【アメリカ】カルバート、責任投資指数の拡大および新ファンドを公表

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 責任投資分野のリーディングカンパニー、カルバート・インベストメント(以下、カルバート)は7月1日、同社のグローバルにおける責任投資リサーチおよび専門性を活かして新たな責任投資指数および同指数に連動する低コストのインデックスファンドを公表した。今回発表された責任投資指数は下記の3つだ。 Calvert U.S. Large Cap Growth Responsible Index Calvert U.S. Large Cap Core Responsible Index Calvert U.S. Large Cap Value Responsible Index  これらに連動するインデックスファンドとして、現在のCalvert Social Index FundはCalvert U.S. Large Cap Core Responsible Index Fund(ナスダック: CSXAX)となった。さらにCalvert U.S. Large Cap Growth Responsible Index Fund(ナスダック: CGJAX)およびCalvert U.S. Large Cap Value Responsible Index Fund(ナスダック: CFJAX)が新たに設定された。これらのファンドは全て6月22日から一般向けに募集が開始されている。また、今年後半には新に米国中型株や先進国(米国を除く)および新興国を対象とするインデックスとファンドが追加される予定だ。  カルバートのインデックスおよび投資商品は、投資家らの責任投資に対する関心の高まりと、低コスト商品に対する需要を受けて開発されたものだ。同社のCEOを務めるJohn Streur氏は「投資家はESG(環境、社会、ガバナンス)分野のグローバルリーダーで、高い投資リターンが見込める企業への投資を望んでいる。インデックス戦略はそれを実現する上でまさにコスト効率に長けた方法だ。カルバートは投資業界において、30年にわたり投資のコンテクストにおけるESG要素の定義においてリーダーシップを発揮してきた。この実績と株主行動を合わせれば、我々以上に投資家に対してポジティブな変化を促すことができる企業は存在しない。当社は責任投資やパッシブ投資の価値向上につながる革新的な商品によって機関投資家および個人投資家のニーズの変化に対応していくことにコミットしている」と述べる。  今回の新しいインデックスは、同社のリサーチシステムの進化および非財務情報へのアクセシビリティ向上を反映したものだ。サステナビリティ調査のディレクターを務めるErica Lasdon氏は「カルバートの調査プロセスは、世界産業分類基準(GICS)の全156サブセクターに分類される企業を対象としてセクター別に重要なESGリスクや機会を分析し、数値化、ランク付けしている。我々の持つ独の技術により我々は業界をリードすることができる」と述べる。  企業によるESG情報開示が進むにつれて、世界ではESGを考慮して投資を行う投資家の数も飛躍的に増加している。カルバートのように責任投資に特化する企業や責任投資商品が増えることで、今後より多くの責任投資機会が投資家に対して提供されることが期待される。 【参照リリース】CALVERT EXPANDS RESPONSIBLE INDEXES; LAUNCHES NEW FUNDS 【企業サイト】Calvert Investments

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【国際】世界の水市場は2025年までに1兆米ドル市場へ。RobecoSAM調査

