環境弁護士グループClientEarthは3月22日、スペインの河川流域管理計画の欠陥を指摘し、同国の水域の半分以上が、良好な状態にないことを同団体の報告書で明らかにした。水需要の増大と気候変動による利用可能な水量の減少に伴い、問題は悪化の一途をたどる可能性があると警鐘を鳴らした。
同報告書では、地中海性気候と不規則な降雨を抱えるスペインでは、水資源に対するプレッシャーの高まりに直面していると危惧。同国の河川流域管理計画は、EUの水枠組み指令(WFD)の目標を下回っており、国内の水域の半数以上が良好な状態を達成できておらず、この傾向は2027年まで続くと分析した。
エブロ川、セグラ川、グアダルキビール川、タホ川等、同国の主要な河川流域に焦点を当てた河川流域管理計画の分析では、水生生態系の著しい劣化が見られるとも指摘。特別旱魃計画についても検証し、気候変動適応の必要性を強調した。
主な提言としては、河川の機能と生態系の保全を優先し、持続可能な河川流域管理への転換を要請。同計画の中で気候変動に対策を講じ、WFDを効果的に実施することが急務だとした。持続可能な水利用と生態系保全の確保は、スペインだけでなく欧州全体にとっても重要と付言した。
【参照ページ】Diving into Spain’s water crisis: new ClientEarth report
【画像】ClientEarth
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