帝国データバンクは1月26日、物流の2024年問題に関し、経営影響についての企業意識調査結果を発表。68.6%が「マイナスの影響がある」と見通していたことがわかった。
【参考】【日本】政府、物流2024年問題で業界団体等の自主行動計画を公表。現場改善策が列挙(2023年12月31日)
建設業、運転手、医師の3つの職種では、時間外労働の上限規制が2024年4月から適用される。これにより、すでに人手不足状態にある物流業界では、さらに人手が不足し、需給が逼迫するとみられている。同調査では、約11,000社から回答を得、そのうち中小企業が84.7%を占める。
今回の調査で「マイナスの影響がある」と回答したのは、卸売業で79.6%、農林水産業で78.9%、小売業で76.4%、製造業で76.2%、運輸・倉庫業で73.6%、建設業で70.7%。ものづくりや流通に関連する幅広い業界が先行きを懸念していることが明らかとなった。
具体的な影響では、農林水産業、製造業、卸売業では、物流コストの増加が圧倒的に多かった。荷主側企業では、配送スケジュールの見直しも比較的多かった。建設業と運輸・倉庫業では、人手不足の悪化や人件費の増加が多かった。
今回の調査では、有効回答約11,000社のうち、すでに運送費値上げ等の対応をしているところ62.7%にのぼることもわかった。農林水産業、卸売業、運輸・倉庫業では半数以上が値上げ受入を実施。一方、業務のシステム化や効率化等の抜本的な対策に踏み出しているところは、全体で25%程度にとどまった。
対応を実施してない企業側では、「これまで通り問題が生じない」が34.6%と多かったが、「2024年4月以降問題が生じた際に対応する」も33.6%を占め、今後問題が広がるおそれもある。さらに、「自社だけでは対応策が検討できない」が27.5%、「どのように対応すればよいかわからない」が15.8%あり、対策が遅れている状況も浮き彫りとなった。
求める支援策では、「金銭的支援」が最多で値上げに対する補助を求める声が多かった。物流施設の自動化・機会化は16.5%、外国人人材の活用促進は15.9%、新技術開発支援は12.8%にとどまった。
【参照ページ】物流の2024年問題、約7割の企業でマイナス影響見込む
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