自然破壊からの回復と生態系保護のための包括的アクションを求める国際的な連合体Business for Natureは11月13日、昆明・モントリオール生物多様性枠組み(GBF)のターゲット18について、各国政府向けに環境有害補助金(EHS)の改革に関する具体的ステップを提唱した。
ターゲット18では、「補助金を含む生物多様性に有害なインセンティブを2025年までに特定し、公正、公平、効果的及び衡平な方法により、廃止、段階的廃止又は改革を行う。最も有害なインセンティブから開始し、2030年までに少なくとも年間5,000億米ドルを大幅にかつ漸進的に削減し、生物多様性の保全と持続可能な利用のために有益なインセンティブを拡大する」と規定している。
今回の提言では、EHSは意図せずして、持続不可能な生産、天然資源の枯渇、生態系の劣化を促していると指摘。EHSは市場価格、資源配分、投資決定を歪め、不公正な競争を助長し、風評リスクを生み出し、最終的には大手企業が自らの自然へのコミットメントを果たすことを妨げており、大企業の立場から効果的な改革を求めるとした。
EHS廃止のために政府が採るべきアクションでは4つのステップを提示した。
- あらゆる政策分野にわたるEHSの種類と規模を特定し、評価するための国家評価を実施
- ステークホルダーと協議し、EHS改革の必要性に対する認識を向上
- 確固としたEHS改革ロードマップを共同開発し、公表
- 本来の社会的目的を維持または強化しつつ、公正な移行(ジャスト・トランジション)を確保するための改革を実施
- EHS改革のための説明責任とガバナンスを強化
- 国際協力と通商協定を強化
また、政府のEHS廃止を企業として後押しする方法も示した。
- 直接的な事業活動やサプライチェーンを通じ、自社が受け取るEHSの種類と量、依存度合いを評価
- 受け取っているEHSの量と、企業業績に与えるインパクトを開示
- EHS改革にコミット
- EHS改革を主導し、業界慣行を変革
【参照ページ】Recommendations to governments on how to implement Target 18 of the Global Biodiversity Framework
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