【アメリカ】IBM、プラスチックのケミカルリサイクル新技術「VolCat」発表。分別回収や洗浄が不要

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 IT世界大手米IBMは2月11日、ペットボトル・プラスチックをケミカルリサイクルする新技術「VolCat」を発表した。従来のリサイクル技術とは異なり、洗浄や分別が不要な上に、従来品より高品質のポリエチレンテレフタレート(PET)を再生産できる。  従来のリサイクル技術は、「マテリアルリサイクル」と呼ばれており、回収したペットボトルを分別、洗浄して異物を取り除いた後に、物理的に粉砕し、それを素材して再生ペットボトルを製造するというもの。しかし物理的に粉砕するため、PET分子が傷つき、質の低いPET素材しか製造できない難点があった。そのため、マテリアルリサイクルで作られたプラスチック素材は、単独では用いることができず、新しい素材(バージン素材)と混ぜることでしか活用できない。  しかし、ケミカルリサイクルでは、回収したペットボトルを、触媒を用いて化学的に分解できるため、PETの品質が損なわれない。また、触媒がプラスチック高分子を自動的に分解し吸着するため、洗浄やプロセスしなくてもよい。  プラスチック・リサイクルの機運が高まる中、世界的にケミカルリサイクル技術の開発及び商用化に向けたコスト削減が進んでいる。IBMが開発した「VolCat」も、洗浄・分別費用が抑えられることでのコスト削減と、エネルギー消費を抑えられる触媒開発によるコスト削減で、商用化の見込みがついてきているという。 【参照ページ】IBM Researchers Develop Radical New Recycling Process to Transform Old Plastic

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【アメリカ】シェブロン、気候関連対応開示を更新。経営陣と従業員の給与評価をCO2削減を導入

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 エネルギー世界大手米シェブロンは2月7日、2018年3月に発表した気候変動対応の内容を更新したと発表した。背景には、機関投資家や他のステークホルダーとの対話があったことを明らかにした。経営陣とほぼ全従業員の人事評価の一つとして二酸化炭素排出量削減に関する指標を導入し、給与と連動させること等が柱。  シェブロンが2018年3月に公表した気候変動対応フレームワーク「Climate Change Resilience: a framework for decision making」では、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の内容に則り、「指標と目標 c)」の「組織が気候関連リスク及び機会を管理するために用いる目標、及び目標に対する実績について説明する」を除いた全項目について情報開示している。シナリオ分析についても、国際エネルギー機関(IEA)の「New Policies Scenario(NPS)」と「Sustainable Development Scenario(SDS)」を用い、化石燃料需要のや価格への影響を分析した。  今回の更新では、ガバナンス、アクション・投資、指標の3つについての変更した。ガバナンスでは、2018年発表のフレームワークでは、同社の取締役会に設置された4つの委員会のうち、監査委員会、指名委員会、パブリックポリシー委員会の3つについては気候変動ガバナンスの観点で果たす役割を記載していたが、今回は残りの一つ報酬委員会についても役割を明確にした。その上で、報酬委員会の場で、「シェブロン・インセンティブ・プラン(CIP)」スコアカードを改定し、二酸化炭素排出量削減に関する指標を経営陣とほぼ全従業員の人事評価の一つに組み込むことを決定したことを明らかにした。指標に用いる目標としては、2023年までに2016年比でガスフレア排出量を25%から30%削減及びメタンガス排出量を20%から25%削減。  またガバナンス改革では、経営会議の下部委員会である「Enterprise Leadership Team(ELT)」と「Global Issues Committee (GIC)」に加え、新たに「ESG engagement team」を設置したことを発表。同委員会は、TCFD、SASB、及びESG評価機関のESGスコアに関連する内容を投資家及び他のステークホルダーと対話するための部署。年間で50以上の投資家及びステークホルダーと協議することを目指す。  アクション・投資改革では、2018年に加盟した「石油・ガス気候変動イニシアチブ(OGCI)」に加え、同機関の投資イニシアチブ「OGCI気候投資」にも 加盟し、1億米ドル(約110億円)を出資すると明かした。同社はそれとは別に、同社の「シェブロン未来エネルギー・ファンド」を2018年に発足し、1億米ドル(約110億円)を投資しており、今回の発表で合計の投資額が2倍となる。 【参考】【国際】石油・ガス大手気候変動対応推進OGCI、米系3社が初加盟し合計13社に(2018年9月25日) 【参照ページ】Chevron Issues Update to Climate Report for Investors 【レポート】Climate Change Resilience: a framework for decision making 【レポート】Update to Climate Change Resilience: a framework for decision making

