【シンガポール】アップル、シンガポールにおける事業運営を100%再生可能エネルギーへ

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 米アップルが、全世界の事業運営を100%再生可能エネルギーで賄うという目標の達成に向け、また一つ大きな一歩を踏み出した。  アップルは11月15日、シンガポールにおける事業運営を100%再生可能エネルギーで賄うと発表した。シンガポールのクリーンエネルギー最大手、サンシープ・グループと提携し、2016年1月から100%再生可能エネルギー由来の電力供給を受ける。シンガポールにおいて事業運営の100%を再生可能エネルギーで賄う企業はアップルが初となる。  なお、両社の提携の中にはアップルからサンシープへの太陽光発電プロジェクトに対する資金援助も含まれている。また、アップルは同時にシンガポールのアップルストア第1号店をオープンすると発表した。同店舗の電力も全て太陽光発電で賄われる。  サンシープはシンガポール中の800以上の建物の屋上に設置した太陽光パネルで発電し、毎時40ギガワットのクリーン電力をアップルに供給する。シンガポールは国土が狭いため、最も効率が良く拡張性も高い再生可能エネルギーは建物の屋上を利用した太陽光発電となる。  今回の提携にあたり、アップルの環境担当副社長を務めるLisa Jackson氏は「今回の提携により、2500名の従業員が働くオフィスや新たなストアも含め、我々のシンガポールにおける全ての電力需要が賄われることになる。我々は、太陽光エネルギーをシンガポールにもたらし、全世界の事業運営を100%再生可能画エネルギーで賄うという我々の目標達成に近づけてくれる新たな道を切り拓くために、サンシープおよびシンガポール政府と協働できることをとても嬉しく思う」と語った。  アップルは今年の10月にも中国四川省で建設を進めていた40メガワットの太陽光発電所が完成し、中国における事業のカーボン・ニュートラルを実現したばかりだ。また、自社だけではなくサプライチェーン全体におけるカーボン・ニュートラルを目指し、中国全土で200メガワット以上のメガソーラーを設置するという計画を発表している。(※参考記事:「【中国】アップル、フォックスコンらと協働し中国の再生可能エネルギー導入を加速」)  急速な経済成長と市場拡大が見込まれるアジアは、今後のアップルの事業展開においてもますます重要性が高い地域となることは間違いない。今回のサンシープとの提携はそのための持続可能な事業基盤づくりに向けた大きな足掛かりとなる。 【参照リリース】Apple to power Singapore operations with renewable energy 【参照リリース】Sunseap Group to provide Clean Energy to power 100% of Apple’s operations in Singapore – a landmark arrangement in Southeast Asia 【企業サイト】Apple 【企業サイト】Sunseap Group (※写真提供:TonyV3112 / Shutterstock.com)

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【国際】英国と中国、低炭素イノベーションに向けたクリーンエネルギー協定を締結

