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【国際】中銀・金融当局連合NGFS、中央銀行のESG投資ガイダンス発行。気候変動は金融リスクの発生源

 気候変動に関する金融リスクを検討するための中央銀行・金融当局ネットワーク「気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(Network for Greening the Financial System;NGFS)」は10月17日、中央銀行自身が保有する投資ポートフォリオ・マネジメントにおいて、サステナビリティを考慮することを提言した。それに伴い、中央銀行のポートフォリオ・マネジメントのためのESG責任投資ガイダンスを発行した。

【参考】【国際】中銀・金融当局連合NGFS、金融機関監督にTCFD盛り込む提言発表。ブラウン・タクソノミーも(2019年4月18日)
【参考】【アメリカ】ニューヨーク州金融監督局、米国初のNGFS加盟。加盟43機関に増加。SIFにも加盟(2019年9月27日)

 NGFSは当初、英イングランド銀行、ドイツ連邦銀行/独連邦金融監督庁(BaFin)、フランス銀行/仏健全性監督機構(ACPR)、オランダ銀行、スウェーデン金融監督機関、中国人民銀行、シンガポール通貨金融庁、メキシコ銀行の中央銀行8行で発足。EUが進めている気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言の金融監督行政への反映へ、低炭素経済分野のタクソノミー(定義)を支持するとともに、中央銀行自身の投資ポートフォリオ運用でもESG投資を推進することを提唱している。

 NGFSには現在までに、さらに、日本、スイス、EU、イタリア、スペイン、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルク、ポルトガル、ハンガリー、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ギリシャ、アイルランド、マルタ、カナダ、アブダビ、ドバイ、モロッコ、マレーシア、タイ、香港、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、コロンビア、米ニューヨーク州の金融当局が加盟している。

 世界的に中央銀行は、通常の銀行のように保有資産を投資運用するために投資しているケースと、日本銀行のように量的金融緩和政策の一環で、金融資産を購入し、市中に現金を供給しているケースがある。また、公的年金資産を中央銀行が運用しているケースや、他の公的機関等の第三者資産を中央銀行が運用しているケースもある。日本銀行は現在、量的金融緩和政策の一環で、長期国債、国庫短期証券、CP、社債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT)等を購入し、また保有外貨運用として、外貨債券、外貨投資信託、外貨ローン等での運用を行っている。

 NGFSは今回、気候変動は金融リスクの発生源と明言。今回のガイダンスでは、NGFSの加盟国・地域からのアンケート調査を実施。回答のあった27ヶ国・地域のうち、25ヶ国・地域がESG投資を実践していた。同ガイダンスでは、それらをケーススタディとして記載し、中央銀行のESG投資を実現するための5つの戦略を明記。特に顕著のものとして、グリーンボンドへの投資と、株式や社債に対する投資除外設定。その他、モニタリングや報告についてもガイダンスを出した。

 ケーススタディとして取り上げられた中央銀行は、ノルウェー、イタリア、フランス、ハンガリー、スイス、オランダ、メキシコ。
 
【参照ページ】NGFS publishes A Sustainable and Responsible Investment Guide for Central Banks’ Portfolio Management
【ガイダンス】A sustainable and responsible investment guide

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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