【国際】世界カカオ財団と企業21社、コートジボワールとガーナの熱帯雨林保護・再生で協働

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 カカオ産業のサステナビリティ向上を目指す世界カカオ財団(WCF)は11月16日、気候変動枠組み条約ボン会議(COP23)の場で、新たなイニシアチブ「Frameworks for Action」の設立を発表した。世界のカカオの3分の2を生産するコートジボワールとガーナでカカオ栽培による熱帯雨林伐採を食い止め、国立公園を守る。熱帯雨林を保護することで大気中の二酸化炭素を固定化するにもつながり気候変動緩和にも貢献できる。  過去10年で、コートジボワールでは約210万ha(青森県と秋田県の足した面積)、ガーナでは82万ha(兵庫県の面積)の熱帯雨林が消失。その結果、コートジボワールではかつて国土の25%が熱帯雨林だったが、現在は4%未満にまで激減している。コートジボワールとガーナの熱帯雨林消失のうち4分の1がカカオ生産によるとものとみられている。カカオ生産により熱帯雨林破壊が進む背景には、現地のカカオ生産農家の間で、熱帯雨林を焼き払った土地でカカオを栽培したほうが実りが良いと信じられているという事情がある。 【参考】【西アフリカ】カカオ栽培により熱帯雨林が大規模消失。メーカー・流通企業の課題多い(2017年10月1日)  このままのペースで熱帯雨林破壊が進めばカカオ生産は持続可能でなくなってしまう。すると現地のカカオ農家の所得や雇用にも大きなダメージを与えることになる。そのため、熱帯雨林破壊を伴わない持続可能なカカオ栽培が、カカオを原料とするチョコレート産業を中心に大きな経営課題になっている。  今回のイニシアチブに参加するのは、チョコレート世界大手米マース、米モンデリーズ・インターナショナル、米ハーシー、米ギタード、米Blommer Chocolate Company、スイスのネスレ、スイスのバリーカレボー、ベルギーのゴディバ、伊フェレロ、仏Cemoi、デンマークのToms International、日本の明治、ニュージーランドのWhittaker's、カナダのCococo Chocolatiers、食品商社世界大手米ゼネラル・ミルズ、米カーギル・カカオ&チョコレート、シンガポールのオーラム・カカオ、スイスECOM Group、農業大手仏Touton、英小売大手セインズベリー、スイス育苗大手Tree Globalの21社。参加企業で世界のカカオ流通の80%以上を占める規模。  コートジボワールとガーナの両政府も、熱帯雨林地域の土地利用状況地図の更新やカカオ農家や地域社会の経済状況把握等、森林保護管理制度の向上をすでに開始している。今回のイニシアチブは、企業がカカオ流通の認証・モニタリング制度や衛星画像解析等を導入し、サプライチェーンの透明性を上げることで、政府の取組を後押しする。さらに政府と協働し、国レベルの透明性向上フレームワークなどの構築も支援していく。企業アクションの検討では、現地の農家やコミュニティと十分に対話していく方針も確認された。同時に企業はフレームワークに沿う具体的アクションの結果と進捗状況を毎年開示していくことでも合意した。  今回のフレームワークでは、「森林保護と再生」「持続可能なカカオ生産と農家の生活基盤整備」「コミュニティ・エンゲージメントと社会的インクルージョン」の3つを主なテーマとして掲げている。 森林保護と再生:国立公園や国立保護区の保護、都市部の緑地化、特にカカオ農家の侵入によって荒らされた森林保護区の再生 持続可能なカカオ生産と農家の生活基盤整備:持続可能なカカオ生産の集約化と生産性・農家の収入を増加させるための生産の多角化 コミュニティ・エンゲージメントと社会的インクルージョン:コミュニティ全体を巻き込み農家に社会的なセーフテティネットを提供 【参照ページ】Two-thirds of Global Cocoa Supply Agree on Actions to Eliminate Deforestation and Restore Forest Areas

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【国際】英皇太子、チョコレートメーカー世界大手を招集。森林破壊撲滅に向けた共同趣旨書発表