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 英国・中国の両首脳は10月21日、クリーンエネルギー技術の共有及び投資の促進などに関する協定に署名した。中国の習近平国家主席による英国訪問を機に、両国の新たなパートナーシップ確立の成果として公表された。  今回のクリーンエネルギー協定は、英国企業が世界最大となる中国のエネルギー市場における新たな事業機会の確保し、低炭素イノベーションにおけるノウハウを共有することを可能にするものだ。リーンエネルギー技術への更なる投資を促進し、両国のエネルギーコスト削減を実現することなどが期待されており、中国初となる英国の洋上風力市場への投資や共同の洋上風力産業アドバイザリーグループの設立なども含まれている。  英国政府は今回の協定締結に合わせて、英自動車メーカーのアストンマーティンがCO2排出ゼロの電気自動車「ラピッドE スポーツカー」の開発に向けて中国の投資ファンド、信中利から5000万ポンドの投資を受けることを明らかにしたほか、ロンドン・タクシー・カンパニーの株主である吉利汽車(ジーリー)が、新たにCO2排出ゼロのタクシー車両の展開に向けた研究強化に向けて5000万ポンドの投資を行うことを公表した。  また、協定が発表される前週には中国最大手の原子力発電国営企業、中国広核集団(China General Nuclear Power Group:CGN)が、英国および先進国で初めて中国製原子炉が導入されるヒンクリー・ポイント原発の新規建設プロジェクト、Cプロジェクトの開発費用180億ポンドのうち33.5%の株を取得することも発表されている。  英国政府にとってヒンクリー原発の進展は約7年間の折衝を経てようやく達成したもので、中国政府にとっては2番目のサフォーク州サイズウェル原発、そして中国広核集団自身が設計し、全体の3分の2の株を取得する予定となっている3番目のエセックス州ブラッドウェル原発への足掛かりになると見られる。  今回の習近平氏による英国訪問、そして英国・中国による協定の成果については、フランスから技術提供を受けて開発された中国製原子炉の安全性への危惧や政治体制、人権問題についてなど様々な議論がなされており、今後の両国の動きに注目が集まっている。 【参照リリース原文】UK and China join forces to boost creative and technology industries 【参照サイト】UK and China ink clean energy deal 【政府機関サイト】UK Government

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【中国】アップル、フォックスコンらと協働し中国の再生可能エネルギー導入を加速

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 再生可能エネルギーの推進においてIT業界を牽引している米アップルが、また一つ大きな挑戦に乗り出した。アップルは10月22日、中国における製造サプライヤーのカーボンフットプリント削減に向けた新たなクリーンエネルギープログラムを公表した。サプライヤーと協働し、現在から2020年までに中国において2000万トン以上の温室効果ガス排出削減を目指す。これは乗用車400万台分の年間排出量に相当する量だ。  アップルは同日、四川省で建設を進めていた40メガワットの太陽光発電所が完成したと発表した。同メガソーラーはアップルが中国で展開しているオフィスや小売店に使用する電力以上の発電能力を持ち、アップルは中国における事業のカーボン・ニュートラルを実現した。  現在アップルは中国におけるクリーンエネルギー投資を加速させている。同社は中国全土で合計200メガワット以上のメガソーラーを設置する計画を進めており、自社だけではなく同社のサプライヤーが排出する温室効果ガスも含めたオフセットを目指している。  サプライチェーン全体における温室効果ガス排出削減に向けて、アップルは中国の製造サプライヤーとエネルギー効率化およびクリーンエネルギーを推進する新たな取り組みを開始する。サプライヤーらと協働し、数年以内に中国国内で2ギガワット以上のクリーンエネルギー発電所を建設する予定だ。  さらに同社はこれらのクリーンエネルギー調達や再生可能エネルギープロジェクトに関するベストプラクティスをサプライヤーらと共有し、各地のサプライヤーの一部に対してはエネルギー効率の監査や規制対応ガイダンス、パートナーシップ構築などハンズオンの支援も実施する。  これらの取り組みの一環として、アップルの最大サプライヤーでもあるフォックスコンは2018年までに河南省において400メガワットのメガソーラーを建設する予定だ。フォックスコンはiPhoneの最終製品工場である鄭州工場で使用するエネルギーと同等のクリーンエネルギーを生成することにコミットしている。  アップルは今やテクノロジーだけではなく再生可能エネルギー分野においても世界をリードする存在だ。現在同社は米国および中国における事業の100%を再生可能エネルギーで賄っており、グローバル全体でもその割合は87%に及んでいる。グローバル全体の事業運営を100%再生可能エネルギーで賄うという同社の目標が達成される日もそう遠くはなさそうだ。 【参照リリース】Apple Launches New Clean Energy Programs in China To Promote Low-Carbon Manufacturing and Green Growth 【企業サイト】Apple 【企業サイト】Foxconn (※TonyV3112 / Shutterstock.com)

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【国際】CDP、世界の都市の化石燃料依存状況をまとめたインフォグラフィックを公表