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【アメリカ】フェイスブック、従業員賞与をサステナビリティ項目の進捗結果に連動。短期経営批判受け

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 IT世界大手米フェイスブックは2月5日、従業員賞与の評価基準を「フェイスブックが直面する主要な社会課題についての進捗状況」に連動するよう設計し直す方針を、社内会議の中で表明した。2019年前半に実施する予定。従来、従業員賞与のパフォーマンス評価基準は、ユーザー数の伸び、売上、生産性向上等としていたが、社会課題に連動させることで、報酬設計を短期視点から長期視点に延ばす狙いがあると見られる。  賞与連動させる社会課題として設定する内容は、前週の決算発表の中で、ザッカーバーグCEOが発表。例えば、フェイクニュースや偽情報の拡散状況、データプライバシー、セキュリティ。他にも、顧客体験の改善、同社サービスを通じた小規模事業者支援、事業についての透明性の高い情報発信等がある。社会課題についての進捗状況の具体的な測定方法については公表されていない。  フェイスブックは過去1年、プライバシー問題等でブランドが大きく毀損した。しかし、前週に発表された売上と利益は予想以上に堅調だった。同社は、短期的な売上だけを重視してきたとの批判を受け、インセンティブをサステナビリティ観点の項目に変えていく。

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【アメリカ】民主党、グリーン・ニューディール下院決議案発表。再エネ100%転換等の気候変動対策

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 米民主党は2月7日、環境政策で米経済を成長させる「グリーン・ニューディール(Green New Deal)」下院決議案を発表した。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員と、エド・マーキー連邦上院議員が2018年11月に起草を開始し、民主党の連邦下院議員64名、連邦上院議員9名の支持を取り付けた。次期大統領選挙民主党予備選に出馬予定のエリザベス・ウォーレン、カーマラ・ハリス、カーステン・ギリブランド、コリー・ブッカーの各連邦上院議員も支持した。連邦下院は、民主党が多数派。  発表された「グリーン・ニューディール」決議案は、今後10年以内に国内電源を風力発電や太陽光発電のような二酸化炭素排出量ゼロの再生可能エネルギーに100%切り替えることや、交通手段の近代化、製造業及び農業での二酸化炭素排出量削減、住宅及び建物のグリーンビルディング化、土地保全の拡大等を通じた気候変動政策を大きく掲げた。  また、気候変動によって被害を受ける市民や、エネルギー政策の転換により失業のおそれのある労働者向けの経済保護政策も盛り込み、医療サービス保障、雇用創出、就業訓練等を強化する考え。  ニューディールは、フランクリン・ルーズベルト元大統領が世界恐慌から米国を救った経済政策に因んでいる。決議案は、法案ではないが、連邦議会の意思を示す「決議」での採択を目指すもの。  今回のグリーン・ニューディール政策は、もともとは連邦議会で議席ゼロの米緑の党が提唱したものだったが、2018年11月の米中間選挙の1週間後に、米環境NGOのSunrise Movementが民主党のナンシー・ペロシ連邦下院議長事務所に押しかけ、グリーン・ニューディールへの支持を要求。同日、29歳と議会内最年少のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員が、中間選挙で民主党が多数派となった連邦下院議会にグリーン・ニューディール特別委員会を設置する考えを表明。これにより、グリーン・ニューディール政策の存在が一気に米国中に伝わった。その後、民主党議員から相次いで支持が表明されていく。  これら民主党の動きには、国際環境NGOのグリーンピース、シエラクラブ、Friends of the Earth(FoE)、350.orgも賛同。12月10日には、Sunrise Movementが、ナンシー・ペロシ連邦下院議長、ステニー・ホイヤー連邦下院院内総務の事務所に詰めかけ、再度支持を訴えた。1月10日には、環境NGOを中心に600団体が連邦議会上下院に対し、気候変動対応のアクションを求める共同書簡を送付していた。 【決議案】Green New Deal Resolution 【共同書簡】Legislation to Address the Urgent Threat of Climate Change

