ブルームバーグ・フィランソロピーは12月1日、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)の場で、「グローバル・キャパシティビルディング連合(GCBC)」を発足。気候変動戦略の策定支援を求める新興国及び発展途上国(EMDEs)の金融機関を対象に、気候変動ファイナンスのキャパシティビルディングと技術支援を強化する。国際機関等が多数参画を決めた。
同連合に参画するのは、世界銀行、欧州復興開発銀行(EBRD)、米州開発銀行(IDB)、アフリカ開発銀行(AfDB)、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、グラスゴー金融同盟(GFANZ)、国連責任投資原則(PRI)、国連環境計画金融イニシアテチブ(UNEP FI)、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)、国連開発計画(UNDP)、国連気候ハイレベル・チャンピオン、グローバル・ブレンデッド・ファイナンス・アライアンス、ファイナンス・イン・コモン(FiCS)、ブルームバーグ・フィランソロピー。元米証券取引委員会(SEC)委員長のメアリー・シャピロ氏が議長を務める。
オブザーバーとして参加するのは、国際通貨基金(IMF)、アジア開発銀行(ADB)、気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)、緑の気候基金(GCF)、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局。
同連合は、発足に際し、7つの優先課題を設定した。
- EMDEsの金融機関に対し、スキルアップ、技術支援、トランジションファイナンスのリソースを提供し、キャパシティビルディング支援。
- ギャップを特定し、技術的または市場特有のギャップを埋めるため、必要な追加的リソースを開発。サステナブルファイナンスを拡大するためのキャパシティ需要が既存のツールやリソースでカバーされていない場合、受益者はギャップに対処するための新たなリソースを要請することが可能。
- 気候変動適応とレジリエンスに焦点を当て、適応に関する主要な知識を民間金融の意思決定に統合
- ナレッジ共有メカニズムを確立し、研修、学習、技術支援要請のためのオンライン・プラットフォームを構築し、アクセシビリティとデリバリーを加速。
- キャパシティビルディングに関わる全てのステークホルダー間の連携を促進し、努力やリソースの重複を防止。
- 新興経済発展途上国における気候変動開示、移行計画(トランジション・プラン)、適応資金を支援するための慈善資金を動員
今後新興国では、2030年までに年間2.4兆米ドルの気候変動資金が必要になると試算されている。このうち約半分は国内調達による資金と予想されるため、各国内での金融機関の理解が重要となる。
【参照ページ】UN Agencies, Multilateral Development Banks, Private Sector Finance, and Philanthropy Leaders Unite to Scale Climate Finance Capacity Building
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