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 気候変動に関する情報開示を求める機関投資家らによる国際NGOのCDPと米エンジニアリング大手のAECOMが共同で実施した調査によると、南米およびヨーロッパの都市は発電における化石燃料への依存度が他地域よりも低いことが分かった。CDPらが9月17日に公表したデータによると、アジア・太平洋地域の都市は化石燃料の依存度が特に高く、北米、アフリカの都市は中間だった。  現在CDPには世界308都市が参加しており、2015年はそのうち162都市が自身の消費電力における化石燃料比率および燃料構成をCDPに開示した。その結果、南米の都市は平均して消費電力の76%、ヨーロッパの都市は59%を太陽光や風力などのクリーン電力で賄っており、その逆にアジア太平洋地域の都市は15%にとどまっていることが分かった。  CDPによると、世界の都市は全体的な傾向としては低炭素エネルギーの導入において大きな進歩を見せており、エネルギー比率を開示した都市の35%が電力の4分の3を化石燃料以外のエネルギー源から得ているという。また、CDPに参加している都市の3分の1以上に相当する109都市が、再生可能エネルギーや電力に関する何らかの目標を設定しているとのことだ。  特に低炭素エネルギーへの移行においてリーダーシップを発揮している都市はアスペン、サンタモニカ、サンフランシスコ、ストックホルムの4都市で、これらの都市は再生可能エネルギー100%にするという目標を掲げている。  発電セクターはエネルギー市場における最大の炭素排出源となっており、2015年には全世界の自動車が排出する温室効果ガス2年分に相当する12.6ギガトンのCO2を排出している。そのため、電力消費量が多い世界の大都市がクリーンエネルギーへの移行を推進することは気候変動に対処する上で非常に重要となる。現在化石燃料への依存度が高くなっているアジアの都市を中心に、今後は低炭素都市の実現に向けた民間セクターと都市との更なる連携も求められている。CDPが公開した世界各都市のエネルギー構成に関するインフォグラフィックは下記から確認可能。 【インフォグラフィック】New analysis released by CDP and AECOM shows the role cities play in driving the transition to clean energy. 【参照リリース】How green is your city? New global analysis reveals extent of trend to cleaner energy 【団体サイト】CDP 【企業サイト】AECOM

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【アメリカ】アメリカの大手企業ら365社、オバマ政権の「クリーンパワープラン」への支持を表明

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 米国で事業を展開する大手企業ら365社は7月31日、米国環境保護庁(以下、EPA)が推進する「クリーンパワープラン」への支持を表明するとともに、各州に対して早急な実行計画の策定を求める要望書を29の州政府に提出した。同要望書を取りまとめたのはサステナビリティに関するアドボカシーNGOのセリーズで、署名企業にはアディダス、eBay、オートデスク、GAP、ロレアル、ネスレ、ダノン、ノースフェイス、リーバイ・ストラウス、ユニリーバなど大手企業に加え、カルバート・インベストメント、トリリウム・アセット・マネジメントなどの機関投資家も含まれる。  署名企業らは書面の中で「我々の支持は経済的な現実に強く基づくものだ。クリーンエネルギーソリューションは投資を促進し、温室効果ガスを削減するうえでコスト競争力のある革新的な方法なのだ。企業はコストを削減し、企業業績を向上させるためにますます再生可能エネルギーやエネルギー効率化ソリューションに頼るようになってきている」と語り、クリーンエネルギーへと移行する経済面からの合理性を強調している。  また、Ceres の代表であるMindy Lubber氏は「企業と投資家はかつてないほどに、気候変動の脅威と高い経済合理性がある低炭素ソリューションへ移行する緊急性に気づき始めている。クリーンパワープランは、彼らが自身のクリーンエネルギー戦略を構築する際の確実性と柔軟性を提供することで、これらの高まりつつある産業界の懸念に答えている」と語る。  クリーンパワープランは、現状の米国の温室効果ガス排出の3分の1を占めている既存の発電所からの炭素排出量削減を目指す米国全体の計画だ。EPAは同要望書が提出された3日後の8月3日に、最終案として発電所からの炭素排出量を2030年までに2005年比で8.7億トンもしくは32%削減するという計画を発表した(※参考記事「【アメリカ】オバマ政権、クリーンパワープランを公表。2030年までに発電所のCO2排出を32%削減へ」)。再生可能エネルギー比率やエネルギー効率化技術の導入など、目標達成に向けた実行計画の策定は各州政府に委ねられている。  現在、米国ではコスト削減や価格ボラティリティの高さを理由に化石燃料への依存度を減らし、再生可能エネルギーへの移行やエネルギー効率化ソリューションの導入を進めている企業の数が増え続けているが、今回の要望書もそうした昨今のトレンドを受けてのものとなる。セリーズがカルバート・インベストメント、WWFらとともに実施した2014年度の調査によると、フォーチュン100社のうち60%は自身のクリーンエネルギー目標を掲げており、それらにより10億ドル以上のエネルギーコストを削減しているという。  今回EPAにより「2030年までに32%削減」という高い目標が設定されたことで、今後米国では再生可能エネルギーやエネルギー効率化ソリューションの導入がさらに加速すると考えられるが、それらは気候変動対策としてだけではなく、コスト削減やイノベーションを通じて米国企業の競争力を高めるドライバーにもなっていくことが予想される。 【レターダウンロード】RE: Support for State Implementation of Carbon Pollution Standards 【参照リリース】365 Companies and Investors Announce Support for EPA’s Clean Power Plan 【団体サイト】Ceres