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 英国チャールズ皇太子は3月16日、世界カカオ基金(WCF)、Sustainable Trade Initiative(IDH)と共同で、チョコレート産業に関する国際会議をロンドンで開催した。チャールズ皇太子は、2004年にサステナビリティ情報開示の推進機関The Prince’s Accounting for Sustainability Project(A4S)を立ち上げ、国際統合報告評議会(IIRC)を2010年にの設立する際にも尽力するなど、この分野に非常に関心が高い。  ロンドンで開催された国際会議には、チョコレート世界大手のハーシーCEO、バリーカレボーCEO、マース社長、カーギル・ココア&チョコレート社長、オーラム・ココアCEO、ネスレのチョコレート部門グローバルヘッド、フェレロ執行役員、モンデリーズ副社長など12社の代表者が参加。共同で「カカオと森林イニシアチブ(The Cocoa and Forests Initiative)設立に関する共同趣旨書」を発表した。共同趣旨書には、企業、政府、市民社会が一体となってカカオ豆生産による森林破壊と森林減少を抑止することが謳われている。詳細な枠組みについては、今年後半にドイツ・ボンで開催されるCOP23で発表される。  共同趣旨書には、最初の注力地域として、コーボジボワールとガーナを挙げている。森林破壊の問題を論じる際には、最大の要因として家畜、特に大量の穀物を必要とする牛の飼育、パーム油、大豆、木材が挙げられる事が多い。しかし近年、チョコレートの世界的な需要拡大が、特にカカオ豆の最大の生産地であるコートジボワールとガーナにおいては、森林破壊の要因となっている。コートジボワールは、森林面積が半減しており、ガーナの熱帯雨林面積も当初の約4分の1にまで削減したと推計されている。チョコレート産業は年間で300万tのココア及びチョコレート製品を製造し市場規模は1,000億米ドルにも成長しているが、世界自然保護基金(WWF)やRainforest Rescue等のNGOは、今後チョコレート産業が土地管理を慎重にしなければ、長期にわたるカカオの収穫量減少リスクがあると警鐘を鳴らしている。  チョコレート業界では、以前はカカオ豆よりもパーム油と森林破壊の関連性が問題視されていた。2010年代初めには国際環境NGOグリーンピースはキットカット等人気のあるチョコレートのメーカーを激しく攻撃。以後、批判の対象となった企業は、パーム油の生産管理を強化し、数年後にはネスレやフェレロはグリーンピースから賞賛されるほどに改善された。そして続いて対象となってきているのがカカオ豆生産と森林破壊のつながりだ。  米食品大手のマ-スは、森林破壊を抑止するためにいくつかの対策を講じている。その1つはカカオ豆生産者と共に森林保全と持続可能な農業実践を併行しつつ、収穫量を増やすためのプログラム「森林複合経営(agroforestry)の展開。WWFはマ-スのこの取り組みを支援している。  クラフトフーズから分社化し、キャドバりー、ミルカ、トブラローネ等のブランドを有する米モンデリーズも、2012年からガーナ、コートジボワール、インドネシア、ドミニカ、インド、ブラジルの6ヶ国を対象として、独自の森林破壊抑止およびサステナビリティの促進プログラム「ココア・ライフ」を実践。2015年後半からは、コートジボワール政府がココア生産での森林破壊ゼロのために取り組んでいる国連主導の「REDD+」プログラムに参加するとともに、西アフリカ沿岸国で26,000の小規模カカオ豆生産者に対して森林破壊を伴わない生産性改善を指導している。  巨大な企業の寡占状態にあるパーム油生産とは異なり、カカオ豆生産は何百万という小規模農家が生産を担っている。そのため、カカオ豆生産現場の改善のためには、持続可能な農法、女性エンパワーメント、土地修復など幅広い目標を多くの関係者に伝えていく必要がある。カカオ豆に従事している労働者は、1日約1ドル米ドルで厳しい労働を強いられている人々も多く、人権や健康面での改善も重要となる。  今回の国際会議には、当事国であるコートジボワールやガーナの政府関係者も招集された。イニシアチブを進めるには、両国政府からの支援も必要だが、両国とも汚職などの問題も抱えている。国際NGOのトランスペアレンシー・インターナショナルが発表した2016年版の腐敗認識指数(Corruption Perceptions Index)によると、176か国中、コートジボワールは108位、ガーナは70位。しかし、業界が長期的に生き残るには、腐敗の問題も克服しながら、生産現場の改善に努めていく他には選択肢はない。 【共同趣旨書】Collective Statement of Intent The Cocoa and Forests Initiative 【参考ページ】Mars, Nestlé, Mondelēz Pledge to End Deforestation in Cocoa Supply Chain 【参考ページ】世界カカオ豆需給推移:日本チョコレート・ココア協会 【参考ページ】Mars, Deforestation Prevention Policy 【参考ページ】Mondelez International to Lead Private Sector Action in Côte d'Ivoire's Program to Combat Deforestation 【参考ページ】Corruption Perceptions Index 2016

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【アメリカ】ハーシー、2015年CSRレポート公表。気候変動、パーム油、動物愛護など目標発表

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 チョコレート米国最大手のハーシーは6月9日、2015年のCSRレポート「Shared Goodness」を公表した。同社は、2014年に続き2015年でも、サステナビリティ調達、食の安全、より健康的な原材料の利用などに取り組んだ。その中には国際的な関心が高まっている気候変動やパーム油の責任ある調達も含まれている。加えて2015年には各国の恵まれない子どもたちのために栄養教育を実施する「Nourishing Minds」プログラムも開始した。報告書の中では、2015年時点での目標達成について情報開示された。 サステナビリティ調達の主な内容 ・カカオ調達の半数以上でサステナビリティ認証を獲得  (2020年までに100%にする) ・カカオ農家8,000人に所得向上に向けた研修を実施  (2019年までに70,000人に実施する ・パーム油調達の10%で農園までのトラッキングを可能に  (2016年までに100%にする) ・動物愛護に関するポリシーを明文化  (2020年までに卵調達100%をケージフリー卵にする) ・森林破壊防止に向け紙・パルプに関するポリシーを明文化  (2017年までに紙・パルプ調達100%でサステナビリティ認証を獲得する) ・パッケージで重量単位で80%をリサイクル可能に 食の安全の主な内容 ・馴染みのある原材料利用へ転換 ・SmartLabel™というQRコードを用い食品成分の情報開示強化(全米初) 環境、安全衛生の主な内容 ・温室効果ガス排出量を2009年比23%削減  (2009年比50%削減する) ・米政府主導のAmerican Business Act on Climate Pledge(米ビジネス気候変動対応行動誓約)に署名 ・設備買収に伴い水使用量が4.5%増加  (2025年までに2009年比70%削減する) ・輸送・流通業務の温室効果ガスを2013年比8%削減  (2017年までに10%削減する) ・埋立所への廃棄物ゼロ施設を1ヶ所追加、合計11ヶ所に  (2025年までに全て施設で埋立所廃棄物ゼロにする) ・リサイクル率88%に  (2025年までに95%にする) 従業員エンゲージメントの主な内容 ・米国の従業員数女性比率45%、管理職女性比率27% 【参照ページ】Hershey Shares Progress On Social Responsibility Commitments 【報告書】SHARED GOODNESS 【企業サイト】ハーシー

