欧州自動車大手ステランティスと核燃料サイクル仏オラノは10月24日、欧州と北米のギガファクトリーから排出される使用済み電気自動車(EV)用バッテリーとスクラップのリサイクルを行う合弁会社の設立に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。ステランティスの既存施設を再利用し、2026年前半に再生プロセスを開始する予定。
ステランティスは、電気自動車(EV)移行、再生可能エネルギー転換に必要なコバルト、ニッケル、リチウムの調達を確保することで、車載バッテリーのバリューチェーンにおけるステランティスの地位強化を狙う。
新たに設立する合弁会社では、オラノの技術を活用し、リチウムバッテリーから全ての材料を回収し、新たに「ブラックマス」と呼ばれる原材料を生産。ブラックマスは、フランス・ダンケルクに建設されるオラノの湿式冶金工場で精製され、電池として再利用する。前処理と湿式冶金技術により、金属の回収率は90%以上。電気自動車(EV)のバッテリーのリサイクル率が欧州委員会の要求水準に達し、ビジネスモデルのサステナビリティを確保できる。
ステランティスは、同社戦略計画「Dare Forward 2030」で、2030年までにサーキュラーエコノミー事業部のリサイクル収入を10倍に増加させ、サーキュラエコノミーによる総収入を2億ユーロ(約317億円)以上にすることを目標として掲げている。また2038年までにスコープ3を含むバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル達成も目標。
【参考】【国際】ステランティス、2038年スコープ3含むカーボンニュートラル目標発表。EVバッテリー生産拡大4兆円(2022年3月22日)
【参照ページ】Stellantis and Orano Enter Electric Vehicle Battery Recycling Agreement
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら