英小売大手セインズベリーは9月5日、英国内の酪農家に対し年間600万ポンド(約11億円)を追加助成を行うと発表した。コスト上昇の苦境に立たされている酪農家を資金支援する。
同社は2022年4月、酪農家への890万ポンド(約16億円)の助成を行っており、2022年1年間での支援総額は6,600万ポンド(約122億円)。今回のアクションは、さらなる追加支援という形。
最近の報告によると、コスト上昇などの要因により、2022年に酪農家の約5%が廃業しており、2025年までに10人に1人は廃業すると予測されている。一方、英政府は2021年に環境法を改正し、生物多様性に関する規定を大幅に強化。酪農家の多くが、飼料貯蔵所の改善や改良、スラリー貯蔵量の増加等、高額な設備投資が必要になることが危惧されている。そこで同社は今回の追加支援に踏み切った。
セインズベリーは、酪農家が必要とする投入コストの変動と高水準の設備投資の増加を勘案し、セインズベリー酪農開発グループ(SDDG)の支援を受けながら、酪農家への生乳代金の支払い方法の見直しを実施した。SDDGは、酪農家への支援を強化するために2007年に設立。セインズベリーのプライベートブランド(PB)牛乳商品を供給する酪農家260世帯以上が加盟している。
今回の支援では、独自に算出された生乳生産コストに加え、1lあたり1ポンドを上乗せするため、平均的な酪農場では年間約2.7万ポンド(約500万円)が上乗せされる。また新たな価格モデルへの投資と並行し、サステナビリティ・ボーナスとして170万ポンド(約3億円)を拠出。酪農家は、持続可能な方法で調達された飼料の使用や適量の肥料使用等を通じて、セインズベリーのサステナビリティの目標達成に向け協働することで、報酬を得ることができる。
【参照ページ】Sainsbury’s invests an additional £6m annually in its dairy farmers, fostering long term support for the industry
【画像】Sainsbury’s
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