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【アメリカ】ハーシー、持続可能なサプライチェーン構築に向けてガーナの子供たちの栄養支援

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 米チョコレート製造大手のザ・ハーシー・カンパニー(以下、ハーシー)は9月30日、クリントン・グローバル・イニシアチブ(CGI)において新たにガーナの7,500の農家に対して農業トレーニングを実施するというコミットメントを公表した。  ハーシーは農家のトレーニングを通じ、同社がガーナ・スクール・フィーディング・プログラムおよび地元NPOのプロジェクト・ピーナツ・バターとの協働によりガーナの学校に通う児童らに無償で配布している栄養サプリメント、「ViVi」の製造に必要な高品質かつ安全なピーナッツを地元農家が生産できるように支援する。ハーシーは2018年までにViviの製造に必要なピーナッツを100%地元調達にすることをコミットしている。  ガーナを含む西アフリカでは子供たちの学習や成長に必要となる最低限の栄養の摂取不足が依然として問題となっており、ハーシーはViViの提供およびその原材料となるピーナッツの生産支援を通じて同課題の解決に取り組む。  今後は地元ピーナッツ農家へのトレーニングに加えて金銭面や現物支援も行い、ピーナッツをローストする施設の再建やローストの技術指導も行う予定だ。また、ハーシーはこれらの取り組みにより生産されたピーナッツを価格プレミアムつきで買い取ることにより、農家の経済支援も進めるという。  ハーシーは子供たちが学び、育つ上で必要となる基礎的な栄養を届けるというグローバルの社会的ミッションを掲げており、ViViのピーナッツを100%地元産で調達するというコミットメントもその一環だ。同社は今年の6月にガーナ・スクール・フィーディング・プログラムおよびプロジェクト・ピーナツ・バターと共にEnergize Learningプログラムを開始しており、Viviの提供を通じて2016年までに50,000人のガーナの子供に栄養を届けることを目指している。  自社のミッションに従ってサプライチェーンに関わる子供たちの教育や栄養状態についても目を向ける同社のサステナビリティ活動は、地域社会にもたらすインパクトはもちろん、長期的に持続可能な原料調達を実現するという意味でも重要だ。今後の成果に期待がかかる。 【参照リリース】Hershey Announces Clinton Global Initiative Commitment to Build a Sustainable Supply Chain to Support Basic Nutrition for Children in Ghana 【企業サイト】The Hershey Company (※写真提供:Felix Lipov / Shutterstock.com)

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【アメリカ】ハーシー、パーム油のサプライチェーンに関する追跡調査の第一次結果を発表

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 米チョコレート製造大手のザ・ハーシー・カンパニー(以下、ハーシー社)は4月23日、パーム油のサプライチェーンに関する追跡調査の第一次結果を発表した。同社は環境NGOのザ・フォレスト・トラスト(以下、TFT)と協働し、パーム油およびパーム核油を供給する全ての搾油工場のうち94%以上のサプライチェーンを調査した。  パーム油の生産に関してはこれまで、農地の開拓や搾油工場の建設のための森林伐採、またそれにより居住地を奪われた原住民との対立などが問題視されてきた。そこで、同社はサプライヤーから搾油工場に至るまでパーム油の生産過程を辿り、その結果をもとにマッピングを実施した。このようなサプライチェーンの可視化は、パーム油の供給源と森林破壊や社会課題との関連性を把握する上で役に立つ。  搾油工場レベルでのマッピングを終えた同社の次なる目標は農場レベルでのマッピングで、2016年までに完成予定だという。  第一次追跡調査から明らかになった重要なポイントは以下の3点だ。 1,200以上の搾油工場が世界中のハーシー社の製造工場にパーム油を供給している。 搾油工場は東南アジア(1,235箇所)と中米(11箇所)の2つの地域にある。 パーム油を使用する製造工場は米国(9箇所)、メキシコ(2箇所)、そして中国(2箇所)の3カ国、13拠点に位置する。  ハーシー社によるパーム油のサプライチェーンに関する追跡調査は、同社が2014年に表明した責任ある原料調達および追跡可能なパーム油に対するコミットメントの一部でもある。このコミットメントの一環として、同社は全サプライヤーに向けてパーム油供給に関する包括的な新方針を定めている。  同社でグローバルコモディティ担当副社長を務めるFrank Day氏は「この初期段階のマッピングは、倫理的なパーム油調達の高い基準を満たす上で欠かせないものだ。我々はこの情報を、サプライヤーと協働して厳格化した新方針および同社のサプライヤー行動規範を満たすために活用していく。もしこの過程を通じて我々のパーム油のサプライチェーン上の問題が明らかになれば、我々はそれらをただちに是正するつもりだ」と語る。  このマッピング作業は、ハーシーが自社の責任ある調達目標を達成するためにパーム油サプライヤーからどの程度の協力を必要とするかを特定する上で役立てられる。同社は今後もTFTと協働して責任ある原材料調達の実現に向けて取り組んでいく。 【参照リリース】Hershey Announces Results of First Phase of Palm Oil Supply Tracing 【企業サイト】The Hershey Company 【団体サイト】The Trust Forest

