ドイツ化粧品大手バイヤスドルフは9月25日、社会的孤立を防ぎ、有意義な人間関係を促進するプロジェクト「ニベア・コネクト」を発表した。孤独感や社会的孤立は、コルチゾールやその他ストレスホルモンの増加と関連しており、心臓病リスクを29%、脳卒中リスク32%増加させる等、長期的に健康を損なう可能性がある。同社として対策を講じる。
同社が世界8カ国8,000人を対象に実施した調査によると、社会的孤立は現代社会における心身の健康にとって最も差し迫った課題のひとつ。回答者の86%は、孤立や孤独がますます問題になっていると感じているとし、25%が過去12か月間に常にまたは頻繁に孤独を感じたと報告、20%は親しい友人が一人もいないと回答した。
また社会的孤立の影響を受けていると認識している回答者の48%は、肉体的健康の低下を、53%が精神的な健康の低下を経験しており、うつ病や不安症のリスクが高まっている。さらに58%が無力感を感じ、56%が社会的な活動を辞め、46%が重要な責任を放棄していることも明らかになった。
特に強く社会的孤立を感じている層は、16歳から24歳(38%)、ハイブリッドワーカー(52%)、ソーシャルメディアのヘビーユーザー(34%)。孤立感の高まりの背景としては、回答者の40%が社会不安を、30%が友人や家族との距離を要因として挙げた。また社会への参加を妨げる主要因としては、経済的な理由(27%)、差別、排除、いじめ(22%)、年齢(17%)が挙がった。
その他には、81%が現代社会では誰もが自分のことしか考えていない、58%が他の人と一緒にいるときでも孤独を感じると回答。40%が社会的孤立を恥ずかしいと感じ、58%が無力感があると回答する等、社会的孤立や孤独に対する偏見が、助けやサポートを求めることへの大きな障壁となっていることも明らかになった。事実、67%が孤独や疎外感を感じたときにどこに助けを求めればよいかを知っていると答えた一方、助けを求めやすいとの回答は46%に留まった。
そこで同社は今回、グローバルでの社会ミッションとして「ニベア・コネクト」を掲げ、世界中の地域社会、組織、個人を対象に、孤立に対する偏見を減らし、有意義な人間関係を築くことを奨励するための教育と支援を決定。2026年までに40カ国で地域毎のプロジェクトを発足する。また地域社会とコミュニケーションを図り、同問題に関する啓蒙活動も展開。科学者、専門家、組織で構成されるグローバルコミュニティと協働し、社会的孤立の防止を目指す。
【参照ページ】NIVEA launches mission to fight social isolation and publishes global research findings
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