台湾金融監督管理委員会(FSC)は8月17日、IFRS財団傘下の国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)が策定したサステナビリティ開示基準の「一般サステナビリティ開示事項(S1)」と「気候関連開示事項(S2)」に基づく開示を2026年から段階的に義務化すると発表した。
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FSCは8月8日、政府から、国家発展委員会、環境保護署(年内に環境保護部に昇格)、経済部工業局、上場企業、サステナビリティ関連団体、監査法人、認証機関、学者、専門家等の関係者を招聘し、「台湾サステナビリティ報告及びIFRSサステナビリティ開示基準の整合促進会議」を開催。「台湾上場企業がIFRSサステナビリティ開示基準に整合するためのロードマップ」案について議論し、フィードバックを得、今回正式にロードマップを発表した。
まず全体方針としては、国際的な比較可能性を考慮し、S1とS2をそのまま受諾する方針を決定した。
今後のロードマップでは、2024年にS1とS2の中国語への公式翻訳を実施。同時に関連法規則を改正。2025年に実務ガイダンスを作成する。ISSBが今後策定する新基準については、2027年以降に順次、評価と承認の作業を実施する。
実際の義務化は2026年から順次開始する。まず資本金100億台湾ドル以上の上場企業119社を対象に、S1とS2に基づく開示を義務化。2027年からは義務化対象が資本金50億台湾ドル以上の上場企業107社にまで拡大。また2027年から財務報告とサステナビリティ報告の同時発行も義務化する。2028年からは義務化対象が全上場企業1,553社に拡大され、それに伴い2029年に全上場企業の開示が出揃うことになる。
但し、開示内容については、各社の義務適用初年度に関しては、免除規定を設ける。具体的には、初年度は、S2のみに準拠することを許容するとともに、スコープ3の開示義務も免除する。気候変動に関するシナリオ分析では定性情報の開示でよしとした。また、推定を用いた開示では、過度なコストをかけることなく、報告日時点で入手可能な合理的かつ裏付けのある情報に基づくデータやインプットを用いることでよしとした。
今後の作業は、FSCの証券先物局(SFB)、台湾証券取引所(TWSE)、Taipei Exchange(TPEx)、会計研究開発財団(ARDF)で構成するタスクフォースの下に、「適用」「実施」「規制調整」「普及・教育」の4つのワーキンググループを設け、進めていく。
【参照ページ】The Financial Supervisory Commission (FSC) releases the roadmap for Taiwan listed companies to align with IFRS Sustainability Disclosure Standards
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