【スウェーデン】H&Mの考えるサステナビリティとファッション

Facebook Twitter Google+

今回ご紹介するのは、スウェーデンに本拠を置くグローバルファッションブランド、H&Mのサステナビリティ動画。同社は”Fashion and quality at the best price.”をビジネスコンセプトに置いており、ファスト・ファッションのリーディングカンパニーとして知られているが、サステナビリティの分野でもその先進的な取り組みは高く評価されている。 今回は動画の内容に沿って、H&Mがどのような意識でサステナビリティに取り組んでいるのかをご紹介していく。 H&Mの考えるサステナビリティとファッション 「我々は、サステナブルなファッションを世界中のより多くの人に、よりお手頃な価格で提供し、より身近な存在にしていきたい」と語るのは、デザイン責任者のAnn-Sofie Johansson氏だ。 H&Mは自社のサステナビリティ活動について”making fashion sustainable and sustainability fashionable(ファッションをサステナブルにし、サステナビリティをよりファッショナブルにする)”というコンセプトを持っている。同社にとって「ファッション」と「サステナビリティ」は切り離せるものではなく、お互いにどちらにとっても欠かせない要素なのだ。 サプライチェーンにおける取り組み また、「H&Mはファッション業界においてサステナビリティの最先端を走っている」と語るのはサステナビリティ責任者のHelena Helmersson氏だ。 同社は既に1997年からCode of Conductに基づきサプライチェーンにおける労働慣行や環境のサステナビリティ改善に取り組んできた。同社のCode of ConductはILO(国際労働機関)の定める国際労働基準および国連の定める児童の権利に関する条約に基づいており、2009年にはCodeの改定もしている。 Helmersson 氏によると、現在ではH&M社の中で約100名の社員がCSR分野で働いており、そのうち約70人は監査担当なので、日々サプライヤー工場を訪問し、親密な関係を構築しているとのことだ。 コットンのサステナビリティ向上 また、同氏は「H&Mのビジネスは綿や水などの天然資源に依存しているため、これらのテーマは我々の重点課題だ」と語る。同氏によれば、H&Mは2010年にオーガニックコットンを世界で最も多く利用した企業であり、2011年以降はBetter Cotton Initiative(コットンのサステナビリティ向上に取り組む国際NPO)の活動に積極的に取り組んでいるとのことだ。 Better Cotton Initiativeでは、他のファッションブランドやWWFなどのステークホルダーと協力し、コットンの生産過程において水と農薬の使用量を削減し、利益を増やす方法を農家に教えているという。 H&Mは2020年までに持続可能なコットンの調達を100%にするという目標を掲げており、2013年時点での進捗は15.8%となっており、毎年着実に比率を高めている。 また、同社は2009年からユニセフと共同で綿花の主な生産地であるインドのTamil Nadu州に住む子供たちの生活向上を目指す5年計画に取り組んでおり、子供たちの教育機会の確保や医療・ヘルスケアへのアクセス改善を進めているとのことだ。 まとめ 上記の動画を見ると、H&Mにとってはサステナビリティがブランド価値と強く結びついていることがよく分かる。 ファッション業界のメインストリームは、かつて業界をリードしていた伝統や品質を重視するラグジュアリーブランドから、大量生産・大量消費型のファスト・ファッションへとこの20年で大きく移り変わった。その結果、低コストを追求する多くのブランドが東南アジアや中国などへ生産拠点を移し、サプライチェーンにおける社会・環境面の問題が表面化してきた。 近年ではそうした消費スタイルへの反省から、より倫理的で持続可能なファッションを目指す「エシカル・ファッション」といった新しいジャンルも徐々に浸透しつつあるが、現状では一部の意識が高い消費者にしか受け入れられていないのも実情だ。 こうした業界全体を取り巻く変化の中で、H&Mは高品質なファッションをお手頃な価格で、というファスト・ファッションとしてのコンセプトを貫きつつも、よりサステナブルでエシカルなブランドへと進化を遂げようとしている。 動画の最後に、Johansson氏は「私は、お客様に罪悪感を覚えずにファッションを楽しんでほしい。そして衣料品をサステナブルな形で生産、輸送、そして販売するのが我々の目標だ」と語る。 H&Mが今後どのように従来のファスト・ファッションが抱える問題を乗り越えつつ、既存のエシカル・ブランドではリーチできないようなより多くの人々に対してサステナブルなファッションを提案していくのか、今後が楽しみだ。 なお、同社は上記の動画以外にも自社のYou tubeチャンネルでサステナビリティに関する動画を数多く掲載しているので、興味がある方はぜひ見て頂きたい。H&Mの目指すブランド観がより理解できるはずだ。 【サステナビリティサイト】H&M Sustainability 【You tube】H&M 【企業サイト】H&M 【参考サイト】Better Cotton Initiative