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【アメリカ】オバマ政権、クリーンパワープランを公表。2030年までに発電所のCO2排出を32%削減へ

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 米国オバマ大統領は8月3日、環境保護庁(以下、EPA)が推進する「クリーンパワープラン」の最終計画を発表した。米国では発電所から排出される炭素量が国全体の排出量の約3分の1を占めるなど気候変動の主要因になっているにも関わらず、これまで国による規制が設けられていなかった。しかし、今回発表された最終計画では2030年までに発電所からの炭素排出量を8億7千万トン、2005年比で32%削減するという目標が提示されている。  クリーンパワープランは、現在既に予想を上回るスピードで進んでいるクリーンエネルギーへの移行をさらに加速させる狙いがある。同計画では2030年までに発電所からの炭素排出量を2005年比で3分の2にするほか、二酸化硫黄の排出量を90%、窒素酸化物の排出量を72%削減する方針だ。  米国では現在2009年と比較して3倍の風力発電および20倍の太陽光発電が使用されており、さらに太陽光発電業界は他分野と比べて10倍もの速さで新たな雇用を生み出している。こうした流れをさらに発展させる同計画について、EPA長官のGina McCarthy氏は「我々は、この歴史的な計画を完成させたことを誇りに思う。これにより、我々の子供や孫たちに、よりクリーンで安全な未来を引き継ぐことができる。合衆国は先導的な役割を担い、気候変動への対応が経済成長の強固な土台を形成するための素晴らしいチャンスであることを世界に示しているのだ。同計画へ寄せられた貴重な意見を受けて、最終的な計画は極めて大掛かりでありながらも達成可能な内容となっており、各州は目標達成に向けて、地域社会やビジネス、公益事業に適した方法で計画をカスタマイズすることができる」と語る。  EPAは各州が採用できるモデルルールと国家計画を用意しており、両者とも炭素排出量の削減目標を達成するための排出トレードメカニズムに焦点を当てている。また、EPAは新たに修繕・改築された発電所からの炭素排出量を制限する基準を設けている。  経済大国の米国が、今回の計画により世界の低炭素技術をリードしていくことになるのか。目標達成に不可欠な各州政府による計画提示がスムーズに進むかも含めて、今後の動向に世界中から期待と注目が集まる。 【参考サイト】Clean Power Plan 【参照リリース】Obama Administration Takes Historic Action on Climate Change/Clean Power Plan to protect public health, spur clean energy investments and strengthen U.S. leadership

