国際環境NGOの国際自然保護連合(IUCN)は6月26日、絶滅危惧種レッドリストを改訂。ボルネオゾウを「絶滅危惧種(EN)」に指定した。
ボルネオゾウは、別個の亜種として今回初めて評価を受けた。現在、自然界には約1,000頭が生息しているとみられているが、生息地の大半が、パーム油や木材のプランテーション、資源細工等による大規模森林伐採によって破壊されている。マレーシアのサバ州では、人口が急速に増加し、ゾウが食べ物を求めて人間の土地に入り込むことが多くなり、農作物への被害が出ている。そのため、報復殺戮にも直面している。象牙を狙った密猟、農薬の誤飲、車両との衝突等も生息数減少の要因となっている。
また、グラン・カナリア島の爬虫類種は、侵略的外来種の蛇カリフォルニア・キングスネークによって個体数が著しく減少している。グラン・カナリア・オオトカゲは今回、低危険種(LC)から近絶滅種(CR)へ、グラン・カナリア・スキンクは、低危険種(LC)から絶滅危惧種(EN)へ格上げされた。
一方、カナリア諸島では、保護活動により、ラ・ゴメラ・オオトカゲの個体数は増加傾向にある。この種は、飼育下繁殖と再導入プログラムにより、近絶滅種(CR)から絶滅危惧種(EN)へと格下げされた。同種は、人間が持ち込んだネコやネズミ、人間の狩猟によって絶滅寸前まで追い込まれていた。現在も、野良猫や、気候変動によって頻発すると思われる地滑りが脅威となっている。
イビサワラトカゲ(Podarcis pityusensis)は、侵略的外来種のカブトヘビによって2010年以降個体数が50%減少し、今回、近危急種(NT)から絶滅危惧種(EN)格上げされた。
目下、IUCNのレッドリストには、163,040種が登録されている。そのうち45,321種が、近絶滅種(CR)、絶滅危惧種(EN)、危急種(VU)に分類されている。
【参照ページ】Bornean elephant Endangered – IUCN Red List
【画像】IUCN
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