル会合は、数値目標を撤回したものの、それ以外の2050年ビジョンの内容は承認。ICAOタスクフォースを中心に研究や議論を継続し、2025年までに第3回航空・代替燃料ハイレベル会合を開催し、2050年ビジョンの数値目標の具体化を図ることで合意した。 【参照ページ】ICAO Conference on sustainable alternative fuels agrees on new 2050 Vision to guide future development and deployment 【参照ページ】ICAO’S AVIATION BIOFUELS PLANS: A DANGEROUS DISTRACTION 【参照ページ】 Second ICAO Conference on Aviation and Alternative Fuels (CAAF2) 【参照ページ】Countries reject plans for the expansion of aviation biofuels

» 続きを読む

【EU】欧州議会、植物油のバイオ燃料利用廃止やパーム油単一認証制度創設を要請する決議案を採択

Facebook Twitter Google+

 EUで下院の役割を担う欧州議会は4月4日、パーム油生産者が引き起こす森林破壊を止めるため、EU域内市場に持ち込むパーム油に関する単一認証制度を導入する決議案を賛成640、反対18、棄権28で採択した。決議案には、パーム油を用いた火力発電を段階的に廃止する内容も盛り込まれた。今回の決議案は法案ではないが、EU行政府の役割を担う欧州委員会に対し政策立案を促す意味合いを持つ。  欧州議会にとって、パーム油が引き起こす森林破壊や生態系破壊について決議をするのは初。とりわけ深刻化している東南アジアでの問題が決議の背景となっている。欧州議会によると、EU域内に輸入されるパーム油の46%は、バイオ燃料として火力発電に用いられており、その分量のパーム油を生産するには約100万ヘクタールの熱帯地方の土地が必要となっている。  欧州議会は、安価な植物油の生産が森林破壊や生態系破壊、二酸化炭素排出につながっているとし、欧州委員会に対し、パーム油を含む植物油についてバイオ燃料としての利用をできれば2020年までに段階的に廃止することを要請。また、パーム油の持続可能な生産については民間認証制度が複数生まれているが、それにより混乱も招いているとし、EU域内市場では単一認証制度を創設すべきだとした。加えて、EU域内市場に輸入されるパーム油や関連製品に対しては一定のサステナビリティ基準を課すべきだとし、欧州委員会に対し、パーム油のトレーサビリティを改善することや、単一認証制度が制度化されるまで優遇関税制度などを設け基準を満たさない製品にコスト圧力をかける対策などを要請した。  審議の過程では、欧州議会議員からは、パーム油が児童労働や先住民の権利侵害など人権侵害にも関与している実態を糾弾し、パーム油の人権侵害の側面も今後クローズアップされている可能性がある。 【参照ページ】MEPs call for clampdown on imports of unsustainable palm oil and use in biofuel

» 続きを読む

【アメリカ】ボーイング、バイオ燃料など新環境技術のR&D計画を発表

Facebook Twitter Google+

 航空機製造世界大手ボーイングは7月7日、同社が2010年から取り組んでいる「エコデモンストレーター・プログラム」の次の計画として、ブラジルの航空機メーカー、エンブラエル社と共同で、環境性能と製品上市を加速させるための新技術開発を進めることを明らかにした。エコデモンストレーター・プログラムは、新たな航空技術を実用化する際に発生するリスクの削減に貢献するもので、米連邦航空局(FAA)、アメリカン航空、日本のIHIなど業界大手企業が参画している。特に、燃費向上、排気ガスや騒音の削減に重点を置いており、各社が開発した新技術を民間航空機に搭載してテストを行っている。  今回明らかにした計画でテスト中の新技術は複数ある。まず、LIDAR(光検波測距)技術。レーザーを用いて実際の対気速度、進入角度、外気温度などの大気データを計測することで、従来のセンサーを補完し、燃費効率向上と炭素排出量削減を実現させることができる。また、「嫌氷」技術では、特殊な塗料を機体に塗布し、氷結や汚れを防ぐことができる。これにより、機体洗浄のための水使用量を削減できる。さらに、ブラジル産のバイオ燃料を用いたB10燃料(バイオ燃料10%、化石燃料90%)の実用化研究も進める。主翼の形状改良にも取り組み、騒音軽減と燃費改善も探る。 【参照ページ】Boeing, Embraer Unveil Newest ecoDemonstrator Aircraft