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 サステナビリティ投資格付大手のRobecoSAMは7月8日、世界の水市場の見通しについてまとめた報告書、"Water: the market of the"を公表した。同報告書では、世界の水市場は2025年までに1兆米ドルに到達すると予測しており、鍵となるメガトレンドとして人口構造の変化、インフラの老朽化、水品質基準の向上、気候変動の4つを挙げられている。  RobecoSAMは、こうした水課題の解決に関する市場機会にいち早く反応して資本を投下する企業は競合優位性を獲得し、大きな事業リターンが得られると予測している。また、長期志向を持ち合わせた投資家も水バリューチェーンに紐づく魅力的な投資機会から多くの利益を得られると指摘している。  RobecoSAMによると、1992年から2014年までの過去22年間で一人あたりの再生可能な水の量は28,377㎥から19,804㎥まで約40%も減少しているという。人口増加や都市化、工業製品の増加が水需要を加速させており、エネルギー政策の状況次第では2035年までにエネルギー生産のための水使用量が20~30%も上昇すると見込まれているとのことだ。安全かつ十分な量の水確保は世界共通の喫緊課題であり、革新的なソリューションが求められている。  同社は、この水問題解消のためには水資源の更なる効率的な活用、水質の向上を実現できるようなイノベーションが必要であり、それらが2025年までに1兆米ドルの水市場を生み出すと予測している。  RobecoSAM でサステナビリティ投資R&Dの責任者を務めるDaniel Wild氏は「世界経済の困難とは裏腹に水関連市場は急成長しており、それは次の2つの鍵となる発展により牽引されている。一つ目は、水資源不足はもはや問題を放置するコストが解決に必要となるコストを上回っているという点だ。二つ目は、現在この市場には高い流動性があり、投資家らが水業界、特に水インフラ事業などに特徴的なように、着実な利益が見込めてかつリスクがしっかり管理されている投資機会を求めている点があげられる」と語る。  報告書の中で、RobecoSAMは特に魅力的な投資分野として下記4つを挙げている。 ユーティリティ:家庭・企業・産業への水供給・排水処理などを担うインフラ企業。 資本財・化学:水関連部品、浄水薬品、灌漑システムなど水関連設備の製造企業。 建設・素材:水パイプラインなど、企業や地方自治体などの水インフラ建設に関わる企業。 品質・分析:水質管理・モニタリング関連製品・サービスの提供企業。  RobecoSAMは今後5年間で水業界の平均成長率は年間5~6%を記録すると予測しており、特定分野では更に早い成長が見込まれるとしている。急速な需要増加に対して供給が追いつかず、世界的に喫緊のサステナビリティ課題となっている水問題だが、それらは同時に長期的に見て絶好の投資機会でもある。 【レポートダウンロード】Water: the market of the 【参照リリース】RobecoSAM forecasts global water market rebound 【企業サイト】RobecoSAM

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【国際】サンタンデール銀行、カナダの年金基金と共同でサステナビリティ投資会社を設立

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 スペイン銀行大手のサンタンデール銀行(以下、サンタンデール)は5月28日、カナダ最大の年金ファンド、オンタリオ州教職員年金基金およびPSPインベストメンツとともに、世界の再生可能エネルギーおよび水インフラへの投資・運用に特化したサステナビリティ投資会社、Cubico Sustainable Investments(以下、Cubico)を設立したと発表した。  今後、Cubicoは世界最大の再生可能エネルギー・水インフラへの投資会社になるべく、長期の成長戦略に基づきサステナビリティ投資を展開していく。同社はサンタンデールから19の風力・太陽光・水インフラアセットを引き継ぎ、20億米ドルに相当する多様なポートフォリオを構築する。現在建設中のプロジェクトも含めるとCubicoの投資しているプロジェクトの発電量は合計1,400メガワットに相当し、ブラジル、ウルグアイ、メキシコ、イタリア、ポルトガル、スペイン、英国の7ヶ国で展開されているとのことだ。  運用を担当するのはサンタンデールでアセット・キャピタルストラクチャリングチームに所属し、グローバルのインフラ投資に特化していた30名のプロフェッショナルで、ロンドンを本拠としてミラノ、サンパウロ、メキシコシティに支店を構える予定だ。  CubicoのCEOを務めるMarcos Sebares氏は「今日は我々にとってとても楽しみな新たな章の始まりだ。再生可能エネルギーや水資源インフラの発展には長期の投資とコミットメントが必要とされる。我々は強力なオーナーシップ構造や経験豊富なチーム、グローバルな拠点を通じてそれを提供することができるユニークなポジションを築いている。我々は既にプラットフォームに加えるための魅力的な資産との強力なパイプラインを構築しており、再生可能エネルギー・水インフラ分野における世界を代表する投資会社としてのCubicoの地位を固めるために、今後パートナー企業らと共に働くことを楽しみにしている」と語った。  再生可能エネルギーの推進や水インフラの整備は気候変動対策をはじめとする世界のサステナビリティ課題に対処する上で必須の取り組みとなるが、そのためには長期的な投資が求められる。これからCubicoがどのような投資を展開し、サステナビリティと長期的なリターンを両立させていくのか、今後の運用に期待がかかる。 【参照リリース】Santander, Teachers’ and PSP Investments launch Cubico Sustainable Investments 【企業サイト】Cubico Sustainable Investments 【企業サイト】Banco Santander, S.A. 【団体サイト】Ontario Teachers' Pension Plan 【団体サイト】Public Sector Pension Investment Board (※写真提供:Northfoto / Shutterstock.com)