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【中国】脱化石燃料政策は、環境面だけではなく雇用創出にも好影響

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   石炭消費の抑制を推進する中国のNPO、The China Coal Cap Projectは3月26日、中国のCoal Cap Policy(石炭消費抑制政策)はより多くの雇用創出につながるとする研究結果を発表した。同研究は、中国で来年から始まる第13次5ヵ年計画において石炭消費抑制政策を打ち出すことにより、中国の雇用市場にもたらされる恩恵を分析したものだ。  中国都市学・環境学研究所の所長を務めるPan Jiahua教授は「同政策が実施されれば、エネルギー効率化、クリーンエネルギー分野における雇用創出は石炭産業における雇用創出よりはるかに多い上、旧来の不安定な雇用の代わりに生み出される雇用は、良好な労働環境とより高度な技術を提供する」と述べた。  石炭消費抑制政策の実施は、特に電力業界に一番大きな変化をもたらすとされている。政策が実施されれば、石炭火力発電関連の雇用は減り、逆に風力・太陽・バイオマス・水力・原子力発電関連の雇用が増加することになるが、太陽・風力発電の設備工事・稼動・整備は多くの人員を要するため、同政策は電力業界全体における雇用増加につながるという。  また、エネルギー節約技術に関する新たな研究開発は多くのエネルギー効率化関連の専門職とサービス業の雇用を生み出す。同研究によれば、2020年までに、建設、鉄鋼、セメント産業が新たな石炭消費抑制基準に応じるために、それぞれ30万人、45万人、39万人の雇用が創出されるとしている。また、石炭消費抑制によりクリーンエネルギーの開発に巨額の投資が行われ、金融、コンサルティング、保険、教育、環境保護、メディアといったサービス産業に多くの利益をもたらし、結果として都心部、地方部ともに間接的な雇用創出が見込まれる。  反対に、中国および他国の過去の経験を分析した結果、石炭消費量と全体の雇用状況とは相関がないことが分かっている。これは石炭生産技術・効率の向上により、石炭消費抑制政策が実施されなかったとしても石炭生産における雇用市場が自然と縮小するためだという。  化石燃料から脱却し、クリーンエネルギーへの転換を進めることは、環境面はもちろん雇用にも大きな好影響をもたらす。新たな雇用の創出だけではなく、石炭採掘という劣悪で危険な労働環境から労働条件の良いクリーンエネルギー関連の仕事への転換が進むことで、雇用の量、質ともに向上するのだ。今やクリーンエネルギー推進大国として生まれ変わりつつある中国の政策動向からは今後も目が離せない。 【リリース原文】China’s Coal Cap Policy Will Increase Country’s Clean Energy Jobs 【団体サイト】Natural Resources Defense Council

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【国際】機関投資家ら、グリーンボンド市場の更なる透明性と規格化を期待