» 続きを読む
2014/10/29 最新ニュース

【ドイツ】BASF、自社の製品ポートフォリオをサステナビリティの観点から分析

Facebook Twitter Google+

世界最大級の化学企業であり、サステナビリティ先進企業としても有名なBASFは9月10日、サステナビリティ・ソリューション・ステアリングと呼ばれる独自の手法を用いて自社の製品ポートフォリオを分析した結果、分析済の製品のうち20%以上が同社および顧客のサステナビリティに大きく貢献していることが分かったと発表した。 BASFは同手法を用いて過去3年間で既に約50,000の製品群のうち80%以上の分析を終えており、各製品が健康面や安全面、コスト効率や資源保護などにどれだけ貢献しているかをデータ化しているという。また、分析には地域差はもちろん、顧客により異なる様々な業界のサステナビリティ要求基準も考慮に入れており、最終的に評価プロセスにおいて自社の製品ソリューションがそれらの基準にどこまで適応できているかを決定しているとのことだ BASFによれば、サステナビリティ・ソリューション・ステアリングにより自社の製品ポートフォリオを分析すると、製品群は下記4つのセグメントに分けることができるという。 Accelerators(牽引役):バリューチェーンにおけるサステナビリティに大きく貢献している。売上のうち22%の製品が該当。 Performers(合格ライン):業界の標準的なサステナビリティ基準を満たしている。約73%が該当。 Transitioners(変革中):特定のサステナビリティ課題が定義されており、具体的なアクションプランに基づき計画が実行中にある。約4.5%が該当。 Challenged(課題あり):サステナビリティに関する重大な懸念がある。BASFは、より優れたソリューションのためにこれらの製品に対するアクションプランを策定中で、現在は0.5%が該当。 サステナビリティ・ソリューション・ステアリングの目的は、BASFおよび同社の顧客のサステナビリティ向上に向けて長期的な視点で”Accelerator”に該当する製品数を増やしていくことだ。そのため、製品ポートフォリオは今後も継続的に見直され、上記4つのセグメンテーションも市場状況や新たな規制に対応し変化していくという。なお、全体の製品ポートフォリオは2014年末までに分析が完了する予定とのこと。 マーケティングの世界では製品ポートフォリオの分析は一般的だが、サステナビリティの観点から自社製品群を分類し、その分類に基づいてポートフォリオを改善していくという同社の考え方は、複数の製品やソリューションを展開する企業であれば業界に関わらず適用可能だ。サステナビリティ・ソリューション・ステアリングの詳細については下記ページも参考にしてほしい。 【参考ページ】Sustainable Solution Steering 【企業サイト】BASF