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【アメリカ】ハーシー、商品の透明性向上と責任調達の推進に向けて原材料を見直しへ

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 米チョコレート製造大手のザ・ハーシー・カンパニー(以下、ハーシー)は2月18日、より高品質でおいしい商品の製造を通じた社会貢献の一環として、同社の商品に使用する原材料をよりシンプルで分かりやすいものへと移行すると発表した。また、今回の発表は、同社が掲げる責任ある原料調達方針をより一層推進するための取り組みでもある。  具体的には下記3つの点に焦点を絞り、原材料の見直しに取り組んでいく。 よりシンプルな原材料の使用:地元産の新鮮なミルク、カリフォニア産の焙煎アーモンド、砂糖といった一般消費者でも分かりやすく信頼できる原材料を食品に取り入れていく。 原材料情報の共有・透明化:調達・加工・包装のあらゆる過程で使用した原材料についての情報をパッケージやウェブサイトなどを通じて発信していく。 責任ある原材料の調達:調達する全てのカカオとパーム油がサステナビリティ認証を取得したものとなるよう、サプライヤーと協力して責任ある原材料調達を推進する。  ハーシーのCEOを務めるJohn P. Bilbrey氏は「消費者と食べ物との関わり方が変化してきている。我々は実際に食べている時間よりも、どんな食べ物を食べたか、どんな食べ物が好きかについて語り合うことに多くの時間を費やしている。我々全員が、食品にどんな原材料が含まれているのか知りたいし、知る権利もある。ハーシーはお客様の声に耳を傾けて、ニーズを把握するための工夫を誇りに思う。我々は引き続き人々に愛される、美味しく高品質なブランドを作り続けていくが、同時に、より理解しやすい形でどのような原材料が我々の商品に使われているかについての情報の透明化も図っていく」と語った。  ハーシーは今年中にシンプルな原材料だけを使用した新たなチョコレート菓子"Brookside Dark Chocolate Fruit & Nut Bars"の発売を予定しており、"Hershey’s Kisses"や"Hershey’s Milk Chocolate Bars"などの人気商品についても原材料を見直していく予定だ。  責任ある調達、消費者に対する透明性という2つのサステナビリティ課題への対応も含めて原材料の見直しを進めるハーシーの取り組みは、消費者からの信頼を構築し、ブランドの長期的価値を創造、維持するための同社の重要な戦略の一つとなっている。 【参照リリース】Hershey Begins Move to Simple, Easy-to-Understand Ingredients 【企業サイト】The Hershey Company (※写真提供:dean bertoncelj / Shutterstock.com)

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【コートジボワール】ハーシー、カカオ農家支援プログラムをコートジボワールへ拡大

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The Hershey Company(以下、ハーシー)は9月9日、同社が西アフリカで展開しているカカオ農家向けのトレーニングプログラムを、世界最大のカカオ生産国であるコートジボワールに拡大すると発表した。新たに始まる3年間のプログラム”Hershey Learn to Grow Ivory Coast”では、ハーシーのカカオサプライヤーであるカーギル社との協力により教育インフラや教師向け住宅への投資が行われる予定だ。 Hershey Learn to Grow Ivory Coastは、主に下記3つの分野に焦点をあてている。 優れた農業慣行:刈り込みや肥料の安全な散布、効率的な使用など 農業組合:カカオ貯蔵庫、カカオの植木、診療所などのインフラ整備 教育支援:教師向け住宅、学校施設改善、児童労働や児童の人権に関する意識向上 Hershey Learn to Grow Ivory Coastを通じて1万のカカオ農家がUTZ Certifiedによる監査・認証に向けた農業・社会慣行のトレーニングを受ける予定となっている。そうすることでカカオ農家は生産したカカオをより高い価格で販売することができるようになるだけではなく、農業慣行を改善することは長期的な収穫量拡大につながることを認識できるようになる。 また、カカオ農家を再生させるには生産者や農業組合、カカオ企業らによる長期的な投資が必要になるため、Hershey Learn to Grow Ivory Coastは彼らが農園を改善している間、認証済みカカオの販売チャネルを提供することで長期的な農業慣行改善を支援する。 ハーシーが展開するこのカカオ農家トレーニングプログラム”Learn to Grow”はもともとガーナとナイジェリアで始まったモデルだ。今回のコートジボワールのプロジェクトでは、ハーシーのカカオサプライヤーであり、既に同国の農業組合とネットワークを持っているカーギル社と共に実行される予定だ。 両社は以前にCocoaLinkというモバイル技術を利用したガーナのカカオ農家に優れた農業慣行、安全労働、収穫物のマーケティングに関する情報を提供するためのプログラムでも協働した実績がある。 ハーシーの副社長・最高サプライチェーン責任者を務めるTerry O’Day氏は「ハーシーとカーギルは、コミュニティへの責任についての共有価値をコートジボワールのカカオ農家に対して優れた農業慣行と市場への機会をもたらすという喫緊のテーマに結びつけている。 Learn to Growのエッセンスは、カカオ生産地域のコミュニティサービスやクリニック、学校の拡大に向けて協働しながら、カカオ農業を個々の農家にとってより収益性の高いものにし、世界の消費者に向けて高品質なカカオの長期的な供給を実現することだ」と語った。 同プログラムの実施により、ハーシーは持続可能なカカオ調達を更に加速する。同社は2020年までに世界中の全ての製品を100%認証済みカカオ由来にするとコミットしており、同社の認証済みカカオの調達割合は2013年に18%を超えたが、2015年までには40?50%に増加することが予想される。 【企業サイト】The Hershey Company 【企業サイト】Cargill