» 続きを読む

【国際】バイオ燃料作物栽培と食糧栽培は両立するか。国際会議の場で激論

Facebook Twitter Google+

 英国に拠点を置き、地球温暖化に関するニュース配信や情報分析を行っているClimate Homeによると、5月16日から26日までドイツのボンで開催された国連主催の気候変動会議の場で、「エネルギー作物と食糧安全保障」について、研究者や環境活動家の間で激しい論争が巻き起こったという。  昨年12月に合意された「パリ協定」では、世界各国は地球の気温上昇を産業革命以前と比較して2度未満に抑えることを目標に取り組み、さらに1.5度未満に向けて努力を求められることになった。この目標を達成するための手段としてCO2削減プランに盛り込まれているのが既に実用化が進んでいるバイオ燃料の促進だ。  特に輸送用燃料として有望視されているのがバイオエタノールとバイオディーゼルで、原料となるトウモロコシやサトウキビ、菜種油等の栽培面積を拡大する方向で政策手段にも組み込まれている。国際エネルギー機関(IEA)の2011年発行の報告書は、2050年までに、27%の輸送エネルギーはバイオエネルギー由来のものとなると見積っている。また、EUは2020年までにバイオエタノールとバイオディーゼルにより輸送エネルギーの10%を賄うという目標を立てている。  このように大きな期待を担っているバイオエネルギーだが、一方で、その原料となるエネルギー作物の栽培が、食糧生産用の土地を奪い、食糧の高騰につながり、特に貧困層の人々に悪影響を及ぼすのではないかということを、世界資源研究所の研究者、Tim Searchinger氏や、ActionAid等の環境活動家を含む一部の研究者、環境活動家、政府機関関係者が懸念を表している。  今回の論争が起きたのは、バイオエネルギー推進派が、データを検証すれば、エネルギー作物と食糧栽培は両立でき、エネルギー作物の栽培によって土地管理がむしろ向上し、食糧のサステナビリティが増進すると議論を展開したのに対し、反対派が反論を試みたことから生じた。  反対派は次のような議論を展開している。 1)耕作可能な土地は有限、食糧生産とエネルギー作物栽培は両立しない。エネルギー作物の増加は食糧減と価格高騰につながる。 2)エネルギー作物への転換は高額な費用がかかる。 3)エネルギー作物よりソーラーパネルを利用したエネルギー生成の方が効率がよい。 4)食糧の栽培により今でも二酸化炭素の貯留は行われており、エネルギー作物への転換は必要としない。 5)貧困層を追い込むのではなく、富裕層のCO2排出を抑制すべき。  それに対し、推進派のオークリッジ国立研究所気候変動研究所のLeith L. Kline氏は、自身が筆頭著者として発表した論文「Reconciling food security and bioenergy: priorities for action(GCB Bioenergy, 14 June 2016)」で、反対派の主張は複雑な実態を単純化したものであり、科学的根拠に乏しいと指摘。バイオエネルギーと食糧安全保障とのシナジー効果を促進し、長期的な作戦を立て、サステナビリティと飢えの根絶を目指すために、次のことを提唱した。  まず、食糧安全保障に関する用語自体が統一されていない。食糧安全保障という概念自体が多様な解釈が伴うため測定基準がなく、替わりに「飢え」の指標を適用している。しかし「飢え」についても、国連世界食糧計画(WFP)は「エネルギー需要を満たすための十分な食糧がない状態」と定義する中、World Hunger Education Servicesは「栄養不良等の総体的な食糧不足」としており、同じ定義とはいえない。従って用語や概念を統一し、測定を容易にすることが必要である。  次に、国連食糧農業機関(FAO)により毎月発表されるFAO食料価格指数は、2002年から2004年を100として、国際取引価格から算出されている。FAOや世界銀行は2007年から2008年の食糧高騰をバイオ燃料のせいだとしているが、他の研究でも明らかにされているように原油価格や貿易政策が関連している。食糧価格とエネルギー作物との相関関係は単純ではなく、精査が必要だとした。  国連持続可能な開発目標(SDGs)の一つにとしても掲げられている「飢餓」の問題。この食糧の分野では、バイオ燃料との関係、遺伝子組換え作物の扱い方が大きな問題として湧き上がっている。このテーマはすでに、倫理の問題から科学的数値の問題へと様相の変化を見せており、科学者の役割がますます重要になってきている。気候変動の問題もかつては「温暖化してる」「温暖化していない」議論が巻き起こり、20年以上に渡る科学者の議論の結果、「温暖化している」ことがほぼ確実となった。バイオ燃料と遺伝子組換えについても議論の枠組みが必要となってきている。 【参照ページ】Reconciling food security and bioenergy: priorities for action 【参照ページ】Biofuels are good for food security – study 【参照ページ】Activists row over bioenergy role in meeting 1.5C climate target 【参照ページ】Bioenergy “incompatible” with sustainable food production – study 【関連ページ】バイオ燃料の種類・実用性・課題

» 続きを読む

【メキシコ】ボーイング、アエロメヒコ、メキシコ政府らが持続可能な航空バイオ燃料の研究開発で協働へ

Facebook Twitter Google+

 航空機製造大手のボーイングは2月24日、メキシコのSector Fund for Energy Sustainability(SENER-CONACYT)の支援のもと、同国における持続可能な航空バイオ燃料の研究開発に向けてメキシコ航空会社のアエロメヒコおよびAirports and Auxiliary Services(以下、ASA)と協働すると公表した。  今回の提携はMexican Bioenergy Innovation Centerを通じて実現したもので、メキシコの航空業界および環境・社会・経済目標の達成を支援する。今後、メキシコ政府および参加機関らはこの取り組みに対して4年間にわたり資金援助を行い、持続可能なビジネスモデルの開発を目指す。バイオマスの調達や燃料製造、サステナビリティ・ライフサイクル評価、航空バイオ燃料の市場開発などに関する研究が実施される予定だ。  ボーイング・インターナショナルにて社長を務めるMarc Allen氏は「顧客と航空業界の長期的な成長をサポートするために、ボーイングは、アエロメヒコなどの多様で重要なステークホルダーと、メキシコにおける持続可能な航空バイオ燃料産業へ向けた協働ができることを誇りに思う。持続可能な航空燃料は航空業界において炭素排出量を削減するために重要な役割を果たし、新たな産業の芽をメキシコにもたらすこととなるだろう」と語った。ボーイングは、バイオ燃料に関するプロジェクトをオーストラリア、ブラジル、中国、ヨーロッパ、中東、南アフリカ、東南アジアなど世界各地で進めている。  また、アエロメヒコでChief of People & Industries Affairs Officerを務めるSergio Alland氏は「今回の取り組みは、ASAやボーイングらの力をなくして実現しえなかったものだ。メキシコ・マドリッドルートで初めてバイオ燃料による大陸横断飛行を実施し、メキシコ・コスタリカ間で環境配慮フライトを実施するなど、ボーイング、アエロメヒコ、ASAは、今回の取り組みにおいて中心的役割を担っている。アエロメヒコは持続可能な操業のために日々取り組みを続けており、社会・環境に対する責任と経済的競争力を同時に追求するというチャレンジに挑む準備ができたと考えている」と語った。  米国エネルギー省の試算によれば、持続可能なバイオ燃料の使用により、従来の化石燃料の使用と比較して炭素排出量は50~80%削減できるという。世界中で旅客機の利用者数が増加し続けるなか、航空業界のエネルギー利用におけるサステナビリティ向上は業界に限らず世界全体にとって重要なテーマとなっている。 【参照リリース】Boeing, Aeromexico, Mexican Government Collaborate on Sustainable Aviation Biofuel Research and Development 【企業サイト】Boeing (※写真提供:Philip Pilosian / Shutterstock.com)

