私立大学連盟は8月8日、人口減少の中での私立大学の在り方について提言をまとめた「新たな公財政支援のあり方について」を発表した。国立大学だけでなく、私立大学に対しても公的支援を拡充するよう求めた。
日本の大学の研究力が弱体化する中、同時に大学運営に関しては予算の窮乏化が深刻化している。国立大学協会は6月に声明を発表。政府からの予算を確保する必要があるとの意見を表明していたばかり。それに応じて、日本の私立大学からも予算拡充要請が出る形となった。
【参考】【国際】自然科学論文ランキング、中国首位で米国との差拡大。インドも躍進。日米欧は下落(2024年6月21日)
【参考】【日本】国立大学協会「もう限界」。財務基盤が悪化。国民に理解要請(2024年6月10日)
今回、私立大学連盟は、「学生の約8割の教育を担う私立大学がどれだけ質の向上を図れるかが、国民全体の能力の総和の増減に大きく関わる」と表明。私立大学の授業料を引き上げるためには、同時に国立大学の授業料も引き上げていくべきとの考えから、国立大学の授業料の上限撤廃を支持。その上で、私立大学については、質の高い教育研究や大学改革を実現するための機関補助を増額し、公平な競争環境を整備するとともに学生に対する教育の質を向上させるべきとした。
具体策としては、現在の機関補助総額1兆7,000億円(国立大学1兆2,728億円、私立大学4,132)億円と、個人向けの給付型奨学金「修学支援制度」の5,200億円の約2,2兆円の現在の財源に、新たに教育国債を2兆円発行し、財源を4兆2,000億円にまで引き上げるべきとした。財源の使い途では、国立大学に1兆3,000億円、私立大学に1兆円、個人補助に1兆8,000億円を提言した。個人補助は、大学生295万人(令和5年度)の約6割(世帯年収900万円以下)に給付奨学金もしくは授業料減免として一人当たり100万円の支援をした場合として算出した。
【参照ページ】「新たな公財政支援のあり方について」の公表
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