バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は4月14日、銀行における気候変動リスクの分析結果をまとめた2つのレポートを発表した。BCBSの事務局を務める国際決済銀行(BIS)は2020年1月に気候変動の金融危機リスクを示した「グリーン・スワン」レポートを発表していたが、今度はBCBSからもレポートが出た形。
【参考】【国際】BIS、気候変動金融危機リスクを「グリーン・スワン」と呼称。中銀の抜本的な認識変化必要(2020年1月27日)
【参考】【国際】各国金融監督当局で気候変動システミックリスク対策の検討進む。バーゼル委員会調査結果(2020年5月5日)
BCBSは2020年にも、加盟金融当局での対策動向を調査した結果を発表。そして今回、気候関連リスクが金融システムに与える影響と影響経路を示したレポートと、気候関連金融リスクを測定するための手法を示したレポートを今回発表した。気候変動に関する金融リスクを検討するための中央銀行・金融当局ネットワーク「気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)」や金融安定理事会(FSB)での議論についても参照された。
双方のレポートは対を成しており、全体として、気候リスクは伝統的な金融リスクとして捉えることができ、金融当局が対策を講じるべき分野と認識。その上で、気候変動リスク対策には従来とは異なるアプローチも必要となるとし、課題感を示した。また対策に必要な、リスク測定のための、データ不足や長期展望の不確実性の扱いに課題があると指摘した。
BCBSは今後、今回策定した手法に基づき、現在の金融システムのリスクを調査していくことを表明。その上で、規制、監督、金融機関の情報開示の3つの観点から、必要な作業を炙り出していくと伝えた。
【参照ページ】Basel Committee publishes analytical reports on climate-related financial risks
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