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【ガーナ】ハーシーとガーナ・ココボード、ガーナの最も優れたカカオ農園を選出

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米国最大手のチョコレートメーカー、The Hershey Company(ザ・ハーシー・カンパニー、以下ハーシー社)は8月6日、カカオ生産の近代化、カカオ農園の収入増加、そして地域社会の支援を目指して同社が取り組んでいるプログラム、Hershey Learn to Growの一環として、ガーナのカカオ産業を代表する政府系機関、ガーナ・ココボード(Ghana Cocoa Board)と共に、ガーナにおいて最も優れた3つのカカオ農園を選出した。 世界第2位のカカオ生産量を誇るガーナでカカオ産業を統括するガーナ・ココボードは、さらなるカカオの生産量増加および農園の収入増加に向けて同国におけるカカオ生産の近代化と、若者や女性のカカオ生産への誘致活動を最優先課題として取り組んでいる。そうした背景の中、今回は、National Best Cocoa Farmer for 2013(2013年度の国内最優秀カカオ農園)を受賞した農園に加え、若者、女性が運営する農園の3つが優良カカオ農園として選出された。 ガーナ・ココボードで副最高経営責任者であり農学・品質管理を担当するFrancis Oppong博士は「カカオ生産の近代化に励んでいる農園がハーシー社に認められるのは大変喜ばしいことだ。ハーシー社のプログラムにより、我々は消費者のより高品質でサステナブルなカカオ、そしてカカオ市場拡大へ期待をよりよく理解することができる」と語る。 9月には、今回認定された3つの農園の生産者らが米国にあるハーシー社のチョコレート工場見学に招待される予定となっており、農園の人々はそこで初めてチョコレートがどのように大規模生産されているのか、拡大し続ける世界のチョコレート市場を支えるために高品質なカカオを生産することがどれだけ重要なのかを目の当たりにすることになる。同社は最近、2億5千万ドルを投じてWest Hershey工場の拡張工事を行い、世界で最も巨大かつ最新技術を備えたチョコレート工場を誕生させたばかりだ。 ハーシー社でサプライチェーン責任者兼上級副社長を務めるTerry O’Day氏は「カカオ生産者の生活向上は我々のサステナビリティ戦略の核心部だ。そして、カカオ生産の発展を次世代へとつなげる役割を担う若者や女性の生産者の成果をココ・ボードが認めてくれるのは大変嬉しいことだ」と述べた。同社は21st Century Cocoa Sustainability Strategy(21世紀のカカオサステナビリティ戦略)を掲げてガーナおよび西アフリカ、そしてグローバル全体におけるチョコレート産業のサステナビリティ向上に取り組んでいる。 Hershey Lean to Growプログラムでは、カカオ生産者に対するトレーニングを実施し、そのトレーニング内容に基づいて生産されたカカオを認定する仕組みを提供しており、同社は2020年までにカカオ調達を100%を認定済カカオにすることを約束している。また、同プログラムではこの他にもGPSマッピングを利用してカカオ農園が収穫量を倍増させるための長期的なビジネスプラン構築を支援するなど、低コスト技術を活用した取り組みも実施されている。 なお、こうした一連の活動はWorld Cocoa Foundation(世界ココア基金)が推進するイニシアチブ「Cocoa Action(ココア・アクション)」とも連動している。ココア・アクションは、世界のカカオ生産者やチョコレート企業、政府との協力体制を強化し、西アフリカにおけるカカオ産業のサステナビリティを向上させることを目標とするイニシアチブで、ハーシー社は設立メンバーの一社だ。 チョコレート産業のサステナビリティをリードするハーシー社とガーナ政府による協力体制により、チョコレートのサプライチェーンの健全化は着実に進んでいる。 【企業サイト】The Hershey Company 【参考サイト】Ghana Cocoa Board / World Cocoa Foundation

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【人権】進展する児童労働撲滅に向けた動き 〜企業が新たな担い手に〜

