公正取引委員会は4月22日、米アルファベット傘下の米グーグルに対し、独占禁止法上の審査を行っていたことを明らかにし、同社が自発的に必要措置の実施に関する確約計画を提出したことから、同計画を認定した。結果、独占禁止法上の違法に関する最終判断を下すことなく、事案が終結した。
同事案は、米グーグルとヤフーに関するもの。ヤフーは2011年頃までは、米ヤフーから検索エンジン及び検索連動型広告の技術を提供されていたが、米ヤフーが技術開発を停止したため、2012年7月27日、米グーグルの子会社グーグルアジアパシフィックプライベートリミテッド(GPAC)を通じ、ヤフーとの間で契約「GOOGLE SERVICES AGREEMENT(GSA)」を締結し、GSAに基づき、米グーグルからヤフーに対し、検索エンジン及び検索連動型広告の技術を提供する形となった。
同契約に先立ち、米グーグルとヤフーは、公正取引委員会に対し、独占禁止法上の問題を照会。公正取引委員会は、米グーグルがヤフーに検索エンジン及び検索連動型広告の技術を提供する後も、インターネット検索サービス及び検索連動型広告の運営をそれぞれ独自に行い、広告主、広告主の入札価格等の情報を完全に分離して保持する形であれば問題ないと伝えていた。また当該技術の提供について引き続き注視すること及び独占禁止法に違反する疑いのある具体的事実に接した場合は必要な調査を行う等厳正に対処することを明らかにしていた。
公正取引委員会によると、その後、米グーグルは、2014年11月1日、GSAを、GAPAC及び日本法人のグーグル合同会社を通じて変更し、変更後の契約に基づき、2015年9月2日から2022月10月31日まで、ヤフーに対し、モバイル・シンジケーション取引に必要な検索エンジン及び検索連動型広告に係る技術の提供を制限することで、ヤフーがモバイル・シンジケーション取引を行うことを困難にしていた。この件が独占禁止法上問題となると判定した。モバイル・シンジケーション取引とは、検索連動型広告の配信を行う事業者が、ウェブサイト運営者等から広告枠の提供を受け、検索連動型広告を配信するとともに、当該広告枠に配信した検索連動型広告により生じた収益の一部を当該事業者に分配する取引のこと。
グーグルは、確約計画の中で、当該行為を取りやめていることを米グーグルの最高意思決定機関であるマネージング・メンバーで確認し、技術の提供の制約撤廃を今後3年間は実施すること等を約束。公正取引委員会は確約計画が必要な内容を満たしているとし、確約計画を認定した。
【参照ページ】(令和6年4月22日)Google LLCから申請があった確約計画の認定について
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