» 続きを読む

【コートジボワール】ハーシー、カカオ農家支援プログラムをコートジボワールへ拡大

Facebook Twitter Google+

The Hershey Company(以下、ハーシー)は9月9日、同社が西アフリカで展開しているカカオ農家向けのトレーニングプログラムを、世界最大のカカオ生産国であるコートジボワールに拡大すると発表した。新たに始まる3年間のプログラム”Hershey Learn to Grow Ivory Coast”では、ハーシーのカカオサプライヤーであるカーギル社との協力により教育インフラや教師向け住宅への投資が行われる予定だ。 Hershey Learn to Grow Ivory Coastは、主に下記3つの分野に焦点をあてている。 優れた農業慣行:刈り込みや肥料の安全な散布、効率的な使用など 農業組合:カカオ貯蔵庫、カカオの植木、診療所などのインフラ整備 教育支援:教師向け住宅、学校施設改善、児童労働や児童の人権に関する意識向上 Hershey Learn to Grow Ivory Coastを通じて1万のカカオ農家がUTZ Certifiedによる監査・認証に向けた農業・社会慣行のトレーニングを受ける予定となっている。そうすることでカカオ農家は生産したカカオをより高い価格で販売することができるようになるだけではなく、農業慣行を改善することは長期的な収穫量拡大につながることを認識できるようになる。 また、カカオ農家を再生させるには生産者や農業組合、カカオ企業らによる長期的な投資が必要になるため、Hershey Learn to Grow Ivory Coastは彼らが農園を改善している間、認証済みカカオの販売チャネルを提供することで長期的な農業慣行改善を支援する。 ハーシーが展開するこのカカオ農家トレーニングプログラム”Learn to Grow”はもともとガーナとナイジェリアで始まったモデルだ。今回のコートジボワールのプロジェクトでは、ハーシーのカカオサプライヤーであり、既に同国の農業組合とネットワークを持っているカーギル社と共に実行される予定だ。 両社は以前にCocoaLinkというモバイル技術を利用したガーナのカカオ農家に優れた農業慣行、安全労働、収穫物のマーケティングに関する情報を提供するためのプログラムでも協働した実績がある。 ハーシーの副社長・最高サプライチェーン責任者を務めるTerry O’Day氏は「ハーシーとカーギルは、コミュニティへの責任についての共有価値をコートジボワールのカカオ農家に対して優れた農業慣行と市場への機会をもたらすという喫緊のテーマに結びつけている。 Learn to Growのエッセンスは、カカオ生産地域のコミュニティサービスやクリニック、学校の拡大に向けて協働しながら、カカオ農業を個々の農家にとってより収益性の高いものにし、世界の消費者に向けて高品質なカカオの長期的な供給を実現することだ」と語った。 同プログラムの実施により、ハーシーは持続可能なカカオ調達を更に加速する。同社は2020年までに世界中の全ての製品を100%認証済みカカオ由来にするとコミットしており、同社の認証済みカカオの調達割合は2013年に18%を超えたが、2015年までには40?50%に増加することが予想される。 【企業サイト】The Hershey Company 【企業サイト】Cargill

» 続きを読む

【アメリカ】サウスウエスト航空、使用済レザーシートをアップサイクルするプロジェクトを開始

Facebook Twitter Google+

サウスウエスト航空は、43エーカー分の使用済レザーシートカバーに付加価値をつけて新商品へ生まれ変わらせるというアップサイクルプロジェクト”LUV Seat: Repurpose with Purpose”を発表した。このプロジェクトでは、雇用創出、職業訓練、商品の寄付を通じたコミュニティへの貢献が目指されている。 LUV Seat: Repurpose with Purpose プロジェクトは、サウスウエスト航空の737-700 航空機を大々的にリデザインするプログラム、Evolveプログラムに伴って生まれたものだ。Evolveプログラムでは機内のレザーシートカバーやその他の内装を環境に優しい素材に変更され、各航空機は600ポンド以上も軽減された。LUV Seatプロジェクトは、このリデザインの際に出た使用済みレザーを廃棄するのではなく寄付するという革新的なアップサイクルプロジェクトだ。 同プロジェクトのパイロット地域であるケニアのナイロビでは、孤児支援を展開しているNPOのSOS Children's Villages Kenyaが、Alive & Kicking、Masaai Treads、Life Beads Kenyaなどと協働し、この使用済レザーを使用してローカルコミュニティの商品を生産する予定だ。 また、SOS youthは使用済みレザーからシューズやサッカーボールを制作するための実習を有償で受ける予定だ。制作したシューズはAnti-Jiggerキャンペーンの一部として販売され、サッカーボールはスポーツを通じてHIV、AIDSやマラリア撲滅に向けた意識向上を図るという教育プログラムのために寄付されることになっている。 他にも、サハラ以南で生活する女性と子供たちの生活向上に取り組む米国のNPO、TeamLift, Inc.は、現在マラウイで建設中の学校施設を利用してレザー事業のトレーニングプログラムを開発、米国ポートランドに本拠を置くデザイン企業のLooptworksは、米国でLUV Seatレザーを限定版の高品質商品として商品化するなど、この使用済レザーを活用したアップサイクルプロジェクトは様々な形で展開される予定となっている。 航空機をより環境に配慮された素材でリニューアルするだけではなく、その際に出た廃棄物もアップサイクルにより価値を生み出し、コミュニティに還元するという同社の取り組みは、とても優れたサステナビリティ活動の事例だと言える。 【参考サイト】LUV Seat: Repurpose with Purpose 【企業サイト】Southwest Airlines (※写真提供:TFoxFoto / Shutterstock.com)