» 続きを読む

【アメリカ】ユナイテッド航空、バイオ燃料による定期便運航を米西海岸路線で開始

Facebook Twitter Google+

 米航空大手のユナイテッド航空は3月11日、ハネウェル・グリーン・ジェット燃料というバイオ燃料を使用した初めての民間航空便を、ロサンゼルス―サンフランシスコ間で運航させたと発表した。  今回使用されているジェット燃料は、シアトルに本社を置く持続可能なジェット燃料及びディーゼル燃料を精製するAltAir社が開発したもの。カリフォルニア州ロサンゼルス郊外のパラマウントで休止中だった石油精製施設を利用した工場設備でジェット燃料の生産を行っている。製法には米ハネウェル社の100%子会社であるHoneywell UOP社のプロセス技術が用いられた。パラマウントの施設はバイオ混合ジェット燃料の製造が可能な「世界初の再生可能燃料精製所」となっている。  ユナイテッド航空の発表によると、AltAir社のバイオ混合燃料は食用でないコーンオイル、(獣)脂、カメリナ、ジャトロファそして藻などが用いられており、このバイオ燃料を30%、従来のジェット燃料70%の割合で混合されジェット燃料となる。このバイオ混合燃料は、従来の石油系ジェット燃料に対するコスト競争力があり、燃料ライフサイクル全体で二酸化炭素排出量の60%が削減可能だという。そのため、ユナイテッド航空は2013年にAltAir社との提携を発表。ユナイテッド航空がバイオ燃料1,500万ガロンを購入することで、AltAir社に対するCAPEX(設備投資費用)を供給する形となった。現在、AltAir社は、民間用と軍事用で年間3,000万ガロンのバイオ燃料を生産している。TriplePunditによると、バイオ燃料は、別の代替エネルギーとされている電気エネルギーと比べ、既存の液体燃料インフラを使える点、そして航空産業においては極めて重要となる単位重量あたりのエネルギーが高いという点で、大きく優れているという。  AltAir社のパラマウント工場では、同じプロセス技術を用い、ディーゼル油の代替燃料であるハネウェル・グリーン・ディーゼルの製造も行っている。Honeywell UOPによると、ハネウェル・グリーン・ディーゼルは化学的に同一成分の石油を原料とするディーゼルに比べて、温室効果ガス排出量が最大80%まで削減できるという。バイオディーゼルとは異なり、Honeywell Green Dieselは既存のディーゼルの代替として設備やインフラストラクチャーを変更することなく製造できる点が強みだ。  ハネウェル・グリーン・ジェット燃料は、現行のASTMジェット燃料仕様に適合し、航空技術の変更なしにフライトで使用する石油ジェット燃料の50%まで置換でき、温室効果ガスの排出量を対石油系ジェット燃料で最大85%削減できるという。未来のジェット燃料に向けてユナイテッド航空が新たな大きな一歩を踏み出した。 【企業サイト】United Airlines 【企業サイト】AltAir Fuels

» 続きを読む

【アメリカ】ユナイテッド航空、持続可能なバイオ燃料企業に3000万米ドルを出資

Facebook Twitter Google+

 米航空大手のユナイテッド航空は6月30日、バイオ燃料開発会社のファルクラム・バイオエナジー社(以下、ファルクラム)に3000万米ドルを出資すると発表した。ファルクラムは家庭ごみなどの固形廃棄物を低コストで持続可能な航空バイオ燃料に転換する技術の開発・商業化を手掛ける企業だ。同社の開発する航空燃料は従来の燃料と比較してライフサイクル全体における炭素排出量を80%以上削減できる可能性があるという。  今回の投資は米国の航空会社による代替燃料への単一投資としては過去最大規模となり、この合意によりユナイテッド航空は航空バイオ燃料および炭素排出量削減への取り組みにおいて航空業界の中でも抜きんでた存在となった。ユナイテッド航空はファルクラムへの出資に加えて、同社と共同で5ヶ所のハブ空港の近辺で共同プロジェクトを実施し、最大年間1億1,800万ガロンの燃料生産を目指す。  また、両者は長期の燃料供給契約についても合意に達しており、生産が間に合えば従来のジェット燃料と比較しても遜色ない価格で少なくとも年間9,000万ガロンの持続可能な航空燃料を最低10年間購入できるようになるという。ファルクラムは2017年に最初の燃料工場の操業開始予定だ。  ユナイテッド航空で執行副社長兼ゼネラル・カウンシルを務めるBrett Hart氏は「代替燃料への投資は環境に優しいだけではなく、バイオ燃料は石油価格の変動や炭素排出規制の対策にもなり得るもので、当社にとって有意義な決断だと確信している」と語る。  ユナイテッド航空は2009年以降、持続可能なバイオ燃料の実用化に向けて多額の投資を行ってきた。2009年には北米の航空会社として初めて持続可能なバイオ燃料を使用した双発機のデモ飛行を実施、2011年には藻から生産したバイオ燃料を使用して米国で初めて乗客を乗せた商業飛行を実施、2015年にはそれらの取り組みが認められ、World Bio Marketsから先進バイオ燃料の部で優秀賞を受賞している。 【参照リリース】United Airlines Purchases Stake in Fulcrum BioEnergy with $30 Million Investment 【企業サイト】United Airlines 【企業サイト】Fulcrum BioEnergy (※写真提供:Anatoliy Lukich / Shutterstock.com)

