政府・国際機関・NGO 公開日:2019/02/08 【国際】CDP、2019年版サプライチェーン報告書を公表。日本は15社が優秀企業に選定 国際的な気候変動情報開示推進NGOのCDPは2月6日、サプライチェーンプログラムの今年度報告書「サプライチェーン報告書2019」を公表した。CDPの報告書は、従来からのCDPプログラムである「気候変動」「ウォーター(水)」「フォレスト(森林)」の3つを、サプライチェーンという観点で改善していくために開始されたもの。今回の報告書は、英シンクタンクのカーボン・トラストもデータ整理で協力した。 CDPサプライチェーンプログラムの会員企業数は現在115社で、購買力総計は約3.3兆米ドル(約360兆円)。プログラムそのものを牽引するリーディング・パートナー企業は、バンク・オブ・アメリカ、バークレイズ、デル、インペリアル・ブランズ、ジュニパーネットワークス、ケロッグ、レゴ、ロレアル、マイクロソフト、ノバルティス、NRGエナジー、フィリップモリス、Signify(旧フィリップスライティング)、フィリップス、ターゲット、ヴァージン・マネー、ウォルマート、ウェルズ・ファーゴ、米共通役務庁の19社・機関。通常の企業会員では、日本企業からも味の素、ブリヂストン、富士通、本田技研工業、花王、三菱自動車、日産自動車、大成建設、トヨタ自動車が入っている。日本たばこ産業子会社のJTインターナショナルが参加している。 会員企業は、サプライヤーに対して、気候変動や水などの環境リスクの開示を求めており、気候変動対策に強いサプライチェーンを構築することを目指している。会員企業と会員企業に指名されたサプライヤーは、毎年CDPに対して気候変動やウォーター、フォレストの質問票に回答をし、情報を開示することが求められる。今回気候変動に関する調査票が送付されたサプライヤー企業数は全部で11,692社。そのうち、5,545社が回答を寄せた(回答率47%)。同様に、ウォーターに関する調査票が送付されたサプライヤー数は3,804社。そのうち回答を寄せた企業数は1,709社(回答率45%)。フォレストに関する調査票送付は519社、回答を寄せたのは305社(回答率59%)。今年は、ウォーターとフォレストで回答率が大幅に上がった。【参考】【国際】CDP、2018年版サプライチェーン報告書を公表。優良企業として日本企業10社入賞(2018年1月31日) 今回の報告書では、気候変動質問票に回答を寄せた企業5,545社による二酸化炭素排出量(スコープ1と2)の合計は、72億6,800万tに達し、米国とカナダの合計量を上回る。これでも回答企業の25%はスコープ1のデータと、42%はスコープ2のデータを開示しておらず、実際にはもっと増えることになる。排出削減量の合計は6億3,300万tとなり、コスト削減効果は193億米ドル(約2.1兆円)となった。しかし排出削減量は、排出量のわずか6%にすぎず、23%の企業は絶対排出量が前年を上回っていた。 報告書では、昨年に引き続き3回目の優良企業「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー・ボード」の選定と発表も行われた。この選定は、今回回答を寄せたサプライヤーのうち、「サプライヤー・エンゲージメント格付」で高得点を獲得した企業。2017年は29社だったが、2018年は58社と倍増し、今回2019年は128社が選ばれた。日本は15社選ばれた。サプライヤー・エンゲージメント・リーダー・ボード 2019アッヴィ(米国)アクセンチュア(アイルランド)アクシオナ(スペイン)Adobe(米国)ASE(台湾)味の素(日本)アクゾノーベル(オランダ)アルファベット(米国)アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)(ベルギー)Applied Optoelectronics(米国)アストラゼネカ(英国)AU Optronics(台湾)オートデスク(米国)バークレイズ(英国)Barilla Holding(イタリア)バリーカレボー(スイス)BASF(ドイツ)バイエル(ドイツ)Bic(フランス)バイオジェン(米国)BMW(ドイツ)バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(米国)ブラスケム(ブラジル)BTグループ(英国)シーザーズ・エンターテインメント(米国)キヤノン(日本)キャップジェミニ(フランス)シスコシステムズ(米国)シティグループ(米国)コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ(米国)コカ・コーラHBC(スイス)Constantia Flexibles(オーストリア)コンチネンタル(ドイツ)コーウェイ(韓国)Creative Group of Industries(インド)CRH(アイルランド)CVSヘルス(米国)ダノン(フランス)ドイツテレコム(ドイツ)ディアジオ(英国)フィルメニッヒ(スイス)富士フイルムホールディングス(日本)富士通(日本)ゼネラル・ミルズ(米国)ジボダン(スイス)グラクソ・スミスクライン(英国)ゴールドマン・サックス・グループ(米国)CCRグループ(ブラジル)Heinz Glas(ドイツ)ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(米国)本田技研工業(日本)HP(米国)ICL(イスラエル)INGグループ(オランダ)イングレディオン(米国)インテル(米国)Interserve(英国)ジョンソン・エンド・ジョンソン(米国)ジュニパーネットワークス(英国)花王(日本)川崎汽船(日本)ケロッグ(米国)キリンホールディングス(日本)Kone(フィンランド)コニカミノルタ(日本)KPN(オランダ)フィリップス(オランダ)KPMG(オランダ)フランス郵政公社(フランス)レゴグループ(デンマーク)レノボ(中国)リンクレーターズ(英国)Lockton Companies(米国)ロレアル(フランス)Lubrizol(米国)ルンドベック(デンマーク)マヒンドラ&マヒンドラ(インド)マーシュ・アンド・マクレナン(米国)マスターカード(米国)マクドナルド(米国)メットライフ(米国)メッツァ・ボアルド(フィンランド)ミシュラン(フランス)マイクロソフト(米国)三菱電機(日本)モルソン・クアーズ(米国)ナブテスコ(日本)ナショナル・グリッド(英国)ネスレ(スイス)ネクサンス(フランス)日本通運(日本)ノキア(フィンランド)NRGエナジー(米国)オラクル(米国)オレンジ(フランス)パナソニック(日本)ファイザー(米国)フィリップモリス・インターナショナル(米国)プロキシマス(ベルギー)レキットベンキーザー(英国)ルノー(フランス)ロールス・ロイス(英国)BAMグループ(オランダ)セールスフォース・ドットコム(米国)サムスン電子(韓国)シュナイダーエレクトリック(フランス)シールドエアー(米国)積水化学工業(日本)SGS(スイス)Signify(旧フィリップスライティング)(オランダ)Sky(英国)ソシエテ・ジェネラル(フランス)Sofidel(イタリア)ソニー(日本)Sopra Steria(フランス)スタンレー・ブラック&デッカー(米国)スエズ・エンバイロメント(フランス)TSMC(台湾)テックマヒンドラ(インド)テルストラ(オーストラリア)テナントカンパニー(米国)Tessy Plastics(米国)テトラパック(スイス)ティッセンクルップ(ドイツ)豊田自動織機(日本)ユニリーバ(英国・オランダ)ウェイスト・マネジメント(米国)ウェルズ・ファーゴ(米国)ゼロックス(米国)【参照ページ】Global Supply Chain Report 2019 【レポート】Global Supply Chain Report 2019 株式会社ニューラル サステナビリティ研究所この記事のタグ CDP CDPサプライチェーンプログラム ニュース レポーティング・ガイドライン・法規制 取引先・サプライチェーン 国際 政府・国際機関・NGO 環境Sustainable Japanの特長Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。時価総額上位100社の96%が登録済業界第一人者が編集長7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1 さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら