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【国際】CDP、2019年版サプライチェーン報告書を公表。日本は15社が優秀企業に選定

 国際的な気候変動情報開示推進NGOのCDPは2月6日、サプライチェーンプログラムの今年度報告書「サプライチェーン報告書2019」を公表した。CDPの報告書は、従来からのCDPプログラムである「気候変動」「ウォーター(水)」「フォレスト(森林)」の3つを、サプライチェーンという観点で改善していくために開始されたもの。今回の報告書は、英シンクタンクのカーボン・トラストもデータ整理で協力した。

 CDPサプライチェーンプログラムの会員企業数は現在115社で、購買力総計は約3.3兆米ドル(約360兆円)。プログラムそのものを牽引するリーディング・パートナー企業は、バンク・オブ・アメリカ、バークレイズ、デル、インペリアル・ブランズ、ジュニパーネットワークス、ケロッグ、レゴ、ロレアル、マイクロソフト、ノバルティス、NRGエナジー、フィリップモリス、Signify(旧フィリップスライティング)、フィリップス、ターゲット、ヴァージン・マネー、ウォルマート、ウェルズ・ファーゴ、米共通役務庁の19社・機関。通常の企業会員では、日本企業からも味の素、ブリヂストン、富士通、本田技研工業、花王、三菱自動車、日産自動車、大成建設、トヨタ自動車が入っている。日本たばこ産業子会社のJTインターナショナルが参加している。

 会員企業は、サプライヤーに対して、気候変動や水などの環境リスクの開示を求めており、気候変動対策に強いサプライチェーンを構築することを目指している。会員企業と会員企業に指名されたサプライヤーは、毎年CDPに対して気候変動やウォーター、フォレストの質問票に回答をし、情報を開示することが求められる。今回気候変動に関する調査票が送付されたサプライヤー企業数は全部で11,692社。そのうち、5,545社が回答を寄せた(回答率47%)。同様に、ウォーターに関する調査票が送付されたサプライヤー数は3,804社。そのうち回答を寄せた企業数は1,709社(回答率45%)。フォレストに関する調査票送付は519社、回答を寄せたのは305社(回答率59%)。今年は、ウォーターとフォレストで回答率が大幅に上がった。

【参考】【国際】CDP、2018年版サプライチェーン報告書を公表。優良企業として日本企業10社入賞(2018年1月31日)

 今回の報告書では、気候変動質問票に回答を寄せた企業5,545社による二酸化炭素排出量(スコープ1と2)の合計は、72億6,800万tに達し、米国とカナダの合計量を上回る。これでも回答企業の25%はスコープ1のデータと、42%はスコープ2のデータを開示しておらず、実際にはもっと増えることになる。排出削減量の合計は6億3,300万tとなり、コスト削減効果は193億米ドル(約2.1兆円)となった。しかし排出削減量は、排出量のわずか6%にすぎず、23%の企業は絶対排出量が前年を上回っていた。

 報告書では、昨年に引き続き3回目の優良企業「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー・ボード」の選定と発表も行われた。この選定は、今回回答を寄せたサプライヤーのうち、「サプライヤー・エンゲージメント格付」で高得点を獲得した企業。2017年は29社だったが、2018年は58社と倍増し、今回2019年は128社が選ばれた。日本は15社選ばれた。

