【アメリカ】S&P500株価指数の構成企業のうち、72%がCSRレポートを発行

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米国のサステナビリティ専門コンサルティング会社、Governance & Accountability Institute社(以下、G&A社)が実施した最新の調査結果によると、2013年は米国の代表的な株価指数であるS&P 500に選出されている企業のうち、72%の企業がサステナビリティ・CSRレポートを発行していることが分かった。 S&P500株価指数は米国の投資情報会社、Standard & Poor's(スタンダード・アンド・プアーズ)社が算出している米国の代表的な株価指数で、ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、NASDAQに上場している銘柄の中から代表的な500銘柄が選出されている。米国経済を担う大企業の業績と連動しており、最もよく参照される指標の一つだ。 G&A社の過去数年の調査と比較すると、2011年にはサステナビリティ・CSRレポートを発行している企業は20%以下だったのに対して、2012年には53%まで増えており、2013年には72%にまで上昇した。 逆の見方をすれば、2012年に初めてサステナビリティ・CSRレポートを発行していない企業が47%と発行している企業の割合を下回ったが、2013年にはその割合が27%にまで減少し、もはやレポートを発行しない企業は完全なる少数派となったことが分かる。米国経済の先導指標として知られるS&P 500の構成企業に対する調査によって、米国においてもサステナビリティ報告が標準となりつつある。 今回の調査結果を受け、G&A社の副社長Louis D. Coppola氏は「ここ数年で、企業の経営陣は投資家やステークホルダーのサステナビリティに対する関心の高まりを反映しながら経営戦略や事業を実行することの重要性をますます理解するようになってきている」と述べた。 また、同氏によればS&P500の構成企業の中でも特にサステナビリティ報告や情報開示に積極的な企業は、ESG課題のマテリアリティ設定により焦点を当てるようになってきており、報告書に何を載せるかを決めるために社内外のステークホルダーのエンゲージメントに積極的に取り組んでいるという。 今回調査結果を発表したG&A社はサステナビリティ支援に特化したコンサルティングファームとして、サステナビリティ戦略立案支援やレポーティング支援、マテリアリティ評価、IR支援などを展開しており、米国、イギリス、アイルランドにおけるGRI(Global Reporting Initiative)の独占データ提供バートナーでもある。 サステナビリティ・CSR報告を実施しているということ自体が評価された時代はここ数年で急速に終焉に向かいつつあり、今後は米国においてもマテリアリティ設定も含めた報告の中身がより問われるようになっていく。さらに言えば、報告書というアウトプットの質だけではなく、報告書の作成プロセスを通じてどのようにステークホルダーとコミュニケーションを重ね、自社の事業や意思決定プロセスにサステナビリティを浸透させていけるかが差別化のポイントになりそうだ。 【企業サイト】Governance & Accountability Institute

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【イギリス】ロンドン証券取引所、国連の「持続可能な証券取引所イニシアティブ」に参加へ