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児童労働関与の疑いで投資家に訴えられる事業会社 今年3月、ブルームバークがあるニュースを報じました。「チョコレート世界大手のハーシー(Hersey Co.)が、出資者であるルイジアナ年金基金から違法な児童労働関与の疑いを指摘され、ハーシーに対して証拠提出を要求する法廷闘争に突入した。」というものです。ハーシーは、世界的なカカオ産地である西アフリカからカカオを仕入れており、その仕入元で違法児童労働行為があったことをハーシーが認識していたにも関わらず、仕入れを続けたことをルイジアナ年金基金は追及しています。 児童労働問題は日本国内ではあまり注目されていませんが、国外では企業のブランド維持や社会的責任としてとても重視されているテーマです。児童労働は自社内、グループ企業内での慣行でなくとも、サプライチェーン上で発生していれば、その責任は追及されてしまいます。また、今回のルイジアナ年金基金のケースのように、SRIに敏感になっている投資家からは、児童労働に関与しないことを確実にする取組が求められています。企業はどのように児童労働問題に向き合っていかなければならないのか。先進事例をもとに見て行きましょう。 児童労働はILOが定義している そもそも児童労働とは何でしょうか。児童労働とは、「未成年で就業している者」のことではありません。日本でも、親が経営する喫茶店でお手伝いをしたり、子役が舞台で演じていたり、未成年者で仕事をしている人は少なからずいます。児童労働の定義は、国際労働機関(ILO)が細かく定めています。ILOは、現在世界185カ国が加盟する国際機関で、日本ももちろん加盟しています。ただ、ILOは他の国際機関と異なる特徴を持っています。ほとんどの国際機関は、各国の政府代表によって代表団が構成されているのに対し、ILOでは加盟国の代表は政府代表2名、労働者代表1名、使用者代表1名の計4名からなる三者構成を採っています。決議案の採択に際しても、投票は1国1票ではなく、政労使の各代表はそれぞれ独立して発言や投票を行う形式をとっており、ILOは幅広いステークホルダーの声を包接するとともに、ステークホルダーに対する影響力の大きい存在にもなっています。 (出所:ILO "UN Global Compact Human Rights and Labour Working Group Child Labour Platform Meeting Report") ILOが発表している児童労働(Child Labour)数は、2012年時点で1億6,800万人。年々数は減少していますが、それでも依然膨大な数の児童が、「児童労働」に関与していると算定されています。ILOはまず「児童」の定義として、満18歳以下の子どもは全て児童だと位置づけています。そして児童労働の定義は、1973年に採択されたILO第138号「就業の最低年齢に関する条約」(ILO Conventions No.138)で定められています。この条約は日本も2000年に批准しています。 ILO第138号「就業の最低年齢に関する条約」 ◯ 就業最低年齢は義務教育終了年齢、原則15歳   →但し、開発途上国の場合は届出により当面14歳以下とすることができる ◯ 軽労働については、一定の条件の下に13歳以上15歳未満でも就労可能   →但し、開発途上国の場合は届出により当面12歳以上14歳未満でも就労可能   軽労働とは、以下の2つを満たすもの   (a) これらの者の健康又は発達に有害となるおそれがないこと。   (b) これらの者の登校若しくは権限のある機関が認めた職業指導若しくは訓練課程への      参加又はこれらの者による教育、職業指導若しくは訓練内容の習得を妨げるもの      でないこと。 ◯ 危険有害業務は18歳未満禁止   重労働とは、年少者の健康、安全若しくは道徳を損なうおそれのある性質を有する業務   又はそのようなおそれのある状況下で行われる業務 このように、軽労働においては原則12歳以下、それ以外は15歳以下の労働は「児童労働」と見なされます。これが、現在一般的に使われている児童労働の定義です。さらにILOは別途例外基準も定めており、子役など撮影や舞台に出演する児童については、ILO79号「年少者夜業(非工業的業務)条約」で認められています。また、同様に工業と農業においては、ILO90号「年少者夜業(工業)改正条約」ILO14号「児童及年少者夜業(農業)勧告」で例外の定めを設けています。 児童労働の多くは、農場、加工工場、アパレル産業、露天商などで働いています。雇用形態の内訳は、ILOの統計では、家族の手伝いとして無報酬で働いている児童が68.4%、給与労働者として働いている児童が22.5%、自身で働いて生計を立てている児童が8.1%。中には、下記のように、かなり悪質な形態で働いている児童もいます。 最悪形態の児童労働を定義したILO182号条約 さらにILOは、児童労働の中でも悪質度の高い児童労働のいち早い撲滅を進めるため、1999年にILO182号「最悪の形態の児童労働に関する条約」を採択しました。最悪形態と定められたのは、以下の4つです。 (1) 人身売買、徴兵を含む強制労働、債務労働などの奴隷労働 (2) 売春、ポルノ製造、わいせつな演技に使用、斡旋、提供 (3) 薬物の生産・取引など不正な活動に使用、斡旋、提供 (4) 児童の健康、安全、道徳を害するおそれのある労働 これらは英語でHazardous Workという名称で呼ばれています。これらは、最も悪質だと位置づけられましたが、2012年時点で8,500人の児童が依然従事していると算定されています。 児童労働を生み出す構造はデマンドサイドとサプライサイドの両面がある どうして児童労働は生み出されてしまうのでしょうか。児童労働と聞くと、貧困など家庭の経済状況などにより子どもを労働力としてあてにしたいというようなシチュエーションを想起しやすいと思います。ただ一方で、児童労働には、低コスト(もしくは無報酬)の生産をビジネス界側、ひいては消費者が欲しているという事情も大きな原因となっています。このように、児童労働の原因には、児童労働を発生させてしまう側の問題(サプライサイド)と、児童労働を必要としてしまう側の問題(デマンドサイド)の両方があります。 サプライサイド (1) 貧困:子どもの労働力を使って生産をしないと生計が成り立たない。教材が高い (2) 教育機会の欠如:魅力的な教育機会がなく、子どもを学校に通わせる動機が小さい。 (3) 武力紛争:子どもを戦闘力として徴集。 (4) 自然災害:孤児の増加。 デマンドサイド (1) 安い労働力の追求:児童労働による生産コストの削減 (2) 社会の無関心:児童労働が関与した商品を意識せず購入 (3) 児童労働を当然視する地域社会:児童労働削減のための社会運動の欠如 伝統的アプローチ「サプライサイド対策」 児童労働撲滅に向けた取組は、伝統的には児童労働に対する各国での法整備、そしてその法規制を徹底させるための社会監視によって進められてきました。児童労働の定義を定めたILO138号条約、ILO182号条約でも、加盟各国政府に対して条約内容を国内法として整備するよう要求しています。現在では、ILO138号条約は167ヶ国が、ILO182号条約は179ヶ国が批准し、未批准国の多くでも同様の国内法が整備されています。法規制の徹底は各国の中央政府や地方政府に基本的には委ねられていますが、ILOもCLM(児童労働モニタリング)という制度を用い児童労働モニタリングのためのノウハウを提供しています。 同時に、経済的支援や教育機会の提供といったサプライサイドの原因を取り除く努力も続けられています。まず、ILOは、児童労働撤廃国際計画(IPEC)をドイツ政府のイニシアチブにより1992年にスタートしました。これは、ILOに各国政府が資金を拠出し、危険有害労働をはじめとする最悪の形態の児童労働の撤廃に重点を置きながら、最終的にはすべての児童労働をなくすことを目標とする技術協力プログラムです。資金規模は年間4000万USドルほどで、各国の法整備のサポートや援助を必要とする家庭に対して経済的自立を促すようなプログラムを展開しています。また、各国政府も開発途上国などの児童労働のために直接資金や援助を拠出しており、米国労働省は年間約6000万USドル、EUは毎年数千万USドルをIPECに拠出しています。経済的自立支援や教育機会・教材の提供としては、国連機関であるUNICEFやUNDPなども毎年多額の資金を提供しています。 サプライサイド対策には、国際機関や各国政府だけでなくNGOも大きな力を発揮しています。有名どころでは、世界的な国際NGOであるセーブ・ザ・チルドレン、日本国内ではACE(エース)があります。セーブ・ザ・チルドレンの年間活動資金は19億USドルと巨額で、児童労働対策を含む世界中の子どもの権利保護のために活動を続けています。 新たなアプローチ「デマンドサイド対策」 各国での法整備やサプライサイド対策の結果、児童労働の数は大きく減少してきています。一方、現在未だ1億6800万人もの児童が児童労働を行う状況が続いているのも事実。従来からの伝統的アプローチの限界も指摘され始めた中、新たに注目を集めているのがデマンドサイド対策です。すなわち、児童労働が関与している商品をサプライチェーンや消費者が買わないようになれば、生産者も児童を労働力として活用しなくなるだろうという考え方です。 デマンドサイドに対する取組として有名なものは、2012年に、セーブ・ザ・チルドレン、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、UNICEFが共同で発表した「子どもの権利とビジネス原則」です。「子どもの権利とビジネス原則」は10原則からなり、企業が子どもの権利を職場、市場、そして地域社会の中で尊重し、支援するためにどんな取り組みをすべきかについて包括的に示しています。 企業も自主的にデマンドサイドに対する対策を開始しています。2014年5月、ハーシーやネスレ、マーズなどのチョコレート世界大手12社は、ガーナ政府と合意して「ココア・アクション」と呼ばれるプログラムを開始、カカオの生産性向上と同時に児童労働を共同で監視しています。 消費者に対して直接「反・児童労働」を訴求する取組も数十年前から始まっています。代表的なものはフェアトレードの推進です。フェアトレードとは、児童労働などの人権侵害に関与せず生産された製品に対して付与される認証制度で、「国際フェアトレード認証ラベル」が有名です。フェアトレードは、従来、人権侵害に関与した製品を前提とした中で、そうではない商品として「フェアトレード商品」という概念を構築してきましたが、どの商品であっても人権侵害は許されないという時代になってきた今、その存在価値は徐々に小さくなっています。消費者の間でも、フェアトレード商品を敢えて意識して購入するという試みは市場行動の多数を取るまでには至らず、児童労働撲滅のためには商品全てがフェアトレードとなるように市場を誘導する必要があると言えます。 投資家からの児童労働撲滅への意識は始まったばかり 冒頭で紹介したルイジアナ年金基金のケースのように、児童労働問題に敏感になる機関投資家も増えてきています。2014年に、子ども問題を討議する世界的なフォーラムであるGlobal Child Forum(世界子どもフォーラム)と、ヨーロッパのESG投資シンクタンクであるGESが共同で発表した調査レポート「Investor Perspectives on Children’s Rights」では、回答数が極めて少ないながらも、回答したうちの99%の機関投資家が投資先選定において児童労働を考慮すると回答しています。 サプライサイド・デマンドサイドの両面が欠かせない サプライサイドとデマンドサイド。この2つは車の両輪のような役割を果たしており、どちらも欠くことができません。従来、サプライサイドを中心に対策を講じてきましたが、児童労働を使う動機を持つ企業は隠れて児童労働を継続してきました。また、デマンドサイド対策だけになってしまっては、児童労働の受け皿はなくなりますが、生産力を失った家庭がより経済力を下げる状況を作り出したり、教育機会や教材の欠如のままでは児童は働くことも学ぶこともできない存在となり、将来の発展につながりません。 そこで、デマンドサイドとして取り組む企業の中には、セーブ・ザ・チルドレンやACEなどと協力してサプライサイドの対策に共に乗り出すところも出てきています。例えば、セーブ・ザ・チルドレンのホームページに掲載されているコーポレート・パートナーには、P&F、ユニリーバ、シティバンク、ウォルマート、ソニーなどが名を連ねています。日本では森永製菓がACEと協働して「国際フェアトレード認証チョコレート」を販売するまでに至っています。今後は投資家から事業会社の事業運営に対する目も厳しくなると予想され、企業には国外の児童労働の動向に対してよりシビアな姿勢が求められていきそうです。 文:サステナビリティ研究所所長 夫馬賢治