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【アメリカ】サステナビリティ投資はパフォーマンスを犠牲にしない。モルガン・スタンレー調査。

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 投資家の間では未だにサステナビリティを重視した投資はリターンの犠牲を伴うという考えが根強いが、モルガン・スタンレーのサステナビリティ投資に関する研究所、Morgan Stanley Institute for Sustainable Investingは先日公表した報告書"Sustainable Reality"の中で、サステナビリティ投資は多くの場合財務パフォーマンスを犠牲にすることなく、むしろ従来の投資を上回るリターンを得ることができる、とする調査結果を明らかにした。  報告書の公表にあたり、Morgan Stanley Institute for Sustainable InvestingのCEOを務めるAudrey Choi氏は「我々は、サステナビリティ投資がグローバル課題解決に向けた民間資本活用のための重要な鍵となると信じているが、サステナビリティ投資は金銭的にトレードオフをもたらすという認識が未だに残っていることがこの分野の成長と開発を阻害している。我々は投資パフォーマンスに対する懸念に真正面から向き合ったが、サステナビリティ投資のパフォーマンスはとてもポジティブなものだった」と語った。  同レポートは10,228のオープンエンド型投資信託および2,874のSMA(Separately Managed Account)のパフォーマンスを過去7年以上に渡って分析したものだ。主なポイントは下記の通り。 サステナビリティを考慮した株式投資信託は、期間内の64%において従来の株式投資信託の中央値と同等かそれ以上のリターンをもたらした。 サステナビリティを考慮した株式投資信託は、期間内の64%において従来の株式投資信託と同等かそれ以下のボラティリティの低さを示した。 2008年~2014年の最大期間で見てみると、サステナビリティを考慮した株式投資信託は6つの異なる株式クラスのうち5つにおいて中央値と同等かそれ以上のリターンをもたらした。 ESGで高い評価を受けた企業で構成されるMSCI KLD 400 Social Indexの長期の年利は、1990年初めから2014年の終わりまでの間でS&P500を0.45%上回った。  このような結果を受けて、Choi氏は「究極的には、サステナビリティ投資は単なる優れた投資手法なのだ」と語っている。  一方で、Morgan Stanley Institute for Sustainable Investingは今年2月に個人投資家に関する調査報報告書"Sustainable Signals"も公表しており、同報告書の中で、54%の個人投資家は未だにサステナビリティ投資が金銭的なトレードオフになると考えていることを明らかにしている。  同社の調査が示す通り、サステナビリティ投資はリターンとトレードオフにあるという誤解がなくなり、投資家の間で優れたリターンを期待する結果としてサステナビリティ投資を選択するという考えが一般的になることが期待される。 【レポートダウンロード】Sustainable Reality 【企業サイト】Institute for Sustainable Investing

