米金融安定監視委員会(FSOC)は11月3日、ノンバンク指定ガイダンスの改訂版を全会一致で決定した。同時に金融安定リスクに関する新たな分析フレームワークの最終版も発表した。
ノンバンク金融仲介は、2008年以降、国際的に急成長しており、現在金融資産の約半分を占めるまでになっている。金融安定理事会(FSB)もノンバンク金融機関への規制強化を重要アジェンダとして掲げている。
【参考】【国際】FSB、2023年行動プログラム発表。NBFI対策、気候変動、サイバーリスク等を強化(2023年4月15日)
改訂されたノンバンク指定ガイダンスは、FSOCがドッド・フランク法第113条に基づき規制対象となるノンバンク金融会社を指定するための手順を定めたもの。指定されると、連邦準備制度理事会(FRB)の監督とプルデンシャル基準の適用対象となる。ノンバンクには、投資銀行、運用会社、保険会社、不動産金融会社、プライベートエクイティ、ヘッジファド、P2Pレンダー等が含まれる。
指定手順は2段階で構成されている。まず、第1段階では、審査対象となったノンバンクは、FSOCが入手できる情報に基づき予備的分析を実施。第2段階に進める見込みとなった場合、FSOCでの採決にかけられるが、採決の60日前に当該ノンバンクに通知され、FSOCに自主的な情報提供や面談を行うことが可能となる。第2段階では正式にFSOCから当該ノンバンクに情報提供が要請され、他の金融規制当局との協議も実施。最終的に、FSOCの委員長を含めた3分の2以上の委員が賛成すれば、指定される。指定後は、毎年レビューを実施し、基準を満たさなくなったと判断されれば、指定が解除される。
もう一つの分析フレームワークも、ドッド・フランク法に基づくもの。同法は、金融安定性に対する潜在的リスクを特定するため、金融サービス市場を監視することをFSOCに求めている。分析フレームワークでは、「金融の安定性に対する脅威」を、経済活動を支える金融システムの能力を実質的に損なう可能性のある事象や状況と説明しており、債券市場、中央カウンターパーティ、銀行、ノンバンクに至るまで、幅広いアセットクラス、機関、活動を監視対象している。
同フレームワークは、分析手法の透明性を高めるために開示されている。具体的には、潜在的リスクの評価手法、脆弱性の評価手法、各リスクが金融市場に波及している伝達経路等が明確にされた。またリスクが特定された場合のFSOCの対応策の法的オプションについても例示された。
【参照ページ】FSOC Approves Analytic Framework for Financial Stability Risks and Guidance on Nonbank Financial Company Determinations
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら