【アメリカ】モルガン・スタンレー研究機関、インクルーシブ成長を後押しする投資分析ツールを公開

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 モルガン・スタンレー持続可能な投資研究所は5月19日、英エコノミストの調査会社エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)と共同で、投資家向けに、各国のインクルシーブ・ビジネス投資機会を評価、ランキングしたレポート「Inclusive Growth Opportunities Index」を発表した。同レポートでは、世界20ヶ国を対象に、6つの観点からインクルシーブな経済成長に向けた投資機会があるかを分析。ランキング付を行った。同時に、詳細データを閲覧できるエクセルツールも公開した。  同レポートが対象としたのは、経済成長の中で格差が大きな社会問題となっている、英国、オランダ、ポーランド、米国、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、中国、韓国、インド、バングラデシュ、インドネシア、オーストラリア、トルコ、サウジアラビア、ケニア、ナイジェリア、ルワンダの20ヶ国。これらの国を「インクルーシブ成長の需要」「インクルーシブ成長を可能にする環境」「技術やインフラ環境」「一般的なビジネス環境」「現在の投資動向」「金融リスク」の6つの観点で評価。20カ国のランキング付を行った。  発表されたランキングは2種類。6観点の評価からバランス良く総合評価を算出した(Base Ranking)のものと、インクルーシブ成長を強く後押ししたい投資家向けに「インクルーシブ成長の需要」等の配点を多くしたもの(Demand-centric Ranking)がある。Base Rankingでは、1位米国、2位オランダ、3位オーストラリア、4位英国、5位韓国となった。一方、Demand-centric Rankingでは、1位インド、2位米国、3位ルワンダ、4位メキシコ、5位トルコという結果となった。  インクルーシブ・ビジネスやインクルーシブ成長という概念は、近年その重要性を増している。ESG投資が広がるに連れ、資本主義という仕組みを通じて環境や社会を改善する展望は見えてきたが、格差の問題に対してはまだ明確な打ち手が見えていない。移民問題や社会不安が高まる中、取り残された「格差」の問題に対して、ソリューション開発の必要性が叫ばれている。  今回モルガン・スタンレー持続可能な投資研究所が発表したレポートは、この問題に対し、インクルーシブ成長を促す投資先を発掘することをサポートとするため作成された。付随のエクセルツールを用いることで、レポート以上に細かいデータを、解説や地図を踏まえながら閲覧してくことができる。とりわけレポートでは、格差是正にはテクノロジーが有効なソリューションとなる考えに立ち、投資家が技術関連企業に投資することでインクルーシブ成長を加速さえる国を発見できるよう設計されている。 【参照ページ】Morgan Stanley and The Economist Intelligence Unit Release New Index to Support Investment in Inclusive Growth

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【国際】G20労働雇用大臣会合、インクルーシブ・ビジネスに向けた共同宣言を採択

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 ドイツのバート・ノイエンアールで5月18日から19日にかけて開催されたG20労働雇用大臣会合は5月19日、共同宣言「インクルーシブな未来に向けて」を採択した。インクルーシブ(Inclusive)とは、近年「インクルーシブ・ビジネス」という用語で語られており、貧困層の人々を消費者、生産者、流通者などビジネスのバリューチェーンの中に包摂していくという動き。共同宣言では、世界経済が地球上の全ての人のもとで繁栄していけるよう、インクルーシブな経済成長を促す雇用政策や経済政策を実施することを謳われた。  共同宣言は、技術の変化、デジタル化、グローバリゼーション、地理的なシフト、労働への期待の変化などが、雇用市場を大きく変化させているとともに、新たな機会と課題を生み出してていると認識。そのため、G20諸国に対して、スキル開発、社会保障、適切で公平な雇用条件や人材配置に関する社会との対話、地域プログラムの展開、持続可能な企業などの分野で具体的な政策を打ち出していくことを求めた。  ILO事務総長は、その中でも、ドイツとノルウェーが強く推進しているサプライチェーン上の労災ゼロを目指す基金「ビジョン・ゼロ・ファンド」の活動を高く評価。同基金は、G7から生まれた活動の一つで、2016年6月から2020年6月まで運営される。  その他、男女平等、ディーセント・ワーク、移民の労働問題などについても意見が交わされた。 【参照ページ】G20 agrees on policies to shape the future of work for inclusive growth and development

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【アジア】CSRアジア、オックスファムと共同でレポート「インクルーシブビジネスを通じたCSV」を公表