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世界的にグリーンボンド市場が大きな成長を見せ続ける中、サステナビリティ分野の国際アドボカシーNGO、Ceresの機関投資家ネットワークInvest Network on Climate Risk(以下、INCR)は2月10日、グリーンボンド市場の健全な成長に向けて投資家の期待をまとめた声明書"Statement of Investor Expectations"を公表した。同文書は、クリーンエネルギー融資や気候変動対策ソリューションなどについて、より継続性があり耐久性の高いグリーンボンド市場の枠組み作りを支援するためのものだ。 年金ファンドや保険会社、資産運用会社などグリーンボンドの主たる購入者となる機関投資家で構成されるINCRは、2014年1月に公表された"Green Bond Principles"(グリーンボンド原則)への支持を表明していたが、今回の声明ではさらに以下4つの点に取り組むことで、グリーンボンド原則をより強固なものにすることを目指している。 「グリーン」プロジェクトに関する一般的な基準を含む適格化 債券発行時に、資金の使途やその他の行動に関する情報開示 資金の使途やプロジェクトの影響、効果に関する報告 独立した保証 いずれのポイントもグリーンボンド市場の信頼性、透明性を担保し、投資家が安心してグリーンボンド市場に参加できるようにする上でとても重要な点となる。 2030年までに世界のクリーンエネルギー投資を毎年1兆USドルずつ拡大することを目指すClean Trillionキャンペーンを昨年に開始したことでも有名なCeresのInvestor Programsで役員を務めるDirectorのChris Davis氏は「グリーンボンドは、我々が喫緊で必要としているクリーンエネルギーソリューションのための重要な融資メカニズムであり、市場の成長や誠実性は、より明確な基準を通じて実現されるだろう」と語った。 また、チューリッヒ保険グループのCIO(最高投資責任者)を務めるCecilia Reyes氏は「強固な基準や明確な情報開示は、グリーンボンド市場の更なる発展に向けて非常に重要な点であり、我々は投資家らに自らの期待を述べるための場所を提供しているINCRの取り組みを歓迎する」と語った。 Ceresは先日公表した"2014 Clean Trillion analysis"の中でも低炭素経済を実現する10のドライバーの1つとしてグリーンボンドを挙げており、クリーンエネルギーへの民間投資を更に加速させることが期待されている。 INCRのグリーンボンドワーキンググループの一員でもあり、教職員向け年金基金として全米1位の運用規模を誇るCalSTRS(カルスターズ:カリフォルニア州職員退職年金基金)のCEOを務めるJack Ehnes氏は「グリーンボンドのアクティブ運用者であり、868,000人のカルフォルニア州の教職員およびその家族の退職年金の受託者として、カルスターズはこの投資家による指針がより強固で信頼性の高いグリーンボンド市場、そして気候変動リスクに対応したクリーンエネルギーソリューションへの融資に貢献すると信じている」と語った。 さらに、世界銀行の役員を務めるHerrera-Pol氏は「2008年に世界銀行がグリーンボンドを最初に発行して以来、グリーンボンド市場の成長を促進してきた。このCeresが主導する投資家らによるイニシアチブは、投資家と債券発行者の建設的な対話の素晴らしい一例だ。これはグリーンボンド市場にとって正しい方向への更なる一歩となる」と語る。 より多くの投資家が自身の期待を声にして明確に伝えることは市場の健全な発展のためにとても重要であり、またそれは債券発行者がグリーンボンドから得られる利益の拡大にもつながる。グリーン債券市場の成長に伴い今後さらなる透明性向上や規格化が推進されることが期待される。 【リリース原文】Investors Encourage Further Transparency, Standardization to Spur Green Bond Market Growth 【団体サイト】Invest Network on Climate Risk 【団体サイト】Ceres

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【アメリカ】カルフォルニアの3大電力事業者、Green-e Energy認証済の電力を提供へ

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再生可能エネルギーの取り組みにおいて常に全米をリードしてきたカルフォルニア州が、また一つ大きな決断を下した。カリフォルニア州のCPUC(California Public Utilities Commission:公共事業委員会)は2月6日、"Green Tariff Shared Renewables Program"を承認した。この制度により、カリフォルニアの企業および3800万人の住民は、再生可能エネルギー由来であることを保証された電力をはじめて購入することができるようになる。 同制度は、カリフォルニア州の電力供給の8割を担っている3大事業者、パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック社、南カリフォルニア・エジソン社、サンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック社に対し、100%Green-e Energy認証済みの再生可能エネルギーを購入するという選択肢を顧客へ提供するよう求めるものだ。Green-e Energy認証は再生可能エネルギー利用を推進している米国のNPO、Center for Resource Solutions(以下、CRS)が提供している認証制度で、利用する電力が再生可能エネルギーから生成されていることを保証するものだ。 また、同制度では所得水準に関わらず全ての顧客がカルフォルニア州の現在定めている目標(2020年までに電力販売量の33%を再生可能エネルギーにする)を上回る量の電力が購入できるように、電力事業者に対して幅広い選択肢を用意するよう求めている。 今回のCPUCによる承認は、2013年の9月にカリフォルニア州上院が可決した法案”Green Tariff Shared Renewables Program”の実行に向けた第一歩となる。同法案では電力会社3社に対し、州の掲げる再生エネルギー利用目標(33%)を上回る電力提供プログラムを開発するよう求めていた。 今回の発表に当たり、CRSの事務局長を務めるJennifer Martin氏は「カルフォルニア州は、週全土の人々や企業に対して再生可能エネルギーを利用するという選択ができるようにしたことで、引き続き全米をリードし続ける。今回の決定により、増加しつつある再生可能な電力への需要はすぐに満たされ、さらに新たな再生可能エネルギー開発にも拍車がかかるだろう」と語った。 カリフォルニア州の知事を務めるJerry Brown氏は2015年1月の就任式で2030年までに電力の再生可能エネルギー比率を50%に高めるという目標を発表するなど、同州は全米の中でも特に先進的な環境政策を進めていることで知られている。今回の制度により地元企業や商店、消費者らによる再生可能エネルギー電力の購入が進めば、50%という目標もさらに現実味を帯びてくる。 【参考サイト】California Directs State's Largest Utilities to Offer Green-e Energy Certified Green Power Programs 【団体サイト】Center for Resource Solutions

