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【国際】ESG評価大手、自然資本、物理的リスク、サイバーセキュリティで新たな評価開始

 ESG評価世界大手は、従来評価が遅れていたESG分野での評価体制を強化。投資家向けに包括的な評価データを提供するため、不断の努力を続けている。

 サステイナリティクスは6月、同社のサービスプラットフォームで、上場企業大手の気候変動物理的リスクに関するデータ提供を開始。気交換レ財務情報開示タスクフォース(TCFD)開示の中で遅れている物理的リスク評価面を強化した。

 開発した指標は、米気候変動リスク評価XDI(Cross Dependency Initiative)の共同開発し、235ヶ国12,000社を対象に、アセット1,200万件の物理的リスクデータを掲載した。

 具体的には、大規模な暴風雨、山火事、洪水党、物理的な災害による気候変動関連の悪影響をボトムアップで評価するものる。施設単位の分析を軸に、8つの災害軸で法人単位で抱えているリスクを評価。さらに法人全体の直接リスクと間接リスクに集計し、最終的に総合評価を計算している。リスク評価は、リスクの大きさとリスクエクスポジャーの双方で計算される。

 S&PグローバルのESGデータプロバイダー部門「S&Pグローバル・サステイナブル1」は5月、「自然・生物多様性リスク」を発表。自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)を視野に入れ、独自のデータセットの提供を開始した。

【参考】【国際】UNEPとS&Pグローバル、TNFDに基づく指標算出で新たな手法発表。EIIの概念を主軸(2023年1月21日)

 こちらは、米S&Pグローバルと国連環境計画(UNEP)が1月に発表した「ネイチャー・リスク・プロファイル」を活用。企業17,000社、アセット160万件以上をカバーした。機関投資家だけでなく、企業もサービス対象となっている。

 ネイチャーリスク・プロファイルは、マテリアリティ度合い、依存度度合い、影響度合いの3つをインプット指標として用いている。依存スコアは、21種類の生態系サービスに直接的に依存している度合いと、これらのサービスを提供する生態系に期待されるレジリエンスリスクの2つを考慮。0から1.0までの尺度でスコア化される。依存度スコアが0.6を超える企業は、依存度が高いと判定される。

 影響度合いを示すエコシステム・フットプリントは、事業が自然や生物多様性に与える直接的な影響を測定。企業が影響を与える土地面積と、その場所特有の生態系の完全性が低下する度合い(生態系の劣化)、影響を受けるその場所特有の生態系の重要性(生態系の重要性)の3つを組み合わせスコア化している。

 同社は、世界大手企業に分析した総評として、世界の大企業の85%は、直接的な事業活動において自然への依存度が高く、また46%は、1つ以上のアセットが、生物多様性重点地域(KBA)に位置していると伝えた。S&P1200企業では、2021年に2,200万haの土地を直接事業に使用し、28兆9,000億米ドルの収益を上げていると推定されるという。

 ISSのESGデータプロバイダー部門「ISS ESG」は7月、企業のインターネット・エクスパージャー評価に基づき、「ISS ESGサイバーリスク・スコア」をリリースした。機関投資家、企業、損害保険会社等を対象ユーザーとして想定している。

 同スコアは、企業が今後12ヶ月以内に重大なサイバーセキュリティ・インシデントに見舞われる可能性を評価。最低値300から最高値850でスコアリングした。スコアが高いほど低リスクとなる。

【参照ページ】Morningstar Sustainalytics Enhances its Physical Climate Risk Assessments for Public Companies
【参照ページ】Physical Climate Risk Metrics
【参照ページ】S&P Global Sustainable1 Launches New Nature & Biodiversity Risk Dataset
【参照ページ】ISS ESG Announces Enhancements to Cyber Risk Score, Incident Type Likelihood Models

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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