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【日本】GPIF、株式運用においてESG投資を検討へ

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 日本でもいよいよESG投資の流れが加速することになりそうだ。年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIF)は4月2日、2015年4月から2020年3月までの今後5年間における中期計画を公表した。  今回公表された中期計画の中では、新たに「株式運用において、財務要素に加えて、収益確保のため、非財務要素であるESG(環境、社会、ガバナンス)を考慮することについて、検討する」との文言が盛り込まれた。  GPIFは現在、将来の年金制度の維持に必要な運用利回りを担保しつつ、長期的に効率的かつ安定した運用を実現するためにポートフォリオの入れ替えに取り組んでいる。特に債券よりも高利回りの見込める株式の比重を増やしており、国内株式25%、海外株式25%を基本ポートフォリオとしている。実際にGPIFが2月末に公表した2014年10~12月期決算によると、2014年12月末時点で国内株式比率は19.80%、海外株式比率は19.64%とそれぞれ10月時点から2%以上上昇している。  しかし、株式は債券よりも高い利回りが期待できる一方で、その分運用リスクも高くなる。そこでスポットライトが当たっているのが、ESG投資の考え方だ。ESG投資は環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に適切に配慮・対応している企業は持続的な成長が見込め、中長期的に優れた財務パフォーマンスを実現するという考え方に基づく投資手法だ。  サステナビリティ投資の国際イニシアチブ、Global Sustainable Investment Allianceが2月に発表した報告書によると、現在ESG要素を統合した投資手法に基づく資産運用規模は世界で12,9兆ドルに達しており、世界的にESG投資の流れは加速している。(※参考記事:【国際】2014年の世界のサステナビリティ投資は2012年から61%増加の21,4兆米ドルに到達)  今回、約137兆円という運用資産を持つ世界最大の機関投資家、GPIFがESG投資の検討を中期計画に盛り込んだことは、日本はもちろん世界全体にとっても大きな潮目となりそうだ。今後は共済年金などの他の機関投資家にもESG投資の流れが波及することが期待されている。  また、今回の中期計画の中には、日本版スチュワードシップコードに関する文言も盛り込まれている。GPIFは、市場および民間の活動への影響に対する配慮として「企業経営に対して過度に影響を及ぼさないよう配慮するとともに、企業経営等に与える影響を考慮しつつ、株主等の長期的な利益の最大化を目指す観点から、株主議決権の行使等の適切な対応を行うこと。その際、「責任ある機関投資家」の諸原則≪日本版スチュワードシップコード≫を踏まえ、スチュワードシップ責任(機関投資家が、投資先の日本企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的なエンゲージメント等を通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、顧客・受益者の中長期的な投資収益の拡大を図る責任をいう。)を果たす上での基本的な方針に沿った対応を行うこと。」としており、機関投資家として企業に対する働きかけを行っていくことを明示しており、企業の事業慣行にも大きな影響を及ぼすことになりそうだ。  年金基金のように中長期のリターンを前提とする機関投資家の場合、同様に企業の中長期的な価値向上を前提とするESG投資の考え方がフィットする。国民の関心も高い年金の運用機関であるGPIFがESG投資を検討に加えたことで、他国と比較してESG投資の取り組みが遅れている日本にとっての大きな変革のきっかけとなることが期待される。 【計画書ダウンロード】年金積立金管理運用独立行政法人中期目標 【機関サイト】GPIF

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【アメリカ】個人投資家の71%がサステナビリティ投資に関心。モルガン・スタンレー調査

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 米投資銀行大手のモルガン・スタンレーは2月27日、個人投資家のサステナビリティ投資に対する認識や傾向について分析した最新の報告書、"Sustainable Signals: The Individual Investor Perspective."を公表した。同報告書は同行のサステナビリティ投資研究機関、Morgan Stanley Institute for Sustainable Investingが作成したもので、報告書によると、個人投資家の71%がサステナビリティ投資に関心を示しているほか、65%が今後5年間でサステナビリティ投資は更に普及すると考えていることが分かった。  Morgan Stanley Institute for Sustainable Investingの代表を務めるAudrey Choi氏は「サステナビリティ投資は成長軌道に乗っている。投資家は資本市場の力を社会へ好影響を生み出すために活用しようと考えるようになってきており、利益のために投資するか、社会のために寄付するかという二択の選択から、両者は同時に実現可能な構図へと変わりつつある。投資家にとってサステナブルな事業慣行や投資機会の重要性が増す中、我々は市場金利と等しいリターンとグローバル課題への対応の双方を実現する、スケーラブルな投資ソリューションを開発していく」と述べた。  同報告書の主なポイントは下記の通り。 ミレニアル世代の84%がサステナビリティ投資に肯定的な姿勢を示しており、ジェネレーションX(79%)および団塊世代(66%)を上回った。 女性投資家(76%)は男性投資家(62%)よりサステナビリティ投資に関心が高い。 女性投資家(40%)は男性投資家(23%)と比べ、投資意思決定をする際に社会への影響と同様に財務リターンも考慮する傾向が強い。 個人投資家の71%が、優れたESG慣行を持つ企業への投資はより利益率が高く、長期的に見て優れた投資だと見なしている サステナビリティと財務リターンのトレードオフが生じるかについては投資家の間で意見が分かれており、54%の投資家は生じていると考えている。  同調査からは、サステナビリティ投資の概念が機関投資家だけではなく個人投資家にも浸透してきていることが伺える。投資を受ける企業にとっては、特にサステナビリティ投資への関心が高いミレニアル世代が市場で存在感を増してくる今後5年~10年の間にどこまでサステナブルな事業慣行を実現できるかが株価や業績を左右する分かれ目となりそうだ。 【レポートダウンロード】Sustainable Signals: The Individual Investor Perspective. 【企業サイト】Morgan Stanley Institute for Sustainable Investing