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private 【アメリカ】「米製造業の62%がサーキュラーエコノミー型事業戦略に関心」ING調査

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 金融世界大手蘭INGは2月5日、米製造業300社にサーキュラーエコノミーに関する関心を調査したレポートを発表した。廃棄物を資源化し持続的に再生産する「サーキュラーエコノミー」の概念は、EUを中心に勃興してきたが、米国企業でも拡大していることがわかった。  今回の調査では、自動車、電機、食品・農業、ヘルスケアの4業界の大企業、中堅企業、小規模企業に対し合計300社にインタビューした。サステナビリティに関する懸念は将来の成長戦略に影響するかとの問いに対し、「強く影響する」との回答は (more…)

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【アメリカ】トランプ政権下の鉱山労働者数、オバマ時代よりも減少。米国での一般炭需要減少続く

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 米労働省鉱山安全健康管理局(MSHA)は1月31日、2018年の鉱山労働者は80,778人と過去最低水準に落ち込んでいることがわかった。石炭採掘への支持を掲げる米トランプ政権が誕生して2年が経つが、前オバマ政権時代よりも鉱山労働者が減少していることがわかった。一方、鉱山労働からの退職者は過去最大級にまで高まっている。連邦政府の意向に反し石炭産業が落ち込んでいる。  米国の鉱山労働者は、ブッシュ(父)元米大統領時代の1990年代前半は150,000人を超えていたが、次にクリントン政権を通じ約100,000人にまで一貫して減少。ブッシュ(子)米大統領時代には140,000人近くまで回復したが、オバマ政権で90,000人程まで減少。トランプ政権でさらに下がった。  米国では、トランプ政権の後押しを受けても、石炭火力発電所が建設されるトレンドにはなっておらず、国内での石炭需要は低下傾向にある。一方、ウエストバージニア州を中心に製鉄の原料となる原料炭については海外向けが伸びてきている。  米石炭採掘最大手ピーボディも2月、米国での石炭火力発電向けの一般炭の生産量を減らし、米国及び豪州での原料炭の増産計画にシフトする考えを示した。 【参照ページ】Quarterly Mine Employment and Coal Production Report 【参照ページ】Peabody emphasis on 'value over volume' leads to cuts at US thermal coal mines

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【アメリカ】連邦控訴裁、サンフランシスコの砂糖飲料に対する健康被害広告掲示義務化の条例に違憲判断

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 米連邦巡回区控訴裁判所は1月31日、糖質入り飲料のビルボード広告及びポスター広告に「健康を害する」警告表示を義務付けたサンフランシスコ市条例に対し、全員一致で違憲の判断を下した。市政府を相手取り、米飲料業界が提訴していた。米国憲法が保障する営利的言論の自由の原則に反しているという。    サンフランシスコ市は、ソフトドリンクが児童肥満を引き起こしていることへの対策として、ソフトドリンクが肥満、糖尿病、虫歯を引き起こすという警告表示を義務付ける条例を2015年6月に制定し消費量を削減しようとした。これに対し米飲料業界は、警告表示が広告全体の景観を損ね、「回復不能の損害」を与えると同条例の停止を求めていた。  米国では、児童肥満対策として、糖質入り飲料に対し課税する税制が過去数年で相次いで制定されている。課税金額は各地域ごとに異なるが、概ね1オンス(約28.35g)当たり1.75セント。

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【アメリカ】IEEFA、Atlantic Coast Pipelineの収益性に大きな疑問符。天然ガス需要は伸びない

