決済世界大手米マスターカードは4月19日、同社クレジットカード決済を通じて植林活動に参加できる植林イニシアチブ「Priceless Planet Coalition」の活動を拡大し、プロジェクト15件を新規追加。世界全体で6大陸合計18の森林再生プロジェクトを実施することを発表した。
同社は2020年1月、シティバンクらと協働で、同イニシアチブを発足。また、同社は2021年5月、クレジットカードの1米ドル支払い毎にCIの野生生物保護活動支援に寄付するクレジットカード「Wildlife Impact Card」を発行していた。
【参考】【国際】マスターカード、生物多様性支援クレジットカード発行。絶滅危惧種保護(2021年5月26日)
【参考】【国際】マスターカード、植林寄付クレジットカード発行。シティバンク等協働。国際環境NGOの寄付 (2020年1月25日)
同イニシアチブは、クレジットカード決済毎に植林活動に資金を寄付するもの。参画企業は、同社クレジットカードでの決済を通じて植林活動に参加できる。同社は、ネットワーク効果により、各企業が単体で取り組む以上のメリットを創出することを期待。2025年までに1億本の植林を行うことが目標。
また、同社は米雑誌大手「The Atlantic」とのパートナーシップを締結し、ロサンゼルスで没入型ショー「A Forest For The Trees」を開催することも発表した。このショーは、観客が自然界との関係を見直すきっかけとなるようデザインされており、このショーのチケット1枚の売り上げにつき1本の木の植林を行う予定。
現在プロジェクトが進行中の地域は、オーストラリア、ケニア、ブラジルのアマゾンの3つ。今回の新規追加を含めると、アジア太平洋地域(オーストラリア、カンボジア、中国、インド、フィリピン)、中南米(ブラジル、コロンビア、グアテマラ)、ヨーロッパ(フランス、ポルトガル、スペイン、スコットランド)、中東・アフリカ(マダガスカル、コンゴ民主共和国、ケニア、マラウイ、アラブ首長国連邦)、北米(メキシコ、アメリカ)の6大陸18プロジェクトへと大幅拡大する。
森林再生は、気候変動対策として最も効果的で費用対効果の高い方法として広く認知されている。同イニシアチブはパートナーである国際環境NGOの世界資源研究所(WRI)、コンサベーション・インターナショナル(CI)の指導のもと、科学に基づくベストプラクティスを用いて、新しいプロジェクト知識の特定、適切な樹種の選択、継続的なモニタリングによる長期的な森林の健全性の確保を行い、同時に地域社会に経済機会を提供している。
環境保護活動を支援する消費者の機運は、世界中で着実に高まっている。マスターカード経済研究所の調査では、環境に配慮した慈善団体への消費者の寄付は、新型コロナウイルス・パンデミック前の2019年と比較して、2022年には世界で48.4%増加し、他の団体への寄付の伸びを上回る。
欧州はこの傾向が顕著であり、同時期の2019年と比較すると、イギリス(287%)、ドイツ(101%)、ベルギー(97%)、アイルランド(86%)、イタリア(40%)で寄付が増加した。また、イスラエル(121%)、カナダ(56%)、オーストラリア(21%)等の国も大きく増加した。
【参照ページ】Mastercard expands the Priceless Planet Coalition’s forest restoration effort
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