LINEヤフーは3月15日、2021年1月に発足した「デジタル時代における民主主義を考える有識者会議」の最終提言書を公表した。デジタル時代における健全な民主主義を実現するために、デジタルプラットフォーム事業者に期待される在り方を3年をかけてまとめた。
同有識者会議は、慶應義塾大学の山本龍彦教授を座長に、小川一・毎日新聞客員編集委員、河合優子・西村あさひ法律事務所弁護士、新谷学・文藝春秋取締役文藝春秋総局長、樋口建史・元警視総監・前ミャンマー大使、星周一郎・東京都立大学法学部教授、山口真一・国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授で構成。合計14回の委員会を開催してきた。
今回は最終報告書では主に9つの提言を挙げた。
- 民主主義に対する外部からの攻撃がデジタルプラットフォームを介して行われることを認識し、政府等のステークホルダーとともに適切な防衛策を講じる
- 偽情報・誤情報対策へ継続的に関与する
- 政府に対する情報開示についての社内ガイドラインを整備し、ステークホルダーに向けて透明性レポート等を通じた情報開示を行う
- サイバーセキュリティやインテリジェンスにおける、官民の人的交流を促す
- 誹謗中傷やクリックベイト等の有害なコンテンツに対し、業界基準や自主基準に基づく利益配分の傾斜付けや非表示、削除等を通じたコンテンツモデレーションを実施する
- ユーザーが発信者の信頼性を判断する際の補助となる情報を公開する
- ユーザーが報道機関や公的機関の発信とそうでない発信とを判別しやすいようにする
- 発信者に対して良質なコンテンツの作成を促すため、PV以外の評価指標を導入する
- 受信者(ユーザー)に対して良質な情報へのアクセスを促すための、インセンティブ付与やリテラシー向上のための施策を行う
同報告書は、デジタルプラットフォームが民主主義、すなわち「基本的事実に基づく議論を通じた合意の形成」を行う場として発展していくためには、政府から市民まで、社会全体からの信頼を獲得する必要があり、デジタルプラットフォーム事業者は、表現の自由や通信の秘密といった基本的人権を守りながら、必要なルールの策定や高い透明性の確保が求められると提唱。その上で、デジタルプラットフォーム事業者は、政府をはじめとするステークホルダーとの議論を進めていく必要があるとした。
LINEヤフーは、今回の提言書を踏まえ、デジタルプラットフォーム事業者として、情報空間のエコシステムの健全性、信頼性を確保するための取組みを引き続き検討、実践していくと表明した。
【参照ページ】LINEヤフー設置の有識者会議、デジタルプラットフォーム事業者の在り方について提言
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