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【IT】グリーンピースの巨大な影響力〜アマゾン、アップルがクリーンエネルギー推進へ転換〜

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 急速に拡大するウェブサービス業界。最近ではソーシャルネットワーキングサービス、クラウドサービスが日常的に家庭やオフィスで活用されるようになってきました。次々と新たなウェブサービスが生まれる一方、サステナビリティの文脈でウェブサービスの事例が取り扱わることはあまり多くありませんでした。サステナビリティのニュースで大きく取り扱われてきたのは、原材料の安定供給に勤しむ食品業界、製造現場での人権問題対応に追われる製造業、スチュワードシップ・コードなどで関心が高まる金融業界。ステークホルダーとの価値媒体が「データ」となっているウェブサービス業界は、ESG(環境・社会・ガバナンス)のトレンドとはやや疎遠であるような印象がありました。しかし、いま、米国ではこの状況が大きく変化しつつあります。  ウェブサービス業界とサステナビリティ。この両者を結びつける火付け役を果たしたのは、国際NGOのグリーンピース。オランダ・アムステルダムに拠点を置くグリーンピースは、環境保全・自然保護のために、時には過激とも思われる手法をも用いて行動をすることで知られており、日本でも2001年に捕鯨船をめぐるトラブルで有名になりました。今では、32ヶ国に拠点を置き、国やグローバル企業が無視できないほどの強大な影響力があります。数あるグリーンピースの世界的キャンペーンの中で、彼らが2012年に開始したのがウェブサービス業界に対するネガティブキャンペーン、テーマはウェブサービス業界の事業の根幹である通信機器を動かすための電力エネルギーです。  2012年4月、グリーンピースは"How clean is your cloud?"というレポートを発行、アマゾン、アップル、デル、フェイスブック、グーグル、HP、 IBM、マイクロソフト、オラクル、Rackspace、セールスフォース、ツイッター、ヤフーというアメリカを代表するウェブサービス企業14社の使用電力の環境配慮を独自評価し、成績の悪い企業に対する厳しい追及をスタートさせます。 (出所:Greenpeace "How clean is your cloud?")  14社の使用電力のクリーン度合いを測る上で、グリーンピースが用いた評価軸は以下の5つです。 事業で使用する全電力の石炭火力発電及び原子力発電依存度 エネルギーに関する情報開示度 事業所所在地選定におけるエネルギー要素考慮度 エネルギー効率と温室効果ガス排出量 再生可能エネルギー投資額および政策提言度  結果、評価が低かったアップル、アマゾン、マイクロソフトに対し、グリーンピースはネガティブキャンペーンを世界的に展開していきます。  ドイツでは、グリーンピースのメンバーが、化石燃料をイメージした黒い風船を持ち、アップルストアに押しかけました。  ルクセンブルグでは同様に、煙をイメージした白い風船を掲げ、アマゾンに警鐘を鳴らす広告を打ち出しました。  他にもオンライン上やリアルな場で、グリーンピースは強烈なキャンペーンを展開していきました。  いち早く反応を示したのはアップル。グリーンピースのレポート発表直後からアップルとの議論の応酬が始まりました。まず、レポート発表の5日後、アップルがNew York Times紙を通じて反論、レポートが報じた同社の電力消費量が実際より多く試算されていること、また同社の新設データセンターでは再生可能エネルギープロジェクトを進めていることを強調します。