» 続きを読む

【アメリカ】Green Builder Media、2014年のエコ・リーダー9社を発表

Facebook Twitter Google+

グリーンビルディング・サステナビリティ分野の専門メディアGreen Builder Mediaは8月19日、2014年度の「エコ・リーダー」9社を発表した。同誌は環境面において特に優れた取り組みを行っている企業を毎年エコ・リーダーとして選出している。 選出された9社はいずれも高い目標を掲げて資源保全や廃棄物削減、温室効果ガス排出量削減などに積極的に取り組んでおり、環境保全や社会のサステナビリティに貢献する革新的な製品を開発している企業ばかりだ。 Green Builderの編集長Matt Power氏は「エネルギーや水の利用効率を高め、廃棄物を資源に変える方法を見つけることは、結果として高い利益率をもたらす。しかし我々は、いくつかの企業は、単にボトムラインや投資家からの要望に応えるために今日の深刻な環境課題に対応しているのではなく、自らの強い責任感から問題解決に取り組んでいる」と語り、優れた企業ほど能動的にサステナビリティ活動に取り組んでいることを強調した。 Green Builder Mediaがエコ・リーダーとして選出した企業は以下の通り。 GE(ゼネラル・エレクトリック) 他の電動ユニットより6割以上もエネルギー効率が良いハイブリッド・ウォーター・ヒーターを開発。また、2020年までに、CO2排出量を2004年と比較して40%削減、水利用を2006年と比較してほぼ半減させることを約束。 SolarCity(ソーラー・シティ) 2014年春以来、10億キロワットのクリーンエネルギーを生産。2018年までに100万戸の屋根にソーラーパネルを設置予定。一般市民が手頃な価格で太陽光発電をできるように「ソーラー・リーシング」モデルを開発。 Owens Corning(オーウェンス・コーニング) 住宅用繊維ガラス断熱材製品の全ラインを非ホルムアルデヒドの「Eco Touch(エコ・タッチ)」へ転換。2015年には主要製品全ての透明性を確保。 Kohler(コーラー) 2035年までに温室効果ガス排出量ネットゼロにする目標。いくつかの施設において水リサイクルにより水の使用量を90%削減することに成功したことが評価され、2013年にはEPA Water Sustained Excellence賞を受賞。 Panasonic(パナソニック) 2018年までに温室効果ガス排出量を50%削減させるという目標。電子廃棄物の収集・リサイクルのためのインフラ構築を実施。トヨタと共同でプリウスとテスラSのバッテリーをアップグレード予定。 Dupont(デュポン) 環境に直接的かつ計量可能な利益をもたらすR&Dプログラムに対する投資を現在の倍の6.4億ドルまで拡大。カーペットや衣類、自動車マットなどに使用される植物由来の繊維Soronaの販売開始。生産量および売上が増加したにも関わらず、2012年までに2015年のサステナビリティ目標を達成。 Bosch(ボッシュ) 2014年度中に310のサプライヤーの環境・社会面における監査を完了する。R&D予算の約半分を投資して環境関連事業ポートフォリオを拡大。25?40%の電力使用量削減が期待できる住宅用燃料セルの実地試験を展開。 Uponor(ウポノール) 従業員は1500時間以上を投じてウィスコンシン州リバーフォールズにおける慈善活動Habitat for Humanity Eco Villageに貢献。生活排水の再利用を可能にする製品、絶縁配管という二つの新しいサステナブル製品を開発。 Patagonia(パダゴニア) 2015年までに使用する繊維をブルーサイン認証済のものに限定することを約束。売上の1%を環境保全団体に寄付するプログラム「1% for the planet」を展開。Responsible Economy Initiativeを発足。 これらの企業の共通点としては、環境保全に貢献する革新的な製品を生み出すだけではなくそれらを新たな収益獲得機会につなげており、サステナビリティの推進はビジネスの観点から考えても合理的であるということを自らの事業を通じて証明している点だ。各企業の取り組みについてより詳しく知りたい方は、下記ページを参考にして頂きたい。 【参考サイト】Green Builder's Annual Eco-Leaders 【企業サイト】Green Builder Media