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2014/08/30 体系的に学ぶ

【ガーナ】チョコレート産業のグローバル企業12社、サステナビリティ戦略「カカオ・アクション」を発表

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The Hershey Company(ザ・ハーシー・カンパニー)やNestlé(ネスレ)、Mars(マーズ)など世界を代表するチョコレート産業に関わる企業12社は5月22日、ガーナのカカオ産業のサステナビリティ向上を目指して新たな計画を進めることについてガーナ政府と合意した。 「Cocoa Action(カカオ・アクション)」と呼ばれるこの計画は、カカオ産業に関わる企業とガーナ政府との更なる協力強化を通じて、カカオ産業をより活性化し、経済的にも持続可能な産業にすることを目指している。 今回の計画はカカオ農園の生産性向上とコミュニティの発展を結びつけることに重きが置かれており、2020年までに少なくともガーナにある10万以上のカカオ農園が、生産性を100%向上させ、コミュニティの質を改善することが期待されている。また、この取り組みはWCF(World Cocoa Foundation:世界カカオ財団)が中心となり推進される予定だ。 Marsのサステナビリティ部門の責任者であり、WCFの新会長に就任したBarry Parkin氏は、「今回の合意はカカオ産業を持続可能なものにする上でとても重要なステップとなる。目標の共有、資源利用に対するコミットメント、そしてベストプラクティスの共有により、カカオ農園の生産性を向上させ、カカオ産業の将来をより安定的なものにできる。また、この合意はカカオ産業界が原産国と協働する上での新たな道を示すだけではなく、より強固な関係構築にもつながる。我々はこうした関係の変化が次のステップに進むために重要な役割を果たすと確信している」と述べている。 「カカオ・アクション」はカカオの供給量世界トップを誇るガーナ政府、コートジボワール政府と企業との協力によって自主的に進められてきた。現在この2国だけで世界のカカオ供給の約55%を占めているが、カカオ産業のサステナビリティ促進を支援するため、他の国にも拡大していく予定だ。 WCFのトップを務めるBill Guyton氏は、「『カカオ・アクション』はカカオ農園に対し、彼らの住むコミュニティの生活水準を向上させながら、農園経営を成功に導くうえで必要不可欠となる知識・技術のトレーニングをフルパッケージで提供することに重点を置いている。各企業のプログラムの中から最も優れた要素だけを取り出し集めた上で、それを共有し発展させることができるようになったのだ」と語る。 「カカオ・アクション」を通して、企業はガーナ政府や他の政府機関とより密に協力できるようになる。より改良された原料や肥料、農家へのトレーニングだけでなく、教育や児童労働の監視、女性のエンパワーメントを高める活動を通してコミュニティの発展を促進できる。WCFが開発した一連の指標が「カカオ・アクション」に統合され、今後、企業と政府はこの計画の進捗状況を測定、管理できるようになる。 「カカオ・アクション」に参加する企業はADM、Armajaro、Barry Callebaut、Blommer Chocolate Company、Cargill、Ecom、Ferrero、The Hershey Company、Mars, Incorporated、Mondelēz International、Nestlé、Olam International Ltd.の12社で、世界のカカオ・チョコレート産業を代表するグローバル企業が名を連ねている。 カカオの主たる原産国であるガーナやコートジボワールにおける児童労働や強制労働などは過去にもたびたびNGOやメディアからの批判にさらされており、チョコレート産業に携わるグローバル企業も自主的な取り組みを進めてきた。今回の合意によりチョコレート産業のサプライチェーンの更なる健全化が進むことを期待したい。 【参考サイト】World Cocoa Foundation

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