しかし、グリーンピースは同日、アップルのデータ開示の透明性が低いことや再生可能エネルギー割合を増やす努力が足りないことを理由に、キャンペーンを継続させる宣言をグリーンピースのホームページ上で行います。その1か月後、ついにアップルはグリーンピースの要求に沿うような形で、全米4ヶ所にあるデータセンター全ての電力を再生可能エネルギーで調達する方針を宣言します(Wired紙)。  その後もアップル、アマゾン、マイクロソフトに対するグリーンピースの糾弾は約1年間続き、WEBサービス各社は対応を余儀なくされる状況へと移っていきました。再生可能エネルギーへのコミットメントを標榜したアップルは2013年3月、データセンターの電力調達を100%再生可能エネルギーで賄うための具体的なプランを公表(GreenpeaceのHP)。一方、グリーンピースから悪くない評価を得ていたグーグルも再生可能エネルギーへのコミットメントを先手を打って高めていきます。2013年4月、グーグルは、自社電力消費量の再生可能エネルギー割合を高めるため、100万米ドルを投じて風力発電所と太陽光発電所を設置することを発表し、さらに電力調達元であるDuke Energy社に対して再生可能エネルギー割合を高めるよう要求することを公表します(GoogleのHP)。こうして、グリーンピースによるレポート発表を契機に、アメリカのWEBサービス企業の再生可能エネルギーに対するコミットメントは大きく高まっていきました。  2014年10月には、マイクロソフトは、シーメンス社と共同で自社データセンターの付近でバイオガス発電所を設立する計画を発表(シーメンス社のHP)。そして、2014年11月。長らく沈黙を守ってきたAmazonもついに公式発表を行い、時期は言明しないながらもAmazonのクラウドサービス(AWS)の消費電力をグローバルで100%再生可能エネルギーで調達する方針を宣言しました(Environmental Leader)。その数日後の2014年12月に、アップルが自社で進める再生可能エネルギー発電の第三者監査を推進するため、最近創設された再生可能エネルギーの認証制度"Green-e®"に第1号企業として加盟することを決定するという報道もありました(3BL)。  2012年4月にグリーンピースが仕掛けたクラウドサービスに対するネガティブキャンペーンは、当初はそのやや過激な手法から否定的な見解も表出しましたが、2年半経った今、グリーンピースが掲げた方向性に業界全体が向かっていることが見て取れます。今日、グローバル展開するウェブサービス企業は、自社の施設内に再生可能エネルギー発電設備を整備するのはもちろんのこと、国ごとの再生可能エネルギー推進状況を考慮してデータセンターの設置国を検討したり、電力事業者に対して再生可能エネルギー発電割合を高める圧力をかけるにまで至っています。日本企業はこの流れを対岸の火事のように傍観してもいられません。今回は主にシリコンバレーのグローバル企業が標的となりましたが、日本企業が海外での事業拡大を狙うのであれば、当然グリーンピースのターゲットリストの中に入ってくるということにもなります。再生可能エネルギーの発電コストが年々減少し、一方で化石燃料市場の価格が大きく変動する中、企業の長期的発展を勝ち取るのは、再生可能エネルギー投資を推し進めるシリコンバレーの企業なのか、はたまた電力供給を政府や電力事業者の方針に身を委ねる企業なのか。その答えは自明な気がしてなりません。

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2014/12/22 事例を見る
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