EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は11月7日、政治広告の透明性とターゲティングに関する新規則案で政治的合意に達した。今後、双方での立法手続きに入る。欧州委員会が2021年11月25日に提出していた。
同規則は、選挙に対し情報操作や外国からの干渉がもたらすリスクに対処するもの。市民が政治広告を容易に識別し、政治広告の背後にいる人々や、自身がターゲット広告を受け取ったか事実を視認することで、十分な情報に基づいた投票行動を選択ができるようにすることを目的としている。
同規則では「政治広告」を、政治的行為者による、政治的行為者のための、政治的行為者のための、政治的行為者のためのメッセージで、EU、EU加盟国、地域、地方レベルでの投票行動や選挙、国民投票、立法、規制プロセスの結果に影響を与えるよう意図されたものと定義している。また、メッセージの準備、配置、宣伝、公表、配信、普及を全て含む概念としている。さらに、有料で出稿している広告だけでなく、組織内の政治広告も対象となる。一方、編集責任下にある政治的見解やその他のコンテンツ、また個人的な立場で表明された見解は、規制の対象外となる。
規則内容では、まず、オンラインでの政治広告では、ターゲティングする際に使用する個人情報は、個人情報主体が政治広告への利用を明示的かつ個別に同意した場合にのみ利用できるようになる。また、人種・民族、政治的信条等の個人情報を使用したプロファイリングは全面的に禁止される。
また、外国からの干渉を防ぐため、選挙や国民投票の3ヶ月前に第三国のスポンサーに広告サービスを提供することを禁止。さらに、欧州委員会に対し、すべてのオンライン広告と透明性に関する通知に関する情報をまとめ、公開することも求めた。
同規則は、発効から18ヶ月に適用することでも合意。ただし、政治広告の詳細定義や、政治広告のスポンサーの居住地や設立地のみに基づいてサービスを制限することはできないと規定する、いわゆる「無差別条項」は、欧州議会選挙の時期に合わせて適用される。
【参照ページ】Transparency and targeting of political advertising: EU co-legislators strike deal on new regulation
【参照ページ】Commission welcomes political agreement on transparency of political advertising regulation
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