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【アメリカ】シェブロン、気候関連対応開示を更新。経営陣と従業員の給与評価にCO2削減を導入

 エネルギー世界大手米シェブロンは2月7日、2018年3月に発表した気候変動対応の内容を更新したと発表した。背景には、機関投資家や他のステークホルダーとの対話があったことを明らかにした。経営陣とほぼ全従業員の人事評価の一つとして二酸化炭素排出量削減に関する指標を導入し、給与と連動させること等が柱。

 シェブロンが2018年3月に公表した気候変動対応フレームワーク「Climate Change Resilience: a framework for decision making」では、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の内容に則り、「指標と目標」の「組織が気候関連リスク及び機会を管理するために用いる目標、及び目標に対する実績について説明する」を除いた全項目について情報開示している。シナリオ分析についても、国際エネルギー機関(IEA)の「New Policies Scenario(NPS)」と「Sustainable Development Scenario(SDS)」を用い、化石燃料需要のや価格への影響を分析した。

 今回の更新では、ガバナンス、アクション・投資、指標の3つについての変更した。ガバナンスでは、2018年発表のフレームワークでは、同社の取締役会に設置された4つの委員会のうち、監査委員会、指名委員会、パブリックポリシー委員会の3つについては気候変動ガバナンスの観点で果たす役割を記載していたが、今回は残りの一つ報酬委員会についても役割を明確にした。その上で、報酬委員会の場で、「シェブロン・インセンティブ・プラン(CIP)」スコアカードを改定し、二酸化炭素排出量削減に関する指標を経営陣とほぼ全従業員の人事評価の一つに組み込むことを決定したことを明らかにした。指標に用いる目標としては、2023年までに2016年比でガスフレア排出量を25%から30%削減及びメタンガス排出量を20%から25%削減。

 またガバナンス改革では、経営会議の下部委員会である「Enterprise Leadership Team(ELT)」と「Global Issues Committee (GIC)」に加え、新たに「ESG engagement team」を設置したことを発表。同委員会は、TCFD、SASB、及びESG評価機関のESGスコアに関連する内容を投資家及び他のステークホルダーと対話するための部署。年間で50以上の投資家及びステークホルダーと協議することを目指す。

 アクション・投資改革では、2018年に加盟した「石油・ガス気候変動イニシアチブ(OGCI)」に加え、同機関の投資イニシアチブ「OGCI気候投資」にも
加盟し、1億米ドル(約110億円)を出資すると明かした。同社はそれとは別に、同社の「シェブロン未来エネルギー・ファンド」を2018年に発足し、1億米ドル(約110億円)を投資しており、今回の発表で合計の投資額が2倍となる。

【参考】【国際】石油・ガス大手気候変動対応推進OGCI、米系3社が初加盟し合計13社に(2018年9月25日)

【参照ページ】Chevron Issues Update to Climate Report for Investors
【レポート】Climate Change Resilience: a framework for decision making
【レポート】Update to Climate Change Resilience: a framework for decision making

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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