世界経済フォーラムは6月26日、世界の医療システムに革命をもたらす可能性のある人工知能(AI)ソリューションを分析した報告書を発表した。ヘルスケア領域におけるAIのイノベーションの可能性と世界的な普及を実現するたには、官民連携が重要と訴えた。
現在の医療の状況では、精神疾患や生活習慣病の疾患が増加するにつれ、医療の非効率、労働力不足、医師の燃え尽き症候群等が医療体制を逼迫。医療コストが増加している。2022年の世界の医療総額は12兆米ドル(約1,730兆円)と推定されている。
同報告書では、世界の医療制度の課題を解決するためのAIの活用方法を提言。WEFの保健医療センターが主導し、ZSアソシエイツと共同作成した。400以上の既存のAI活用事例を分析し、50名以上のグローバルリーダーへインタビューを行った。
分析内容では、官民の継続的な投資によって成果につながる最も可能性が高いAIを活用した医療事例として、「AI診断」「AIを活用した臨床試験の最適化」「将来のパンデミックのアウトブレイクの予測」の3つを挙げ、ケーススタディを紹介。その他の事例として、AIによるトリアージのサポート、診断プロセスへの活用、新薬開発、医薬品のサプライチェーンの最適化を挙げた。
医療システムへのAI活用の実現に向けて、官民での協力の重要性を主張。特に、ステークホルダー同士の信頼関係を構築し早期に連携することを訴えた。必要な技術はすでに存在しており、スケーラビリティに焦点を当て、データをより多く集める体制を整えることでAIの恩恵を最大化できるとした。
【参照ページ】New World Economic Forum Research Identifies Top AI Applications That Could Revolutionize Global Healthcare
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