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 米エネルギー経済・財務分析研究所(IEEFA)とOil Change Internationalは1月29日、再生可能エネルギーへの転換が拡大する中、ドミニオン・エナジー等が建設を進める天然ガスパイプライン「Atlantic Coast Pipeline」の実現可能性や潜在的な収益性は疑問とする分析レポートを発表した。同パイプラインは、ウェストバージニア州北部からバージニア州やノースカロライナ州まで約960kmを結ぶパイプライン予定。 (出所)IEEFA  同パイプラインの建設プロジェクトの出資構成は、ドミニオン・エナジー48%、デューク・エナジー47%、サザン・カンパニー5%。米連邦エネルギー規制委員会(FERC)は2017年10月にパイプライン敷設許可を出している。建設コストは、当初は51億米ドルだったが、すでに65億から70億米ドルに上昇している。  ドミニオン・エナジー子会社のDominion Virginia Powerが作成した2018年の統合資源計画(IRP)によると、2019年から2033年まで天然ガス火力発電の発電量は増加しない見通し。バージニア州の規制当局は、Dominion Virginia Powerが作成した2018年IRPで主張した電力需要見通しについて、課題見積もりがあると承認を却下した。同じくデューク・エナジー・プログレスとデューク・エナジー・カロライナがまとめたIRPでも、天然ガス・プラント建設計画が先送りされていた。  これらを受け、同レポートは、再生可能エネルギーの拡大もある中、今後10年間でバージニア州とノースカロライナ州では天然ガス需要は伸びないとし、パイプライン建設計画に大きな疑問をなげかけた。 【参照ページ】IEEFA report: The vanishing case for the Atlantic Coast Pipeline

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【アメリカ】GAP、インクルーシブビジネス推進BCtAに加盟。女性100万人にスキル研修提供

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 アパレル世界大手米GAPは1月31日、1日の購買力が10米ドル以下の層を取り残さないインクルーシブビジネス・モデル開発に取り組む国際イニシアチブ「BCtA(ビジネス行動要請:Business Call to Action)に加盟したと発表した。女性100万人を対象に生活向上に向けたスキル研修プログラムを実施する。  GAPは、2007年から世界のアパレル業界の女性を対象とした研修プログラム「P.A.C.E.(Personal Advancement & Career Enhancement)」を展開しており、その後対象を学校・大学や製造業の女性にも拡大。これまでに研修を受けた人数は16ヶ国20万人にのぼる。しかし今後、BCtAに加盟し、100万人を目指す。  BCtAは、国連開発計画(UNDP)、オランダ外務省、スウェーデン国際開発協力庁(Sida)、スイス開発協力庁、英国国際開発省(DFID)、米国国際開発庁(USAID)が協働し、2008年に発足。これまでに200社以上がBCtAに加盟し、低所得者層の人々を商品やサービスの消費者、生産者、供給者、販売者として取り込みつつ利益を出せるビジネス展開を目指してきた。すでにBCtAの活動を終了した企業もあるが、現在でも、旭化成、良品計画、パナソニック、資生堂、SOMPOホールディングス、ユニ・チャーム、サラヤ等の日本企業が活動を実施している。 【参照ページ】Gap Inc. Joins Business Call to Action Through Commitment to Provide Life Skills and Technical Training to One Million Women and Adolescent Girls

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【アメリカ】カリフォルニア州会社員向け個人年金CalSavers、運用メニューにESGファンド追加

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 米カリフォルニア州財務長官は1月28日、同州会社員向けの確定拠出年金基金「CalSavers」の運用メニューの中に、ESGファンドを追加した。CalSaversは、同州の会社員750万人向けに、税優遇が受けられる個人退職口座(IRA)として州政府が設立した制度で、2018年11月に試験営業を始動。州政府が支援する個人年金基金がESGファンドの選択肢を提供するのは、同州が全米初。  今回、ESGファンドとして採用されたのは、米ニュートン・インベストメント・ノース・アメリカのファンド。  カリフォルニア州の新法では、従業員5人以上の企業のうち社内退職貯蓄制度を導入していない企業は、民間年金基金もしくはCalSaversのいずれかに従業員を加入させる義務を負う。CalSaversは2019年7月から通常営業を開始する。従業員100人以上の企業は2020年6月末までに、50人以上の企業は2021年6月末までに、5人以上の企業は2022年6月末までに新法を遵守しなければならない。 【参照ページ】CalSavers is First State-Sponsored Retirement Program in Nation to Offer an ESG Option, Selects Newton

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