» 続きを読む

【バミューダ】スピリッツ最大手のバカルディ、サトウキビ産業全体のサステナビリティを推進

Facebook Twitter Google+

スピリッツ世界最大手のバカルディ社は、ラム酒ブランド「Bacardi」で有名だが、そのサトウキビ産業における積極的なサステナビリティ活動にも注目したい。同社は「Bacardi」の主成分となる糖蜜(サトウキビから作られる糖液)のより持続可能な調達を目指しており、サトウキビ産業全体のサステナビリティ向上に取り組んでいる。 そのバカルディ社の活動を支援しているのがBonsucroだ。Bonsucroはサトウキビ産業における人権、労働環境、生物多様性の維持、環境面、経済面など様々な観点に基づく計量可能なサステナビリティ基準「Bonsucro基準」を設けると共に、その認証制度も構築しているグローバルNPOだ。バカルディ社はBonsucroの創設メンバーでもあり、Bonsucroと共にサトウキビ産業におけるサステナビリティ活動に共に取り組んできた。 同社はサトウキビサプライヤーと共に、この高いサステナビリティ基準をクリアできるよう、継続的に取り組んでいる。2022年までの目標は、ラム酒「Bacardi」に使用されるサトウキビ製品の100%を認証済みの持続可能な調達由来のものにすることだ。この目標に向けて、例えばフィジー諸島ではWWF(World Wildlife Fund、世界自然保護基金)と協働により、サトウキビ生産者に対する生産量増加や水利用削減、地域に甚大な悪影響をもたらす伝統的な農業慣習を止めるための教育など、持続可能な農業を支援に取り組んでいる。 バカルディ社にてグローバル・サステナビリティ・ディレクターを務めるDave Howson氏は「サトウキビ産業にはもともと数多くの課題があり、だからこそBonsucroの存在はとても重要だ。Bonsucroはサトウキビ産業のサステナビリティ向上に本当に良く取り組んでいる。また、Bonsucroと我々のコミットメントは、当社の将来の発展にとっても非常に重要な要素だといえる」と語る。 また、バカルディ社のサステナビリティ活動は、環境への影響ゼロを目標に掲げている「Good spirited: Building a Sustainable Future」というビジョンに根差しており、その活動の効果も顕著に表れてきている。実際に、2006年と比較して温室効果ガス排出量は28.5%減少、再生不可能なエネルギーの使用量も27.7%減少した。 同社はさらなる高みを目指し、サプライチェーンの段階別(調達、梱包、運用)に2022年までの目標を以下のように掲げている。 調達:生産者やサプライヤーの利益を維持・改善させつつ、再生可能、再利用可能な原料や梱包材を使用する。バカルディ社のラム酒の原料として使われるサトウキビの調達は、2017年までに40%、2022年までに100%、Bonsucro 基準で認証されたサプライヤーから調達する。 梱包:パッケージや店頭マテリアルには環境に配慮した材質、デザインを用いることとする。2017年までに10%、2022年までに15%の包材の減量を目指す。 運用:2017年までに排水量55%減、温室効果ガス排出50%減量、埋め立てゴミは2022年までにゼロにすることを目標とする。 同社は業界の中でも特にサステナビリティに積極的に取り組む先進企業として知られている。同社の活動について詳しく知りたい方はぜひ下記ページも参考にしてほしい。 【企業CSRページ】Good spirited 【企業サイト】Bacardi & Company Limited 【団体サイト】Bonsucro

