CDP

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CDPとは  CDPは、気候変動など環境分野に取り組む国際NGOで、2000年に設立されたプロジェクト「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト」がその前身となっています。カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトは、環境分野で活躍していたテッサ・テナント現CDP顧問、ジェレミー・スミス現CDP評議会委員、ポール・デッキソン現CDP議長やポール・シンプソン現CDP・CEOらが有志が、2000年に共同で開始。気候変動が企業に与える経営リスクの観点から、世界の主要企業の二酸化炭素排出量や気候変動への取組に関する情報を質問書を用いて収集し、集まった回答を分析、評価することで、企業の取組情報を共通の尺度で公開していくことを目指しました。カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトの大きな特徴には、企業の株主である機関投資家を巻き込んだことにあります。そのため、機関投資家が関心のある気候変動関連情報を収集、開示することに焦点を絞りました。  CDPは、2002年にはすでに機関投資家35社(運用資産総額4兆米ドル)からの支持を集めます。そして、2002年に第1回となる質問書の送付を、Financial Times Global 500に入っている世界の主要企業500社を対象とし実施しました。企業からの回答率は72%で、500社のうち223社(41%)は質問書に回答。20社(4%)は将来回答すると回答。39社(8%)は質問書への回答に代わりに企業の環境報告書を送付しました。このように肯定的な回答をしたのは53%でした。一方残りの47%のうち、141社(28%)は音沙汰なし、67社(13%)は回答しないと回答、10社(2%)は二酸化炭素排出量は重要なテーマではないという姿勢を示しました。こうして初回からある程度の回答を集め、貴重な一歩を踏み出したカーボン・ディスクロージャー・プロジェクトの当初の活動資金提供者は、世界自然保護基金(WWF)を始めとする米国、英国、フランス、オランダ、香港の財団9団体でした。  カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトは、その後毎年質問票の送付と機関投資家への情報開示、分析レポートの発表を続け、着実に影響力を大きくしていきます。昨年2016年の調査では、1,839社に質問書を送付し、1,089社が回答。回答率は約60%でした。またCDPの署名機関投資家数は2016年調査時点で827機関(運用資産総額100兆米ドル)にまで成長。欧米の主要なアセットオーナーや運用会社はほぼ全て署名しています。  日本では、2006年から質問書の送付を開始し、150社が送付対象となりました。2009年には対象を500社に拡大。2011年からは「FTSEジャパンインデックス」に該当する企業を基本として選定した500社(ジャパン500)に質問書が送られています。2016年度調査では、500社のうち261社が回答。回答率が初めて50%を超え52%でした。一方、S&P500構成企業が対象となっている米国での回答率は67%、Euro300が対象の欧州は88%、FTSE350が対象の英国は67%と比べるとまだまだ低い状況です。その他、中国は100社対象で回答率10%、韓国は200社対象で38%、インド200社対象で24%とこちらも回答率を伸ばして活きています。  CDPは、今やESG投資で、世界で最も参照されているデータの一つにまで影響力を拡大。2017年1月1日時点で、CDPの事務所は、本部ロンドンの他、ドイツ、フランス、イタリア、米国、フィンランド、ブラジル、インド、日本、中国、香港、オーストラリアに置かれ、世界全体をカバーしています。カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトは、活動領域を、当初の気候変動から、水や森林等の分野に拡大していくため、2013年に組織名称を「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト」の略称であった「CDP」に正式に変更し、現在に至っています。 現在の活動領域  CDPは現在「気候変動」「ウォーター(水)」「フォレスト(森林)」の3つを活動領域としています。それぞれの分野につてい、質問書に回答した企業に対し、最高位A、A-、B、B-、C、C-、D、D-、の8段階で評価がされます。 気候変動(CDP Climate Change)  2002年に開始されたCDPで最も古い老舗プログラムです。2016年度調査では、企業からの質問書回答は世界1,089社に達し、回答企業の時価総額を合計すると35兆米ドル(約4,000兆円)に達します。また1,089社の温室効果ガス排出量の総計は、世界全体の12%を占める量です。前述の通り、署名している機関投資家数も827にまで伸び、運用資産総額は100兆米ドルに上ります。日本でも2006年から質問書の送付が開始されており、現在261社が回答しています。 ウォーター(CDP Water)  2009年に開幕したCDPの2番目のプログラムで、2010年に調査が開始されました。2016年度調査では、1,252社に質問書が送付され、607社(48%)から回答がありました。日本では上場企業75社、非上場企業41社の合計116社から回答を得、回答率は63%です。この日本の回答率はカナダの66%に次いで世界2番目に高く、また非上場企業への質問書回答社数41は、米国の27社を大きく引き離し断トツの世界1位です。日本での水への関心とともに、気候変動の質問書に慣れてきた日本企業が水にもしっかり回答するという真面目さが伺えます。CDP Waterに署名している機関投資家数は643(運用資産総額67兆米ドル)です。 フォレスト(CDP Forests)  2012年に開始されたCDPの3番目のプログラムです。CDP Forestsは、もともと別の英NGOのGlobal Canopy Programme(GCP)が2009年から実施していた「Forest Footprint Disclosure Project」をCDPが統合する形でスタートし、初のレポートが2013年に発表されました。2016年度レポート時点で、CDP Forestsに署名している機関投資家数は365(運用資産総額22兆米ドル)です。CDP Forestsの質問書は、森林破壊の主たる要因として「木材」「パーム油」「畜牛」「大豆」の4つを定め、それぞれについて調査、分析を行っています。比較的新しいCDP Forestsは、質問書送付821社に対し回答社数も201と依然少なく、回答率も24%に留まっています。 その他のプログラム サプライチェーン(CDP Supply Chain)  2007年に開始されたプログラムです。CDPはそれまで質問書での調査対象を環境への影響の大きい大企業を対象としていましたが、このプログラムでは大企業のサプライヤーを対象としています。こうすることで、大企業の納品元企業にも情報開示を促していこうとしています。2016年度調査時点で、CDP Supply Chainの会員企業数は89社(総購買力2.7兆米ドル)で、会員企業はサプライヤーに対してCDP質問書を送付し、回答を求めます。2016年度は、サプライヤー8,180社に質問書が送られ、4,366社から回答がありました。質問書には、気候変動、水、森林に関する項目が含まれています。CDP Climate Change、CDP Water、CDP Forestsが機関投資家と企業の対話を促すためのものであるのに対し、CDP Supply Chainは、企業とサプライヤー間の対話を促すためのプログラムのため、機関投資家からの署名というものはありません。 都市(CDP Cities)  2011年に開始されたプログラムです。前述のCDP Climate Change、CDP Water、CDP Forests、CDP Supply Chainが企業を対象としたプログラムであるのに対し、このCDP Citiesのみは地方自治体を対象としています。当初は、気候変動対策に積極的に取り組む世界の主要40都市が集まるイニシアチブ「C40(世界大都市気候先導グループ)」との協働プロジェクトして発足。その後、CDPのフレームワークの中で自治体からの自発的な質問書回答を受け付けていくことになりました。ちなみにC40には、東京都、横浜市も参加しています。質問書では、自治体政府自身の二酸化炭素排出量と自治体区域での二酸化炭素排出量の双方の開示が求められます。2016年度報告では、世界533都市が質問書に回答しました。日本からは東京都、横浜市、名古屋市、岡山市、広島市の5自治体が回答しています。 参考サイト CDP Carbon Disclosure Project