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【国際】2014年の世界のサステナビリティ投資は2012年から61%増加の21.4兆米ドルに到達

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 サステナビリティ投資を推進する国際イニシアチブのGlobal Sustainable Investment Alliance(以下GSIA)は2月24日、2014年の世界のサステナビリティ投資の状況についてまとめたレポート、"Global Sustainable Investment Review 2014"を公表した。  同レポートによると、世界のサステナビリティ投資運用額は2012年初頭の13,3兆米ドルであったが、2014年初頭に21,4兆米ドルまで上昇し、プロが運用する金融資産のうちサステナビリティ投資戦略を採用している運用額の割合は21.5%から30.2%へと上昇したという。  「責任投資」という言葉でも知られるサステナビリティ投資は、投資先の選定及び運用に際してESG(環境・社会・ガバナンス)を考慮した投資手法のことを指し、2014年のレポートでは、以前のレポートと同様、上場株式から債券、ヘッジファンド、マイクロファイナンス、インパクト投資にいたるまであらゆるアセットクラスのサステナビリティ投資が含まれている。  同レポートによると、世界のサステナビリティ投資資産の64%はヨーロッパが抱えており、それに米国とカナダを加えると、その合計資産は今回のレポートで特定された世界全体のサステナビリティ投資資産のうち99%を占めるとのことだ。  様々なサステナビリティ投資戦略の中でも特に高い割合を占めていた上位3つの投資戦略は下記の通り。 1位:ネガティブスクリーニング(14,4兆米ドル) 2位:ESGの統合(12,9兆米ドル) 3位:株主行動(7兆米ドル)  その他の主な考察は下記の通り。 ヨーロッパではネガティブスクリーニングが主流となっている一方で、米国、オーストラリア、ニュージーランド、アジアではESG統合が主流となっている。カナダでは、株主行動が主要な戦略となっている。 インパクト投資はまだ規模は小さいものの世界のサステナビリティ投資市場において存在感を増しつつある。 サステナビリティ投資は、投資全体の半分以上をESG統合戦略が占めているヨーロッパだけではなく、オーストラリア、米国、カナダにおいても主要な投資戦略となりつつあり、投資全体におけるシェアは17%から31%まで上昇した。 アジアにおけるサステナビリティ投資の規模はヨーロッパや米国ほどではないが、気候変動や資源効率性といったサステナビリティ課題への関心は引き続き高い。 世界の数多くの市場においてESGに関する情報開示を促すための公共政策や規制の変更が進行中である。  レポートをまとめたGSIAは、アジアのASrIA、ヨーロッパのEurosif、オーストラリアのRIAA、カナダのRIA Canada、英国のUKSIF、米国のUS SIF、そしてオランダのVBDOという全世界の7大サステナビリティ投資イニシアチブによる連合組織で、今回のレポートはGSIAと日本のJapan Social Investment Forum(社会的責任投資フォーラム)との共同により作成された。レポートは下記からダウンロード可能。 【レポートダウンロード】Global Sustainable Investment Review 2014 【企業サイト】Global Sustainable Investment Alliance

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【国際】持続可能な発展に向けて国際金融システムに求められるイノベーションとは?

