飲料世界大手英ディアジオは8月30日、アフリカの小規模農家への気候変動の影響緩和・モニタリング技術を有する企業に対し、45万ポンド(約7,500万円)を投資すると発表した。
投資対象は、水・炭素・生物多様性の3分野。まずは東アフリカで実証を行い、成功すれば、カメルーン、ガーナ、インド、ケニア、メキシコ、ナイジェリア、タンザニア、トルコ、セイシェル、南アフリカ、ウガンダの同社小規模農家に展開する。
同社は2020年11月、次世代サステナビリティ技術開発支援と協働のため、イノベーター・プログラム「ディアジオ・サステナブル・ソリューションズ」を発足。パイロットプロジェクトとして、ダッソー・システムズ、EXXERGY、Ardagh groupとの協働で、ガラスを従来強度のまま薄くするためのコーティング技術を開発している。
水では、アフリカの降雨量が今後50年間で10%から20%以上の減少が予測されていることを課題視。農業生産性の最大化には、小規模農家での土壌の保水力とモニタリング技術の大幅改善が必要とし、保水用の土壌添加剤、地域単位の天気予報、農場での測定用プローブ等を挙げた。
炭素では、土壌の健康のための炭素貯留量測定と、農業での二酸化炭素排出量に着目。農場リモートモニタリング技術、土地管理と連動した炭素貯蔵量モデリング等をソリューションとして挙げた。
生物多様性では、気候変動の緩和と適応に不可欠と位置づけ、生物多様性の種類や変化を時系列でモニタリングできるようにすることを重要視。関連技術としては、カメラトラップ、小規模農家との協働、農場や遠隔地でのデータ収集等を挙げた。
さらに同社は、米飲料ベンチャーキャピタルDistill Venturesを通じたプレ・アクセラレーター・プログラムも展開。社会的地位の低いコミュニティの起業家に対し、500万米ドル(約7億円)の500万米ドル(約7億円)の出資を行ってきた。
9月7日には、今後1年間でディアジオから500万米ドルの追加出資を行うと発表。創業を目指す起業家に、最大50万米ドル(約7,100万円)の初期投資と、6ヵ月から12ヵ月間の支援を行う他、ディアジオやDistill Venturesからの追加投資等の提供機会も与える。
同プログラムは2021年7月に開始。これまで300件以上の応募があり、応募者の約50%が女性だった。人種構成では、アフリカ系またはカリブ系が50%、ラテン系が17%、アジア系が16%。性別では、LGBTQIA+が11%を占めた。2021年には、英国、米国、オランダの食品・飲料スタートアップ10社を支援した。
【参照ページ】Diageo launches innovation fund to help mitigate climate change in smallholder farms in Africa
【参照ページ】Distill Ventures commits additional $5 million to drinks founders from underrepresented communities
【画像】Diageo
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