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2017/02/20 辞書

【国際】CDP、環境規制への対応力がある自動車メーカーを発表。日本勢が上位。

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気候変動問題に取り組む国際NPOのCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)は2月5日、欧州、米国および中国市場に進出している大手自動車メーカーを温室効果ガス排出量削減への対応状況に基づいてランク付けした報告書、"No room for passengers: Are auto manufacturers reducing emissions quickly enough?"を発表した。 同報告書はCDPが保有する膨大な企業の環境データに基づきまとめられたもので、各自動車メーカーが製造する自動車の走行中の温室効果ガス排出量、次世代車両技術への取り組み、製造時の温室効果ガス排出量という3つの面から世界の自動車市場の売上の83%を占める自動車メーカー14社を評価している。 同報告書を見ることで、投資家は今後ますます環境規制の強化が予想される自動車業界の中でどの会社がもっとも恩恵を受け、どの会社が規制に対応できず苦戦するかについて判断できるようになっている。また、この調査結果ではランクづけに使用されている排出ガスの指標のウェイトが可視化されており、投資家が自身の都合で調節できるようになっている点も特徴だ。 CDPの議長を務めるPaul Dickinson氏は「世界の大手機関投資家はこれらの自動車メーカーの株式をポートフォリオに組み入れており、自動車メーカーの環境規制強化への対応と次世代車両技術への投資が、将来の機関投資家の財務パフォーマンスを左右する」と語った。 同調査結果のランキングおよび主な考察は下記の通り。 (※Japanese automotive companies take the lead in new CDP auto league as most prepared for stricter regulationより引用) 日本の自動車メーカーは自動車の走行中の温室効果ガス排出量削減や電池式電気自動車、プラグインハイブリッド車といった次世代車両技術の導入によりランキング上位を独占しており、日産、トヨタ、マツダがそれぞれ1位、2位、4位に輝いている。 タタ・モーターズは、CDPの調査への回答が不十分だった上に次世代車両技術が未開発という点もあり最下位となった。 ゼネラルモーターズ、クライスラー、フォードは欧州および米国で規制に抵触し、重大な罰則を受ける恐れがある。その中でも、ゼネラルモーターズは税金支払前利益の33%に相当する13億ドルもの損失を被る可能性がある。 自動車メーカーの製造過程における温室効果ガス排出量(スコープ1・2)は総排出量の3%に過ぎない一方で、走行中の排出量(スコープ3)は75%にも上っている。 今回のCDPの調査で日本の自動車メーカーが環境への対応力で高く評価されたことは喜ばしいことだ。一方で、自動車業界は電気自動車のテスラやグーグルなど新たな企業も参入してきており、今後ますます競争が激化することが予想される。その中で成長を続けるには、いかに環境面において他社をリードし、各国の環境規制を味方につけられるかが鍵を握る。 【レポートダウンロード】No room for passengers: Are auto manufacturers reducing emissions quickly enough? 【団体サイト】CDP