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 CSRコンサルティングのCSRアジアは3月19日、貧困問題に取り組む国際NGOのオックスファムとの共同研究の一部として、インクルーシブビジネスを通じてCSV(共通価値創造)を実現する方法についてまとめた報告書、"Creating Shared Value Through Inclusive Business Strategies"を公表した。  今、世界では人口の3分の2が貧困層に属しており、彼らの多くは必要最低限のサービスさえ受けられないでいる。彼らが独力で自らの経済的困難を打破するのは非常に困難な場合が多い。企業は雇用創出やサプライチェーンを通じて貧困にあえぐ人々の苦難を軽減することができるが、今、企業にはそれだけではなく、貧困層の人々を自社のバリューチェーンに巻き込みながら共に発展していくという事業の在り方、インクルーシブビジネスが求められている。  そしてその根幹となるのが「共通価値創造(CSV)」の考え方だ。CSVは事業として成り立つ形で社会的課題を解決することを目指しており、企業に対してグローバル課題の解決、開発への貢献をしながら競争力を高める機会を提供する。CSVは事業の成長、生産性の向上、収益と新たな機会の創出と同時に、貧困にあえぐ人々に収入をもたらし、さらには持続可能な技能やテクノロジーの導入により、環境と資源の保全も実現する。  CSRアジアの代表を務めるRichard Welford氏は「効果的なインクルーシブビジネス戦略は、貧しい人々や社会的弱者に経済的便益をもたらすだけではなく、企業のバリューチェーンの競争力を高める」と語る。  同レポートはインクルーシブビジネス戦略を通じていかにCSVを実現するかを解説しており、また、インクルーシブビジネス戦略の導入に関心を持つ企業が実行するべき、実践的なロードマップを提示している。また、発展途上国で実践されているインクルーシブビジネスの実例も数多く紹介されている。  「CSVアプローチの大きなメリットは、取り組みが自然と拡大していく点にある。企業は社会的ニーズに取り組めば取り組むほど、そのぶん利益は増加する」とWelford氏は語る。  レポートではインクルーシブビジネスによって共通価値を創造する方法は一つではないと結論付けた上で、バリューチェーンの性質を見極め、貧しい人々に利益をたらす援助方法を注意深く設計することが重要だとしている。  インクルーシブビジネスは、急速な経済発展とそれに伴う環境破壊や貧困格差などが深刻化しているアジアや中南米において、今もっとも注目されているビジネス手法の一つだ。発展途上国で事業を展開している企業にとっては同レポートで提示されているフレームワークや事例が多いに参考になるはずだ。レポートは下記からダウンロード可能。 【レポートダウンロード】Creating Shared Value Through Inclusive Business Strategies 【企業サイト】CSR Asia

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インクルーシブ・ビジネス(Inclusive Business)