» 続きを読む

【アメリカ】トイレの寄付で命を救う。アメリカン・スタンダード社のFlush for goodキャンペーン

Facebook Twitter Google+

現在、世界中で25億人もの人々がトイレなどの十分な衛生設備がない環境下で暮らしており、毎日約2000人もの子供たちが不衛生を原因とする病気で命を落としているという事実をご存じだろうか? この事実を知り、2013年から問題解決に動き出したのが、米国の大手トイレタリー会社、アメリカン・スタンダード社だ。同社は不十分な衛生環境下で暮らすバングラディシュの人々に対し、彼らの生活環境を向上させ、不衛生な排泄環境が引き起こす感染症の防止に向けて衛生的な便器(Sa To:Safe Toilet)を53万個寄付したと発表した。 この寄付は、同社がグローバルの衛生環境危機に対する意識向上とその問題解決ための革新的なソリューション開発を目的として展開しているFlush for Goodキャンペーンの重要な核をなす取り組みとなる。 同社は現在、米国およびカナダで販売している同社のトイレChampion一台につき、一台のSaTo(衛生的なトイレ便器)を不衛生な環境下で感染症に苦しむ発展途上国に対して寄付するというコーズマーケティングキャンペーンを展開している。 また、北米を拠点としてサステナブルな生活と環境建築を推進しているメディア企業、Green Builder Media社とも提携し、Flush for Goodキャンペーンをグローバルにまで拡大しようと取り組みを展開している。(ウェブサイトはこちら) アメリカン・スタンダード社は2013年10月、米国の元大統領ビル・クリントン氏が地球課題解決のために立ち上げたClinton Global Initiativeと共に、SaToの提供を通じ、2014年からの3年間で世界中に暮らす300万人の生活、衛生環境の質を向上させるとコミットメントした。同社では2013年から2014年の間に寄付を受けたバングラディシュの250万人を含めて、2017年までに550万人にSaToが届くと予測している。 【企業サイト】American Standard 【企業サイト】Green Builder Media (※写真提供:Eduardo Lopez / Shutterstock.com)

