国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は12月、オフグリッドの再生可能エネルギーに関する2023年度の報告書を発表した。2013年から2022年までの10年間のデータを分析し、世界で大幅に設備容量や利用人数が増加したことを示した。
世界には、基本的なエネルギーにアクセスできない人が、依然として6.6億人以上いる。オフグリッドや分散型のエネルギーシステムは、特にエネルギーアクセス率の低いサハラ以南のアフリカや南アジアにとって重要な手段となっている。
【参考】【国際】IRENA、IEA等、SDGs目標7「エネルギー」の進捗報告書を発表。アクション不足に警鐘(2023年6月9日)
同報告書は、2013年から2022年まで10年間の発展途上国でのオフグリッドの発電設備容量、バイオガスの生産量、双方の利用人数の推移を分析。再生可能エネルギーによるオフグリッド発電量は、ほとんどの国で公式統計がないが、行政データとIRENAの調査を組み合わせ、世界の傾向を推計した。
結果、オフグリッド太陽光発電による照明の利用人数は、2013年の4,000万人から2022年には1.1億人に増加。電気を利用できない農村部では灯油ランプやろうそく等を活用することが多く、排出される煙により健康問題を引き起こす問題を抱えていた。アフリカでは2022年に5,300万人が利用。世界全体の利用者数は新型コロナウイルス・パンデミック以降減少傾向にある。
(出所)IRENA
また、各国のエネルギー政策では電気以外の支援が軽視されており、特に調理エネルギーに対する支援が不足している。調理用バイオガスを活用している人数は、2013年から2022年までほぼ横ばいで1.2億人以上。薪や炭を利用した調理は室内汚染の原因となり女性や子供の健康を害するが、クリーンな調理用バイオガスが普及し生活環境の改善や気候変動の影響緩和に役立っている。
(出所)IRENA
【参照ページ】Off-grid Renewable Energy Statistics 2023
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