オランダ年金基金第2位PFZWの運用会社PGGMは6月21日、国際環境NGOグリーンピースが要求していたオイルサンド輸送パイプライン3社からの投資引揚げ(ダイベストメント)に関し、株式売却はせず、株主としてエンゲージメントを強化していく声明を発表した。
グリーンピースが株式売却を要求していたのは、カナダのEnbridgeとTransCanada、米国Energy Transfer Partnersの3社。PFZWは3社の株式、運用資産総額の0.03%を占める6,600万ユーロ(約85億円)分を保有している。グリーンピースは、気候変動緩和の一環として、PFZWとPGGMに売却を要求していた。
PGGMは今回、サステナビリティを考慮しながら財務リターンを上げていくことが使命だと表明。PGGMのポートフォリオの二酸化炭素排出量は、2年前に比べ28%減少しており、今後1年半でさらに半減すると見通しを示した。また、グリーンビルディング等の気候変動対応に資する銘柄に合計64億ユーロ(約8,200億円)投資していることも強調した。NGOとの対話については、真摯に対応するとしつつも、全ての要求は叶えられないと述べた。
3社の株式保有を続ける理由に関連し、コストが低く幅広い銘柄に分散投資するパッシブ運用は投資スタイルとして魅力があり、アクティブ運用は少数と説明。3社に対しては、株主として粘り強くエンゲージメントを続け、低炭素化の方向に転換させていく意思を表明した。
【参照ページ】Tar sand transport sector also deserves a sound shareholder dialogue
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