Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の96%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【EU】欧州委、再生可能水素オークションの入札基準発表。RFNBOに限定。11月23日開始

 欧州委員会は8月30日、11月23日に開始される再生可能水素オークション実証の入札条件を公表した。同オークションでは、欧州経済領域(EEA)内の再生可能水素メーカーに最大8億ユーロ(約1,200億円)を交付する。

 再生可能水素オークションは、EUで進められている再生可能エネルギー指令改正の動きを先取って進められている。欧州議会とEU理事会は3月、2030年のEU域内のエネルギー全体に占める再生可能エネルギーの割合目標を現行の32%から42.5%にまで引き上げることで政治的合意に達している。同合意では、再生可能エネルギーを電源とする「グリーン水素」だけでなく、原子力発電を電源とする「イエロー水素」についても、再生可能水素として認めたが、低炭素水素として、グリーン水素よりは劣る水素として認識されることで固まった。

【参考】【EU】EU理事会と欧州議会、再エネ指令改正で政治的合意。イエロー水素は2級品扱い(2023年3月31日)

 また欧州委員会は2月、再生可能水素関連の委託法令を採択。「再生可能エネルギー」と認められる「再生可能水素」の定義に、追加性(アディショナリティ)要件を明確化し、グリーン水素生産のための水電解槽(PEM)に接続する再生可能エネルギーは、新規の再生可能エネルギー発電からの電力でなければならないと規定した。また、欧州委員会は、バイオマスエネルギー以外の再生可能エネルギーを「非バイオ起源再生可能エネルギー(RFNBO)」と定義しており、太陽光発電や風力発電等の重視する姿勢も打ち出している。

【参考】【EU】欧州委、「再生可能水素」定義を委託法令で規定。追加性、時間的相関、LCA排出量等(2023年2月15日)

 再生可能水素オークションに関しては、欧州委員会が3月、新設する「欧州水素銀行(EHB)」にイノベーション基金を創設し、資金を拠出するスキームを決定。オークションに選ばれると、今後10年間、重量当たりの固定上乗せ(プレミアム)金額でEHBが買い取ることになっている。予算は最大8億ユーロが用意されている。

 今回発表されたオークションの入札条件では、RFNBO由来の再生可能水素のコスト競争力を高めるという目的をあらためて強調し、新設されたRFNBO発電所によって水電解されたグリーン水素のみを入札対象とした。入札量に上限や下限はないが、一つのプロジェクトからの最大量は予算全体の3分の1が上限となっている。固定プレミアム価格の上限は1kg当たり4.5ユーロ。落札から5年以内に水素生産を開始しなければならない。

 追加性原則に関しては、再生可能水素委託法令で掲げられた通り、2028年1月1日までは適用が免除される。一方、2028年1月1日以降は適用され、但し、再生可能エネルギー割合が90%を超える系統と、1MJ当たりの二酸化炭素排出量が18g未満の系統に関しては、例外として適用が免除される。また、プロジェクト参画企業自身がオフテイカーになる場合は、入札できない。

【参照ページ】Upcoming EU Hydrogen Bank pilot auction: European Commission publishes Terms & Conditions

author image

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

この記事のタグ

Sustainable Japanの特長

Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。

  • 時価総額上位100社の96%が登録済
  • 業界第一人者が編集長
  • 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
  • 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする

※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。