首相が本部長を務める持続可能な開発目標(SDGs)推進本部は12月22日、9月ぶりに第14回会合を開催し、「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」を改定した。同推進本部は首相が本部長、官房長官と外相が副本部長、その他の国務大臣が本部員として構成されている。
同推進本部は、当初は日本政府がSDGs達成に向けた重点項目を整理し、関係省庁の連携を図るために設置された。但し、実質的には年に1回会合が開催され、「ジャパンSDGsアワード」の受賞団体を発表する場となっている。それに合わせて、実施指針やアクションプランの文言の微修正が行われている。
SDGs実施指針は、日本政府がSDGsとして重要分野と認識している内容が、お題目のように列挙されている文書。ほぼ全て定性的な内容で占められている。初策定は2016年で、2019年に最初の改定を実施。今回が2回目の改定となる。とりまとめは外務省国際協力局地球規模課題総括課が担当しており、内政と外交の全体を統括できる体制にはなっていない。
今回の改訂では、有識者が集まる「持続可能な開発目標(SDGs)推進円卓会議」を開催し、委員から意見を収集。その後、事務局で他の内容も勘案し、パブリックコメントの募集を実施。基本的に、各委員が「文言を加えるべき」と指摘した事項が追加された。
SDGsの達成に向けては、到達ゴールを明確にし、バックキャスティングをして課題を克服していくアプローチが重視されている。一方、日本政府の進め方は、「重視すべき項目」を定性レベルで書き出し、それに基づいてアクションプランの中で既存の政策分野をプロットし、進捗状況を定量的に図るというスタイルとなっている。これではSDGsの達成は難しい。
【参照ページ】持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合(第13回)
【参照ページ】持続可能な開発目標(SDGs)実施指針改定案の意見募集の結果について
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