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UNEP(国連環境計画)は1月21日、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムの中で持続可能な国際金融システムの実現に関する報告書を公表した。 同報告書では、現在300兆USドル超の資産を持つ国際金融システムにおいて、持続可能な発展に向けた投資ギャップを埋めるためにはどのようなイノベーションが必要となるかについて取り上げてられている。 2008年の金融危機以降、国際金融システムはどうすれば本来の目的である長期的な世界経済の安定を実現できるのかという点が常に議論されてきた。今回UNEPが公表した報告書”Pathways to Scale”は、UNEP Inquiry into the Design of a Sustainable Financial System(持続可能な金融システムのデザインに向けたUNEP研究報告書)の第3次進捗報告書で、合計12ヶ国からの銀行、保険、投資、証券といった国際金融システムを担う主要セクターの専門家らによってまとめられたものだ。 UNEPは現状の主な課題として、金融市場が依然として環境資源の価値を効果的に算定できておらず、結果として世界140ヶ国中116ヶ国においてきれいな大気、肥沃な土壌、豊富な水といった自然資本の価値が低減し続けている点を指摘している。 同報告書では、持続可能な発展のへの貢献が期待される金融システムの潜在的なイノベーション事例として、下記の点を挙げている。 銀行:銀行は世界で最も多くの金融資産(139兆USドル)を保有しており、バングラデシュやブラジル、中国のような開発途上国らによるグリーン・クレジット規制に関する先進的な取り組みが、銀行業の新たな国際標準に向けた方向性を指し示している。 債券市場:100兆USドルを抱える最大の資本市場であり、2014年にはグリーン・ボンドの発行額が3倍になる、気候変動リスクのようなサステナビリティ要因をクレジット評価業務に統合する取り組みの進展など、非常に早く変化している。 機関投資:年金、保険、政府系ファンドなどの機関投資家が管理する93兆USドルの資産を基に、新たな投資スキーム、投資家ガバナンスの変革、運用報酬などインセンティブの再設計が、次世代のサステナビリティ投資の土台となりうる。 また、UNEPは上記の点に加えて、下記2つの政策的アプローチに対する関心の高まりも指摘している。 ”Green quantitative easing”(グリーン量的緩和)など、中央銀行による金融政策判断も経済の安定とサステナビリティの双方に貢献しうる。 “Environmental stress tests”(環境ストレステスト)も、金融機関と規制当局の双方が自然災害や感性的な大気汚染、水不足や気候変動のような環境破壊の脅威による経済への影響を理解する上で役立つ。 国連の副書記官でUNEPの最高責任者を務めるAchim Steiner氏は「もし我々が真に人々に行き渡る形で富を生み出そうとするならば、我々が生きる上でなくてはならない人間、製品、自然といった資本の全てに対して適切な投資ができる金融システムが必要になる。喜ばしいことは、中央銀行や財政当局、主要な投資ファンドらの間で、新しい「競争のルール」はただ必要不可欠でかつ実現可能なものであるというだけでなく、それが真なる利益をもたらしうるという認識が浸透してきていることだ」と述べる。 また、米国を代表する年金ファンド、カルパースのCEOであり、同UNEP調査研究のInternational Advisory CouncilメンバーでもあるAnne Staussboll氏は「長期投資には持続可能な価値を創りだし、あらゆるリスクを軽減し、ローカル、グローバル双方の経済を強化できるような戦略が求められる」と語る。 また、同じくInternational Advisory Councilメンバーであり、HSBCインドのトップを務めるNania Lai Kidwai氏は「インドでは長きに渡ってサステナビリティと金融は相反するものとして根付いてしまっている。ESGへの取り組みはコストを上げ、利益を減らし、発展を妨げるという考えだ。しかし実際の行動は逆の結果を示している」と語る。 昨今では世界全体のサステナビリティ実現に向け、事業会社だけではなく金融・投資セクターに対する期待も大きく高まりつつある。UNEPの報告書では金融システムが果たすべき役割と可能性について、債券市場におけるグリーン・ボンドや中央銀行による金融政策など大きなポテンシャルを秘めている具体的な方策を含めた分析をしており非常に興味深い。詳しく知りたい方はぜひ下記からレポートを読んで頂きたい。 【レポートダウンロード】Pathways to Scale 【団体サイト】UNEP