» 続きを読む

【国際】世界で最もサステナブルなバイオ燃料を利用している航空会社は?NRDCが公表

Facebook Twitter Google+

米国の環境NGO、NRDC(Natural Resources Defense Council:自然資源保護協議会)は2月3日、サステナブルなバイオ燃料の利用率で世界17の大手航空会社を比較・評価したスコアカード"Aviation Biofuel Sustainability Scorecards"を発表した。同ランキングで首位を獲得したのはエールフランスで、次いでブリティッシュ・エアウェイズ、ユナイテッド航空、ヴァージン・アトランティック航空とキャセイパシフィック航空となった。 同スコアカードはバイオ燃料を既に利用しているか、今後バイオ燃料を使用する予定と公表している32社の航空会社に調査票を送り、返答があった17社からの回答に基づくものだ。17社の中には日本航空、全日本空輸も含まれている。この調査は、各社のバイオ燃料の採用状況について、サステナビリティ認定基準の活用、サステナビリティ基準を推進する業界イニシアチブへの参加、サステナビリティ認証済みの燃料調達に対する公的なコミットメント、サステナビリティ測定手法のモニタリング、情報開示といった側面から評価したものだ。 今回の調査結果の主なポイントは下記の通り。 17社のうち、バイオ燃料のライフサイクル全体における温室効果ガス排出量の評価、開示しているのは現状エールフランス、ユナイテッド航空の2社しかない一方で、今後その予定があるか、過去に実施したことがある航空会社は7社ある。また、現在評価を行っているものの、それを開示していないのはニュージーランド航空1社のみ。 今後、サステナブルなバイオ燃料を利用する予定のある航空会社は6社だが、現在使用中のバイオ燃料の75%以上がサステナブル燃料だと回答したのはエールフランスたった1社。 現在バイオ燃料による間接的土地利用変化(ILUC:Indirect Land Use Change)を評価しているのはブリティッシュ・エアウェイズとヴァージン・アトランティック航空。 同スコアカードの作成を担当したNRDCのDebbie Hammel氏は「気候変動を抑制し、炭素排出を削減するためには、航空による炭素排出の削減対策が欠かせない。航空業界はこの問題に積極的に取り組んできており、サステナブルなバイオ燃料を採用する会社は今後も増える傾向にある」と述べている。同調査を実施したNDRCによれば、過去5年間で40社以上の航空会社がバイオ燃料(一部の利用も含む)で合計60万マイルの距離を飛行したとのことだ。さらに、KLMオランダ航空は26の長距離便の飛行を通じて、一部バイオ燃料を利用した定期便の導入は十分可能だということを示したとしている。 航空業界は早くからCO2排出量の削減、サステナブルな航空燃料の開発、持続可能で環境に配慮した空港設備の充実などに積極的に取り組んできた。NRDCの公表した各社のスコアカードは下記からダウンロード可能。 【レポートダウンロード】Aviation Biofuel Sustainability Scorecards 【団体サイト】Natural Resources Defense Council