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インクルーシブ・ビジネスとは?  インクルーシブ・ビジネスは、2005年にWBCSD(World Business Council for Sustainable Development:持続可能な開発のための経済人会議)によって唱えられた概念で、ビジネスのバリューチェーンの中に地域社会で暮らす人々(主に貧困層)を消費者、顧客、取引先、起業家などとして巻き込み(インクルードし)ながら、事業の発展だけではなく雇用の創造や所得水準の上昇などを通じてコミュニティ全体の発展を図るビジネスの手法のことを指します。主に発展途上国におけるBOP(Base of the Pyramid)層を対象としたビジネスにおいて用いられます。 UNDP(国連開発計画)のWebサイトではインクルーシブ・ビジネスを下記のように定義しています。 開発途上国の貧困層の人々を消費者、生産者、被雇用者、起業家などとしてビジネスのバリューチェーンに取り込み(=インクルーシブ/包括的)、現地で雇用や商品・サービスを生み出すことによって、貧困層の人々の選択肢の拡大と企業の事業機会の拡大を同時に実現するビジネス  インクルーシブ・ビジネスは発展途上国における持続可能なビジネスモデルの形態として近年注目を浴びており、大企業らが現地コミュニティの中小企業やNPOらと連携しながらコミュニティの発展と事業開発の実現を同時に目指す事例が増えてきています。  インクルーシブ・ビジネスにおいては、地域社会の貧困層の人々は様々な形でビジネスのバリューチェーンに参画し、恩恵を受けることができます。インクルージョンの代表的なパターンとしては主に下記の4パターンが挙げられます。 サプライチェーン 雇用 製品・サービス 流通チャネル  例えば、従業員やサプライヤーとして参画することで新たな収入機会や金融機関へのアクセスを得ることもあれば(就労支援トレーニングなども含まれる)、低価格に設定された商品・サービスを通じて消費者として直接の恩恵を得ることもあります。また、女性の自立支援を目的とした起業家支援プログラムを展開することでスキル及び資金の双方を提供し、ビジネスが発展するうえで重要となる流通インフラの整備などを実施するケースなどもあります。  インクルーシブ・ビジネスのモデルが上手く機能し出すと、貧困層の人々は新たな機会やスキルを基にして収入を増やすことができ、結果として更なる投資や教育などを通じて貧困の罠から抜け出すことができるようになります。 インクルーシブ・ビジネスの課題  上記のようにビジネスを通じて地域社会に様々な恩恵をもたらすことができるインクルーシブ・ビジネスですが、成功のためにはいくつかの課題も存在しています。代表的な課題としては下記が挙げられます。 投資対効果に対する組織内部からの批判 ビジネスインフラなどの外的要因 地域社会からの信用 投資対効果に対する組織内部からの批判  インクルーシブ・ビジネスはコミュニティへの投資と共にビジネスが発展していくビジネスモデルなので、収益性の観点では長期的な視点で評価をする必要があります。そのため、事業開発にあたっては財務、ソーシャルインパクトの双方に置いて予め長期的な視点を織り込んだ上でKPIや目標の設定を実施しないと、事業としての投資対効果について組織内部からの批判が出る可能性もあります。一方で、インクルーシブ・ビジネスにおいてはバリューチェーン全体において地域社会と深く関わり合っていくことが求められますので、短期間での撤退などはかえって逆効果となる可能性もあり、事業の開発にあたっては慎重な計画の策定が求められます。 ビジネスインフラなどの外的要因  インクルーシブ・ビジネスが主な対象としている発展途上国の貧困エリアにおいては、ビジネスを発展させる上で最低限必要となる道路や交通手段、下水道や住宅といったインフラすら整っていないことも多く、本来は行政が提供するべきインフラが存在していないことが事業上の大きな課題になるケースがあります。 地域社会からの信用  インクルーシブ・ビジネスを成功させる上で鍵を握るのは、いかに地域社会の住民や地元の中小企業、NPO・NGOらと発展的な信頼関係を構築することができるかという点です。地域社会の中には利益至上主義の多国籍企業に対して不信感を持っている人々がいるケースも多いので、そうした人々と関わり合い、共に協力関係を築いていくためにはやはり時間がかかります。また、本当に信頼できるNPOや地元企業と連携できるか、という点も非常に重要となります。 インクルーシブ・ビジネスに関わる国際的な団体  インクルーシブ・ビジネスを推進している代表的な団体としては、国連が2008年に開始したイニシアチブ、BCtA(Business Call to Action)が挙げられます。BCtAは、国連の掲げるミレニアム開発目標の実現に向けてグローバル企業らによるインクルーシブ・ビジネスモデルの開発を支援しており、現在では100を超える企業がこのイニシアチブに参画しています。  また、UNDPはGIM(The Growing Inclusive Markets)というマルチステークホルダーによる調査研究・アドボカシーを主としたイニシアチブを展開しており、40ヶ国、110以上に及ぶインクルーシブ・ビジネスの事例研究をまとめたCase Studies Bank、世界のあらゆる地域で展開されている1,100以上のインクルーシブ・ビジネスモデルをまとめたデータベースなどを提供しています。 参考サイト・文献 Business Call to Action UNDP Growing Inclusive Markets WBCSD Inclusive Business Perspectives

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2015/02/04 辞書

【1/27 セミナー・東京】CSRアジア東京フォーラム2015が開催!

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アジア各国で開催されているCSRアジアのフォーラムを今年も東京で開催します。今年のメインテーマは「アジアにおけるCSV(共通価値の創造)の実践」。持続可能なビジネスを実践するためにはCSVの概念をビジネスに取り入れ、それを実践していくことが必須です。 本フォーラムでは先進企業の事例を紹介しつつ、どのようにCSVを実践し、企業が社会課題の解決に取り組めるかについて実際に役立つ情報を提供します。CSVに関連してインクルーシブ・ビジネスやインドネシアのCSR専門家による事例発表、さらにアジアのサプライチェーン管理、CSRのグローバル展開など、アジアでCSRを進める上で欠かせない様々な主要トピックも取り上げます。 多くのみなさまのご参加をお待ちしております。 開催概要 日時:2015年1月27日(火) 10:00~17:00 (9時45分受付開始) 場所:飯田橋レインボービル1階会議室 (東京都新宿区市谷船河原町11) アクセス: JR飯田橋駅西口下車5分 有楽町線/南北線「飯田橋」駅から徒歩5分 東西線/大江戸線「飯田橋」駅から徒歩9分(地下鉄はB3出口) 地図はこちらから 参加費:21,600円(消費税込)*昼食、資料代が含まれています。 定員:100名(先着順) 登壇者: ミン・ヒギョン氏 (韓国CJコーポレーション副社長兼CSV担当役員) パトリック・シルボーン氏(グローバルファンド 世界エイズ・結核・マラリア対策基金 民間セクター連携部長) 岸本吉浩氏(東洋経済新報社CSRデータ開発チーム『CSR企業総覧』編集長) 袴田淑子氏(株式会社ニコン経営戦略本部 CSR推進部長) ビクトリア・ボーラム氏(株式会社LIXIL グローバルCSVディレクター) 三本松真広氏(株式会社バンダイ プロダクト保証部品質マネジメントチーム サブリーダー) ジャラール(A+ CSRインドネシア共同創設者、CSRアジア インドネシアパートナー) リチャード・ウェルフォード(CSRアジア会長) 登壇者のプロフィール及び当日のプログラムはこちらからダウンロードいただけます 主催:CSRアジア 後援:株式会社 東洋経済新報社 特別協力:グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金) 日本国際交流センター 協力:CSR JAPAN 野村ホールディングス株式会社 富士ゼロックス株式会社 英語での講演には、英日の同時通訳がつきます。 お申込み方法 こちらをクリックし、専用フォームに必要事項をご記入の上、送信してください。後日、ご請求書を郵送致します。お振込みをもちまして、ご参加登録とさせていただきます。(受講証は発行致しません)