サプライヤー・エンゲージメント・リーダー・ボード 2019

  • アッヴィ(米国)
  • アクセンチュア(アイルランド)
  • アクシオナ(スペイン)
  • Adobe(米国)
  • ASE(台湾)
  • 味の素(日本)
  • アクゾノーベル(オランダ)
  • アルファベット(米国)
  • アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)(ベルギー)
  • Applied Optoelectronics(米国)
  • アストラゼネカ(英国)
  • AU Optronics(台湾)
  • オートデスク(米国)
  • バークレイズ(英国)
  • Barilla Holding(イタリア)
  • バリーカレボー(スイス)
  • BASF(ドイツ)
  • バイエル(ドイツ)
  • Bic(フランス)
  • バイオジェン(米国)
  • BMW(ドイツ)
  • バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(米国)
  • ブラスケム(ブラジル)
  • BTグループ(英国)
  • シーザーズ・エンターテインメント(米国)
  • キヤノン(日本)
  • キャップジェミニ(フランス)
  • シスコシステムズ(米国)
  • シティグループ(米国)
  • コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ(米国)
  • コカ・コーラHBC(スイス)
  • Constantia Flexibles(オーストリア)
  • コンチネンタル(ドイツ)
  • コーウェイ(韓国)
  • Creative Group of Industries(インド)
  • CRH(アイルランド)
  • CVSヘルス(米国)
  • ダノン(フランス)
  • ドイツテレコム(ドイツ)
  • ディアジオ(英国)
  • フィルメニッヒ(スイス)
  • 富士フイルムホールディングス(日本)
  • 富士通(日本)
  • ゼネラル・ミルズ(米国)
  • ジボダン(スイス)
  • グラクソ・スミスクライン(英国)
  • ゴールドマン・サックス・グループ(米国)
  • CCRグループ(ブラジル)
  • Heinz Glas(ドイツ)
  • ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(米国)
  • 本田技研工業(日本)
  • HP(米国)
  • ICL(イスラエル)
  • INGグループ(オランダ)
  • イングレディオン(米国)
  • インテル(米国)
  • Interserve(英国)
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン(米国)
  • ジュニパーネットワークス(英国)
  • 花王(日本)
  • 川崎汽船(日本)
  • ケロッグ(米国)
  • キリンホールディングス(日本)
  • Kone(フィンランド)
  • コニカミノルタ(日本)
  • KPN(オランダ)
  • フィリップス(オランダ)
  • KPMG(オランダ)
  • フランス郵政公社(フランス)
  • レゴグループ(デンマーク)
  • レノボ(中国)
  • リンクレーターズ(英国)
  • Lockton Companies(米国)
  • ロレアル(フランス)
  • Lubrizol(米国)
  • ルンドベック(デンマーク)
  • マヒンドラ&マヒンドラ(インド)
  • マーシュ・アンド・マクレナン(米国)
  • マスターカード(米国)
  • マクドナルド(米国)
  • メットライフ(米国)
  • メッツァ・ボアルド(フィンランド)
  • ミシュラン(フランス)
  • マイクロソフト(米国)
  • 三菱電機(日本)
  • モルソン・クアーズ(米国)
  • ナブテスコ(日本)
  • ナショナル・グリッド(英国)
  • ネスレ(スイス)
  • ネクサンス(フランス)
  • 日本通運(日本)
  • ノキア(フィンランド)
  • NRGエナジー(米国)
  • オラクル(米国)
  • オレンジ(フランス)
  • パナソニック(日本)
  • ファイザー(米国)
  • フィリップモリス・インターナショナル(米国)
  • プロキシマス(ベルギー)
  • レキットベンキーザー(英国)
  • ルノー(フランス)
  • ロールス・ロイス(英国)
  • BAMグループ(オランダ)
  • セールスフォース・ドットコム(米国)
  • サムスン電子(韓国)
  • シュナイダーエレクトリック(フランス)
  • シールドエアー(米国)
  • 積水化学工業(日本)
  • SGS(スイス)
  • Signify(旧フィリップスライティング)(オランダ)
  • Sky(英国)
  • ソシエテ・ジェネラル(フランス)
  • Sofidel(イタリア)
  • ソニー(日本)
  • Sopra Steria(フランス)
  • スタンレー・ブラック&デッカー(米国)
  • スエズ・エンバイロメント(フランス)
  • TSMC(台湾)
  • テックマヒンドラ(インド)
  • テルストラ(オーストラリア)
  • テナントカンパニー(米国)
  • Tessy Plastics(米国)
  • テトラパック(スイス)
  • ティッセンクルップ(ドイツ)
  • 豊田自動織機(日本)
  • ユニリーバ(英国・オランダ)
  • ウェイスト・マネジメント(米国)
  • ウェルズ・ファーゴ(米国)
  • ゼロックス(米国)

【参照ページ】Global Supply Chain Report 2019
【レポート】Global Supply Chain Report 2019

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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