» 続きを読む

【エネルギー】バイオ燃料の種類・実用性・課題

Facebook Twitter Google+

バイオエネルギーとは? ー熱・電気・燃料ー 2014年7月9日、日経新聞が「米ボーイングや東京大学、日本航空、全日本空輸などは航空機バイオ燃料の実用化に向け、新たな組織を立ち上げた。原料となる家庭ごみや藻類、非食用植物の調達ルートや精製プラント、燃料のサプライチェーン(供給網)について原料ごとに事業モデルを策定する。低コストで量産できる最適な原料と設備を探り、2020年の実用化を目指す。」と報じました。また、2012年にはミドリムシからジェット機燃料を製造する技術開発に取り組むユーグレナ社が東証マザーズに上場したことも話題となりました。今、バイオ燃料の分野が、国内でも注目されています。 バイオ燃料。何やら環境に優しそうな響きのある言葉です。バイオの分野には将来性が大きく期待されており、似た言葉に、バイオマス燃料、バイオマス発電というものもあります。皆さんはこれらの違いをご存知でしょうか?バイオ燃料というものを理解するためには、先にバイオマス、バイオエネルギーという言葉を抑えておく必要があります。 バイオマス それではまずバイオマスから理解していきましょう。バイオマスとは、専門家の間では、生物資源(bio)の量(mass)を表す言葉で、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石燃料を除いたもの」と定義されています。何やら難しい言葉ですが、極めて単純に言ってしまえば、地球上にある植物・動物を合わせた生物のことです。木もバイオマスの一部、米もバイオマスの一部、冒頭のミドリムシもバイオマスの一部です。生物学的には昆虫や動物もバイオマスの一部ですが、エネルギー資源の文脈では倫理的な問題がありバイオマスという名称では呼ばれません。石油、石炭、天然ガスなどの化石資源も、地質時代に堆積した動植物などの死骸などが由来しているという説が有力ですが、再生するのに極めて長期的な時間を要する、もしくは再生が極めて困難である(枯渇性資源と呼ばれます)ため、バイオマスの定義からは化石資源は除外されます。 バイオエネルギー バイオマスを基にしたエネルギー資源のことをバイオエネルギーと言います。例えば、さとうきびを原料としたガソリン代替燃料もバイオエネルギー、ごみ焼却施設の発熱を用いた発電もバイオエネルギー、落ち葉で焚き火をするのもバイオエネルギーです。このように、バイオエネルギーは、大きく「熱」「電気」「燃料」に分類できます。 (出所:World Business Association "WBA Global Bioenergy Statistics 2014") 世界全体でのバイオエネルギー利用の状況は、圧倒的に多いのが「熱エネルギー(Heat)」です。これはある意味当然とも言えます。人類社会は古代から、バイオマスを燃やすことで発熱をしてきています。今でも経済開発が進んでいない地域を中心に、火をおこして調理をしたり、火をおこして風呂を温めたり、火をおこして陶器を生産したり、火をおこして部屋を暖めたりと、様々なバイオマス由来の熱エネルギーを用いています。 (出所:World Business Association "WBA Global Bioenergy Statistics 2014") 地域ごとのバイオエネルギー割合を見てみても、アジアやアフリカなど未開発の地域が多いところほどバイオエネルギーの熱利用が多いことがわかります。一方で、ヨーロッパやアメリカ地域では、バイオ燃料(Transport)の量がかなり多いことがわかります。焚き火など「熱」としてバイオマスを利用することはイメージできても、バイオマスを「バイオ燃料」として理解するのはそれほど簡単ではありません。では、バイオ燃料とは一体何なのか。続いて、それを見て行きましょう。 バイオ燃料(Biofuel)の種類 バイオマスを用いた燃料のことをバイオ燃料、またはバイオマス燃料と言います。この2つは同意語です。現在、バイオ燃料の実用化に向けた検討が大きく進んでいるのが、バイオエタノール(Bioethanol)、バイオディーゼル(Biodiesel)、バイオジェット燃料(Aviation Biofuel)、バイオガス(Biogas)の4分野です。 バイオエタノール (出所:環境省中央環境審議会地球環境部会資料) バイオエタノールは、バイオマスを活用してつくるガソリン代替品です。