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【アフリカ】NOTS Impact Enterprises、アフリカのオフグリッド・ソリューションを拡大へ

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アフリカにはまだ送電系統が行き届いていない地域が多く存在する。こうした地域に再生可能エネルギーを活用した革新的なオフグリッド・ソリューションを提供しているのが、NOTS Impact Enterprises(以下、NOTS)社だ。オフグリッドとは送電系統とつながっていない自給型電力システムのことで、太陽光エネルギーなどを活用して発電する。 NOTSはマッキンゼー・アンド・カンパニー出身の起業家、Bart Hartman氏が2003年に設立した企業で、現在はアフリカで再生可能エネルギーを中心にインクルーシブ・ビジネスを展開している。インクルーシブ・ビジネスとは、開発途上国に暮らすBOP層の人々を、消費者や生産者、従業員、サプライヤーなどとして事業のバリューチェーンに取り込み(インクルードし)ながら、コミュニティ開発とビジネスが両立する形で進めていくビジネスの形態を指す。 同社は6月23日、企業のインクルーシブ・ビジネス・モデルの開発を支援しているグローバルイニシアティブ、Business Call to Action(以下、BCtA)への参加を発表した。NOTSはアフリカのオフグリッドエリアにおける照明の確保と木炭製造を2025年までに持続可能なものとすることを目指して既にマリとルワンダで活動を始めているが、今後はBCtAの会員としてサハラ以南の地域にもその活動を広げていく予定だ。 アフリカの僻地エリアにも電力を供給するという壮大な目標にチャレンジするために同社が提供しているのは、「Blue Power」と「Blue Charcoal」という2つの革新的なソリューションだ。「Blue Power」は太陽光を活用したソーラーランプで、2011年に、最初にオフィスが開設されたマリから販売が始まった。また、「Blue Charcoal」はADAM resortという高効率で持続可能なオーブンを利用して製造される木炭で、Blue Powerの販売開始後すぐに、地元コミュニティの協力のもと、製造がスタートした。 NOTSは2014年の初めには同社の2つ目となるオフィスをルワンダに開設しており、現在までに既に同国内においてソーラーランプおよびサステナブルな木炭を提供する最大手企業へと成長している。2016年までにアフリカ大陸においてBlue Powerを20万個、Blue Charcoalを1500パッケージ販売することを目指している。 BCtAで活動プログラムマネジャーを務めるSahba Sobhani氏は、「NOTSのような企業がBCtAに参画してくれることはとても重要だ。特に彼らのユニークなビジョンやアプローチは、今まで手が届かなかった地域に対して持続可能かつリーズナブルなエネルギーへのアクセスを提供することになる」と語り、同社の事業を高く評価する。 また、NOTSの創設者、Bart Hartman氏は「NOTSはBOP層の人々が最も必要とするエネルギーへのアクセスを提供することを目標としており、人々の生活に変化をもたらし、環境を改善し、さらに投資家を魅了する商品を提供することにコミットしている」と語る。 同社は現在までに40万人近くの人々の生活を改善させると同時に、30トン以上の炭素排出削減にも成功しているが、今後も、政府やNGO、民間企業との協力を強化しながら他の地域においてもBOPビジネスを展開していく予定だ。ぜひ今後の動きに期待したい。 【企業サイト】NOTS Impact Enterprises 【参考サイト】Business Call to Action

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