米大手企業10数社は8月14日、カリフォルニア州下院に対し、企業に気候変動に関する情報開示を法定義務化する州法案SB253と州法案SB261の可決を求める公開書簡を発表した。両州法案はすでに州上院を通過しており、州下院を通過し、州知事が署名すれば、成立する。
州法案SB253「気候企業データ説明責任法案」は、同州内で事業を行う米国拠点の年間売上10億米ドル以上の企業を対象に、スコープ3を含めた二酸化炭素排出量の算定と公表を義務化するもの。成立すると、義務化の適用対象は約5,400社に上る。
開始時期は、スコープ1とスコープ2は2025年度データを2026年に開示するタイミングから、スコープ3は2026年度データを2027年に開示するタイミングから義務となる。算定後は、第三者保証の取得も義務化。また同州の委託先が運営するデジタル登録プラットフォームへの入力も必須となる。
公表されたデータは、同州大気資源局(CARB)が報告内容を監督し、ルール違反が確認されれば、同州司法長官から民事提訴される可能性もある。
SB253は、2022年にも法案が提出されたが、1票差で可決されなかった。
州法案SB261「気候関連財務リスク法案」は、同州内で事業を行う米国拠点の年間売上5億米ドル以上の企業を対象に、気候関連財務リスク報告書の策定と提出を毎年行うことを義務化するもの。成立すると、義務化の適用対象は約10,000社。
報告書には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに基づく気候関連財務リスクと、特定されたリスクを軽減するための対策を盛り込まなければならない。
初回の提出期限は2024年12月31日。提出された報告書は、気候関連リスク開示アドバイザリーグループが審査し、内容の品質を精査するとともに、開示に関するガイダンスやベストプラクティスを発表していく。
今回の公開書簡で州法案への支持を表明したのは、SB253に関しては、イケア、マイクロソフト、Adobe、パタゴニア、REI、シエラネバダ、Atlassian、アイリーン・フィッシャー等。SB261に関しては、マイクロソフト、DSM、VFコーポレーション、パタゴニア、REI、シエラネバダ、Atlassian、アイリーン・フィッシャー等。
【参照ページ】Companies call for climate disclosure legislation as California lawmakers return to session
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