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The London Stock Exchange Group(ロンドン証券取引所、以下LSEグループ)は6月2日、国連のSustainable Stock Exchanges Initiative(持続可能な証券取引所イニシアティブ、以下SSE)に参加することを発表した。 SSEは世界中の上場企業のサステナブルな事業慣行を促進することを目的として2009年に設立されたイニシアティブで、現在NYSE Euronext(NYSEユーロネクスト)、NASDAQ OMXをはじめ、トルコのイスタンブール証券取引所、ブラジルのボベスパ証券取引所、インドのボンベイ証券取引所、エジプト証券取引所、ヨハネスブルグ証券取引所、ナイジェリア証券取引所、ワルシャワ証券取引所の合計9つの証券取引所が参画している。 同イニシアティブはUNCTAD(国連貿易開発会議)、UNGC(国連グローバルコンパクト)、UNEP FI(国連環境計画・金融イニシアティブ)、PRI(責任投資原則)による共同組織だ。 . LSEグループはパン・ギムン国連事務総長に宛てた文書の中で、今回のSSEへの参画をきっかけに、より長期視点に立ったサステナブル投資を促進し、ロンドン証券取引所で取引される企業のESG情報開示への取り組みやESGパフォーマンスの向上に向けて投資家や企業らと共に取り組んでいく意思を示した。 LSEグループで情報サービス部門のグループディレクターを務めるMark Makepeace氏は「ロンドン証券取引所の企業責任へのアプローチは、市場、サービス、人々、コミュニティという我々の事業に密接に関わる4つの柱に基づいている。グローバル金融市場の中心地という我々の役割を考えれば、ロンドン証券取引所は企業のサステナビリティを促進するうえで恵まれたポジションにいると言える。今回の参画は、グローバルの安定的かつ長期的な経済成長に寄与するものであり、我々はSSEに参画できたことを嬉しく思うと同時に、サステナビリティ課題の解決に向けて国連および世界中の他の証券取引所と協力できることを楽しみにしている」と語った。 また、国連グローバルコンパクトのエグゼクティブ・ディレクターを務めるGeorg Kell氏は、「投資家の多くが、企業が掲げるマテリアリティやESG要因をますます投資判断の重点ポイントに置くようになってきており、企業に行動を促すようになってきている」と述べ、今回のLSEグループのSSEの参画により更にESG開示が進むことに期待を寄せた。 そして、PRI(Principles for Responsible Investment)のマネージング・ディレクターを務めるFiona Reynolds氏は、「証券取引所は上場企業によるESG・コーポレートガバナンス報告の量と質の双方を高めるうえで非常に重要な役割を担っている。現状、世界の大手企業のうちESGパフォーマンスに関する情報開示をしている企業はわずか3%しかないが、ESGディスクロージャーが進めば進むほど、それぞれの証券取引所で報告される情報がより有用で比較しやすくなり、結果として機関投資家はよりしっかりと投資リスクを管理し、よい投資意思決定ができるようになる」と述べた。 今回の発表は、異なる証券取引所間における一貫性がありかつ比較可能なサステナビリティ報告に向けた取り組みを進めている投資家や証券取引所らの動きを受けてのものだ。CeresのINCR(Investor Network on Climate Risk:気候変動に関する投資家ネットワーク)のメンバーやPRIへ署名している投資家を含む機関投資家グループは、現在WFE(World Federation of Exchanges:国際取引所連合)がまとめている統一基準に向けた提案リストへの意見を募集している。 この計画と提案はWFEが新たに組成したサステナビリティ・ワーキンググループによってまとめられ、今年の後半に韓国で開催されるWFEの年次会合で発表される予定だ。 SSEの主導のもと、ESG投資の更なる発展に向けて世界中の証券取引所の方向性が徐々に定まりつつある。特に今回、世界を代表する証券取引所の一つであるロンドン証券取引所がSSEへの参画を発表したことで、グローバルなESG投資の流れがますます加速することになりそうだ。 【企業サイト】The London Stock Exchange Group 【参考サイト】Sustainable Stock Exchanges Initiative

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【国際】国際取引所連合、サステナビリティ報告の統一基準づくりを開始

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サステナビリティレポートのフォーマット統一の動きが投資家サイドから始まってきた。世界各国の証券取引所が加盟する国際取引所連合(WFE)が2014年6月ワーキング・グループを立ち上げ、サステナビリティ関連情報の情報開示についての議論を開始した。それに呼応する形で、サステナビリティ関連のシンクタンクである米Ceresは、世界最大の資産運用会社BlackRockを含む期間投資家と共同で、企業のサステナビリティ報告についての統一基準案を国際取引所連合を通じて加盟証券取引所各社に提起した。投資家サイドがサステナビリティ報告のフォーマット統一に向けて動き出した背景には、ESG投資についての関心の高まりが関係している。アメリカを代表する証券取引所NASDAQ OMXグループを率いるRobert Greifeld CEOは、「情報を規格化され比較可能なものとしていくために、世界中全ての証券取引所が共同歩調を取る必要がある。いずれの証券取引所も遅れを取るような状況にはしない。」と、ESG情報を含めた銘柄情報の規格化が投資家にとって重要性を増している市場環境を語った。実際に、NASDAQ OMXグループは過去2年、Ceresとの間で合同研究を進めてきた。今回、Ceresが発表した統一基準案「Investor Listing Standards Proposal: Recommendations for Stock Exchange Requirements on Corporate Sustainability Reporting」は、Ceresに参画している6大陸100以上の機関投資家との共同提案でもあり、証券取引所、機関投資家、ESGシンクタンクが三位一体となって、企業側へのESG情報開示ルールを作る構造が浮かび上がってくる。Ceresは、すでにサステナビリティレポートのデファクトスタンダードとなっているGRIを主導する役割も果たしており、GRIの取り組みを発展させ、情報開示をさらに進めていこうという今回のCeresのアプローチに、GRIのErnst Ligteringen代表も大きな期待を寄せている。国際取引所連合には、東証、大証を運営する日本取引所グループも加盟しており、日本にもグローバルな流れに巻き込まれていくことになりそうだ。【統一基準案】Investor Listing Standards Proposal

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【アメリカ】Aaron’s社、Calvert Social Index®からの抹消勧告受ける