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【ランキング】RobecoSAM、2015年度版のサステナビリティイヤーブックを発行

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DJSI(Dow Jones Sustainability Indices:ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)の格付を手がけていることでも有名なスイスのSRI格付機関、RobecoSAM社は1月19日、2015年度版のサステナビリティイヤーブック”The Sustainability Yearbook 2015”を公表しました。 同イヤーブックでは、2014年のサステナビリティ投資・格付を振り返り、各業界の格付トップ15%の企業に対してはゴールド、シルバー、ブロンズメダルが授与、業界トップの企業には”RobecoSAM Industry Leader”がそれぞれ授与されます。今年はゴールドメダルが69社に、シルバーメダルが54社に、ブロンズメダルが112社にそれぞれ授与されました。地域別に見てみると、受賞企業数およびゴールメダルの数ともにヨーロッパが最大でした。詳細は下記の通り。 ヨーロッパ:211社(うちゴールドメダル33社) アジア・パシフィック:99社(うちゴールドメダル16社) 北米:93社(うちゴールドメダル11社) 新興国:54社(うちゴールドメダル9社) RobecoSAM社は、大手上場企業のサステナビリティ評価を1999年から毎年続けており、最新のCorporate Sustainability Assessment(以下、CSA)には実に42カ国、 830企業が参加し、ESGパフォーマンスを報告しました。また、アセスメントへの参加企業数は毎年平均で7%ずつ順調に増加しており、評価対象となる全1,995企業の時価総額全体のうち、今年のCSA参加企業の時価総額は87%(ヨーロッパ:92%、北米:90%、アジア・パシフィック:88%、新興市場:61%)を占めており、非常に高いカバー率を誇ったといいます。 日本企業で受賞した企業は以下の19社です。 ゴールドメダル受賞 花王 コニカミノルタ 住友林業 ベネッセ 丸紅 シルバーメダル受賞 伊藤忠商事 日産自動車 リコー ブロンズメダル受賞 旭硝子 イオン株式会社 積水化学工業株式会社 損保ジャパン日本興亜ホールディングス TOTO パナソニック 日立製作所 富士通 富士電機 富士フィルムホールディングス LIXILグループ RobecoSAM社のCEOを務めるMichael Baldinger氏は「まず、全てのイヤーブックメンバー、特に業界トップ企業、ゴールドメダリストを祝福したい。選出された企業は、財務的に重要なESG基準において秀でていた。サステナビリティイヤーブックは、サステナビリティの観点からどの企業の競争力が高いのかを投資家に示す指針となる。特に今年のイヤーブックは20年に渡る綿密なリサーチの集積だ。RobecoSAM社はこの20年でサステナビリティ投資の世界を形作ってきた」と語りました。 また、RobecoSAM社の執行委員会メンバーで、サステナビリティ投資研究所所長であるDaniel Wild氏は、「RobecoSAM社の年次CSAでは、税務戦略、イノベーション力、優秀な人材を魅了し続ける力、といったビジネスの核に影響を与える要素を基に評価を実施している。それらの要素は、競争力に影響し、ひいては長期的な財務実績として表れてくるものだ。ただ、その要素は時代と共に日々変化していくため、CSAを見直し発展させ続ける必要がある」と述べました。 また、今年のイヤーブックにおける主なトレンドとしては報告書の中で挙げられていました。 サステナビリティ課題への取り組み状況が改善された企業は昨年より0.4%増加 最も大きく改善したのは商業サービス・用品業界(+9.73%) コーポレート・ガバナンス指標が最も優れているのは北米 経済面で最も改善された指標はサプライチェーン 環境面で最も改善された指標は気候変動戦略 社会面で最も改善された指標は従業員の定着 同社では毎年サステナビリティに関する重要なトピックを取り上げて、サステナビリティイヤーブックの中で紹介しています。同社が今年取り上げたトピックはこちらです。 報告の再定義(サステナビリティ・ストーリーの戦略的コミュニケーションへの変換) 理論から実践へ(サステナビリティの財務評価への融合) 税務戦略(投資家にとってのサステナビリティリスク) RobecoSAM社の20年に渡る貢献もあり、サステナビリティ投資という概念はより広く浸透し、企業と投資家の関係も変わりつつあります。一方で、投資家に対して情報を開示する企業側としては、財務・非財務情報開示の統合やサステナビリティ戦略と財務リターンとの結びつきなど未だに課題も多い、サステナビリティ投資の最新トレンドや各業界リーダーのベストプラクティスを知りたい方は、ぜひ下記イヤーブックを参考にしてください。 【レポートダウンロード】The Sustainability Yearbook 2015 【企業サイト】RobecoSAM