» 続きを読む

【スウェーデン】「楽しさ」が人々の行動を変える。フォルクスワーゲンが提唱する「ファン・セオリー」

Facebook Twitter Google+

様々なインフラの発展に伴って世の中はますます便利になる一方で、その便利さが人々の健康とトレードオフになることも多い。健康のためには運動をしたほうがよいとわかっていても、楽をする道があればついついそちらを選んでしまうのが人というものだ。階段よりもエスカレーターやエレベーターを使ってしまう私たちが、週末にフィットネスジムで汗を流しているというのも現代ならではの皮肉な話だ。 上記の動画は、そんな人々のジレンマを解決する一つのアイデアとして、2009年にスウェーデン、ストックホルムにあるodenplan駅で行われた有名なプロジェクトだ。「どうやったら駅の利用者はエスカレーターではなく階段をもっと使ってくれるだろうか?」この問いに対して提案されたのは、シンプルだがとてもユニークなソリューションだった。 動画を見れば一目瞭然、階段をピアノの鍵盤に見立てて、階段を上がると音が奏でられるようにしたのだ。結果、なんと普段より66%も多くの人がエスカレーターではなく階段を利用するようになったという。 このプロジェクトを仕掛けたのは、世界を代表する自動車ブランド、フォルクスワーゲンだ。上記の動画はフォルクスワーゲン・スウェーデン社が提唱する「ファン・セオリー」というプロジェクトの一環として行われた実験で、「ファン・セオリー」とは、一言でいえば「楽しさ」こそが人々の行動を変える一番シンプルで簡単な方法だ、という考え方のことを指す。 フォルクスワーゲンはこのコンセプトに基づいて「TheFuntheory.com(ザ・ファンセオリー・ドットコム)」というサイトを2009年に開設し、どのように人々の行動をその人や社会にとって良い方向へと変えていけるか、ユニークな実験動画を通じて様々な提案をしている。 同サイトで公開されている動画の中から、上記の他にもいくつかご紹介したい。 どうすれば皆ちゃんとごみをごみ箱に捨ててくれるだろうか? 続いて紹介するのは、とある公園で行われたプロジェクト。「公園や道路などの公共スペースではゴミをポイ捨てしてはいけない。」それは誰もが分かっていることだが、それでもポイ捨てがなくならないのは、きっと本心では「ごみをごみ箱まで捨てに行くのは面倒くさい」と感じている人が少なくないからだろう。それなら、「ごみを捨てるという行為を、もっと楽しいものにしたらどうだろう?」そう考えたフォルクスワーゲンは、ごみ箱にある仕掛けを施した。 こちらも動画を見れば一目瞭然、ついついゴミ箱の中に顔を入れて中を覗きたくなるような仕掛けだ。結果、一日で72kgものごみがごみ箱に集まった。ごみのポイ捨てを減らすには罰金や罰則といったアプローチもあるが、そんなことをしなくても、ちょっとした楽しい仕掛けがあれば人はポイ捨てなどしないのだ。 どうすれば皆ちゃんとシートベルトを締めてくれるだろう? 上記2つの動画は直接はフォルクスワーゲンの事業と関係がないが、もちろん同社はこのファン・セオリーを自社の製品開発にも取り入れている。まずは下記の動画を見て頂きたい。 シートベルト着用率を高めるためのこのアイデアは、The funtheory award(ファン・セオリーを活用した様々な問題解決アイデアを募るコンテスト)のファイナリストで、セルビア出身のNevena Stojanovicさんによるものだ。 シートベルト着用が交通事故時の死亡率を大きく下げることは誰もが知っているが、ほんの少しの面倒くささがベルトの着用を遠ざける。このアイデアでは、シートベルト着用を社内に搭載されたエンターテインメントシステムを楽しむための手段に置き換えることで、見事に子供の心理的な障壁をクリアすることに成功している。 この取り組みは最初スウェーデンでテストされていたが、同社は将来全ての自動車に同様の仕組みを導入したいと考えているという。 「やったほうがいい」を「やりたい」へ 上記のプロジェクト全てに共通するのは、「楽しさ」という要素を加えることで人々の振る舞いをより良い方向へと変えているという点だ。TheFuntheory.comで紹介されている取り組みの一つ一つはとても小さなものかもしれないが、ファン・セオリーそのものはより大きな事業やアイデアにも活かせるはずだ。 最近ではサステナビリティ活動にゲーミフィケーションを取り入れたユニークなプロジェクトを展開する事例なども出てきているが(参考記事:「【TED】サステナビリティにゲーミフィケーションを掛け合わせたスイスのスタートアップのアイデアとは?」)、よりサステナブルな世界を作る一番の近道は、一人一人に高い市民意識を期待することではなく、放っておいても「やりたい」と思えるような仕掛けや仕組みを作ることなのかもしれない。 CSR活動やサステナビリティへの取り組みも同様で、それが自社の利益につながると分かっていれば、どんな企業もこぞって積極的に取り組むはずだ。社会のために良いことをやっている企業が得をする仕組みさえあれば、あとは自然競争に任せることで結果としてサステナブルなビジネス慣行が実現できるだろう。 今、まさに世界中の国家や国際機関がそのためのルール作りを進めており、サステナビリティがグローバル競争を勝ち抜くための新たなルールになろうとしている。 ぜひフォルクスワーゲンの取り組みを参考にしつつ、どうすれば自社のステークホルダーに対してより望ましい行動をとってもらえるか、ファン・セオリーの観点から仕掛けを考えたいところだ。 また、このフォルクスワーゲン社の取り組みのクリエイティブを担当しているのは、世界を代表するグローバルクリエイティブエージェンシー、DDBだ。DDBは世界96ケ国、14,000名のスタッフを抱えるグローバルエージェンシーで、これまでにカンヌ国際広告祭で最も多くの賞を受賞している。フォルクスワーゲン以外にも様々なグローバル企業のサステナブルなマーケティングキャンペーンを手掛けている企業としても有名だ。 2011年5月にカルフォルニアのモントレーで開催されたSustainable Brands 2011では、DDB WestでCheif Creative Officerを務めるLisa Bennett氏が、DDBが手掛けたフォルクスワーゲンの「ファン・セオリー」の取り組みを上記のピアノ階段の取り組みも含めて紹介している。興味がある方はぜひ下記も見てほしい。 人にも企業にも、「やったほうがいい」とわかっていても「やりたくない」ことがいっぱいある。ただ、その長期的なリターンと短期的なリターンのジレンマに悩まされる限り、本当の意味で問題を全て解決することは難しい。どうすれば両者を一致させられるか、そこに様々なビジネスチャンスがありそうだ。 【参考サイト】TheFuntheory.com 【企業サイト】Volkswagen 【企業サイト】DDB

