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【中国】発改委、石炭火力発電所に容量市場制度導入。再エネ導入加速へ

 中国国家発展改革委員会は11月10日、石炭火力発電を対象とした容量市場を創設すると発表した。2024年1月1日から開始する。再生可能エネルギー等を拡大するため、石炭火力発電を調整電源として活用していく考え。

 同委員会は今回、中国の2022年の再生可能エネルギー新規設備容量は120GWで、発電量は20万GWhに及ぶと説明。新規発電量のうち3分の2を占めるとした。さらに、中国での再生可能エネルギー設備容量は急速に成長すると見立てており、容量市場を創設して、調整電源としていくとした。

 容量市場の創設に際しては、石炭火力発電所の運転コストを、減価償却費、人件費、修繕費、金融費等の固定費と、石炭燃焼費等の変動費に区分し、固定費は容量市場での収入で、変動費は売電での収入で賄っていく2部料金体系に移行すると説明。従来は売電のみ1部料金体系だった。

 容量市場の価格は、石炭火力発電ユニットの固定費の一定割合を回収する方法で算出する。固定費水準は全国一律で1kW当たり330人民元と設定。それに基づき、2024年から2025年は固定費の約30%を回収する水準として1kW当たり100人民元。2026年以降は50%以上に引上げ、1kW当たり165人民元とする。但し、実際には、再生可能エネルギーの電源率や、各地域事情を勘案し、個別に設定される。

 容量市場の対象となる石炭火力発電所は、国家規格を満たす一般の石炭火力発電所全て。一方、国家計画に沿わない石炭火力発電所や、柔軟な調整能力を持たないものや、適切な環境基準を満たさない等の国家要件を満たさないものには適用しない。また、容量市場の査定も行われ、石炭火力発電設備が発送電指示に基づき、申告された最大出力を提供できなかった場合、その回数に応じて容量市場収入が減額される。具体的には、1ヶ月に2回の場合はその月の容量料金の10%、3回の場合は50%、4回以上の場合は100%が減額される。容量料金の減額が年間累計3回発生すると、容量市場の取得資格が取り消される。

 容量市場の費用負担は、系統運用コストに含まれ、毎月需要家から徴収される。今回の制度は、上乗せ料金ではなく、2部料金体系への移行の形態となっているため、同委員会は、需要家への料金影響は小さいとみている。むしろ今後、再生可能エネルギーや原子力発電の導入が進むことで、価格は若干下がっていくと見立てている。

【参照ページ】国家发展改革委 国家能源局关于建立煤电容量电价机制的通知
【参照ページ】国家发展改革委有关负责同志就建立煤电容量电价机制答记者问
【参照ページ】国家建立煤电容量电价机制

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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