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2015/02/10 体系的に学ぶ

【香港】アジアのサステナビリティ投資市場は449億USドル。年間22%成長。

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アジアのサステナビリティ投資市場が順調に成長している。The Association for Sustainable & Responsible Investment in Asia(以下、ASrIA)が先月公表した報告書”the 2014 Asia Sustainable Investment Review”によれば、2013年末までに日本を除くアジア諸国のサステナビリティ投資の合計額は449億USドルに達しており、2011年以降、投資総額は年率22%で成長しているとのことだ。 アジア全体の経済成長率は近年鈍化しつつあるものの、それとは対照的にサステナビリティ投資の市場規模は大きく成長していることを示している。 同報告書はASrIAが金融機関大手のクレディ・スイスやFTSEらの支援を受けてアジアにおけるサステナビリティ投資の最新動向を調査したもので、クリーンエネルギー投資、グリーンボンド、環境保全投資、インパクト投資という注目が高まりつつある4つの投資分野も網羅している。調査対象国は中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナムの11か国。 同報告書によれば、日本を除くアジア諸国のサステナビリティ投資市場の総額は449億USドルで、2011年以降年率22%のペースで成長しており、市場規模の上位を占める国々の内訳は下記の通りだった。 マレーシア(34%) 香港(25%) 韓国(19%) シンガポール(13%) また、2011年以降サステナビリティ投資市場が最も成長している国は下記の通り。インドネシアが最も高い成長率を見せている。 インドネシア(年率39%) シンガポール(年率38%) 香港(年率24%) その他、アジアにおける最新のサステナビリティ投資戦略の特徴は下記の通り。 最も一般的なサステナビリティ投資戦略はESG投資(ESG要因の投資基準への統合)で、資産全体の52%に相当する234億USドルを占めている。(ネガティブスクリーニング投資は全体の37%に相当する166億USドル) マレーシアとインドネシアにおけるイスラム金融がネガティブスクリーニング投資の総資産に大きく貢献している。 シンガポール、香港、ソウルのような国際金融センター、そしてマレーシア政府がイスラム金融市場の拡大を支援しているクアラルンプールが調査回答者の大部分を占めており、資産全体の90%を占めている。 気候変動は投資家にとって重要課題であり、特定の環境課題に対する投資の重要性が高まっている。回答者の62%が2年以内に気候変動リスクはより重要となると回答している。 2013年にはアジア開発銀行や韓国の政府系金融機関KEXIM(韓国輸出入銀行)がアジア地域で初となるグリーンボンドを発行したほか、中国やインドネシアなど各国政府もグリーン投資イニシアチブを開始するなど、サステナビリティ投資の裾野は欧米だけではなくアジアにおいても確実に広がりつつある。レポートは下記からダウンロード可能。 【レポートダウンロード】the 2014 Asia Sustainable Investment Review 【団体サイト】The Association for Sustainable & Responsible Investment in Asia

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