» 続きを読む
2014/07/03 最新ニュース

【カナダ】スターバックス・カナダ、恵まれない若者を対象に就業プログラムを開始

Facebook Twitter Google+

(画像元:Deymos Photo / Shutterstock.com) カナダでは今、16歳から24歳までの若年失業率が国全体の失業率の2倍以上の高さとなっており、大きな社会問題となっている。就業機会だけではなく、就業機会を得るためのスキルすら得られない若年層が増えてきているのだ。そこで立ち上がったのがスターバックスだ。 スターバックス・カナダは6月12日、バンクーバー、カルガリー、トロントにおいて、各地のNPOと協力し、恵まれない境遇にある若年層に対し、キャリア開発の一環として同社の従業員向け研修プログラムを提供すると発表した。 同社は本プログラムに対して今後3年間で84万ドルを投入する予定だ。最初の1年間で、ホームレス、里親がいない、中毒からの回復途中、高等教育を十分に受けられていない、教育費用を賄う金銭的余裕がない、精神的疾患に悩まされている、といった様々な事情を抱えた134名の若者に店舗での業務を担当してもらう。その業務体験を通じて若者らが、将来の就職先を見つける、あるいは進学のために学校に戻ることができるよう支援するのが狙いだ。 スターバックス・カナダの地域広報部部長を務めるLuisa Girotto氏によれば、同プログラムは「困難な生い立ちを抱えた若者たちに、『希望』というプレゼントを与えるもの」だという。 スターバックスは、バンクーバーに1号店となる店舗のオープン以来ずっとカナダの若者支援を行っており、現在では、従業員の60%を若年層が占めている。また2009年以降は、若年層のビジネス実務知識取得や社会道義心の育成を支援している若年組織に対し、スターバックス財団を通じて総額79.4万ドルのStarbucks Youth Leadership奨学金を提供している。 バンクーバーが位置するブリティッシュ・コロンビア州南部では、過去10年間で350人以上の若者がバリスタブログラムを修了しており、そのうちの80%が進学あるいは就職に成功している。就職した者の中には、スターバックスに正社員として採用された者もいる。 バンクーバー、カルガリー、トロントにそれぞれの拠点を置くNPOのPacific Resources Community Society、Wood’s Homes、The Yonge Street Missionらもスターバックスの取り組みを高く評価しており、今後も協力関係を強化し、若者の支援をさらに充実したものにしたいと意欲を見せている。 スターバックスは、カナダの大学生に対する調査において、「最も理想的な企業」に選出され、「働きがいのある会社」としても4年連続で1位を獲得するなど、若年層からの支持も高い。 【企業サイト】Starbucks Canada 【団体サイト】Pacific Resources Community Society / Wood’s Homes / The Yonge Street Mission

» 続きを読む

【ポルトガル】ハイネケングループの醸造所、GEの技術で年間7200万リットルを節水

Facebook Twitter Google+

世界最大のビール醸造会社、HEINEKEN Group(ハイネケン・グループ)であり、ポルトガルのリスボン近郊でビール醸造を行うソシエダ・セントラル・デ・セルヴェジャス(以下、SCC)が、ゼネラル・エレクトリック(以下、GE)の節水技術により大幅に水の使用量を削減することに成功した。 同社は排水を冷却塔で使用する水として再利用することで、年間7,200万リットルの節水が可能になり、醸造工程における生産能力が40%増加した。 この大幅な節水と水の再利用に対する新たなアイディアが認められ、GEからSCCにエコマジネーション賞が贈られた。GEのエコマジネーション賞はGEのエコマジネーション・コミットメントの一部で、環境面、産業面、サステナビリティのバランスを保つ優れた取り組みを行った企業などに贈られる賞だ。GEのエコマジネーション・コミットメントは特に水不足のような厳しい環境課題に対応する技術とソリューションの開発に重点を置いている。 SCCのCEOを務めるRonald den Elzen氏は、「SCCはビール会社として社会に良い影響を与えるべく、継続的に環境へのインパクトを減らす努力をしている。ビールの醸造には水が欠かせないため、その水という貴重な資源の利用を減らし、サステナビリティを高めることにコミットしている」と述べた。 同社はいくつかの地下水を確保していたが、醸造所のニーズを満たすには十分ではなかった。他の選択肢として非常に高価な上水道を使用することもできたが、ポルトガルは今後数十年にわたって水不足に陥る可能性が高いとされており、その解決策として同社が考えたのは先進的な水技術を持つGEからの協力を得ることだった。 GEの低ファウリング逆浸透膜と高度な化学技術のおかげで、SCCは醸造工程における水使用効率を向上させ、コスト削減を果たした。GEとSCCの環境に対する共同の取り組みは今回が初めてではないが、年間7,200万リットルの節水という実績は革新的だ。 今回のSCCとGE社の取り組みのように、今後は豊かさを追求するための技術だけではなく、サステナビリティを実現するための技術がより重要性を増してくる。水不足や環境問題といった社会課題を解決する最新技術の開発が大きなビジネスチャンスをもたらす時代が到来している。 【企業サイト】Sociedade Central de Cervejas 【企業サイト】General Electric Company

» 続きを読む
ページ上部へ戻る