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社会的責任投資(SRI)用のインデックス「Calvert Social Index®」を発表している米Calvert社は、同社のサステナビリティ調査部門がCalvert Social Index®の選定銘柄から米Aaron's社を外す勧告が提出されたと発表した。今回の提言が承認された場合、6月に行われるCalvert Social Index®委員会4半期定例会議の開催をもって、Aaron'sの登録抹消が実行される。 Calvert Social Index®はSRI分野で代表的なインデックスのひとつ。Calvertのサステナビリティ調査部門によって行われる調査では、ガバナンス、企業倫理、環境、職場環境、製品の安全性やインパクト、地域社会との繋がり、インターナショナルなオペレーションや人権に至るまで、幅広い領域が分析される。構成する銘柄は、アメリカに拠点を置く株式時価総額上位1000社の中で、サステナビリティに関する基準を全て満たす銘柄のみ。今回勧告の対象となったAaron's社は、家具や設備等のリースを手がけるニューヨーク証券取引所上場企業で、報告によると、同社はCalvert Social Index®が提唱するガバナンスや企業倫理に関し、要求水準を満たしていないことが判明したという。 ESG投資が広まる中、SRIインデックスから外される意味は大きい。年金などの機関投資家は、ESG基準の低い企業をポートフォリオに持つことを忌避する傾向が欧米では非常に強い。Aaron'sは実質的に投資家サイドから改善を迫られることになりそうだ。 【関連サイト】The Calvert Social Index® 【企業サイト】Calvert

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【アメリカ】米Bank of the West、個人慈善家のコミットメント度を測る指数を発表

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米Bank of the Westの資産管理部門は、親会社であるBNPパリバと協働し「個人フィランソロピー指数」に関するレポートの第2版を発行した。第1版の調査対象地域はヨーロッパ、アジア、中東のみであったが、第2版ではアメリカが追加され、この4つの地域で運用可能資産評価額が500万ドル以上の富裕層400名が調査対象となった。調査では、慈善活動家のコミットメント度を測るための評価基準として、?寄付金の絶対額、?革新性、?選択した課題の改善のために慈善家が費やした努力量、の3点が用いられた。調査では8割近くもの回答者が慈善的寄付活動の迅速な必要性を唱えていることがわかるが、その立場はそれぞれの地域で違う。アメリカの寄付者の問題意識が“健康”や“飢餓・食糧”、“社会的変革/多様性”にあるのに対し、その他の地域では“環境”が問題意識の中心にあることがわかった。また、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの個人慈善家は短期的な成果(一般的には10年以内)を求める傾向にあるのに対し、中東では25年ほどの長期投資をするということもわかった。同社の資産管理部門を統括するJohn Bahnken副社長は本レポートに関して「我々資産管理部門の多くのクライアントにとって、慈善的寄付は大きく考慮されるものの一つだ。個人資産管理アドバイザーから信託部門に至るまで、この個人慈善家に関するリサーチは、クライアントが長期的な寄付先を査定する際の情報源として役に立つだろう。」と語り、個人慈善家向け資産管理サービスの質の向上に期待を寄せた。【調査サイト】Individual Philanthropy Index

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【アメリカ】米商務省と北欧機関投資家 インパクト投資に向けたスタディーツアーを実施

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米商務省は、アメリカのインパクト投資分野のファンドマネージャーと北欧の機関投資家を結びつけるスタディーツアーを5/12~5/16に開催する。北欧の資金を拡大しつつあるアメリカのインパクト投資市場に呼びこむとともに、アメリカのソーシャルビジネス事業のノウハウを、北欧地域にも浸透させることを狙う。スタディーツアーの実務は、サステナブルビジネスやクリーンテクノロジーの業界に特化したコンサルティングを手がけるWatershed Capital Groupが担う。参加するファンドマネージャーは、サステナビリティをアメリカを代表するプライベート・エクイティやベンチャーキャピタルの中からWatershed Capital Groupによって選抜される。選抜されたファンドマネージャーは、4日間をかけて、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドを訪問し、現地の年金基金、財団、投資顧問企業、投資会社など機関投資家と意見交換やディスカッションを行う。各国の米国大使館やインパクト投資推進団体もイベントのサポーターとして会に加わる。インパクト投資は、トリプルボトムライン(環境・社会・経済)を追求する事業者に対して投資を行う新しい投資手法。米国には、その分野に特化するプライベート・エクイティファンドもあり、すでに90億米ドルがこの分野に資金が集まっている。米国の金融市場には、国外からの膨大な資金が集まっており、米商務省は海外の投資家に対してインパクト投資分野への理解を促進することで、新たな市場として注目されるインパクト投資分野への国外からの投資を加速させようとしている。北欧では、社会や環境に対する意識が高く、SRIに対する期待も強い。一方で、実際の社会事業・環境事業の分野では北欧よりアメリカのほうが先を行っていると言われており、参加する北欧の機関投資家からは、今回のイベントを通じて北欧の社会事業・環境事業者がアメリカのノウハウを学ぶ良い機会になると期待の声が上がっている。【企業サイト】Watershed Capital Group

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【アメリカ】株主たちは企業の気候変動対策の強化求める傾向

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マーケットでのサステナビリティを追求する非営利組織Ceresは、2014年度に機関投資家などの株主が株主総会の場で企業に提出した、温室効果ガス(GHG)削減やエネルギー効率化などの取り組みを求める株主決議が過去最多となり、投資家が企業に対しより一層の気候変動対策を求める傾向にあると発表した。Walden Asset Management、the New York State Comptroller’s Office、the California State Teachers’ Retirement System、Calvert Investments、the Connecticut Treasurer’s Office、Trillium Asset Management、Mercy Investments、Green Century Capital Managementらを筆頭に、Ceresとネットワークをつくる35の機関投資家は、118の企業の株主総会で提出された、GHG削減をはじめ広く気候変動に関する142件の株主決議をまとめた。企業にはChevron、ConocoPhillips、 Kinder Morgan、 Lowesなどが含まれている。過去最多を記録した背景には、投資家にも企業にも、気候変動に対応するため、企業活動に高いハードルを設定し、対策を拡充させていかないといけないという共通の意識があり、投資家がかつてないほどに、気候変動や環境問題が企業のポートフォリオに与えるリスクとチャンスについて関心を強めている実態を反映している。最近の調査では、Standard & Poor's 500 Stock Indexの上場企業を含む多くのアメリカ企業が、二酸化炭素排出削減技術への投資で、全体の資本投資に比べ、高い収益率での回収を達成していることが明らかになっている。企業側も株主決議を受けて具体的な気候変動対策の実施を宣言するなど目に見えた成果が出始めている。Church & Dwighは、Trillium Asset Managementの提出した株主決議に対して、GHG削減の数値目標の設定と、気候変動リスクマネージメントについての情報開示の拡充に合意した。Advance Auto Parts、 Denbury Resources、 Cabot Oil and Gas、 and Lincoln Electric Holdingsも、Walden Asset Managementとの取り決めに従う形で、同様の情報開示の拡大を決めた。またMercy Investments at BorgWarnerの決議のように、GHG削減だけでなく、工場排水などの産業廃棄物についても企業に改善を求めるものある。またKellogCo.は今年2月、Green Century Capital Managementによってまとめられた株主決議案を受けて、森林伐採をしないパーム油の使用を約束した。2014年度に提出された決議の主なトピックは以下の通り。  ・包括的なサステナビリティに関するレポ?ト  ・温室効果ガス削減の数値目標  ・メタンガス削減  ・カーボンリスク分析  ・エネルギーの効率化energy efficiency  ・森林伐採と持続可能な農業deforestation and sustainable agriculture  ・気候やエネルギー政策へのロビー活動への投資  ・銀行の融資による温室効果ガス削減  ・再生可能エネルギー調達の計画  ・環境の専門家の理事登用

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【アメリカ】モスコウイッツ賞_CSRを株主決議で採択可能にするとステークホルダーの価値が高まる

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2013年度のモスコウイッツ賞を受賞したフラマー女史の論文によると、CSRを株主決議で採択可能にするとステークホルダーとしての価値が高まるという見解を発表した。本論文は、第24回SRIカンファレンス(社会責任を考えた投資の協議会)で発表されUCバークレー ハースビジネススクールの2013年度モスコウイッツ賞に認定された。フラマー氏の研究結果によると株式市場は「企業が社会に果たすべき責任」に敏感に反応を示すという。「二酸化炭素を削減に積極的に取り組んでいるか?」「雇用機会をしっかりと整えているか?」などに投資家達は敏感に反応すると考えている。ハースビジネススクールで教鞭を執り、モスコウイッツ賞授与者を選定する共同議長を務めるロイド・カーツ氏はフラマー氏の提案をユニークな取り組みだと評した。投資面からCSRを考える非常に興味深い論文と言うことができるだろう。【論文サイト】Does Corporate Social Responsibility Lead to Superior Financial Performance? A Regression Discontinuity Approach

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2013/11/12 最新ニュース
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