リナックス財団が主導する共同プロジェクト「OS-Climate」は7月20日、気候変動に対応するための3つの分析ツールを発表した。
OS-Climateは、気候変動リスクマネジメントおよび気候変動に対応した金融・投資のためのオープンデータおよびオープンソース分析の開発を目的とした非営利プラットフォーム。創設者は、アリアンツ、アマゾン、マイクロソフト、S&Pグローバル。プレミアムメンバーには、BNPパリバ、ゴールドマン・サックス、KPMGが、ジェネラルメンバーには、ロンドン証券取引所グループ、Net Zero Asset Owner Alliance、フェデレーテッド・ハーミーズ、Ortec Finance等が参画している。
【参考】【国際】IT大手、ESG評価機関、NGO、投資家、気候変動の投資モデル開発で協働。OS-Climate発足(2020年5月1日)
【参考】【国際】リナックス財団、金融機関向け気候分析ツール開発プロジェクト発足。アマゾン等が参画(2020年9月12日)
【参考】【国際】リナックス財団のOS-Climate、レッドハット、エアバス、EYが新規参画(2021年11月16日)
今回の発表では、物理的リスクとレジリエンス、ポートフォリオ・アライメント、トランジション分析の3つのツールを公開。BNPパリバ、アリアンツ、エアバスが主導し開発した。オープンソース化されている。
物理的リスクとレジリエンスツールは、物理的な気候変動リスクを資産の位置データ、災害データを基に予測するもの。全世界を対象に、洪水、干ばつ、火災などすべての災害を網羅している。ポートフォリオのリスク測定、関連組織との情報連携、担保への影響など不確実性が高い内容の理解と測定等を実行できるよう支援する。あらゆる企業、セクターへの利用が可能としており、特に、電力、不動産など資産への物理的な影響を受けやすいセクターでの効果が高いとのこと。
ポートフォリオ・アライメントツールは、選んだポートフォリオの温度スコア、排出量予測などを計算し分析をサポートするツール。公開したプロトタイプ版では、分析用の気候変動シナリオに、2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットするアセットオーナーのイニシアチブ「Net-Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)」の「ワンアース気候モデル(OECM)」と機関投資家大手120機関以上が参加する低炭素経済推進イニシアチブ「Transition Pathway Initiative(TPI)」の2つを採用。対象セクターは、GHG排出量が多い電力、鉄鋼、石油・ガス、自動車の4セクター。
トランジション分析ツールは、様々な変数を組み合わせて地球上の変化をシミュレーションすることが可能。政策、マクロ経済指標、エネルギー、水や金属を含む資源、環境、人口などの変数を設定可能であり、戦略やシナリオを評価することができる。
【参照ページ】OS-Climate unleashes power of open source to develop data and tools required to meet the Paris climate goals
【参照ページ】OS-Climate
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