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【国際】CDP、企業のサプライチェーンが抱える森林リスクに関するレポートを公表

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気候変動問題に取り組む国際NPOのCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)は11月11日、オーストラリアのシドニーで行われたAsia Pacific Rainforest Summitの中で、グローバルの森林破壊とサプライチェーンリスクに関する報告書、”Deforestation-free supply chains: From commitments to action”を発表した。 現在、世界の森林破壊の主たる要因となっているのは牛、パーム油、木材、大豆という4つの農畜産物に対する需要だ。これらのコモディティは食品から燃料にいたるまで様々なセクターを越えた無数のサプライチェーンで取り扱われている。その結果、森林破壊は気候変動の主たる要因として温室効果ガス排出量の約10-15%を占めているという。これは運輸セクター全体の温室効果ガス排出量に匹敵する量だ。この10年間で世界の森林は毎年1,300万ヘクタールずつ失われており、産業界は早急に商品とコモディティと森林破壊、気候変動の関係を断ち切る必要性に迫られている。 CDPは現在過去6年分の企業の森林リスクデータを保有しており、合計15兆ドルの運用資産を持つ240の機関投資家に代わり、企業に対して森林リスクに関する情報開示を要請している。 今回CDPが発表した報告書は、Asia Pulp & PaperやCargill、Unileverなどを含む世界中の152企業の森林リスクに関する情報開示状況を分析している。CDPは、企業はサプライチェーンにおける森林破壊ゼロにコミットすることは自社を気候変動リスクから守る上で最初のステップだということを理解している一方で、コミットメントから具体的な行動にいたるまでには未だに課題が多いと指摘している。報告書の主な内容は下記の通りだ。 リスク認識と具体的なアクションとの間に一貫性がない:コモディティおよびサプライチェーンの双方を通じて、企業はリスクと機会の評価と行動との間に一貫性を欠いている。例えば、大豆製造企業の83%は大豆のリスクを認識していても、その事業上のリスクを特定している企業はわずか35%しかない。 企業は森林破壊対策に機会を見出している:未だ多くの企業は森林リスクに対する全体戦略を用意できていない一方で、CDPの森林データは、約90%の企業が少なくとも1つの森林リスクを含むコモディティの持続可能な調達に関する機会を特定している。 森林リスクの対処に失敗する企業は競合優位性を失う:CDPフォレスト・プログラムを通じて企業に情報開示を要求する投資家の署名数は30%増加しており、投資家からの森林リスクに関する関心はますます高まっている。 同報告書の発表を受けて、Hermes Investment ManagementのHead of UK Engagementを務めるFreddie Woolfe氏は「Hermesのような長期志向の機関投資家にとって、気候変動は構造的かつシステマティックな形で我々の投資している市場に影響を及ぼしているという意味で、我々のポートフォリオの価値の根幹をなしている。我々は、企業に森林破壊に対する強いコミットメントをさせ、彼らのサプライチェーンから持続不可能な事業慣行を取り除くように働きかけていく」と語った。 Woolfe氏のコメントにあるように、今後は気候変動に関連してサプライチェーンにおける森林リスクについても投資家やステークホルダーからの情報開示要求がますます高まっていくと予想される。森林破壊の主要因となっているコモディティと深い関わりを持つ企業にとっては、自社のサプライチェーンが抱えるリスクをどう管理し、新たな機会に変えていけるかが重要となる。 【レポートダウンロード】Deforestation-free supply chains: From commitments to action 【参照リリース】Deforestation in supply chains leaves business exposed 【団体サイト】CDP

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