バイオエタノールの原料として使われているのは主に3種類あり、(1)糖質原料(サトウキビ、糖蜜、甜菜)、(2)でんぶん質原料(とうもろこし、麦、もろこし、じゃがいも、さつまいも)、(3)セルロース系原料(稲藁、籾殻、スイッチグラス、廃材木など)です。このうち、世界で実用化に至っているのが(1)と(2)で、(3)のセルロースは現在は研究段階ながら今後の実用化に期待が集まっています。 エタノールと言われてピンとこない方もいるかと思います。エタノールの代表例と言えば理科の実験で登場するアルコールランプの中身。エタノールはアルコールの種類の一つです。すなわち、バイオエタノールの製造工程はお酒を作るのと同じで、酵母を用いて糖分をアルコール発酵させて製造します。もちろん、さとうきびやとうもろこしはそのままではアルコール発酵させるのに効率が良くなく、水やその他の成分を加えて酵母が発酵しやすい性質に変化させたり、成分分解を行って糖質だけを凝縮させたりしています。 (出所:経済産業省「バイオ燃料の導入に向けた課題について」) とりわけセルロース系原料は、前処理としてセルロースを分解して糖分だけを取り出す工程が必要となり、コスト面で割高になる課題を抱えています。 では、バイオエタノールは何に使われているのでしょうか。そのほとんどはガソリンと混ぜられ、自動車用の燃料としてガソリンスタンドで販売されています。こうすることで、原油由来のガソリンの使用量を減少させることに貢献しています。バイオエタノールを含むガソリンは、世界共通でE5、E10のように表現されています。この5や10はバイオエタノールの混合率を表しており、E5はバイオエタノールが5%混合されているガソリンを、E10はバイオエタノールが10%混合されているガソリンのことを意味しています。また、バイオ燃料を直接ガソリンと混合させず、バイオ燃料とイソブテンの混合物をガソリンと混合するETBEも欧州では利用されています。 (出所:環境省) バイオディーゼル バイオディーゼルは、バイオマス由来のディーゼルエンジン用燃料です。バイオディーゼルの英語Biodiesel Fuelの頭文字をとってBDFと呼ばれることも多いです。バイオディーゼルの原料となるものは、菜種油、パーム油、オリーブ油、ひまわり油、大豆油、コメ油、ヘンプ・オイル(大麻油)などの植物油、魚油や豚脂、牛脂などの獣脂及び廃食用油(いわゆる天ぷら油等)など、様々な油脂がバイオディーゼル燃料です。特に利用されているのは、欧州では菜種油、中国ではオウレンボク等、北米及び中南米では大豆油、東南アジアではアブラヤシやココヤシ、ナンヨウアブラギリから得られる油です。また、料理油や工業用油などの廃油を利用するケースもあります。 バイオディーゼルの製造方法は、バイオエタノールのようにアルコール発酵をさせる必要がないためよりシンプルです。原料となる油脂は粘度が高いことが多く、そのままではディーゼル自動車の噴射ポンプや噴射ノズルに成分が付着して不具合が発生することが懸念されるため、化学処理を施して原料油脂からグリセリンを取り除くことで精製されています。バイオディーゼルはバイオエタノールよりも後発で検討されてきましたが、精製方法が容易のため急速に市場が広がっており、事業会社や自治体などでも独自に実用化されています。使用に際しても、バイオディーゼル100%のものもあり、または軽油と一定割合で混合して使用することもあります。軽油との混合割合は、バイオエタノールと同じく、B10、B20などと表現され、B100はバイオディーゼル100%を意味しています。 バイオジェット燃料 バイオエタノールやバイオディーゼルが主に自動車向けのバイオ燃料として発展してきたのに対し、航空機のジェット燃料の代替品としてのバイオ燃料の実証実験も進んでいます。バイオジェット燃料はバイオディーゼルと同様、油成分のものを精製することで得られます。現在原料として可能性が追求されているのが、ナンヨウアブラギリやアマナズナなどの植物、藻類、牛脂です。また、現在ユーグレナ社が取り組んでいるミドリムシがバイオジェット燃料の原料として新たに浮上してきています。 バイオジェット燃料は理想主義的なものに思われるかもしれませんが、実はすでに実用化されています。まだ、大規模な活用とまではいきませんが、2008年以降、世界中の数多くの航空会社がバイオジェット燃料でのテスト飛行に成功しています。