世界大手30社が加盟するインクルージョン・イニシアチブ「Business for Inclusive Growth(B4IG)」は3月13日、気候変動での公正な移行(ジャスト・トランジション)に関する測定指標を発表した。
【参考】【国際】世界大手34社、インクルージョン・イニシアチブB4IGに参加。ダノンと仏政府主導。日本も1社(2019年8月26日)
【参考】【国際】OECDと31社が運営のB4IG、インクルーシブ調達の実践ガイダンス発行。自己診断ツールも(2022年8月2日)
B4IGの加盟企業は、ユニリーバ、ダノン、ロレアル、ヘンケル、マース、キューリグ・ドクターペッパー、プレタ・マンジェ、パネラブレッド、ケリング、エネル、BASF、ソルベイ、ミシュラン、ヴェオリア、Sodexo、シュナイダーエレクトリック、ヴァンシ、マイクロソフト、セールスフォース、JABホールディングス、JPモルガン、BNPパリバ、アクサ、アムンディ、アクセンチュア、キャップジェミニ、エデルマンと、日本企業では日立製作所とリコーが加盟している。また経済協力開発機構(OECD)が協力機関となっている。
B4IGは2021年、国連気候変動枠組条約第26回グラスゴー締約国会議(COP26)の場で、人間を中心とした気候変動対策を提唱。企業が率先し、政府、社会パートナー等のステークホルダーと対話を進め、公正な移行を実現していくことを呼びかけていた。その後1年半をかけ、今回の測定指標を策定した。
今回発表の指標は、国際労働機関(ILO)の公正な移行ガイドライン、ストックフォルム環境研究所(SEI)の公正な移行7原則、World Benchmarking Alliance(WBA)の公正な移行メソドロジー、B4IGの責任ある変革ガイドライン、B Teamの公正な移行ガイドの5つを参照し、策定された。
具体的には、計画策定、従業員、アップスキル・リスキル、財・サービスへのアクセスの4つの観点で13項目が設定された。
計画策定
- 公正な移行計画策定で関わったステークホルダーのカテゴリー
- 公正な移行に関連し対話を行った労働者及び社会的弱者の割合(労働組合や労働者代表を通じて実施したものも含む)
- 1年以内に地域コミュニティと実施したエンゲージメント数
- 1年以内に成し遂げたステークホルダーとの合意数
従業員
- 失われる雇用数
- 失われる雇用数と今後6ヶ月以内の新規雇用機会の比率
- 持続可能なディーセントワーク創出数
- 失業者のうち企業が負担する年金、健康保険、退職金の対象率
アップスキル・リスキル
- 離職候補者を対象に、公正な移行に関連した従業員当たり研修時間(できればジェンダ、年齢、人種別に)
- 離職候補者を対象に、公正な移行に関連した研修の受講者満足度
- 離職者を対象に、同様の給与水準で6ヶ月以内に雇用できた割合
財・サービスへのアクセス
- B2C企業:所得階層毎に顧客と最終消費者が移行後の財・サービスにアクセスできるようにした度合い
- B2B企業:販売コストの変化及び所得階層毎に財・サービスの提供数の変化
【参考】【国際】TSFDとTIFDが合併。社会関連財務情報開示タスクフォース。機関投資家の支持がカギ(2023年4月22日)
【参照ページ】B4IG publishes 13 indicators to analyse and measure the social challenges of the Just Transition
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