国際グリーンボンド基準策定NGO気候債券イニシアチブ(CBI)は1月24日、2020年の世界のグリーンボンド発行統計を発表した。CBI基準に適合するグリーンボンド発行とグリーンローン調達の額は、世界全体で2,695億米ドル(約28兆円)。2019年の2,665億米ドル(約27.7兆円)を少し上回り、史上最高額を更新した。
CBIは毎年、強気の発行額予想をすることで知られているが、2020年1月には、同年の発行額見込みを3,500億米ドルから4,000億米ドルと予想。実際には、新型コロナウイルス・パンデミックが想定を覆す形となり、2019年から微増で着地。但し、パンデミックでソーシャルボンドの発行が急増し、サステナブルボンド(ESG債)全体では7,320億米ドル(約76兆円)で前年比20%増となった。
【参考】【国際】ESG債の2020年発行額、76兆円で史上最多。新型コロナウイルス関連の使途が大きく牽引(2021年1月14日)
2020年のグリーンボンドの国別発行額では、例年同様、米国が首位で511億米ドル。2位はドイツが倍増し402億米ドル。フランスが前年同様規模の321億米ドルで3位につけた。4位の中国は172億米ドルで前年6割程度で着地。オランダが170億米ドルで5位だった。6位はスウェーデンで133億米ドル。日本は前年からやや増の103億米ドルで7位だった。
資金使途別では、エネルギー分野が最も多く35%。続いて、不動産26%、交通・輸送24%、水インフラ7%の順。土地利用変化も5%あった。
発行体別では、例年通りファニーメイが首位で130億米ドル。ドイツ政府が128億米ドルで堂々の2位。3位以降は、パリ市交通のグラン・パリ公社(SGP)が122億米ドル、ドイツの政策金融KfWが94億米ドル、フランス政府が69億米ドル、欧州投資銀行(EIB)が41億米ドル、ニューヨーク交通のメトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティが40億米ドル、チリ政府38億米ドル、オランダ政府34億米ドル、オランダ国営送電会社テネット・ホールディングス26億米ドル。公共セクターが大規模発行で市場を牽引していることがわかる。
CBIは2021年のグリーンボンドとグリーンローンでの調達額は、4,000億米ドルから4,500億米ドルと予想。一方、HSBCは3,100億米ドルから3,600億米ドル、SEBは5,000億米ドル、クレディ・アグリコルは6,000億米ドルと予想している。
【参照ページ】Record $269.5bn green issuance for 2020: Late surge sees pandemic year pip 2019 total by $3bn
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