さらには、KLM、ルフトハンザ航空、メキシコ航空、コンチネンタル航空、フィンランド航空などがバイオジェット燃料での商用飛行にも成功しています。商用飛行で使われたのは、ナンヨウアブラギリ、藻類、そして使用済み食用油です。軽油との混合割合も25%から50%と少なくない割合のバイオジェット燃料が実用性を帯びてきています。 バイオガス バイオエタノール、バイオディーゼル、バイオジェット燃料が液体のバイオ燃料であるのに対し、気体形状のバイオ燃料がバイオガスです。バイオガスは一般的に、生物の排泄物、有機質肥料、生分解性物質、汚泥、汚水、ゴミなどの廃棄物が原料となっています。 (出所:独立行政法人農畜産業振興機構) バイオガスは有機廃棄物をメタン菌などの微生物を用いてメタン発酵して製造されます。バイオガスはすでに幅広い用途で活用されており、車両の燃料源としてバイオ燃料として利用されるものもありますし、ガスを燃焼させた熱を利用した発電用途や、温水プールや、調理ガスなどで熱利用されることもあります。 急速に拡大するバイオ燃料 (出所:World Watch Institute) すでに、世界で商用として活用されているバイオエタノールとバイオディーゼルの生産量は2000年代後半に急増しました。後押ししているのは、各国の政策です。米国では中東からの石油依存を脱却するために、2006年のブッシュ大統領の一般教書で2025年までに、中東産石油の依存度を25%以下にするという目標が示されました。ブラジルでは、2003年以降にバイオ燃料でも走行可能なフレックス車の販売を推進したことでバイオエタノールの需要が大きく拡大しました。 (出所:独立行政法人農畜産業振興機構) バイオ燃料の生産を国別に見ると、原料となるバイオマスを生産している国に偏っているのが現状です。世界のバイオディーゼルとバイオエタノール生産の43%を占める米国は自国で生産しているとうもろこしでバイオエタノールを生産していますし、26%を占めるブラジルはさとうきびを主原料としています。一方で、EU諸国や中国なども着実に生産量を伸ばしてきています。ちなみに日本はバイオディーゼルは一部地方自治体が環境目的で推進する一方、世界で主力のバイオエタノールはE3の実証実験レベルにとどまっています。 バイオ燃料の課題:コストと食糧バランス バイオ燃料にも解決していくべき課題があります。まずはコスト。バイオエタノールやバイオディーゼル、バイオジェット燃料の普及のためには、既存のガソリン、軽油、ジェット燃料と同等かそれ以下にまでコストを下げていく必要があります。バイオ燃料の生産には従来型のエネルギー源よりも加工プロセスが多く、またバイオ燃料に対応した自動車の開発やガソリンスタンドの設備投資が必要となります。バイオエタノールやバイオディーゼルの活用が進む米国でも、エネルギー産業界や自動車業界からはコスト増に対する悲鳴も上がっています。バイオ燃料の普及のためには、原料となるバイオマスの品種改良や生産効率の増加、加工プロセスでのコスト削減のための技術開発が欠かせません。 また課題の2つ目として大きくのしかかっているのが、食糧とのトレードオフの問題です。2000年代に急増したバイオ燃料は糖質やでんぷん質を主原料としたものが多く、食糧を燃料として使ってきました。一方で、地球上には飢餓に苦しむ人々もおり、食糧をエネルギー源としてではなく、まずは食糧資源として利用すべきだという声も多くあります。そこで、セルロース系や藻類、ミドリムシを原料としたり、廃油や廃棄物を主力にしようという動きも活発化しています。セルロース系のバイオエタノールは上記でみたようにセルロース分解の工程が増えコスト増や転換効率の低下につながるため、さらなる技術開発とコスト削減が重要性を増しています。廃油を主力としたバイオディーゼル、バイオジェット燃料や、廃棄物を主力とするバイオガスは、廃油・廃棄物の回収が必要のため、バイオ燃料としての再利用を前提とした製品の開発やリサイクルを可能とする社会システムの構築が不可欠です。 バイオ燃料は21世紀の燃料として飛躍を迎えると言われる重要な資源です。もちろん、課題もたくさんありますが、それをひとつひとつ克服していくことが持続可能な燃料の実現への大きなプロセスとなります。 文:サステナビリティ研究所所長 夫馬賢治

» 続きを読む
2014/08/09 体系的に学ぶ
ページ上部へ戻る